■スポンサードリンク


白夜行



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
白夜行
白夜行 (集英社文庫)

白夜行の評価: 4.18/5点 レビュー 711件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.18pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全559件 381~400 20/28ページ
No.179:
(5pt)

日本の誇るページターナー

日本の誇るページターナーの傑作。
重厚かつ緻密な物語であり、読み出したらページをめくる手が止まらないだろう。
絶対のお勧めであるが、読み終えた後には、巨大な喪失感が残る。
単純なエンターテイメント小説とはいえず、気軽には読めない重みを持っている。
覚悟を決めて、ひどく魅力的で、せつなく恐ろしい物語の世界に入ってきてほしい。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.178:
(5pt)

白夜行一気に読みました。

一気に読みました。時代設定がTV版と異なり、最初の事件発生がオイルショック時の70年代初めで、自分の子供時代と重なり懐かしさも覚えながら(?)読み進みました。「読ませる」という点において作者の力量を感じました。他の東野作品も興味を持ちました。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.177:
(5pt)

主人公の一人称が無いことによる効果

「一切ドラマを見ないで」小説を読んでください。
この本が特殊なのはその書き方にあります。主人公二人の第一人称での語りが一切ありません。そういった技法なら過去にもあった、という方もいらっしゃるかもしれませんが、この本が他と違うのは、その効果が無限大ということです。語られないことで、二人の思い、キヅナ、悲しみ、喜び、を想像しなくてはなりません。
が、それが、読み手それぞれに、自分の心に正直に、「ソウゾウ」できるのです。
脚本のような語り口が、恣意的であり、クレバーだと思いました。
一度、味わってみてください。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.176:
(5pt)

白夜行

 テレビドラマでは表現しきれない二人の内面、強さ、弱さ、ずるい人間らしさも絶対本を読むべきです。ドラマ化しないほうが私としては人物像を描くうえでよかったともおもいます。ドラマを先に見てしまった方は、これを機会に東野圭吾さんの作品を読んでください。世界に引き込まれますよ。 
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.175:
(5pt)

雪穂の太陽のかわりとは?

あらすじとしては、ある殺人事件に絡んだ少年・少女が成長していく過程のなか
での事件を淡々と。
最大の読者に考えさせる点は雪穂の太陽に変わるものが何だったか?
ですね。
「一日のうちには太陽の出ている時と沈んでいるときがあるわよね。それと同じように人生にも昼と夜がある。もちろん実際の太陽みたいに、定期的に日没と日の出が訪れるわけじゃない。人によっては、太陽がいっぱいの中を行き続けられる人がいる。ずっと真っ暗な深夜を生きていかなきゃならない人もいる。で、人は何を怖がるかというと、それまでに出ていた太陽が沈んでしまうこと。自分が浴びている光が消える事をすごく恐れてしまうわけ。今の夏美ちゃんがまさにそうよね」
言われていることは何となくわかった。夏美は頷いた。
「あたしはね」と雪穂は続けた。「太陽の下を生きたことなんかないの」
「まさか」夏美は笑った。
「社長こそ、太陽がいっぱいじゃないですか」だが雪穂は首を振った。その目には真摯な思いが込められていたので、夏美も笑いを消した。
「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけれど、あたしには十分だった。あたしはその光によって、夜を昼と思って生きていくことができたの。わかるわね。あたしには最初から太陽なんかなかった。だから、失う恐怖もないの」
ここがこの小説で一番言いたいことでしょうが、内容に入る前にかっこいいセリフですね。ほんとに考え付く作家さんは普段何考えてんねん。
僕が今ここまで読んだところでの感相としての雪穂の太陽に代わるものですが、自分の才能・美貌といったところなのかとおもいました。小学生のころから売春をさせられ、周りの環境には恵まれていなかったが、私にはそれを変えてこれるだけの力があった。私の周りには始めから大切な人物(太陽)はなかったから、失って怖い人物・事柄はない。といったところかなぁ。
そう考えると、雪穂に一番利用されたのは亮司ということになります。ドラマだと2人は好き同士ということらしいですが、それはおいておいて。
そうすると、子供の頃に亮司が父親を殺したのも、雪穂の策略なのでは?と考える事はできませんか。図書館でたまに会う少年に自分を助けさせる。2人の関係は最後までわかりませんが、最後に亮司が死んでも表情を変えなかった、雪穂の状態を考えるに太陽は亮司ではないと考えるのがだとうのような気がします。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.174:
(5pt)

あなたにも心の闇があるのでは?

