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手紙
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手紙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全427件 261~280 14/22ページ
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すこし遅くなりましたが、話題作を読んでみました。 東野さんのいつものパターンらしく、主人公が落ち着いています。 決して激しい感情を表に出しません。 静かに物語が進んでいきます。 主人公の直貴はこれでもかというくらい差別を受けます。 その差別について、勤め先の社長が語る部分が、 私の中では一番心に響きました。 ラストはかなりつらい終わり方で、 これでいいの??という疑問が残り、 涙するという段階には全然至りませんでしたね。 そして最大の謎。 結婚したから良いようなものの、由実子の存在はちょっとコワイです。 直貴がおこるのも無理ありません。 あれははっきり言ってストーカーです。 どうしてつきまとったか、後で説明がありますが、 その理由もなんだか納得がいかないと言うか、 だとしてもそこまでする??と言う不気味さが残りました。 そのせいで、わたしには本筋がかすんでしまいました。 | ||||
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この本を読んで「私がその立場だったら」と考えさせられた方も多いでしょう。私は全く同じではないですが、少し近い立場です。夫の叔父が殺人犯なので。 そんな立場の私なのですが、この本を読んで「日本では犯罪者の身内ってそこまで差別されるものなのか」と思ってしまいました。私たちが住んでいる国では履歴書に家族構成どころか自分の生年月日すら書かないので、殺人犯を叔父に持つ夫も進学や就職で特に不利になることもなく、そこそこの社会的地位と平均以上の収入を得て他の人々と同じように平穏に暮らしていますし、私たち家族もこれまで差別を感じたことがありません。叔父のしたことと自分たちは無関係なので差別されて当然とも思わないし、個人主義のこの国では人種だとか別の差別はありますが、少なくとも個人の罪は家族全員で負うものという考えをする人は少数派でしょう。実際叔父のことを知っている人々も「それがどうしたの?あなたたちとは関係ないでしょ?」という感じです。日本だったら甥であっても叔父の行為に罪悪感を感じなければいけないのでしょうけどね。 もしこの本がこの国で翻訳出版されたら文化の違いに興味を覚える人はいてもなぜ主人公が差別されなければならないか、さらにそのような差別を少しでも肯定的に考える人間がいるということすら理解されないかもしれません。日本では「理想」でしかないことが、この国では「当然」です。そしてこのことに関しては私は日本よりもこの国の方が健全なのではないかと思います。でも日本では物語中に出てくるような、真実を知ってよそよそしくなる人間って本当にそんなに多いのでしょうか。結婚まではできなくても友達づきあいすらできないのでしょうか。少なくとも都市部ではそういうことも気にしない人間も少なからずいると思うのですが、少し楽天的すぎますかね。 | ||||
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強盗殺人で服役中の兄がいる為に、高校卒業から社会人までにいろいろな差別を受ける主人公「直貴」の心境や犯罪を犯した兄の心境を描いた作品。 犯罪を犯すということは、自らが刑に服役するだけではなく、その家族や被害者の家族にも辛い思いをさせることを改めで感じることができる。 やや、主人公に才能や人脈がありすぎるなぁ...という気はするが、東野氏のテンポの良い物語の展開で、十分に楽しめる一冊であった。 | ||||
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私は教誨師を父に持っていて、自分自身も信仰の観点からこの本を読ませて頂きました。 刑法犯、とくに死刑囚の多くは救いを何らかの宗教に求めようとすると聞きます。 差別はいけないと分かりつつ、結局のところは誰しも我が身、我が家がかわいいゆえに行われる静かな差別。また、逆差別。そこには犯罪者(また、その家族)は決して救われてはいけないという暗黙のルールがあるかのようです。これが一般社会の現実であり、人の創り出した倫理の限界なのでしょう。 今の日本は、名ばかりの道徳教育やマスコミ等の宗教に対する偏見報道によって、精神面が置き去りにされてしまっています。 宗教団体それぞれが、救いを求める人たちを支え、まるごと包み込める場所たりえるよう、宗教者は意識せねばならないと思いました。 | ||||
