探偵はひとりぼっち

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探偵はひとりぼっちの評価:

3.84/5点 レビュー 19件。 E ランク

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平均点3.84pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全30件 21〜30 2/2ページ
No.10
(4pt)

作者のスタンスを感じる一作。

前作で恋人ができた探偵。
しかし、ある意味それで骨抜きになったようだ。
そんな折、
殺人事件が起こる。
おかまバーのアイドルが、
無残な殺され方をした。
しかし、
なぜか捜査が進まない。
探偵は自ら捜査することを決意する。
しかし、どうやらことは想像以上に大きな力によって、
握りつぶされようとしていた。
政治的な思惑が絡み、
その力は大きく、
ススキノの知り合いたちも、
彼から遠ざかっていく。
一人事件に向かっていく探偵の物語。

正義感の在り方が、
素直で、子どもっぽいところが、
彼の魅力。
特に、マイノリティーな人々への視線が、
とてもあたたかい。
この辺は作家のポリシーだろう。
政治的な思惑が絡むことによって、
さらにその反権力的な意気込みを感じた。

これまでのシリーズの中では、
最も切なく、
また、
ラストのひねりも面白かった。
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 探偵はひとりぼっち (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152081546
No.9
(4pt)

作者のスタンスを感じる一作。

前作で恋人ができた探偵。
しかし、ある意味それで骨抜きになったようだ。
そんな折、
殺人事件が起こる。
おかまバーのアイドルが、
無残な殺され方をした。
しかし、
なぜか捜査が進まない。
探偵は自ら捜査することを決意する。
しかし、どうやらことは想像以上に大きな力によって、
握りつぶされようとしていた。
政治的な思惑が絡み、
その力は大きく、
ススキノの知り合いたちも、
彼から遠ざかっていく。
一人事件に向かっていく探偵の物語。

正義感の在り方が、
素直で、子どもっぽいところが、
彼の魅力。
特に、マイノリティーな人々への視線が、
とてもあたたかい。
この辺は作家のポリシーだろう。
政治的な思惑が絡むことによって、
さらにその反権力的な意気込みを感じた。

これまでのシリーズの中では、
最も切なく、
また、
ラストのひねりも面白かった。
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681)) Amazon書評・レビュー: 探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681))より
4150306818
No.8
(5pt)

私小説的な「探偵物語」として楽しむ


 札幌・ススキノを根城とする「便利屋探偵」のシリーズ第4作目は、「オカマのマサコちゃん」の殺害事件で幕を開ける。前作『消えた少年』では、所謂「M(問題)教師」などに焦点を当て、とんでもない結末に終わったわけだけど、この長編では、歓楽街の隅っこに生きる人間に対する探偵の《敵討ち》がメインとなっている。そして、そこに立ち塞がるのが「政治がらみ」の連中だ。この中心となる政治家に、北海道の読者ならば「ハハ〜ン」となるのだが、もちろん“純粋なフィクション”として筋立てを堪能すればよいだろう。

 このシリーズの主人公である探偵の《俺》は、作者の東直己さんの“一卵性双生児”と言って過言ではあるまい。そこにある“信念”は、アウトサイダー達への“温かいまなざし”だろう。「ススキノ探偵」シリーズを通読して感じるのは、この「探偵物語」が厳密な「推理小説」でも、アメリカ的な「ハードボイルド作品」でもない、ということだ。あくまで主人公は、東さんの“双子の兄弟”であり、《俺》の私小説的な「探偵物語」ということになろう。だから、全体に「謎解き」といえる部分は、ほとんどが主人公の“外部”からもたらされる。

 従って、「推理小説」又は「ハードボイルド小説」としてこのシリーズを追っていくと、些か欲求不満あるいは不完全燃焼状態に陥るかもしれない。それで、そうしたジャンルがあるか否か判らないが、私は“私小説的な「探偵物語」”という風に述べたのだけど、これはこれで可能な領域だと思っている。確かに、第3作目の『消えた少年』では、ちょっと展開に無理があるかな、とは感じた。しかし、それでもプロットの根っこに存在論的な人間観察の結果があることは間違いないだろう。これからも大いにススキノで暴れて欲しい。
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 探偵はひとりぼっち (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152081546
No.7
(5pt)