意識しているかどうかは別にして誰もが多かれ少なかれ持っている心の暗部を白日の下に晒し、「さあ!あなたには彼女のような心の闇は全く無いと言えますか?」と、問われているような作品になっていると思います。「私には心の闇なんてこれっぽっちもありません」と断言できる人がいったいどれくらいいるだろうか? 幸運にも、これまで意識あるいは経験することがなかっただけで、いくつかの条件さえ整えば心のヒダの奥底に隠されている、ある種、人間の持つ本質の一つ“意識下の闇”が現れてしまうのでは?・・・・などと考えさせられます。
話の根幹に過不足無く枝葉をつけてあり、情景・状況描写を含め、見事な仕上がりの作品だと思います。まるでモーツアルトの作曲したオペラのように、このような作品をいつも書ければ楽しいでしょうね・・・・。著者の卓越した才能が感じられます。
愛し合う二人が最悪の状況に置かれ、このような結末を迎えざるを得なかった運命的必然を言う読者もおられるかもしれませんが(ある種の純愛)、著者がこの本で言いたかったのはその様な、ありきたりなものではないと思いますし、そう信じたい。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.173:
(5pt)

東野圭吾さんのイメージが変わりました!

『レイクサイド』の時に、東野圭吾さんの本が、つまらない・がっかり…という印象があったのでどうかな〜と思いつつ読むと、すごく面白かったです。
最初は時代設定がすごく古くて驚きました
雪穂と亮司の関係がとても痛かったです。
「白夜行」の意味が分かるともっと痛いです。
ドラマを観てないので間違ってるかもしれませんが、原作の方がいいように思います。原作の方が彼らの犯罪に関して、色々匂わせつつも明言しません。ラストシーンも知らずに読んだ方が緊迫感があります。
雪穂も、亮司も、もっとドロドロとした世界にいて、影があって、犯罪を重ね続けています。その分救いのない二人だけの世界で。。。
ドラマを楽しんだ方にもぜひ読んでもらいたいです。私もドラマを観てみようと思います。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.172:
(5pt)

泣きました・・・・・

日本人作家の作品(特にミステリー)があまり好きではなかったのですが、『白夜行』を読んで考えが180℃変わりました。雪穂や亮司の何気ないセリフ、でもそこにある深〜い意味がわかったときは涙が出ました。ドラマも見ましたが活字でも感情移入してしまいました。<あたしの上には太陽なんてなかった・・・・・>というところの雪穂のセリフは深すぎて、そしてキレイすぎて何度読んでも泣けてきます。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.171:
(5pt)

まずは、読んでみてください

文庫にしてはボリュームがありますが、
一気に読み終えてしまいました。
ただ、読後、その内容に圧倒され
しばらく放心状態に陥ってしまいました。
時間にゆとりがあるときに読んだほうがいいと思います。
大袈裟でなく、そうしないと、生活に支障をきたすかもしれません。
非常にお勧めしたいのですが、
その観点から見ると、多忙な
ビジネスマンにはお勧めできないのかもしれません。
それほど、のめりこんでしまう作品です。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.170:
(5pt)

これは最凶最悪の純愛小説だと思います。

緻密な構成と主人公二人に圧倒させられました。主人公二人の主観は全くないのですがそれでも彼らの内面がよく伝わり、共感や感動が得られました。
この本はどういうジャンルの本なのかと言われたら私はダークな純愛小説だと断言します。それは雪穂のこの台詞があるからに他なりません。
「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけど、あたしには十分だった。」
この台詞が二人の絆の強さを表していると思います。だからドラマ版の(見てはいないのですが)公式ページで雪穂が太陽のような篠塚に惹かれたという文を見て正直怪訝に思いました。
二人の絆が純粋すぎるあまりにとても痛々しくて、そこに引き込まれました。最後は亮司には逃げ切って欲しかったなぁとも思いましたが、太陽の代わりを失った雪穂の背中に切なさを感じます。
白夜の中で手をつなぎ続けている二人の姿が眼裏に浮かびました。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.169:
(5pt)