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涙するのは、差別は良くないって感動して、ではないと思いますが? そもそもこの作品は、(このような場合の)「差別は当然なんだよ」と言ってるわけです。 この作品が教えているのは、謝罪の気持ちや誠意というもの、思いやりの気持ちだと思う。 兄がね、強盗殺人という罪を犯してしまうわけですが、その殺人に対してはね、それはどうにもやむおえなかったことだな・・とは思えないのです。それには同情できないのですが、それに目を瞑ればね、とてもいいお話だと思う。 テーマ(設定)が、そんな兄を持った弟・・なわけですからね。 とてもいい作品だと思います。 | ||||
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大変面白く、一気に読んだ作品ですが、感動はしませんでした。直貴は強盗殺人犯の弟という事で様々な差別を受け、何度も道を閉ざされますが可哀想ですか?本当にそう思いますか?差別するでしょう。しない人間はいない筈です。殺人犯の弟の娘が自分の娘と同じ公園で遊んでる事を知ったら一緒に遊ばせますか?遊ばせないでしょう。そんな状況はめったにありませんがこの作品は私達が日頃無意識にしている差別をも浮彫りにします。でもその差別自体を咎める人はいません。それが"悪"ではないからです。犯罪者家族を忌み嫌う前にもっと正さなければならない事がある事を私はこの作品を読んで強く感じました。ただ読んで涙をながしているだけの人間にはなりたくない。 | ||||
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なんだか宗教的なタイトルにしてしまったが、本書で語りたい大きなテーマの一つだと思う。 強盗殺人を犯してしまった兄、そしてそれを背負って生きることになってしまった弟。 われわれは『差別はいけない』と小さい頃から言われ続けて生きる。 それは結局、この世の中には色々な差別がなくならない証拠でもある。 だが、差別が全ていけないことなのか??時には差別をしなければいけないこともあるのではないか? そして差別することで許す…ということもあるのではないか? 勿論、全ての差別を肯定するつもりはない。 だが少なくとも本書の主要人物たちにとっては、差別をある意味受け入れることで新たな道を見つけることができ、差別する人間を許すことができ、自分自身が変わることが出来たのだと思う。 本書を読み終わった時、色んな意味で自分自身を見つめなおしてみたい気持になった。 | ||||
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誰もが<罪>と共に生きている。どこかで誰かを傷つけている。 そんな恐怖のようなものを感じました。 でも生きていかねば。 ラストは、その後が気になる。・・・頑張れ・・・ | ||||
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小説ですから、話の持っていき方や展開が強引なのは仕方ありませんが、テーマとしては考えさせられます。犯罪者の家族と接するという境遇が、誰にでも身近にあることは間違いなく、またこの作品のように我々は関わりたくないという逆の差別をすることも間違いないと思います。後半、主人公は1つの選択をすることになりますが、もし我々が接する側だとしたら、どんな選択をすればよいでしょうか?難しいですよね、それに答えなんかないです。 | ||||
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逆差別と言う言葉を初めて聞きました。 辞書にものっていない悲しい響きの言葉。 差別だけでも苦しい中で主人公は逆差別にも苦しみます。 逆差別ーそれは人を思いやることでおきる悲しい差別。 人は道徳心がないわけではないのに、それでも犯罪者の弟というだけで 私達は壁をつくってします。 ジョンレノンさんのイマジンという歌がでてきます。 子供達が差別の意味を知るために辞書をひく時代、 そんな世界をイマジンー想像してみませんか? そして、想像するだけではなく逆差別などという 悲しい言葉が存在しない世界を自分達の手で 「想像」するだけではなく「創造」していきたいと感じました。 本当にたくさん人に読んで考えて欲しい作品です!! | ||||
