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手紙
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手紙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全427件 121~140 7/22ページ
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非常に読みやすい文体で書かれており一気に読めてしまいます。 内容的に重く、人間の嫌な部分を緻密に描写しています。 内容は現実の社会においても十分ありえる事柄で、読者が現実と重ね合わせる事により嫌な気分にもなります。 | ||||
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東野さんの時生をよんで映画にもなった手紙をよみました。誰も守ってくれないという映画も被害者家族を扱っていましたが裁判所学校側の対応の場面に相当ビックリでした。他人事ではないことに怖さもありますし、誰におきてもおかしくない描写がつづきますがやはり第三者としてみている自分がいることは恥ずかしい限りです。自分にも自分のまわりにも絶対おきることだと考えなければならないとおもいました。差別をしない人でありたいです。ラストで静かに涙がながれました。秀作です。 | ||||
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自分はどこかで、家族が犯罪を犯してムショに入っても 自分さえしっかりしていれば、何ら変わらない人生が送れる。 そう思っていました。正直甘かった。 この本を見て、悲しみの絶望に生きる弟の苦悩や、弟は頑張っている、大学にも行った。という自分の罪状がそれほど弟を苦しめているのかピンと来ていない兄との温度差が繊細に描かれています。 最後は弟の決断が下されるわけですが… これを読んで絶対に犯罪は犯したくないという気分になりました。 少し、日本がこういうドラマを好む理由が分かった気もします。 | ||||
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罪を犯すということはどういうことなのか。犯罪者家族の苦悩を掘り下げた本書は、今までとは別の視点で罪を犯すことの意味を深く考えさせられる作品でした。 | ||||
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東野圭吾というとミステリー、と思うが、これにはミステリー色はない。むしろ、ベテラン作家の筆が光る、人間ドラマだ。最後のストーリーの展開は、さすがに東野圭吾というべきか。弟の学費を稼ぐために強盗殺人罪という大罪を犯した兄と、その罪ゆえに人生を翻弄される弟。どんなに本人が努力しようと、「強盗殺人犯の弟」というレッテルが執拗に足を引っ張り、弟を苦しる。刑務所の中の兄から毎月届く手紙も忌まわしい過去を思い出させ、そのレッテルを確かめるものでしかなかった。 この物語の中で、特に心に響くのは、社長の言葉だ。「君が今受けている苦難もひっくるめて、君のお兄さんが犯した罪の刑なんだ」「もう少し踏み込んだ言い方をすれば、我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる――すべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね」 「諦めることにはもう慣れた」と、直貴は言う。兄の罪のために夢や恋、多くのことを諦めねばならなかった直貴。彼の最後の決断は、何の罪もない妻子のために、罪を犯した兄を諦めることだった。もう、それ以上諦めなくてもいいように・・・。「私たちのこれらの苦しみを知ることも、あなたが受けるべき罰だと思うからです。このことを知らずして、貴方の刑が終わることはないのです」直樹は兄への最後の手紙にそう書く。この背景にあるのは、非情と思われた社長からの言葉に他ならない。 罪と償い。この作品はその普遍のテーマを罪に巻き込まれた何の罪もない一青年の葛藤から描き出している。重い小説ながら、希望の光を与えることを、作者は忘れない。「これで終わりにしよう、何もかも。お互い長かったな」という被害者の言葉に、直貴が兄に向けて歌う「イマジン」。「秘密」、「変身」、「宿命」・・・、東野圭吾はいつも、最後の数ページでこの上ない余韻を作り出す。重いながらも、読んでよかった、と思える、名作だった。 | ||||