東野圭吾の800ページを超える力作

東野圭吾氏の作品を数多く読んでいますが、私としてはベスト3に入る作品であると思います。
オイルショックの1973年に物語りは始まり、800ページに渡る長編小説の中で19年間を描いています。小説の中で、カセットテープに書き込んだパソコンソフト、PC9801、スーパーマリオなど、当時流行ったものが登場し、懐かしく読めました。
世の中には、この作品の主人公のように、研ぎ澄ました目で"のほほん"と生きている人たちを陥れる人たちがいるのでしょうね。
主人公の少女と関わっている人たちが次々に不幸になっていくところあたりは、浦沢直樹氏のMONSTERのような感じです。ドキドキしながら、読み進みました。
私は、ドラマを見ていませんでしたが、小説を読んだ後にドラマを見てみたいと感じました。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.168:
(4pt)

読ませるけど、突っ込みどころも

長いけれど一気に読めました。海外在住なのでドラマは見てません。
読んですぐに「永遠の仔」と似てるなぁと感じたのは私だけではないよう。最初にそこにはまると、結末が安易に感じるのが残念なところ。
犯罪の手口や人を狡猾に陥れていく様にはハラハラしますが、いろいろといいたい部分も。実母と愛人は、私だったら過去の写真が出てくる以前に、別々に事故死させるなぁ、とか。最初から雪穂の「闇」に気づいていた一成をもうちょっと懐柔させることもできたんじゃないの、とか。
他の人も書いてますが、動機の部分が結構安易かな、と。児童虐待経験から冷酷に犯罪を犯すというのは、実際に虐待経験をサバイブしている人々にたいして失礼なのでは、という気持ちも。(もちろん、実際にそのような経験と犯罪率の間に統計的に相関があるんでしょうが)
何度もおきるレイプ犯の実質主犯格が美しい女性というのは、まぁあまりに陳腐で読者サービス?という感じでした。
文句色々書いたけど、「次に何が起きるのか」と期待させて一気に読ませる筆力はさすがです。
事件の時代背景として重大事件や風俗を盛り込んでおり、謎解きというよりは2人の主人公の犯罪半生記を追う「現代版ボニーアンドクライド」、と言う感じです。
いつかは東野さん流に、実際に起きた凶悪犯罪を小説化して欲しいなと思います。主人公2人を一人称で語らせず、周辺観察による乾いた人物描写のみで浮き上がらせたことで却って事件の凄みが増してます。読者に想像の余地を残すこの書き方は良かったと思います。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.167:
(5pt)

本を先に読みたかった…。

ドラマでこの本の事を知り、読み出したんですが、ドラマを見る前に読みたかったです。
本では第三者的立場で事件のことや、二人のことを書いてあるんですが、
ドラマでは、雪穂と亮二の二人が主に話を進めていくので、それぞれの思いや気持ちが事細かに表現されていました。
私としては、事件に対して二人が思うことなどを、文で読み取ったり、自分で想像したりしたかったんですが、
ドラマを見ていたことで、その時の二人の思いなどがドラマの台詞のまま頭に入ってくるので残念でした。
しかしドラマも本も面白いことは確かなので見てみるべきだと思います。
ただ本を先に読むことをお勧めします。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.166:
(5pt)

まぎれもなく傑作です

ドラマを見てから原作を読んだのですが、どちらも甲乙つけがたいほどの素晴らしさでした。
不思議に原作を読んでいるときにドラマの影響はありませんでした。主人公の顔も特にドラマの俳優と重なりませんでしたし、まったく別のものとして読むことができました。
それほどに、両者がそれぞれその媒体の持つ特性を十分に発揮した完成度の高い作品となったからだと思います。
小説では主人公は直接に自分の信条や考えを語ることはなく、読者は実際に起こった事件や、主人公が時折もらす本音や他者を評価する言葉などから推察するしかありません。
しかし、それだからこそ、言葉や行動の一つ一つに重みが増し、読者は見落としや聞き漏らしをしないように注意深く読むことになり、衝撃的な結末に至るまでの主人公の心の動きを様々な角度から推察することになります。
そして、それは読者それぞれの人生観を反映させる余地を残しています。だからこそ、読者は主人公に感情移入し、現実離れした状況設定にもかかわらず、自分の人生を投影させることになるのです。
読み終わったあとには、自分自身が悲しくも切ない人生を生ききったような放心状態におかれます。
人間の欲望を商品化し売り渡した結果が、魔物を産み落とし、魔物として生きることを運命付けられた主人公たちが、誰にも頼ることができず、自分たちに降りかかる火の粉を自分たちだけで振り払いながら生きた人生。
その出発点は純真な心と邪悪なものへの憎悪だったのに・・・。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.165:
(5pt)

