■スポンサードリンク
手紙
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
手紙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全55件 21~40 2/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東野圭吾さんファンなので、高評価のこの作品に期待していたのですが… 「すごく感動するらしいよ!」と、周囲に言われたので、期待に胸を膨らませながらページをめくり続けたら、感動することなく最後まで辿り着きました。 かんどころか、なんの感想もない話でした。 読み終わったときの気持ちは「うん。…それで…?」でした。 薄っぺらい!それだけです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
たった今、一気に読み終わりました('・ω・`) 因みに私わ東野圭吾モノを読んだのわこの『手紙』初めてです。 感想わ本当に複雑です。 先ず、私自身わ『凶悪犯罪者』否、 どんな『微細な犯罪者』でも虫酸が走るぐらい大嫌いで、犯罪者わ全て死刑でも良いと本気で考えてます。 アレコレ理由つけて(自分の都合のみで)何の罪も関係もない赤の他人を殺したり、盗んだり、傷つけたり、犯したり。信じられないし、気持ち悪いし怖い。犯罪者なんか全てゴキブリ以下だと真剣に思ってます。 冒頭の資産家のバアサンの屋敷に強盗に入る理由(自分の都合のみ&世の中への逆恨み)も、とても同情する気持ちになれませんし('・ω・`)何より、極限で巡りめぐった思考がソレ(強盗)ってアホの極みで寒気と嫌悪感が半端なかった。 発達障害?並みの兄・剛志の行動=『甘栗』と『応接セットでのテレビ観賞』 どんな理由つけても私から見れば あれってサイコパスがよくやる『異常行動』そのものだったし、何より バアサンを殺す件が超怖かったです。どっからどー見ても『ただの凶悪強盗殺人犯』そのもの。 頭の悪さを強調するためか、ムショからナオキに出す『手紙』も最初わ平仮名だらけで、そーゆー知能の低さも気持ち悪くて寒気がしました。こんなゴミクズみたいなカスに殺されたバアサン&バアサン遺族もさぞかし無念だったでしょう。 と、私わ導入部で剛志への強い苛立ちと嫌悪感が定着したのでナオキが受けとる手紙も『ナオキがストレスかかって可哀想』と感じました。 ナオキ自体わ『普通の青年』て印象だし嫌悪感わなかったけど『強盗殺人犯の弟』というレッテルも差別も『当たり前』だと思う派なので中盤に出てくる平野社長の『差別わ当たり前』発言わスカッとしたし、初めて『共感』できました。 だって片親でも貧乏でも頭が弱くても何でも『真っ直ぐで熱いまともな愛の溢れる強い絆で結ばれた家族やキョウダイ』で育った人間わ『絶対に』犯罪者にわならないから。絶対にね。これ断言します。 だから、ナオキにも責任わ絶対あるし、『殺人犯』の親族なんか差別されて当たり前です。隠すのわ勝手だけど、知られたり独白したりして周りの人間にストレスかけんな!ってかんじ。 そして、由美子。見栄えのしない便利屋由美子わこの小説で唯一の『ラッキーなひと』ですね。だって、ナオキが『普通』の背景の男なら、逆立ちしても結婚出来なかっただろーし。あんだけハッキリ ウザがられてるのに、ストーカーレベルで追いかけ最終的にわナオキと結ばれてますから。 『差別なんかで逃げないで』とか『自分の都合、周りの気持ちを考えないタイプの押し付けがましいピントのずれたポジティブさ』も 読んでて気持ち悪くてイライラしました。こゆ雑巾みたいな女、大嫌い。 朝美とゆーお宝を逃してしまったナオキにわ仕方ない選択だったんでしょーね。 それにナオキの朝美への愛も=資産家への執着も 中途半端で ちっとも可哀想ぢゃなかったです。プライドの高い男なら朝美の家に行った時の親父達の『反応』で無言で帰ってますから。ナオキもカッコ悪いと思いました。 総評 魅力的な人物が一人も出てこない小説。 ※※ただ、ラストのバアサン遺族の『これで終わりにしよう』の台詞と最後の『イマジン』のみ胸にきました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本のストーリーはほかのレビューにお任せするとして、備忘用に感想を。 東野圭吾の作品はこれで3作目くらいだったか。「容疑者Xの…」を数年前に読んだのは覚えている。 スラスラと読みやすく数時間で読み終えた。これは「娯楽小説」だ。 ただし「差別」についてこのような結末を語るには無責任な気がする。 