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自分がそれぞれの立場だったら・・・どうするだろうと考えながら 読んでいます。 | ||||
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「イマジン」を歌った直貴に、寺尾は、「ちゃんと想像してみろよ。差別や偏見のない世界をさ」と声を掛けた。 悪夢から解放され、普通の若者として生きていると信じかけた瞬間だった直貴。 でも、夢が潰えた時、直貴は、この歌を「悲しい歌だ。希望の光が見えず、闇でもがき苦しむ様子を歌っている」と思う。 そして、最後に、兄の前で歌おうとした曲も「イマジン」だった。 ジョン・レノンの「イマジン」が、「手紙」とともに、大切なキーワードになっています。 涙もろい私でさえ、一粒の涙さえこぼれなかったのですから、宣伝はオーバーだと思いますが、犯罪者と被害者、人間のエゴイズムとか差別や偏見など、多くを「想像」させられる本だと思います。 | ||||
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犯罪のトリックや犯人探しをするのではない作品です。 他にも幾つかありますが、これは非常に現実的なものです。 もし犯罪者が、殺人事件を起こした犯罪者が身内にいたら、、 と考えるとこんなになってしまうのか、というお話。 しかし、それはドキュメンタリーのように時を追って話が進みます。 犯罪者から送られてくる手紙がその弟と被害者に届けられますが 最後の最後でその弟がすべてを知り、何年間かの暮らしを 振り返ります。 これからどうするのか、どうなっていくのかを読者は想像させられますが 決してハッピーエンドには想像できない終わり方をしています。 これが非常に現実味を帯びていて、なんとも言えない気持ちにさせられます。 この作品に登場する電気会社の社長さんのような人は そうそういなさそうだな。でも、このキャラクターがこの作品をいいものに していると思います。 | ||||
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進学、就職、結婚・・・と、我々の人生の門出といえるものが、犯罪加害者家族にとっては、 過酷な境遇に出くわす前触れになってしまうということが生々しく描かれていて、心苦しくなった。 日本が豊かになるにつれて、差別という言葉の意味を再認識する機会に会うことが少なくなってきたが、 差別は文化的、地理的にも隔てなく、人が普通に日常生活を送る中で、いつどこにでも転がってくる危険性が あるということを、本書で学んだ。 | ||||
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殺人、これは決して許されることのない犯罪である。もし自分の身内(兄弟)に殺人を犯したものがいたら、自分はどうするか。それも自分のために殺人を犯したとしたら。それは当事者にならないと分からない。その時の動機、状況、自分が置かれた状況によると思う。 この小説の最後の場面は涙がとまらなかった。この本を読んでいるといつしか自分も本の世界に入り込んでしまう。東野らしいいい作品だ。 | ||||
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“世の中理不尽” “絶望”“なんで私だけ” 主人公は、犯罪者の弟と言う事で 自分は罪を犯していないのに、罰を受け続ける人生を虐げられる それは、仕事・生活・恋人など さまざまな事を我慢して耐えなければいけず、苦悩の毎日を虐げられていた。 “なぜ?私は悪くないのに罪を背負い、罰を受けないといけないのか” その答えは、この物語の中にあります。 いろんな意見があると思いますが、この本で人間であることの意味を見つけて欲しいです。 | ||||
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私はマジョリティーだ。 この話の主人公はマイノリティーだ。 しかし犯罪者は毎分毎秒現れている。その親類たるや・・少数では計り知れない・・。 人口の何%かは知らないが、こういう境遇の人はたくさんいるのだろう。おそらく自分が関わってる人の中にも・・。 私は人に迷惑かけないよう生きているつもりだ。しかし、自分がよければ良いという話ではすまされないということを思い知らされた。 良くも悪くも人は一人では生きていけないと言う事を思い知らされた。厳しい現実を思い知らされた。それだけでも読む価値は大いにある。 | ||||