暗く、アンダーグラウンド世界を地上から描く。

長い文章量にもかかわらず、全然飽きを感じなかった。
各章ごとに語り手が変わるが、それぞれの登場人物の心理描写も見事。
しかも、語り手のいずれもが主人公の2人ではない人物という作り方もおもしろかった。
主人公2人のアンダーグラウンドな世界を、それ以外の登場人物が地上から描き出すというスタイルの文章は非常におもしろく、トリックも精巧で、日本の文学界のトップレベルのミステリーという感じがした。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.164:
(5pt)

未完成のパズル

評価についてだが、星5つでは足りない、と思う。
沢山本を読むわけでない。毎月何冊かの目に留まった本を読んでいるにすぎないので大したことではない。
が、恐らく、何年かぶりに「そのことで頭がいっぱい」になる小説に出会った。久しぶりの感覚だった。
東野圭吾ってどうなんだろう…?と思いながら気怠くページをめくっていたら、それからひと時も本から離れられなくなった。
とにかく一つの事件に、たくさんの怪しげな謎や複線が潜んでいる。登場人物のちょっとした表情、物体のほんの少しの変化にも作者は丁寧に触れている。
そしてそれらは、まるでパズルのピースのように読者に少しづつ与えられていく。
単行本はびっくりするくらいの厚さだが…私が音をあげなかったのは、詰め込まれたピースが、無駄なく一本の線で結ばれて、
流れるように最終結末へと連れて行ってくれたからだ。
作者は、沢山のピースを用いて、結局、ただ一つのことを形作るに過ぎない。
それは、この小説の主人公、亮二と雪穂という二人の人間。
彼らの秘められた関係。強い、奇跡的にまで強い、男女の関係。
二人の心うちがどんなものだったのか、読者が最も知りたいそこだけが、最後まで、ピースとして与えられない。
読者が必死の思いで作り上げてきたパズルは、そこだけが空っぽ、未完成。
一番大切なピースが欠けたこの小説が見事に成り立っているのは、それ以外の要素があまりに緻密に組み立てられているからだ、と思う。
空いたピースの部分には、読者の数だけの、亮二と雪穂がいる。
そして、未完成のパズルは、完成されたものよりずっと、読者の心に強く入り込むのではないだろうか。
きっとなかなか忘れられない小説になるだろうな、と思った。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.163:
(5pt)

動機は「人間!?」

テレビ化された超大作ですので、レビューへの投稿が多く、さまざまな角度からの皆さんのご意見参考になりました。例えば「テレビドラマを見ずに本だけ読んでいたらどうだったんだろうか?」など・・・。
東野圭吾氏の作品はもう30作くらい読んでいますが、「白夜行」はページ数の多さと表題の重さからむしろ敬遠していた作品でした。恥ずかしながら多くの皆さんと同じようにテレビの初回を見てから慌てて読み出した次第です。私のように東野氏のファンですらそうですし、東野氏を全く知らなかった妻までもが読んだのですからテレビは偉大ですね。読者層が広まったんじゃないでしょうか?100万部突破は頷けます。
そして読んでみて悔しかったですね。東野氏の愛読者として何故今までこんないい作品を読まなかったのかと・・・。テレビと並行して読んだのでどうしても本独自の感想というのは書けません。本好きなものにとってそこが一番悔しいですね。なんか回答を見ながら試験を受けたような感じで、合格したけど感動がないっていうようなもどかしい心境です。
でもひとつだけ言えることは、人間って、切羽詰ったら何をするか分からないということです。作品は強調して描いていますが、誰でも雪穂になる要素を持っているんじゃないでしょうか。幼児体験や環境なんてきっかけに過ぎない。動機は「人間だから」と作者が訴えているように私は感じました。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.162:
(5pt)

