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片想い
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片想いの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全108件 41~60 3/6ページ
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性同一障害を扱った東野氏のミステリーで、当時はまだあまり理解されていなかった性同一障害について真っ向から取り組んだその先見性は素晴らしいが、ミステリーとして見るとそれほど凝ったプロットやトリックが扱われている訳ではない。青春懐古譚的な趣向の強い作品だが、このストーリーでこのページ数はやや多過ぎだと思う。本格ミステリーを求める人にはやや物足りない作品。東野氏としては「秘密」や「手紙」路線の作品です。 | ||||
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東野圭吾さんによる作品。今回は性同一性障害と向きあった作品。 男女というのはメビウスの輪であると説明された時にはなるほどと思った。 個人差があるのは当然である人。さらに言えば男女の差というのも 明確に決まっているわけではあるまい。 曖昧な部分が残る。その違和感が大きすぎると障害ではないかと悩む。 しかし本作に登場する性同一性障害者はそれぞれが自身のとった道は バラバラだ。相川という登場人物はあえて今のままを受け止めるという 姿勢に興味を持ったし面白いと思った。 戸籍の交換などは結局問題解決に至っていないという中尾自身の台詞と 相川の姿勢が対照的であったように思える。 また仲間や家族のことを思い、誰にも迷惑をかけず事件の幕引きを図った 中尾の生き様には唸らされた。ある意味もう一人の主人公でもあるのかもしれない。 本作の主人公哲朗は大学時代アメフト部でクォーターバックをしていたことで QBと美月から度々呼びかけられるのですが・・・・ Qという文字を見ていて、かつて視聴したまどか☆マギカのキュウべえとなぜか文字を読めてしまい 終いにはキュウべえの声が主人公の台詞で脳内再生される事態に陥っていました・・ こんなの絶対おかしいよ。 他の方の感想を読むと終わりで離婚していたりなんだでグッドエンドじゃないとか不満も あるようです。ただ他の東野圭吾作品・・特に白夜行、幻夜、殺人の門を既に読んでいた 自分としては特に嫌な終わり方ではないと思えました。むしろ新しい一歩をそれぞれの キャラクターが踏み出しているとすら思えた。 それだけ幻夜、白夜行、殺人の門の後味が悪いということなんだろうけど。 | ||||
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個人的な性の問題と社会的な決まりごとのぶつかりを見ました。 オトコっぽい女性や、女っぽい男性は身近にもいますが、 この作品に出てくるような、肉体と精神が全く異なるような 人は身近にはいません。本人たちはそれなりに真剣に悩んでいると 思います。しかし、社会のいわゆる常識があるがゆえの 苦しみと、周りの人の理解の不足による苦しみがみごとに 描かれていると思います。 犯人探しよりも、こちらの方に気を取られてしました。 あと、QBの家庭不和の原因もすごく気になります。 さらに、結婚してお互いの夢と希望を叶えてゆくことの難しさ という視点も無視できないと思いました。 QBの家庭然り、中尾や美月などなど、 登場人物でハッピーになっていくのは誰なんだろう。 この作者の作品に出てくる登場人物は、ハッピーになっていく人がものすごく少なく 感じる。で、星5つはつけにくいね。 | ||||
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人間は生まれた瞬間から男か女かのどちらかに分けられます。ごくまれに半陰陽という場合もあるようですが、ほとんどがどちらかに判別されます。虫から動物だって大抵の生き物には雄雌があるわけなので、人間においても生殖機能においての男女は明確に存在すると考えます。 ただし、太古の昔ならいざ知らず、高度に進化した現代社会において、男の役割、女の役割は狩猟時代や農耕時代に比べて明確ではなくなってきていると思います。 私は考え方やその行動から、男と女は別の生き物だと思ってきましたが、この本を読んで考え方が少し変わりました。今までは堅苦しく考えていたのかもしれません。 東野さんは作品毎に何かテーマを提供してくれますが、今回のジェンダー問題について、私はこの本に書いている回答をすんなり受け入れることができました。 元アメフト部のメンバーが事件に絡みながら、それぞれがポジション別の役割を演じ、事件の謎解きを進めていくあたりもさすがだし、主人公夫婦の葛藤なども細かに書かれ、読み進めながら考えさせられることも多かったです。 確かに男と女は体型も違いますし、性的な役割も違いますが、同じ人間には違いないわけで、これからは固定観念にとらわれない接し方をしていきたいと思いました。 | ||||
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読みながらドラマを見ているかのような感覚でした。 本当に映像化してドラマにしても面白そうです。 そのくらいストーリーが2転3転して思いもみなかった展開が事件の陰に隠れてます。 ラストはやはり悲しいけど、そうなることで彼が両想いになることが出来たので、 これはこれでハッピーエンドなのかな。 それにしても男らしいって女らしいって何ですかね。 自分が自分ってわかるものがあればそれでいいじゃないと思う。 でもそんなに強く生きていけないから、 こうって自分の知ってるカテゴリーに当てはめるんですね。 | ||||
