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手紙
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手紙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全427件 201~220 11/22ページ
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身内が犯罪者になった家族の物語です。 とても現実感があって、引き込まれました。 罪を犯してはならない社会と差別のなくならない社会は表裏一体かもしれないと思いました。 | ||||
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人の感情が色々であるように、それぞれ意見は様々だと思いますが。。 私はこの本を旅先の移動のバスの中で読み、涙が止まらなくなって困ったくらいです。 兄の弟を強く思う気持ちが罪を起こし、弟にとっては非情なくらい重い事となり、そのお互いの通じない思いが切なくもあり、弟が最後には兄を自分の枠から排除。しかし、兄の思いを本当はよくわかっている弟が最後に取る手段にも涙。。その時の兄の思いを想像しても涙。。切なくて切なくて仕方ありませんでした。。今、内容を思い出しても胸がキューっとなります。。 | ||||
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本作は、犯罪加害者の親族という十字架を背負うことになった青年の、 過酷な青春と自立を描くものです。 卒業間近で成績も良い高校生の直貴は、孤独な再出発を余儀なくされる。 大学進学を断念し、その日の糧を得るために働きに出る。 人並みの青春を送りたい、己を向上させたい、素敵な女性と出会いたい…。 誰もが描いて当然の人生計画を頓挫させるのは、 服役中の兄から送られてくる手紙、そして、兄の存在そのものであった。 ひたむきな努力と持ち前の才能や容貌、 反面、兄のせいで不条理な差別にぶつかることの繰り返しから生ずる卑屈さや諦念…。 直貴の青年期の激動は、たしかに紋切り型の一面も見られるし、 特に朝美とのくだりは単純に嫌悪感を覚えずにいられないのですが、胸を打たれます。 ちなみに、由美子というかけがえのない存在が常に伴走してくれる点については、 ちょっと恵まれ過ぎではないの、と言いたくもなります(笑) なお、重大な意味を持つ後半の平野社長の差別論、 また、始終顔を出す世間の反応については、私自身消化しきれない部分もあり、 再読する機会があれば、よく考えてみたいと思います。 最後に、兄弟それぞれにとっての手紙の意味合いに気づかされる終盤、 特に兄の受ける衝撃については、悲しくはあれど最も感動させられました。 | ||||
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小説としては非常に面白く、読み出したら止められなくなって、 一晩で一気に読んでしまった。色々な面から深みがない、浅いという 評価も多いが、面白いか面白くないかで言えば間違いなく面白い本だ。 しかし読み終わって、どうしても納得のできないことが一点残った。 例の差別についてである。 東野圭吾が本気でそう言いたかったのか、単に小説の材料として使った だけなのかは定かでないが、「犯罪者はその家族も含めて社会的な 罰を受けるべきで、それが犯罪の抑止力となる」という主張がされて いる。これだけはどうしても受け入れられない。 私はこの世に生を受けてからもうじき50年になるが、幸か不幸か身内に 犯罪者がいるという人と接する機会はなかった(あるいはいたのかも 知れないが、それを告白されたことは当然だが一度もなかった)。 だからこのような差別があると言うことをにわかに信じられないのだ。 確かに今の世の中、面倒なことには関わり合いたくない、自分のトクに ならないことには距離を置く無関心な人々は多いだろう。また、実際に 世の中には様々な格差があり、決して平等ではない現実も知っている。 口では奇麗事を言っても、いざ自分に関わることとなったらあっさりと 差別をする人がいることも知っている。私だって正直に言えば、そういう ことが皆無だとは言い切れない。しかし決して多数ではないが、世の中の 矛盾に関心を持ち、立ち向かって行こうとする人々がいるのも間違いのない 事実なのだ。 例えどんなに抑止力になろうとも、犯罪を犯してもいない犯罪者の家族が 社会的制裁を受けるというのは間違っている。