私小説的な「探偵物語」として楽しむ


 札幌・ススキノを根城とする「便利屋探偵」のシリーズ第4作目は、「オカマのマサコちゃん」の殺害事件で幕を開ける。前作『消えた少年』では、所謂「M(問題)教師」などに焦点を当て、とんでもない結末に終わったわけだけど、この長編では、歓楽街の隅っこに生きる人間に対する探偵の《敵討ち》がメインとなっている。そして、そこに立ち塞がるのが「政治がらみ」の連中だ。この中心となる政治家に、北海道の読者ならば「ハハ〜ン」となるのだが、もちろん“純粋なフィクション”として筋立てを堪能すればよいだろう。

 このシリーズの主人公である探偵の《俺》は、作者の東直己さんの“一卵性双生児”と言って過言ではあるまい。そこにある“信念”は、アウトサイダー達への“温かいまなざし”だろう。「ススキノ探偵」シリーズを通読して感じるのは、この「探偵物語」が厳密な「推理小説」でも、アメリカ的な「ハードボイルド作品」でもない、ということだ。あくまで主人公は、東さんの“双子の兄弟”であり、《俺》の私小説的な「探偵物語」ということになろう。だから、全体に「謎解き」といえる部分は、ほとんどが主人公の“外部”からもたらされる。

 従って、「推理小説」又は「ハードボイルド小説」としてこのシリーズを追っていくと、些か欲求不満あるいは不完全燃焼状態に陥るかもしれない。それで、そうしたジャンルがあるか否か判らないが、私は“私小説的な「探偵物語」”という風に述べたのだけど、これはこれで可能な領域だと思っている。確かに、第3作目の『消えた少年』では、ちょっと展開に無理があるかな、とは感じた。しかし、それでもプロットの根っこに存在論的な人間観察の結果があることは間違いないだろう。これからも大いにススキノで暴れて欲しい。
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681)) Amazon書評・レビュー: 探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681))より
4150306818
No.6
(5pt)

寒い札幌のホットなストーリー

最初からおかまたちが生き生きと描かれていて、ストーリーの波の中にあっという間に埋没してしまう。
後はただページを繰るだけ。
主人公の減らず口が楽しい。
声を立てて笑い、うんうんと納得して、結末は「ん?」の部分もあったけど、ストーリー展開のうまさ、「ひとりぼっち」のタイトルのわりに暖かな「俺」の世界で、十分おつりが来ると思った。
上質のハードボイルドだ。
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 探偵はひとりぼっち (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152081546
No.5
(5pt)

寒い札幌のホットなストーリー

最初からおかまたちが生き生きと描かれていて、ストーリーの波の中にあっという間に埋没してしまう。
後はただページを繰るだけ。
主人公の減らず口が楽しい。
声を立てて笑い、うんうんと納得して、結末は「ん?」の部分もあったけど、ストーリー展開のうまさ、「ひとりぼっち」のタイトルのわりに暖かな「俺」の世界で、十分おつりが来ると思った。
上質のハードボイルドだ。
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681)) Amazon書評・レビュー: 探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681))より
4150306818
No.4
(4pt)

探偵「俺」の好きな奴です。

我々男族の大半がそうであるよう。自分が大好きな女性または、大好きだった女性は世界で一番かわいい女であること。読んでいる間、「俺」に向かって「わかるよ」と答えている自分がいます。ストーリーは「ススキノ地域にて最高に性格が素敵なオカマ」が殺害される謎解き展開。わけのわからん組織に袋叩きにあい。ボロボロの「俺」。知り合いのヤクザ屋さんは今回は一番ハードボイルドしてます。ヤクザ屋=ハードボイルドは個人的には好きではないな・・・。殺人事件と「俺」の彼女に対するばからしく、まじめな表現、結末は個人的に大笑いし、満足しました。最後の彼女の言葉に「ホッ」と幸せにしてくれます。
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 探偵はひとりぼっち (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152081546
No.3
(4pt)

探偵「俺」の好きな奴です。

我々男族の大半がそうであるよう。自分が大好きな女性または、大好きだった女性は世界で一番かわいい女であること。読んでいる間、「俺」に向かって「わかるよ」と答えている自分がいます。ストーリーは「ススキノ地域にて最高に性格が素敵なオカマ」が殺害される謎解き展開。わけのわからん組織に袋叩きにあい。ボロボロの「俺」。知り合いのヤクザ屋さんは今回は一番ハードボイルドしてます。ヤクザ屋=ハードボイルドは個人的には好きではないな・・・。殺人事件と「俺」の彼女に対するばからしく、まじめな表現、結末は個人的に大笑いし、満足しました。最後の彼女の言葉に「ホッ」と幸せにしてくれます。
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681)) Amazon書評・レビュー: 探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681))より
4150306818
No.2
(5pt)