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殺人を犯した兄とその弟の物語。ごれはビデオ化の方でも感動しました。本とビデオの内容は若干違いましたが意味は同じで面白かった。 | ||||
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殺人者やその家族、被害者の遺族の心境がとてもよく書けています。私がどの側に立ってもそう思うかもしれないと思います。あまりに簡単に人を殺してしまう今、読んでみてください。殺人は許せませんが、殺人者の家族、被害者の心境を考えてみてください。 | ||||
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兄の気持ちもわかるし、弟の気持ちもわかる。この手紙によって対比された心境が鮮やかですが ストーリーは非情なまでの現実を読むものに突き付け(少々やり過ぎという感じはしますが) 良く出来た構成ではあると思います。 途中読むことが辛くなりますがこれも作者の意図するところでしょう。 救いようのないやるせなさがなんとも言えませんが、世間はこんなにも冷たいものかという 情けない感情にもなります。 終章の「違うよ兄貴、あの手紙があったから・・・」ということが闇のなかでのひとつの救い のように思いますが重いテーマです。 | ||||
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差別・逆差別を問うている以上に、自分の感情に忠実に突っ走って大罪を犯し、贖罪と信じた自分の感情のままにさらに大事な人を傷つける。けして悪人でも愚鈍でもない兄を憎み疎ましくさえ思わせてしまう哀しさと、兄を心にかけながらも振り回されて傷つき苦しむ弟の葛藤が苦しい作品だった。 自分の心のままに罪を悔いたり、許しを問うたり、家族の絆を求めたりしてしまう兄の善良さやひたむきさは、読者が彼を憎みきれない分よけいに切ない。それを受け止めきれず、世間の逆風のなかで立ちすくむ弟の孤独や絶望がよりいっそう理不尽なものに思われてなんともやりきれない想いのまま読み終わった。それでも、弟の決断により、すべての人が、なんらかの形で過去から自由になったのではないかと思えるのは救いだっただろうか。 それにしても、日本には本当にこんなに悪意に満ちた人ばかりなのかというのが率直な感想でもある。アメリカでは身内に犯罪歴のある映画スターや自身が服役経験者のミュージシャンも少なからずいるが、世間の見方は「そんな逆境の中よくがんばって成功したね」とか、褒められたことでなくても「こいつそんな過去があったのに成功したんだなあ」といったもので、犯罪者の家族を弾劾し、贖罪を強要し、さらに世間から追放しようとするような底意地の悪さはあまり見かけない。 妊婦やお年寄り、ベビーカーや車椅子の人の苦境に、とっさに手を差し伸べられない、つまり本能的に人を助けたいというやさしさを持たない者の集まりは、こういった弱者をさらに痛めつけるような行動に出たり、あるいは平野社長のいうように「当たり前のこと」として容認してしまうものなのだろうか。 | ||||
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兄、剛志の文章能力の成長さが、かなしみを増す。時が経つにつれ、ひらがな混じりな頭の悪そうな文章が賢く、より家族との思い出また家族への愛情の深さが、表現豊かになっていきます。弟、直貴の世間の風当たりは過剰な描写じゃないかとも思いましたが、この作品は弱肉強食のように恋は盲目のように、切ない。ラストシーンは、個人的に原作は静かに考えさせられることになりましたが映画は考える間もなく丸坊主の玉山鉄二の芝居に泣かされました。みなさんに、この作品を見て、差別ではなく『愛』を感じてほしいです。 | ||||