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家族は、兄と弟しかいない。 たった二人に兄弟だからこそ、大切にしないといけない存在。 お金がない。弟を大学に行かせたい!という弟の事をおもうが故に、お金だけを盗む予定が、 殺すつもりがなかったのに…殺人を犯してしまいます。 その罪で大切なものを失っていく、悲しさがとても強く伝わってきました。 弟が恋愛・就職と幸せを掴みかけようとしたら、タイミングよく兄からの手紙が届いたり、 手紙の存在で、受刑者の身内がいると知らされてしまう。 弟が苦しんでいることもしらないからか、兄からの手紙の内容はあっけらかんとした内容で、 弟ばかりが生きる苦しみを味わっています。 人の命を奪う事は、自分が罪を償えば済む問題ではないし、自分の回りの家族やその子供まで、苦しめてしまうことが、痛々しいほどわかる小説です。 | ||||
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社会における差別や偏見の構造というものを、筆者なりに捉えている。またそういった差別を受け止めた上で、どう生きていくべきなのかというところにまで、話は焦点が当てられている。 また「手紙」における隠れたテーマであるのが、「切っても切れない絆」である。絆と言えば、聞こえはいいが、家族に殺人犯がいたとしても、その人が家族であるということには変わりない。家族という関係には一種の魔力があると思う。無条件に許しあえる、愛を分かち合えるなど。どんなに憎しみあっても、関わりを避けても、家族に変はないのである。家族や兄弟の関係において、問題を抱えたまま、目を逸らしつづけて成長した人間は、しっかりした人間にはなれないのかもしれない。血のつながりというものは、温かいものではあるが、また同時に「切っても切れない」、いや「切ってはいけない」ヘビーなものではないだろうか。 以上のことを踏まえて手紙の最後の章は、とくにじっくり読んでいきたい。涙ものです。 | ||||
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弟の進学費用を手に入れようとして、人を殺してしまった兄。逃れるすべも無く、“人殺しの身内”になってしまった弟(主人公)。夢、恋愛、就職…主人公が幸福を掴みかける度、“強盗殺人犯の弟”というレッテルが壁になって立ちふさがる。やがて主人公の幼い娘にまで、容赦の無い“差別”が降りかかる…。弟のたどる過酷な運命の節目節目に、兄との間に交わされる「手紙」がときに象徴的に、そしてときに劇的に登場する。獄中から兄が送った“最後の手紙”(それは弟あてでは無いのですが)とは…。 作者は最後まで、読者が心安んじられるような“救い”を用意してはくれない。そこにこの作品の“凄み”がある。こういう、「骨に直接、刃をたたきつけられる」ような重くて本質的で逃げ場の無いテーマに向き合うとき、それぞれの作家の懐の深さというか、覚悟というか、透徹する眼差しの鋭さや射程距離というか…もっと端的に「人としての器の大きさ」みたいなものが、まざまざと明らかになってしまう。 それでいうと…やはりこの作者は只者ではないと思う。 忘れられないのが、主人公(弟)が就職した会社の社長の、「罪の重さを知らしめ、社会の秩序を守るために、我々は犯罪者の身内を差別しなくてはならない」という言葉。最初読むと一瞬たじろぐのだが、後になってジワジワ効いてくる、重い言葉です。 ※同様の題材を扱った、重松清『疾走』、石田衣良『うつくしい子ども』などと読み比べるのも、なかなか興味深い読書体験かと思います。 | ||||
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もし家族が犯罪を犯してしまったら・・という誰にでも起こりうる重大なテーマに対し,奇麗事ではなく,真正面から向き合った意欲作。 両親をなくし,弟の学費の為・・と一瞬魔がさした為に強盗殺人犯となってしまった兄。学校,就職,仕事,恋愛,結婚・・と人生のターニングポイントのたびに,暴かれ,人生を狂わせていく「強盗殺人犯の弟」という世間からの冷たい視線,仕打ち。 さらに家族,子供にまでそのレッテルが付きまとう中で主人公が腹をくくらざるを得ない覚悟とは・・ 読んでいて,こういう結論に至るとは思わなかった。「片想い」でのジェンダーに関する考察と双璧をなす深さ,そして残酷な現実がズシンときた。 | ||||