こういうことで犯罪が 抑止されているというなら、それは暴力すなわち力による抑止である。 こういう事がもし本当にこの日本で行われている(それも無意識に)と すれば恐ろしいことだ。私たちはそれを認めてしまうべきではない。 犯罪者本人だけでなくその家族も不幸になって欲しいというようなことを 本欄に書いた人がいたが、私にはその意見に何の正当性も見つけられない。 犯罪者の家族が社会から何の差別もなく生きていくことは、現実的には 難しいだろう。しかし私たちはそれを公に肯定すべきではない。やはり 長い目で見れば、否定し是正していくべきなのだ。例え犯罪率が少々 上がって世の中が物騒になったとしても、自分が犯してもいない罪で 社会的に罰を受けるような世の中より遙かに良いではないか。 | ||||
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私個人の感想としてはあからさまに感動を促し涙を誘う小説ではないように思う。したがって、感情移入をして泣きたいがためにこの小説を読むと期待外れに終わってしまうのではないかと思う。だが、この小説が取り上げているテーマは重要なことである。普段ワイドショーなどで頻繁に人々の不幸が伝えられる。あまりにも頻繁過ぎてその事実の不幸さを油断すると忘れてしまう程である。この小説では、そのような犯罪が一つ起こることによりその被害者のみならず加害者にも多大な影響が与えるのかということを再認識させてくれる。また、日頃全ての人は平等であり自分は差別などはするはずがないと思っている人はこの小説を読んだ後、より深く差別について考える機会を持てるのではないか。 | ||||
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最近のニュースを見ると殺人事件が毎日のように報道されているので殺人犯の家族はどんな立場にたたされるのかという事が重く伝わってくる物語です。犯罪者の家族もその犯人と同じく社会から痛烈に差別されてしまう運命にさらされてしまう事で自分ならこの物語の主人公の様に強く生きていけるのかとても考えされられました。とても重く悲しく救いのないストーリーですがとても心をうたれました。この本をきっかけに東野さんの本を読むようになりました。 | ||||
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実兄が犯した強盗殺人の罪を、犯罪加害者家族である、弟の人生を見つめる良書。果たして実兄が犯した罪で弟はどこまでその罪を背負わなくてはならないのか。贖罪とは何なのか、を考えさせられる本書。弟は悩みに悩み、血を流しながら、その答えを見つけた。その答えは普遍的なものではない。なぜなら彼が彼の人生を通じて得た答えだからである。その弟の出した答えでさえ、果たして正しいのか悩む。その悩みがラストに通じる。 人生では時に、血の涙を流しながら考え抜いて、歯を食いしばって考えなければならない時がある。そんな時を迎える前に本書を読むべきである。先人が流した血を感じることができるから。 | ||||
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作品の後半に出てくる社長の言葉が このストーリーを格段に重くするものでした。 読者の感情を同情、怒り、悲しみ、驚きと 操っていく作者に5つ星をつけさせて頂きました。 どれを読んでも 引きづり込まれてしまいます。 | ||||
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弟のために・・・との思いから出た行動が 兄弟の人生を大きく狂わす事になる。 服役中の兄、その弟。 罪を犯した兄に対して 外の世界で生きる弟がどう接するか。 世間に対してどう生きていくのか。 かわいそう。 これは、「お話」として括りがちな偽善者の声なんだろうな。 慈悲深い姿なんて、 自分に関わりがないから出来るんだって 凄く凄く凄く凄く思った。 だってさ、それが現実なら 「話は別」って反応だよね。きっと誰だって・・・・。 厄介ごととは関わらない。 今の社会をふと思い起こしたり。 でもそれは、自分を守る姿だったり。 正しいかどうかなんて分かってるけれど 人の弱さ醜さをさらけだして問いかけた作品・・・かな? | ||||