これでは、「犯罪者の家族が差別されるのは当然」そういう論理がまかり通ってしまう。 人権無視も甚だしい。若い人たちがそういうメッセージを当然のように取ってしまいそうで心配だ。 話の展開もご都合主義で、登場人物も現実味がなく、小説だからと思っても読中、違和感がずっとあった。 サスペンスやミステリならいい。でも差別を取り扱ったり、人物の心情変化に焦点を当てる小説としては物足りなかった。 「差別」というとつい島崎藤村の「破戒」を思い出すが、「差別は当然」なんて臆面もなく言えるはずがないと思うのだが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東野圭吾さんの小説ということと、レビューの評価が高かったのでかなり期待してしまったのが間違いでした・・・。 兄はバカなの!?っていうくらい呑気な手紙送ってくるし、弟は顔が良くて歌も上手くてっていう設定が2時間ドラマや 漫画にありそうで全然感情移入も出来ないし、リアリティが無くて残念。 文章はさすが読みやすくてスラスラ読めるのですが、読後は何も残っていません。 タイトルが「手紙」だったから兄からの手紙はもっとリアリティがあって苦しく切なくなる話かと思いきや、全然そんなことないし 加害者家族という経験しなければ知りえない感情や生活が分かるかと思ったのにはっきり言って想像通りの生活だし。 先が読めちゃう為、ドキドキわくわくは無いです。 とにかく残念でした。たぶんもう一度読むことは無いでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「加害者家族」という立場の苦しみ。自分ではない人間の犯した 罪によって、左右させられる人生。現実世界において、なかなか 踏み込めない、慎重かつ大きなテーマだと思うのですが... 実際読んでみると、「思った通り」な展開なんですよね。 社会的に差別されるのも、兄とのやりとりも、「大体そうなんだろう」という 感じで、特にストーリーに変化や盛り上がりがあるわけでもなく、 題材の割に何か訴えかけたいことがあるようでもなく、「取材した インタビューの内容を、右から左に引用して話を作りました」という 感じで、想像のつくような平凡な展開。最後の遺族と話す シーンだけが、とって付けられたように不自然に思えました。 この内容なら、テレビのドキュメンタリー番組で、映像的に 特集した方が、インパクトが強いでしょう。 テーマの割に、あまりにライトな内容。通勤中や暇つぶしに丁度いい位の話。 これを読んで、「こういう現実があると知った」「深く考えさせられる」と 言う人の中で、どれだけの人数が、現実的に行動や見方を 変えられるのでしょうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
某人気法律番組の弁護士に紹介されて、俺も読んでみた。 しかし、、、、ちょっと失望。東野の小説を読むのは初めてだが、 粗が無く非常にそつがない印象を受けた。 しかし、この人は鈴木伸元の加害者家族を読んだ事があるだろうか? その本に書かれてある加害者家族の実態は言葉に尽くせない悲劇。 たまたま親兄弟が犯罪者だったと言うだけでメディアに追跡はされる、 放火までされる。その実態を調査したのだろうか?この本にはそこま での加害者家族になってしまう事の絶望感がちょっと足りないと 思ってしまう。リアル感がどうしても足りないのだ。 それと主人公直貴が兄の犯罪のために就職差別や結婚差別を受ける シーンがあまりにも多いが、普通に生活している分ではここまで家族が 犯罪者である事がポロポロばれる事はまずない。個人情報保護法がこ こまで社会認知された今日、個人の知られたくないプライバシーを探る 事は容易くできない。そして就職でも現代では一人の社員の素行調査を 大金欠けてする事はまずない。会社にとってその人が一生懸命働いてく れるなら正直誰でもいいのが本音だからだ。 かつて橋下知事の出身を暴いた週刊誌が糾弾されたように、 個人の秘密やプライバシーを暴く行為は高い代償を払う為、どこも及び 腰なのが現実だ。 最後に犯罪者の家族に救いを見いだせない展開にしたのも不快。 そういうネガティブな結末も悪くは無いが、何のビジョンや展開も示せ ないのはフィクションを書くものとしてどうなのか?いい小説は読者を 啓蒙し、人生を変えるものだ。この本にはそれが無い。 最後まで軽薄だという印象しかなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公を含めた殆どの登場人物に不快感を覚える。 ゴムに穴あけるって…w ストーリー展開に悲壮感が足りない。何度失笑したかわからない。 何とか最後まで読み切ったので☆2つ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