ドラマを見た方へ

 最終回を見て読み始め、1日目は130pほど、2日目に明け方まで止められず一気に読みました。
 ドラマの「なあ雪穂」ではじまる名せりふや二人が頻繁に(?)連絡を取り合うことはなく、二人の行動が描写されているだけです。
 笹垣の推理で最後の方になって、初めて亮と雪穂の関係や父親殺しなどが推察されます。
 最後亮が自殺し、雪穂が振り返らず去っていくところなど、探偵は笹垣と別人になっているし、古賀刑事は府警の捜査1課長に出世しているなどありますが、ストーリーはほぼ一緒です。雪穂は「私の上には太陽はなかったが、それに代わるものがあった。」とも言っています。
 雪穂はドラマ以上にしたたかで、高宮の後(離婚も相手から切り出させ)再婚しています。
 ドラマに感動した私ですが、小説も是非読んでください。こちらも傑作ですよ。
 すでにストーリーがわかりながらこれほど先を読みたくなる小説はなかったですから。
 先に原作を読んでからドラマを見た方がよかったのかは迷いますが、自分はこれでよかったと思います。(ドラマはその後の雪穂を描き、亮の子供も生まれた。小説の雪穂はドラマと異なり、亮の死後も亮からもらった人生をたくましく生きていくのか?)
 繰り返しになりますが、ドラマを見た方は是非小説も読んで両者の比較など楽しんでください。見ていなくともおもしろいからどうぞ。(TV終わってすぐなのでちょっと引きづられた感想になったかもしれませんが。)
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.161:
(5pt)

原作は深いね

ドラマを観てから本を読んだ。僕にとっては珍しいことである。ドラマはかなりスピード感を押し出しており、次々と新しい事件が発生する。観ていて飽きがこない良作となていた。本の方は、その分量から、各出来事の描写が詳細である。ところによっては多少冗長感じるところもあったが、欠点とまではいえないくらいの些細なことである。ドラマでは桐原と唐沢が起こした事件をまず描いているが、小説は事件の真犯人は最後の最後までわからない。ドラマと小説とでは、相当物語の展開が違う。どちらがいいとかそういうものは相対的になるだろうが、僕としては珍しくドラマの方に軍配が上げられる。ドラマによって全体のプロットを知っていて、小説を読んだので、おそらく何も知らない状態から読むのよりも理解がスムースにできた。予備知識なしで読んだなら、多くの場面や登場人物の相関関係など、理解に多少苦心したかもしれない。どちらにせよ、読者を充分に楽しませてくれる作品には違いない。特に最後のシーンには、女の強かさを感じた。余談だが、作品中に出てくる、黎明期のパソコン事情。外部記憶媒体がカセットテープだったり、NECのPC8001が出てきたりと、同時代を経験してきた僕にとって、非常に懐かしい光景だった。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399
No.160:
(5pt)

分厚い本だが一気に読み終わりました。

本書を読むきっかけは、ドラマ化されるということと今の時期に作者が直木賞を取ったということで読んでみました。
亮司や雪穂が犯行を犯した直接的な描写がないのですが、第三者的な描写で書き連らねています。全ての犯行がつながっていくのは第13章になりますが、だんだんどこかでつながって来るような描き方でだんだんわかってきます。謎解きみたいな要素があるから、想像力が書き立てられるのでしょうね。だから、850ページぐらいの小説も一気に読み進めることができたんでしょうね。
結果的には、亮司と雪穂は愛情で結ばれていたんじゃないかなという感じがしますね。愛情というよりは、同士といった愛情よりももっと強い結びつきでね。亮司と雪穂のことに深く入り込もうとしたら、必ず殺される。もう負の連鎖に入り込んでしまっているというよりも、もうこの道しかなかった。全てのつじつまを合わせるように。
印象的な言葉は、雪穂が言った「あたしの上には太陽なんてなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけれど、あたしには十分だった。」ということだ。この言葉こそ、この本で語られている全てだと思う。
ドラマを見ていると、原作とは結構違うなあと思う。しかし、原作には原作の面白さ、ドラマにはドラマの面白さがあるような気がする。それでいいのではないかと思いますね。
白夜行 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:白夜行 (集英社文庫)より
4087474399

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!