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「差別はあって当然」 平均的な考えをする人であれば、訝しく思う言葉です。 しかし、何気ない生活において誰しも差別を正当化する状態に陥ることがあります。自分に無関係であれば差別を否定するが、関係すれば差別が正当化される・・・ それは、犯罪被害者の遺族、加害者の親族に対しても言えます。 果たして犯罪加害者ならば差別は許容されるのか? 自己矛盾の苦悩を、刑務所から送られる手紙を通じて克服する主人公に自分をあてはめると、新たな答えがでてくる物語ではないでしょうか。 | ||||
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肉親に犯罪者がいるだけで、その家族がこんなに苦労するんだということを痛感した。自分が弟の立場だったら兄を憎んだだろうか?苦労して生活する中で差別扱いされても暮らしていけるだろうか?そんなときでも信頼できる人を見つけることができるだろうか?といろんなことを考えさせられた。特に感動したのが、こんな境遇の直貴をずっと支え続けた由実子の存在である。たとえ世間からどんな目で見られようと、自分を信頼してくれる人がいるならばきっとなんとかやっていけると思う。 | ||||
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強盗殺人を犯した兄を持つ弟の人生を通して、 犯罪加害者を家族に持つ人間の苦悩、過酷な現実を描いています。 弟の行動のなかに見えてくる人生に対してのある種の「甘さ」というのが、 とてもリアルに感じられます。 ステレオタイプな登場人物も出てきて、すこし薄さを感じてしまうところもあったのですが、 全体としては、心に響く作品でした。 個人的にはラストシーンが秀逸です。 涙を流す感動とはちょっと違う気がしたのですが、とても美しいシーンだと感じました。人が人を殺してしまうこと、社会に絶対存在してしまう差別、 というテーマはありますが、 このラストシーンこそが「小説」としての力になっているのかなと思います。 | ||||
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経験上、被害者の家族の気持ちで読んでしまうので、最初のほうでは、主人公がルックスと頭の良さと仕事の有能さで、人の気持ちを掴んでしまうところを読むのが辛かった。主人公は犯罪者ではなく、犯罪者の弟であって、なんの責任も罪もないのに、そういう気持ちになる自分が醜いとは思ったが、罪を犯した人は、本人のみならず、家族までも不幸のどん底に落ちてほしいという気持ちがどこかにあった。この犯罪者の場合、今はやりの理由なき犯罪の多くとは異なり、同情できる部分が沢山あるのだが。 そこで、社長の話に心を打たれた。差別の正当化、と言ったら確かにその通りなのかもしれないが、私は、ある意味差別の正当化を支持する。特に日本の社会では、「自分が犯罪を犯したら、家族をどれほど不幸にするか」という恐怖が犯罪の抑止機能となっている側面が非常に大きい。他国、例えばスウェーデンなどでは、犯罪者の家族が差別されないような法整備ができているし、アメリカでは、犯罪者の家族のみならず犯罪者そのものとて日本ほど肩身の狭い思いはしないだろう。犯罪を犯した成人の親がモザイクをかけられてテレビの前で謝罪をするなんてことはないかもしれない。 それでも、主人公の本当の辛さは、本当の幸福を掴んだあとに来るのだと思った。奥さんの強さには頭が下がる思いだが、人間というのは、いや日本人というものは、正々堂々とレッテルをさらしながら生きている人に、普通に接したりすることは難しい生き物だ。生き方を変えてくれてほっとした。 ラストではどうしようもなく泣けた。不条理だが、どうしようもない。こういうものだと思う。 | ||||
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テーマは「犯罪者の家族をどう扱うか」である。いかにも重い。それでも、物語の中で殺人犯の弟は、差別と偏見にさらされる中で、いくつかの希望を見出すのだ。それは、たとえば友人であったり、目標であったりする。しかし、話が進んでいくと、殺人犯の家族だということがずっと彼に付きまとう。殺人者の家族は犯罪に関係はないのだから差別すべきではない―みんなそう思っている。しかし、いざ目の前に殺人者の弟が現れたとき、そんな建前は崩れ去ってしまう。みんな、差別をすべきではないと分かっている。だが、本音ではトラブルに巻き込まれたり、世間体を悪くすることを恐れている。それが世間であり、社会なのだろう。 しかし、それでも私はこのような差別は許されるべきではないと強く思う。