僕はあまり楽しめませんでした。まず、展開が簡単に読めてしまいます。いいことがあったら、次は悪いことが起きる、その繰り返しでだんだん飽きてしまいました。あと、私たちは犯罪者を差別しなければいけない、というようなことを言っていた老人も、このセリフ言わせたいが為に登場させたのが見え見えで、冷めてしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
友達に進められて読んだんですが、 残念です。。 あくまで私の感想ですが。 なんか、テーマだけで話題をもっていった感じ。 途中、直貴の音楽の才能の部分は突然すぎるし、入ってすぐデビューの話て、、なんでやねん('Д` ; 由実子の過去ももっとえらいもんかと思ったら、意外とよくある話やし。 いくら惚れてたとはいえ、そんなんで、そこまで直貴の方もつかいな(;'Д`A 最後の方、社長出てくるん突然すぎやしw しかも二回もいるんかな、、。 しかも、差別について。 あるのが当たり前なのに、何を今更新発見!みたいにいうてるんやろか。。 重すぎるテーマだからこそ、あえてフィクション的な部分があるんやろうか? 読んでいても辛いだけだし、特に何が発見があったわけじゃなかったかな。 作者が何を伝えたかったのかよくわからへんかった。 一部、話のもってき方がうまいなーと思って先が気になったところもあったけど、期待はずれで終わりました、、。 由実子が関西弁なんもよぅわからんなぁ^^; | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この人の作品を読むのはこれが初めて。 直木賞候補にもなりロングセラー、映画化もされ多くのユーザーの評価もかなり高いので期待して読んだのだが、残念な結果となった。 文章が軽いからこれだけ多くの人に読まれているのかもしれないが、ストーリーを追うだけで要所要所の深みとか趣きといったものが無い。 わざとらしい人物描写や風景描写も好きではないが、あまりにも淡々としていてつまらない。テレビドラマ化や映画化を狙った大衆受けするストーリーということなのだろうか。 特に、設定上仕方が無いのかもしれないが兄からの手紙文が稚拙。いくらなんでもこんな手紙の書き方、出し方は無いだろう、というもの。読んでていらいらするのは主人公と同じか。 またストーリー展開も「差別」をテーマとしているからか、各章ごと同じような展開で意外性とか心を動かされるようなことがない。いたずらに長くなっているような気がする。 細かく言えば切りが無いが、兄が盗みに入った理由やその描写も軽い感じだし、そもそも天津甘栗が被害者の家の机の上に置いてなかったらこの物語は成立しなかった。 天津甘栗の思い出は良しとしても、犯行のきっかけになるくらい重要なものなのかはなはだ疑問。陳腐さを感じる。 そういう風にさらっと描写されているところが人気作家の条件なのだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
イジメが陰湿すぎる。 世間はそんなに性格悪い人ばかりだろうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初めて東野圭吾さんの作品を読ませていただきました。 なかなか読み続けるのが辛い作品ではありまして、この一冊に一週間もかかってしまいました。 さて、物分りのいい社長さんの発言、兄への自分が出していない手紙...と盛り上がってきてハッピーエンドと思いきや、最後の二章で頭がぐちゃぐちゃになりました。なんで社長さんが2度も出てこなくてはならない?、事件を起した者、その親族は一生差別、苦しむべきなのだろうか?単にハッピーエンドはいけないこと? 部分的な心理の描写は力のある人だと認めます。ただ、どうこの物語を終わらせるべきか迷いが最後の二章にはありました。この作品を五つ★につける方も理解はできるのですが、「犯罪を犯した人間は一生救われない」というモチーフは社会復帰をめざす方の大きな障害にしかなりません。 私がこの本を塀の中で読んだら、死ぬしかないと思いざるを得ないだろうと思います。 パンドラの箱を開けて、「希望」が残ったと思ったら、何も残らなかった話です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