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東野圭吾さんによる小説。今回はミステリー物ではなく社会派的なテーマに取り組んでいる。 加害者側から見た事件をめぐる葛藤、苦しみ、差別。 普段、凶悪な犯罪があった場合に私達はほぼ完全に被害者側からの視点しか持ち得ないと思う。 加害者もしくはその家族、関係者などはどのような苦悩を持つかを考えるきっかけになる。 進学、結婚、就職後、さまざまな課程で主人公である武島直貴は理不尽な扱いを受ける。 (朝美との恋愛、結婚については加害者の親族でなかったとしても厳しい感じはあったが) 直貴は早期からの理解者だった白石由紀子と結ばれる。そして娘も生まれてもなお 差別は家族を襲う。家族を守るため最終的に兄剛志とは絶縁を決意することになるのだが・・ 本書はこれでもかと世間の現実、私達がいかにレッテル貼りするか、差別してしまうものかを 突きつける。人間社会とは法律の範囲内だけで回るものではないことを実感する。 本書後半に登場する平野社長の差別は当然であるという発言は大胆ではあるが納得感もある。 本書の山場であると言って良いと思う。 罰を受けるのは自分だけではないことを認識しなきゃならんのだ。 会社にとって重要なのはその人物の人間性ではなく社会性なんだ。今の君は大きなものを 失った状態だ。しかし社会的な死からは生還できる。その方法は一つしかない。 こつこつと少しずつ社会性を取り戻していくことだ。他の人間との繋がりの糸を、 一本ずつ増やしていくしかない。 なぜ殺人は駄目なのか、なぜ自殺はいけないのかを明示している箇所は明快で感動する。 | ||||
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犯罪を犯すということは自分と相手だけはなく、家族をも巻き込んだ一家心中であるということ、それほど罪を犯すことは重い。 そんなわかっているつもりでも、あまり深く考えていない当然のことをそれをこの話で痛感させられました。 この話は確かに物語で、フィクションなのだが、ただどこまでも殺人犯の弟を現実的に描き切っており、『フィクションでないフィクション』といった印象を受けました。 兄が殺人を犯したということで、人生をずっと『殺人鬼の弟』として差別的に、色眼鏡で見られ続ける弟。 しかし、それは「差別」ではなく「区別」。 誰もかかわるなら犯罪者の弟よりそうでないほうを選ぶ、当然のことだ。 そんな言葉を劇中で弟は与えられます。 現実はどこまでも非情。 けれど弟はそれでも懸命に生きていく。 そして最後に、憎んだこともあった兄と再会……。 とても考えさせらえる内容の一冊でした。 ぜひお手に取ってみてください。 | ||||
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以前に映画を見たこともあって、ストーリーが分かっているからと小説は遠慮していました。でも、時間制約のある映画よりも小説のほうが掘り下げられていることが多いと感じ、読んでみました。 映画には設定のいくつかに違いのあることを知ることが出来ましたが、主旨についてブレていないことや感動の点では両者に大きな差がなかったように思いました。 映画・小説の両者ともに、弟の直貴のキャラクターには個人的に好感を持てませんでしたが、一方で由美子という女性に魅力を抱いたのは私だけではないでしょう。ストーリーを展開していく上で、効果を高めるための作者の意図的な設定だとうかがえますが、由美子のような女性に仕上げてしまうと現実味がなさすぎるようにも思います。 ところで、犯罪者とそれに関わる人達に対する差別については、日本の国民性と庶民の歴史的な背景を考えざるを得ないように思いました。本小説のように犯罪者を抱えるような立場になったとき、まさに地獄のような苦しみがあるからこそ、犯罪の抑止として脈々と戒めることわざや道徳の説法があるのだと気付きました。そして、このことは日本人が治安秩序を保つ術でもあり、世界が日本人に対する治安秩序の高さの評価につながる要因だと思うのです。 しかし、被害者側はさらなる苦しみがあるのも事実です。裁判などでは被害者側に対する不利益さも改善されているとは思えませんし、プライバシーに対するマスコミの姿勢は、どちら側にも好奇の目を向けさせるものとしか思えません。マスコミはまさにこの小説の意図とする「差別」の究極の立場にあたる存在と言えるでしょう。 これまでに自分と自分に関わる親族を含めて、被害者・加害者、自殺者のいずれの側の立場にもならずにすんできましたが、まさに感謝の一言に尽きます。明日はどうなるかは神様しか分かりませんが・・・。 タイトルの「手紙」。現在ではほとんどメールで事足りますが、メールも手紙も文が持つ重さとそれを発する背景に思いを巡らす必要があるのだと、改めて考えさせられました。 陳腐とお感じの方もおられますが、年をとると涙腺が緩むのでしょうか、兄の剛志が最後に遺族の緒方氏に宛てた手紙や刑務所への慰問で弟が見る兄の合掌の姿には、映画でも小説でも落涙してしまいました。 | ||||
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