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重い題材を扱っている。 女性だけど男性的な意識を持っている。 性同一性障害というのだろうか。 大学のアメフト部の同期の人達の同窓会から始まる。 東野圭吾がなぜ売れるかこの本を読んで2つ分かったことがある。 1 栗本薫+赤川次郎=東野圭吾 栗本薫の内面性を包含している。栗本薫が女性なのに,栗本薫という登場人物が男性であるという現象を乗り越えているかも。 赤川次郎の多作と読みやすさの一部を継承している。 2 本の中に「サンタクロースのおばあさん」ではなく「サンタのおばさん」という文言があった。 東野圭吾が「サンタのおばさん」という本を書いている。宣伝上手。 | ||||
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久しぶりに会った元アメフト部の女子マネージャーは男の姿になっていた。驚く主人公。アメフトをモチーフとしてかつての仲間同士の思い出や友情が語られる。 性同一性障害。それがこの小説のテーマである。ストーリーの中で登場人物が言う。男と女の扱いが同じならこの障害の人間も手術を受ける必要はないというのである。しかし,これはちょっと違うと感じる。この考えは,いわゆるジェンダー(文化的に作られた性)というものである。それが厳然として存在するのも事実だ。しかし私は,男女の性差とは生まれつきの身体や脳などの作りの違いからくるものだと思う。例えば,男性と女性の脳には明らかな違いがある。左脳と右脳をつなぐ脳幹という部分で,女性のほうが男性より明らかに幅が広いのである。そのため,女性は男性より左脳と右脳をうまく連携させて使うことができるらしい。そして,この障害の男性の脳は女性に近いことも分かっている。だとすれば,性同一性障害の人の悩みは,ホルモン剤や手術によってのみ解決できる物理的なものであり,ジェンダーとは関係がないはずなのだ。 人間には優越感がある。もちろん劣等感もある。どちらも,人間が本来持っている性質からくるものだ。人と比べるのが人間の性である。身体的,精神的な違いを見分け,人によって違った扱いをする―それは,人間の本性だと思う。それを変えて男女を完全に平等にしようとするジェンダー論は,ちょっと無理がある。確かに,男女の違いを取り払う努力は必要だろう。しかし,それは性同一性障害の解決にはならない。 障害をテーマにした重い作品でありながら,同時に優れた読み物にもなっている。さすが東野圭吾,と言うしかない作品である。 | ||||
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アメフトのメンバ−は、夫々が性格とポジションを持っているのでしょうね・・ マネ−ジャ−が加われば、登場人物としては 「完璧」です・・ 性同一障害の話を、このように織り込んで 東野さんは凄いですね、暖かいですね、 犯人に 同情してしまうのは仕方ないですね・・ | ||||
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いろいろ考えさせられる作品でした。 なぜ殺人を犯したのか、 女だった彼女が男の姿をしていたのか、 性同一性障害などジェンダーの問題に、殺人事件のトリックが合わさって、複雑に展開していきます。 作品中で登場する「男の世界」のストーリーでは、自分にもそういう部分があるのではないかと思った部分もあり、深い内容になっています。(どういう内容かは読んでのお楽しみということでここには書きません) 簡単に解決できない問題について考えさせられ、詠んでよかったと思える作品でした。 | ||||
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東野圭吾の作品の中で一番好きです。 何度読み返しても面白い。そして切ない。 初めて読んだ日から、かれこれ8年くらいは立っているのだと思う。それでも初めて読みきった時の、胸の突っ掛かりは覚えてます。 思春期だったあの頃に、何とも言えない「女の弱さ」だとか「女の強み」だとか、考えるきっかけになった作品です。 この作品だけは、実写化して欲しくない。 | ||||
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グイグイ引き込むのはいつもの東野圭吾らしさなのだが、いかんせん現実味がないのと、 どっちがどっちか分からなくなるストーリーの複雑すぎるのが解せない。 もっとしんぷるで良いと思う。 | ||||
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東野さんの作品のほとんどがドラマや映画になっているが、本作は映像化が難しい作品だと思います。小説は殺人事件の解明、もう一方で性同一性障害の問題提起を行っておりとても読みごたえがあった。 | ||||
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東野氏の作品はどれも違ったテーマをしっかりと持っていて、そこが素晴らしいと 常々思っています。 ミステリーとしての完成度が高い中で、毎回新たな人間的、社会的なテーマに挑んでいます。 その分野は広範に渡っていて、このペースでいつ勉強しているんだろうと感心します。 本作はその中でも、最もテーマが濃く語られている作品だと思います。 徹底的に性別について語られます。600頁超。 本文の中で、 「人は皆、男的なところと女的なところを持っているが、その割合は人それぞれ。 しかも、そこでいくつもの壁を越えて法的なまたは遺伝子的な性別とは逆の人生を歩むのかは また人それぞれ。」 というようなことが語られます。 戸籍上の性別と、心の性別と、外見の性別と、仕事や社会的役割の中の性別とが複雑に存在している事に 改めて気付き、考えさせられました。 ただし、本作は東野氏のもうひとつの力であるミステリーの伏線のすごさは私にはもの足りなかったので、 読み応えは抜群ですが☆をひとつだけ落とします。 イチローの打率が3割そこそこでは満足しないマスコミのような心境ですが。。。 | ||||