絶賛の評価が高い作品です。 詳細は他に譲りますが、可哀想な状況で犯罪を犯し、服役した。獄中で手紙を 書き続けた相手は実の弟。弟はその兄のために差別を受けていた。弟は兄を 憎んでいた。という作品でよろしかったかと思います。 残念ながら、あまりにも浅はかで、一方的な見地です。あまりにも知識の 裏づけがありません。取材も一通り、と言ったところでしょうか。これが 東野作品かと、眼を疑った作品です。 このようなお話に、夢を抱く様な方、いらっしゃるかもしれません。 間違ってもお勧めしません。絶対にお辞めになることをお勧めします。 それだけです。 お前の知識がなくて、本が読みこなせないんだとおっしゃる方、 いらっしゃると思います。確か、刑務所って、希望があれば申請許可に 時間がかかりますが、見学は出来るはずです。幾重もの鍵がかかった その先の世界をどうぞ。一日でお分かりになることも難しいかと 思いますが、ちょっと意味が分かるかと思います。 残念ながら、この作品はお勧めしません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
親しかった友人が刑務所に行きました。 そのご家族のことを思い出しながら読みましたが、まあ、ずいぶんと現実離れした展開だなあというのが私の感想です。 しかし、部分的には現実とリンクする部分も多いとも思いました。 あの社長のように、したり顔で説教してくる高齢の男性がいるというのはリアルでした。言ってることもほぼ同じ。 もっとも彼らは「間違っているのは君たちだ。差別者である我々には非はないのだ」と加害者家族にわざわざ言いに行かずにはいられない、そうすることで自分の差別を正当化したい、そんな感じでしたけどね。 「君たちが困っていても私は助けないが、それは当然のことだ。甘ったれるな」という内容の電話を何度もしてくる近所の老人もいたらしいです。家族の方々は助けてくれなんてひと言も頼んだことはないらしいんですけど。 著者がそういった実在する老人達をイメージして社長を登場させたのかどうかは不明ですが。 最後に。 事件後、友人の私ですらとても複雑な気持ちを抱えることになりました。 ましてや加害者本人、被害者家族、加害者家族、あんな単純なものではないです。本当に辛く苦しいことは、外部からの差別ではなく、自分たちの心の中からやってくるものなのです。 この小説は娯楽作品としては読みやすくて良かったと思います。そこはさすが東野圭吾、という感じです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
流し読みで1時間で読めます 内容はかなりベタで、テレビドラマにしたらあまりにも展開が読めるので 照れてしまうほどです。 最後は少し感動しますが、 全体的に、展開が予想できるので、あたらしい発見や鋭い現代ならではのテーマや 臨場感もあまりありません 暇つぶしによむのにはいいけど、「何か」深いものを得ようと思って読む本ではないですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公は殺人犯の弟という立場に正面から向き合っていくが、兄の手紙の存在が人生の節目を翻弄し、弟は次第にその絶望的な差別に対する無力をさとり、最終的に兄に決別の手紙を書く。 犯罪に対する抑止力としての脅迫的なまでに強力であるが、なんとも救いのない物語で、エンターテイメントとしてはどうかなと思う。 最後の最後に、弟は、決別したはずの兄をバンドの演奏を名目に訪れるという一見矛盾した行動を取るがそこに一筋の救いを示しているのだろうか。 私には作者の趣旨がわからなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東野圭吾さんは好きな作家の1人でした。 それはすべての小説を読んだわけではなく、東野さんが原作の映画だったりドラマだったり、また小説もいくつか読みましたが、それぞれはよかったからです。 が!これは、正直がっかりです。 まるで、昔流行った大映ドラマのような話の展開。 恋人には親が決めたいわゆるエリートの婚約者がいて、しかも恋人とは従兄弟という、いったいいつの時代なんだ?といった設定。 差別の内容についても、こうなるだろうなぁ、と展開がほとんど読めてしまっていて斬新さや、ハッとするものがない。 兄が強盗に入った動機についても「?」って感じ。 学歴がないが為に早死にしてしまった父に対するコンプレックスを息子へ託す母。 その母も早死にしてしまい、弟を大学へいれることが兄の夢であり、生き甲斐であり、その為に強盗に入り、殺人までおこしてしまう、といった内容も、どうもリアリティに欠ける。 生活費ならわかるけど、弟の大学費用の為に強盗まで入る「兄」ってどうもピンとこない。 