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東野 圭吾さんの小説を読むのは、これが初めてでしたが、すんなりと読むことが出来て良かったです。久しぶりに感動、というか、小説を読んで自然と涙してしまいました。 いろいろな面で直貴に向けられる差別や偏見は、読んでいてとてもつらく、犯罪者の身内というだけで世間からどのような目を向けられるのかなど、ひしひしと感じました。 最終的に直貴が下した判断については、そういうこともあるのかな、と納得しました。 傍から考えると残酷な考えだと思うけど、生きていく為には仕方のないことだと。 今日、テレビや新聞などで犯罪が当たり前に報道されますが、加害者の身内のことはさほど考えにも及びませんでした。被害者の家族もつらいけど、加害者の家族もつらいということに気づかされました。 本当におすすめの一冊です。 | ||||
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あまりに丁寧にその心理描写がなされているので、まるで自分がその場にいて、その犯罪を犯そうとしている本人になったような気さえしてしまった。苦しくて、身の置き所がない気がして。加害者として、その家族として、どう生きるべきか。筆者はあえて、被害者側からの視点での描写をしていないのだろう、そのことで、いっそう、読んでいて苦しさがつのった。人の思いを推し量ることは、はっきり知っていることや知らされることより、苦しいものがあると思った。 | ||||
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弟(直貴)のもとに、獄中の兄から手紙が届く。数年前に弟の入学資金を稼ぐため、強盗殺人の罪で兄が服役してから決まりになっている。 しかし、そのことが、恋愛や仕事などの節々の大切な場面で、「強盗殺人犯の弟」というレッテルが貼られ不幸がふりかかる。兄を尊敬していた直貴だが、次第に関わりをもちたくないという兄に対しての不信。また兄の罪が降りかかってくる現実に対して逃避したく。結末はいかに。 小説に感情移入をし、一気に作品を読み上げました。映画化もされております。最後の感動のクライマックスも見ものです。涙なしには見られません。是非ご覧下さい。 | ||||
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強盗殺人を犯してしまった兄と、その弟が人生の節目(夢や恋愛、仕事)ごとに殺人犯の身内がいることを徹底的に意識させられる物語です。 努力や才能で順調にいきそうになるとその度に挫折を味わう弟の姿は、同情を誘い思わず「頑張っているのに…」と感情移入しそうになります。挫折を味わうたびに性格が徐々に歪んでいき、世間知らずの高校生が世を渡っていく術を身につけていく過程がリアルに描かれています。 しかし、作者は兄の罪で弟が世間から差別されることを単純にかわいそうとは思わせてはくれません。苦しんでいる弟に対し、「犯罪加害者の家族は罪を背負わなければならない」という就職先の社長の言葉には、その理由と共に考えさせられる部分があります。さらに考えさせられるのは、物語後半に弟に家族ができるのですが、その家族にまで兄の罪の影響が及び悩んでいる弟に向けられる社長のアドバイスと弟の行動です。 物語終盤にかけて弟の前に現れる選択肢は、どう進んでも明確な正解・不正解はなく、登場人物はもちろん読者にまで、「あなたならどうする?」と選択を迫ってきているようでもありました。 読み手にも逃げ場を与えてくれないような、隙のない作品ですが、読後暗い気持ちになるわけではなく、傑作だと思います。久々に手が止まらず一晩で読んだ本でした。 | ||||
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東野作品は初めて読みましたが、噂に違わぬ名作ですね。 最後のやりとりはかなりジーンときてしまいました。 相手のことを思っているからこそ、 時には突き放す必要があるのでしょうね。 家族愛とは?人生とは?優しさとは? いろいろと考えさせられた小説でした! | ||||
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両親もなく、まだ高校3年生だというのに「強盗殺人犯の弟」になってしまった直貴。 「強盗殺人犯の弟」という重たい十字架を背負って、たった一人で生きていかなくてはならない。 世間の差別に耐えながら、何とか生きていこうとするけれど、つかみかけた幸せも「強盗殺人犯の弟」という事で、すべてが駄目になっていく。 どんどん先を読んでいきたいのに、兄の犯した罪によって何もかもが台無しになっていく様子が手に取るようにわかるので、それが切なくて読むのが辛い。 のう天気な兄の手紙とは裏腹に、必死で生きている弟が、今度こそは幸せになれますように・・・と祈らずにはいられなかった。 そんな事を思う私は、ここに出てくる社長の言うような甘えた考えの人間なのだろうか。 | ||||
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