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性の問題を扱った、社会派ミステリー。 身近な問題を扱っているためか、東野氏の作品の中でもさらに社会性が強い。 主人公はある殺人事件を追っているうちに、その裏には様々な性の問題が横たわっていることに気付く。 ミステリーの体系をとってはいるものの、主軸はジェンダーの問題である。 男とは何のか、女とは何なのか。 そもそも性別という概念が必要なのか。 物語の中には、さまざまな性の問題を抱えた人物が登場する。 その一人一人の言葉が強烈である。 思い当たることが多くて、目をそらしたくなる。 反省、反省の連続だ。 P106「人の他人に対する扱いは、相手が男か女かで違う」 P208「女が男に勝っても事件じゃなくて、男が女に負けても恥じゃなくなるのは、もっともっと先じゃないかねえ」 P231「周りもどっちかに統一してないと困るみたいだし」 P367「悲しいことに今の社会は、男はこうあるもの、女はこうあるものという決め事に満ちています」 P409「結局みんな、男はこういうもの、女はこういうものっていうふうに勝手に決めつけて、自分とのギャップに苦しんでいる。男って何か、女って何かっていうことの答えは、誰も持っていない」 そしてそれを踏まえた上での結論がP593に書かれている。 男を黒、女を白とする。 「すべての人間は完全な黒でも白でもない。黒から白に変わるそのグラデーションの中のどこかだ。」 「その日の体調や周りの環境なんかで、そのグラデーションでの位置がふらふらとずれたりするんだと思う。…(中略)…九十五パーセント黒が九十パーセント黒に変わったところで大した影響はない。ところが五十パーセント黒が四十五パーセントになったら大違いだ」 これは素晴らしい表現ではないだろうか。 ずいぶん前にもこの作品を読んだのだが、この表現だけははっきり覚えていた。 すごく影響力のある本だと思う。 私はものの見方が変わるくらい影響された。少し視野が広がった気さえする。 ぜひ多くの人に読んで欲しい一冊です。 | ||||
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少しハッピーエンドな感じのする作品であると 思います。これも受け止め方とは思いますが・・・。 世の中に存在する問題としても非常に興味深く 読めました。 | ||||
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私は性同一性障害ではないと思うが、自分自身の男性性、女性性について 考えてしまうことがあり、それを改めて意識させられた読書体験だった。 世の中に受け入れられるためには本来の自分の性別である女性らしさを 強調しなければと思っていたけれど、本書を読み進めるにつれて、 薄々感じていた違和感、他人には隠していた自分の男性性のようなものを どう扱うのか、受容するのかを考えることになった。読んで良かったと思う。 謎解きの仕掛け、構成については、ややエンターティメント寄りに走り過ぎたのか リアリティのなさや「読ませる側」の視点を感じてしまったのが興醒めだったが このテーマをまとめてがつんと仕上げてしまった力技、流石と思う。 | ||||
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本書のタイトルの「片想い」であるが,多くの人は青春期の男女間の淡い恋愛を連想してしまうであろう.一方,本書の著者が東野圭吾ということで,そのような普通の片想いであるはずがなく,もっと深い意味が込められているはずだと思う読者も多いであろう.読み進めるうちに,後者であることがわかった.恋愛感情に関わらず,自分の思いが相手に伝わらない.それが片想いであるとは,さすがと感心させられた. 本書は性同一性障害という言葉が,世の中にあまり浸透していない時代に,出版されている.そのため,そのような障害があるということを世に広めるために一役を担ったと思われる.現在でもかなりの偏見や差別があると思われるが,そのような障害を持つ人や周囲にいる人達に,生きる勇気を与えてくれる一冊ではなかろうか.差別や偏見のない社会が一日も早く訪れることを祈りたい. | ||||
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深い・・・ 『片想い』に込められた意味は、題名を見ただけでは絶対分からないと思います。それにミステリーとしても面白い、東野圭吾さんってほんとすごいですね。 genderについて考えさせられました。 | ||||
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東野氏の作品としては面白さは佳作ですが、社会的な問題を取り上げた作品としては傑作の一つだと思います。 内容としては少し単調な所もありますが、ジェンダー問題を深く考えるきっかけとなる良い作品です。その分、エンターテイメントの要素が低く、社会性の高い作品と言えるかもしれません。 相変わらず人物の心理描写はうまく、共感する場面や考えさせられる一言が何箇所もありました。 ただ、東野氏の作品が初めての人にはおすすめできません。 「流星の絆」や「容疑者Xの献身」などが入りやすいかもしれません。 | ||||
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私の場合、「秘密」から東野作品にのめり込んだのですが、この作品のテーマである「性同一性障害」が、自分にとってはまったく身近なものではなく、そういった意味では、妻子ある私にとって「秘密」と比較して感情移入は難しかったですが、最後までミステリー要素満載で、一気に読み通すことができました。決して代表作とはいえないでしょうが、読んで損はそない作品かと思います。 | ||||
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