シリーズの一つの到達点だろう

 『探偵はバーにいる』でススキノ探偵の<俺>がデビューしたのがちょうど今から10年前の1992年。本書は長編第四作で1998年。28歳だった<俺>も中年の領域に入り、可愛い恋人もできて、多くのススキノの脇役たちとの繋がり方もよりいっそう年輪を経て、磨きがかかっている。 ハードボイルドの探偵はたいていどこか孤立した存在で反社会的な傾向があるものだが、このシリーズの主人公も例外ではない。そればかりか、むしろへらず口を武器に、真っ向から多くの社会の側から押しつけられる価値観に牙を剥いたりもする。 オカマのマサコちゃんが嬲り殺しにされる事件に端を発する、かなり奥深い今回の事件も、社会の闇に切り込んでゆく颯爽たるナイトの物語でありながら、ススキノで酒ばかりカッ食らう快桊¥主義者の<俺>は欠点だらけで親しみやすい非常に身近な存在であり続ける。まあ、それがこのシリーズの最大のポイントなのだけれど。 この主人公を作り出すことでほとんど成功したシリーズではあるけれど、ぶつかる敵の大きさは巻を重ねるごとにどんどん巨大になってゆくイメージがある。本作では権力に影響を与えることのできる代議士の不正に挑戦。 北の街のリアルな描写のなかで、ゆったりと好きな映画を好きなように語る主人公の面白おかしさがあるかと思えば、一気に緊張に持ってゆく権力機構の闇の暴力が取って代わる。これ以上ないようなメリハリがこのシリーズの厚みである。娯楽性と、何とも言えぬ人間たちの物語。友情の物語であり、そして愛情である探偵を取り巻く生活の匂い。それを書き切ることのできる筆力の確かさ。 この頃から東直己の作品からは大きな作家的自信を感じ取ることができるようになってきた。多作とは言えない彼が、作家という商売だけで飯を食えるようになるには、それでももう少しだけ時間を要さねばならなかったという話である。
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ・ミステリワールド) Amazon書評・レビュー: 探偵はひとりぼっち (ハヤカワ・ミステリワールド)より
4152081546
No.1
(5pt)

シリーズの一つの到達点だろう

 『探偵はバーにいる』でススキノ探偵の<俺>がデビューしたのがちょうど今から10年前の1992年。本書は長編第四作で1998年。28歳だった<俺>も中年の領域に入り、可愛い恋人もできて、多くのススキノの脇役たちとの繋がり方もよりいっそう年輪を経て、磨きがかかっている。 ハードボイルドの探偵はたいていどこか孤立した存在で反社会的な傾向があるものだが、このシリーズの主人公も例外ではない。そればかりか、むしろへらず口を武器に、真っ向から多くの社会の側から押しつけられる価値観に牙を剥いたりもする。 オカマのマサコちゃんが嬲り殺しにされる事件に端を発する、かなり奥深い今回の事件も、社会の闇に切り込んでゆく颯爽たるナイトの物語でありながら、ススキノで酒ばかりカッ食らう快桊¥主義者の<俺>は欠点だらけで親しみやすい非常に身近な存在であり続ける。まあ、それがこのシリーズの最大のポイントなのだけれど。 この主人公を作り出すことでほとんど成功したシリーズではあるけれど、ぶつかる敵の大きさは巻を重ねるごとにどんどん巨大になってゆくイメージがある。本作では権力に影響を与えることのできる代議士の不正に挑戦。 北の街のリアルな描写のなかで、ゆったりと好きな映画を好きなように語る主人公の面白おかしさがあるかと思えば、一気に緊張に持ってゆく権力機構の闇の暴力が取って代わる。これ以上ないようなメリハリがこのシリーズの厚みである。娯楽性と、何とも言えぬ人間たちの物語。友情の物語であり、そして愛情である探偵を取り巻く生活の匂い。それを書き切ることのできる筆力の確かさ。 この頃から東直己の作品からは大きな作家的自信を感じ取ることができるようになってきた。多作とは言えない彼が、作家という商売だけで飯を食えるようになるには、それでももう少しだけ時間を要さねばならなかったという話である。
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681)) Amazon書評・レビュー: 探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681))より
4150306818