(短編集)

人魚ノ肉

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評判

人魚ノ肉の評価:

3.95/5点 レビュー 20件。 B ランク

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平均点3.95pt

Amazonレビュー一覧

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全22件 21〜22 2/2ページ
No.2
(5pt)

史実の妖しさと創作の怪しさ

人魚の肉を食べてしまい、新撰組の隊士が妖に化ける怪異譚。似たような先行作品はあるので、期待していなかったが発想がすごい。史実や言い伝えをしっかりと人魚の肉というフィクションにつなげている。

左目が潰れているが、なぜか死角の左から攻められると強い平山五郎。
池田屋事件で結核のため、喀血したと言われる沖田総司。
大晦日に介錯で汚れた手を洗いもせずに餅つきの返し手をした安藤早太郎。
切腹したにもかかわらず、数度蘇生し新撰組隊士に斬りかかった佐野七五三之助。
介錯の失敗が原因で首が横を向いたまま戻らなくなった横向き小文吾こと、沼尻小文吾。
山口次郎、斎藤四郎、藤田五郎など変名の数々を持つ斎藤一。

これらの実際にあった史実伝承を、百眼鬼、吸血鬼、ゾンビ、首なし幽霊、ドッペルゲンガーなどの怪異と絡めている。Wikiなどで各隊士の逸話を確認すれば、荒唐無稽な作り話を無理矢理怪異にしたのではないことがわかる。
特に感心したのは、いつも穴の開いた袷の服を着てそこから指を出して考えごとをしていたと言われる山南敬介だ。彼が怪異になるわけではないが、着物に開いた穴という伝承から、沖田総司とのドラマに重要なオチをつけている。見事。

ビックリしたのは、京都の女陰陽師が隠れ切支丹で血の儀式をしていたが、大塩平八郎に摘発され磔にされたというエピソード。さすがにこれは創作かと思っていたが、新聞の書評によると実際にあった史実らしい。これを幕末の新撰組に繋げるのは、やや乱暴だが豪腕には違いない。

個人的にニヤリとしたのは京都の北山に、口寄せの巫女がいるというエピソード。実はこれも史実で、今でも祇園などの花街では接吻のことを「北山(口同士を寄せる)」という隠語で言う。知ってる知ってると思わず膝を叩いてしまった。

史実の妖しさと創作の怪しさが絡み合う好編だ。どこまでが本当に史実か、を調べるのもまた楽しかった。
人魚ノ肉 Amazon書評・レビュー: 人魚ノ肉より
4163902856
No.1
(4pt)

新人の2作目とはとても思えない。実は凄い良作なんじゃあ?と思わせる

人魚の肉というと真っ先に高橋留美子の「人魚シリーズ」を思い出した。 新撰組やその時代の関係者が人魚の肉によって狂って行くという 設定が斬新で、史実をSFやホラーでぶち壊しながらもぐいぐい読ませる筆力がある。 かなりオリジナリティに富んだ良作。
人魚ノ肉 Amazon書評・レビュー: 人魚ノ肉より
4163902856