断絶への航海

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

断絶への航海の評価:

3.85/5点 レビュー 20件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.85pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全27件 21〜27 2/2ページ
No.7
(5pt)

異質のアイデアの噴流

西暦2020年、人類初の恒星間無人移民(!)船<観音>号は、

太陽系を離れ、遥か銀河の奥深くへと、

移住可能な惑星を探す旅に出た。

そして、第三次世界大戦後の2040年、<観音>号から通信が入った。

人間が生存可能な惑星を発見したので、人間を創造すると!

かくして<観音>号のコンピュータは、電子記号に直した遺伝子情報から、

惑星ケイロンに人間を誕生させ、地球社会の無意味な教育は施さずに、

知的に論理的に教育し、地球上とはあまりにも異質な

(人間は教育されなければ人間にならない。狼に育てられた赤ん坊の精神は狼である)

人間社会のユートピアを出現させた。

だが、2060年、荒廃した地球からケイロンに移住しようと精神レベルの低い人間たちが

<メイフラワー二世>号で旅立った。

内部に宗教施設さえある精神のレベルが低い<メイフラワー二世>号の移民たちは、

人間の常識と神の倫理と悪魔の知恵を遥かに越えたケイロン人に驚愕する。

狼が人間になるよりも、はるかなギャップがある。

人間たちはケイロン上でさまざまなトラブルを巻き起こす。

ケイロン人は神より上位の精神を持つ仙人をも越えている!

最高の魂とはコンピュータの魂にきまっとりゃーすがね!

とてつもなく素晴らしくて楽しい作品である。

異質のアイデアの噴流である。

普通のSF作家だったら長編10本分ぐらいになるだろう。

異質というのがワンアイデアで表現できると思っている想像力のないSF作家どもは反省するヨロシ。

政治形態とテックレベルが歴史に存在しなかった組み合わせであれば、

それで立派な異質な社会だと思っている自分で考える頭のない作家どもはサウナ風呂でのぼせ死んじゃえ!

この作品の社会こそが本物のセンスオブワンダーに満ちた異質社会である。

そして、人類が進むべき理想の社会である。

ホーガンの作品は理想的すぎて綺麗事を並べただけと思う人でも、本書は楽しく読めるであろう。
断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF)より
4150115044
No.6
(4pt)

断絶への航海

SFとは、形式が未来形を取っているだけで、現在の柵から開放された上で、純培養された、テーマを読むものというのが、わたしのスタンスです。その意味で、この作品は、子供も大人も自分のできることを、精一杯することが生きる喜びになるということを、改めて確信させてくれる

ものです。この世界の一人でも二人でも利権を追うことでなく、自分のできることが、世界を回していくことに気づき、どんなひとにも、何かは在るんだと発見することで、変化していくことができたらと希望がわきます。「気がつくのが遅くても、気がつかないよりは良い。」変えるのではなく、自らが変わって行くことを体験してください。
断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF)より
4150115044
No.5
(3pt)

どちらかというと哲学的に

SF的な冒険活劇を求めるとちょっと違うかなと思うかもしれませんが、この作品で出てくるαケンタウリの社会構造は哲学的に結構面白いと思います。
自分はこの本を読んで、社会を見る目が少し変わりました。
今になって読み返してみると、著者の想定している社会はオープンソース運動に実に近いと思います。
実際に生活必需品が無償で提供される社会であれば、この本に出てくるような社会が実現しても不思議ではないと思います。
断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF)より
4150115044
No.4
(2pt)

残念ながら、SFとしては今や古い。。。

学生時代ホーガンの作品に出会い夢中になりました。
その人類に対する楽天主義、科学・合理主義思考を至高のものとする内容は当時の私に大きな影響を与え、現在の私の考え方の元になっています。
しかしながら、最初の出会いから十数年がたった今、この本を読み直してみて感じることは、「SFとしては今や古い」というものです。
言い換えると「わくわくする気分」がもはや感じられなくなったということです。ホーガンの作品は大半が「アイディア小説」の範疇に入るものなので、そのアイディア自体が古くなってしまうと小説自体の説得力が大きく落ち込んでしまうという根本的な弱点を持っています。
具体的には遺伝子工学の取り扱いの弱さや、世代間宇宙船の技術的アンバランス(わずか20数年でアルファケンタウリに到着してしまう。)、そしてその中で営まれる現在とあまりに代わらない社会構造などが物語の説得力を落としているように感じられます。
個人的には今でも愛読書の一つですが、SFをある程度読まれている方であれば、あえてこれを薦める理由はありません。
昔の思いも含めて☆2つとさせていただきます。
断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF) Amazon書評・レビュー: 断絶への航海 (ハヤカワ文庫SF)より
4150115044
No.3
(5pt)

固陋なる我らの文明

ほんとうの意味で大切なこと、というのは世の中にいくつあるだろう・・・
本書が提示するテーマは、まさにその中のひとつ。

著者は英国に住んでいた頃、友人とアイルランド問題を論じていて本書のアイデアを得たという。
”民族間の確執を解消するには、少なくとも一世代のあいだ子供達を親から離して育てる他あるまい”
と考えたのがそもそもの始まりとか。

ケイロン的な社会の実現可能性に関して、いささかの疑念も持たないといえば嘘になる。
しかし旧弊に凝り固まり小利口に振舞おうとする私たちの精神に、本書は真に明るく鮮やかな
イメージで語りかけてくれる。
現代の社会はケイロン型社会へと到る道筋の、ほんの通過点に過ぎないのだということを。
断絶への航海 (ハヤカワ文庫 SF (586)) Amazon書評・レビュー: 断絶への航海 (ハヤカワ文庫 SF (586))より
4150105863
No.2
(5pt)

性善説、こうありたい

人をお互いに本当に信じ会えたらこれほど素晴らしい世界はない。
この本のおかげで、私は性善説で生きていこうと思った。だってその方が楽だもの。外れる人は醜いもの。
SFはあまり読まないけれど、ホーガンには、これではまった。
断絶への航海 (ハヤカワ文庫 SF (586)) Amazon書評・レビュー: 断絶への航海 (ハヤカワ文庫 SF (586))より
4150105863
No.1
(4pt)

ありえないからユートピア

ユートピア小説である。
遠く離れた植民星…。
子供たちが今現在の地球にはびこる様々な社会的矛盾から切り離され、機械によって育てられ、自然環境と闘ってたくましく成長した社会…。
物質転換技術の実現により、資源は無尽蔵にある世界…。
人種的・民族的偏見も、経済的な収奪・搾取も、その結果生ずる差別も、社会階層間の対立も、戦争もない社会…。
そうしたユートピアに、今現在の社会を引きずったままに到来する地球からの植民船団…。
彼らがもたらすドタバタ劇…。
設定は大変に面白い。それだけでも買いだと思う。
だが、理性は「こんな楽観的な状況、こんな人間が、あり得るはずがない」と言う。
「夢がないなあ」と感性がつぶやく…。
そんな作品。
断絶への航海 (ハヤカワ文庫 SF (586)) Amazon書評・レビュー: 断絶への航海 (ハヤカワ文庫 SF (586))より
4150105863