子供ならまだしも、成長して自立した子供のしたことで親がなぜ責められなければならないのか。ましてや、兄がしたことに弟が責任を取る必要などあるわけがない。このような差別の根底にあるのは、優生思想であろう。ある種族や家系の人間は生まれつき優れているという思想。逆に言えば、犯罪者のDNAを持つ家族は排除すべきだという考えである。 東野は、私の考えとは真っ向から対立する意見を述べている。彼の意見は筋が通っており、納得もできる。しかし…それでも私は、差別に対しては正論を振りかざさなくてはいけない、という気がしてならない。ひとつの差別を認めることで、なし崩し的にほかの差別も肯定されるという危険があるからだ。また、差別を肯定することでこの世が少しでもよくなるとは思えない。それが実現しなくても、私たちは理想を持ち、それに向かって一歩一歩進んでいくべきだと思う。たとえ、それがどんなに青臭くても。 | ||||
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差別はいかんよ!!と思ってる人も差別するんやろな。おれもたぶんするし。 | ||||
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ストーリーとしては、兄弟の絆がテーマなのでしょうが、脇役として主人公を支える由美子が素晴らしいと思います。いつも彼を見守って、彼のために尽くします。見返りを求めない、いつもそばにいて励ます、無償の愛で彼を包む、由美子がいなかったらどうなっていただろう。働く場所も見つけられず、落ちぶれていたかもしれない。人と人とのつながりの尊さ、人を信じることの大切さを感じました。最後はもちろん、ただただ手を合わせて謝り続ける兄の姿に号泣しました。東野さんの作品はすべて読んでいますが、個人的には一番好きな作品です。 | ||||
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人間的な正義というと少しおかしいかもしれないが, 道徳的正義や自身が思い描く理想の選択を行うのは, ある意味,非常に容易な道であり自己満足は得られる。 それとは逆に自信が楽になるためとはいえ, シビアな選択をするのは非常に辛いものである。 人生の様々な場面において, 「自身にとって最上の選択とは何なのか」 考えさせられる物語でした。 | ||||
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剛志が起こした一件の強盗殺人をきっかけにして、半ば不可避なものとして次々と生まれる人間ドラマが様々な角度から見事に描かれている。平易な文体で書かれており、冗長な部分も一切なかったので、一気に読むことができた。小説として面白いのみならず、本書は、凶悪犯罪から遠いところで暮らしている私のような人々に、改めてそうした犯罪が人々に与える影響について考えさせる本でもあると思う。 | ||||
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160万人が泣いた感動作といううたい文句のわりには涙は出ませんでした。 登場人物に感情移入できなかったのと想像できる(よく見る感じの)エピソードが多かったせいかと思います。 しかし、最後まで飽きることなく一気に読み進められ、相当本書にひきつけられました。 展開がうまいです。 | ||||
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東野圭吾という作家にまったく先入観・知識なしなしにこの本を読んだが、 素直に感動した。 たまたまであるが、この本を読む前に「死の壁」「死の教科書」という新書を 読み終えたばかりで、”なぜ人を殺してはいけないのか”ということがひとつの テーマとして取り上げられていたが、この「手紙」においてもひとつのモチーフと なっている。(その意味では入り込みやすかった) 犯罪加害者およびその家族にここまで差別があることことに対して疑問を もつ一方で実際、身の回りで接することになったら、自分としてどうなのか 非常に考えさせる部分である。社長に言わせているこの犯罪加害者に 対する差別についての考え方は、賛否両論のあるところであろうが、 そこの判断を留保した上でも、非常に質の高い傑作であると思う。 (図らずも号泣してしまったが、ただそれだけの作品ではない) お勧めです | ||||
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