脳天気すぎる薄っぺらな兄の手紙もそう。 心うつものはまったくありませんでした。 他にいい作品があるだけにまったく残念。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東野氏の小説を読むのは初めてだが、その評判からそれなりのものである期待をもって読んでみた。 しかしその期待は見事に裏切られた。あまりにもうすっぺらいのである。その「差別」とやらも「苦悩」とやらも。 当然、それに対する「解決」というやつも輪をかけて薄っぺらいものとならざるを得ない。 もしかりに、これを読んで、自分の見ないようにしていた現実、偽善を思い知らされたと思う人がいるならば、それは相当な幸せものである。そんなことは人生の早いうちに気づくことであると思う。そして、その「現実」を前提にして、では、人としてどのように生きるべきか、ということを考えるのではないだろうか。戸籍を抜くとか、会社を辞めるとかどうでも良いことである。ただの書類上の概念に過ぎない。 そして、その「現実」とやらがどれほど現実的かも極めて疑問が残る。何なれば、北海道に行って開拓すればいいのである。北海道が嫌ならば外国に移住してまた新しい人生を始めればいいのである。そこではわざわざ日本にまで調べにはこまい。来たところで、どうということでもあるまい。悪いお兄さんを持ったものね。だけであろう。 例えば、アメリカでビジネスをしているアジア系のタケシマさんにはお兄さんがいて、彼は故郷の国で強盗殺人で服役しているらしい、ということを聞いて、深刻な話だ、と思うだろうか。へえ、くらいではないか。 別の例を考えよう。日本で働いている外国人、誰でもいい、を思い浮かべてほしい。その人には兄がいて故郷の国で強盗殺人で服役していると聞いたとき、あなたはその人間に対して同じ対応をするだろうか。絶対にしないだろう。 つまりこれはただ視野が狭いだけで、現実そのものではないんだ。 なんなれば、今はアフリカがビジネスチャンスである。一旗揚げに行ってみてはどうだろうか。 そんなふうにして、人類は生きてきたと僕は思う。 いつまでムラ社会で生きているんだか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
うっかり書く。 少数派を気取りたいからだと思われるだろうか? でもどうしても、この小説で号泣した、「差別は当然」という新しい考えに愕然としたと言う人に対して、え、今まで考えたことなかったの?と驚かざるを得ない。 自分の中の逆差別に気づいたこともなかったの?と言いたい。 殺人というほどの大事に出会わなくても、考える機会はあると思うのだが… 分かりやすい言葉でテンポは良いし、うまい小説。でもそれだけ。社会を考えさせるほどの内容になってないと思う。全く響くものがなかったと言うわけではないし、経営者としての差別は、確かにと思った。 それでも、浅い。大して深められない人物のリアリティない展開。重いテーマを扱っている割に踏み込んでいる気がしなかった。 やはり直木賞に躍起になったのかなー…と思わせる。 今更だが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東野圭吾さんの作品というさとで期待して読みましたが、内容がとても浅く感じられ、私には残念な作品でした。差別と偏見に翻弄されているのは、主人公がそれと過剰に闘い、抵抗しているからのようにしか見えませんでした。せっかく社長さんが「憎むのではなく別の在り方を」と示唆するのに、社会に向けていた憎しみを、単に、初めからそうしたかったのにそう出来なかった兄に向けて絶縁し、社会的にクリーンになることを選択。兄と絶縁するかしないかよりも、どう生きるかを描いてほしかったです。これではなんの学びもないのではないかと???物語の要になる兄の贖罪も、兄が被害者家族に宛てて書いた手紙を弟が偶然読むことになってわかったりしてガッカリでした。どうして短くても兄の心情を兄の視点で書かなかったのでしょうか。物語の中で様々な登場人物がいるのに、誰一人境遇を受け入れ、ゆるすという視点を持っていなかったのも救いがありません。たとえ慰労コンサートという形でも、絶縁したからには二人がお互いを見ることはなく、それぞれの未来の、それぞれの生き方を描くことで、この小説で言いたいことを描いてほしかったです。作者はこれが現実だと言いたかったのでしょうか? そういう現実に対して、小説だからこそ語れる何かをここにしっかり書いてほしかったです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!