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天空の蜂
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天空の蜂の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全135件 101~120 6/7ページ
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東野作品の中では最もおもしろい作品の一つだ。事件解決までの時間が早すぎる点を除けば素晴らしい設定と内容だ。同一会社内の人間が他事業所のヘリに細工をして、無人で飛ばす設定に難はあるものの緊張の連続が心地よい。一般文学332作品目の感想。2011/02/09 | ||||
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テロと原発。。。考えてみればこれほど恐ろしい組み合わせはないな。しかも最新鋭の大型ヘリコプターときたら、恐怖は倍増。テロには絶対に屈しないというアメリカでこんなことが起きたら一体どうするんだろう。この作品に描かれている日本政府の対応は「テロに屈しない」を体現しているのだろうか?そもそも戦争が起きて、原発を狙われたら大丈夫なんだろうか?いろんなことを考えさせられた。実際使われているのか知らないが、「沈黙の群衆」という言葉は印象的だった。しかし、子供がヘリに取り残されているというシーンは、犯人の人間的本質や過去の背景と、技術者であるその子の親との対比に必要だったのかもしれないが、ただ緊迫した状況の要素を増やしたいだけなら、不要の設定だったかもしれない。「原発とテロ」だけでどこまで書けるかに挑戦して欲しかった気がする。天才東野氏だからこその希望である。 | ||||
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「いつ原発事故が起きてもおかしくない」、それを我々日本人はどの程度意識しているだろうか?本小説は非常に考えさせられる一冊だった。もはや、単なる娯楽ミステリーの域を超えている。考えてもみれば、日本の原発は安全だからチェルノブイリのような惨事を招かない、などという保証はどこにもない。どれだけ安全性を主張し、現に注意していたところで、事故リスクは決して「ゼロ」にはならないのだ。その一方、この国は原発に頼らざるを得ない状況に年々追い込まれている。ダム開発は予算が追いつかない、燃料価格は年々上昇、クリーン代替エネルギーは開発が進まない…。だが、どれだけ事故リスクが高まっても原発を停止させることはないだろう。政府は必ず安全性を主張し、メディアは必ず批判する。国民はそんな茶番劇に翻弄された挙句、「勝手にやってろ」「どうにかしろよ」と他人事にしてしまうのが近年の流れだからだ。いつの間にか忘れ去られる。中国との確執がますます拡大する現在においても、我々日本人は「まぁ戦争には発展しないだろう」と楽観視していないか?国政選挙にしてもそうだが、重大な影響を及ぼすことに無知・無関心である人ほど、後になって人一倍文句を言う。未来は不確実なのだ。何があってもおかしくないと心のどこかでは覚悟しているべきなのかもしれない。そして、一人ひとりが責任を背負うべきなのだろう。本説からは脱線したレビューになったが、改めて社会構造の矛盾や問題について深く考えさせられた。私はまだ社会人になったところであるが、多くの若い人たちに本小説を読んでもらい、何かを感じとってほしいと思う。 | ||||
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最新の技術を導入して製造された大型ヘリコプターが奪われた!爆薬を搭載して原子力発電所の真上でホバリングする無人のヘリコプター。犯人の要求を受け入れるのか?燃料切れというタイムリミットの中で、はたして解決策はあるのだろうか・・・。 爆薬を搭載させた無人の自動操縦のヘリコプターの真下には原子力発電所がある。犯人の要求を受け入れるわけにはいかない政府。だが、非情の決断が最悪の事態を招くこともある。さらに、ヘリコプターの内部には・・・限られた空間、限られた時間、そして地上の人間にできることも限られている。そんな状況で、時間だけがどんどん過ぎていく。冒頭の衝撃的なできごとからラストまで、緊迫感が持続していく。いったい最善の解決策などあるのだろうか?読んでいて絶望的な気持ちになってくる。だが、最後の最後まであきらめない人たちがいる。わずかな希望に賭ける彼らの行動はすばらしかった。犯人にとって、ヘリは「天空の蜂」の役割を果たしたと言えるのか?彼がなぜこんな行動を起こしたのか?彼は何を言いたかったのか?この作品を通して、考えることも多かった。面白さと重いテーマを持つ、読み応えのある作品だった。 | ||||
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主要な登場人物は、その視点にたてば誰もが主役となれるくらいの役割を演じている。 それくらい描写は詳細に行われている。そもそも、この小説の主役は湯原だったのか?川島だったのか?雑賀だったのか? さらに詳細な描写を加えさえすれば、ある意味で航空自衛隊救難員の上条も主役となり得ただろうし、刑事の室伏も同様だろう。 この場合には小説のテーマは別の側面から設定されなければならないだろうが。そして、それくらいこの小説には多くの要素が 盛り込まれており、単純なテロ小説ではないことがわかる。 これは本質的には社会小説である。そこには筆者からの、「確立されたとは言えない核技術」というものと「人間の求めるべき 幸福とは何か」というテクノロジーと人間らしさといったおよそ相反するものの間でのトレードオフに、どう折り合いをつける のかといった永遠の問いかけがあるように思える。 遠隔操作によって、盗んだ新型ヘリに爆弾を乗せ、原子力発電所の上空でのホバリング。日本中の原子力発電所の停止、廃棄を 要求する犯人。しかも無人だと思われていたそのヘリには偶然にも小学生の男の子が紛れこんでいた。この男の子を救出するた めに救難員たちの神業的な仕事が中間地点でのハイライト部分とも言える。ホバリングした状態で動かすことのできない新型ヘ リに救難隊のヘリはどう接近し、どう救出するのか。高度1000mでのヘリからヘリへ乗り移っての子供の確保とタンデム・ スカイダイビングは007を超えるスカイアクション。そして奇跡的に救助は成功する。しかし、これで事件は解決したわけで はない。犯人の最終的な狙いは本当に原子力発電所の停止や廃棄なのか?そして犯人側とヘリの核施設への墜落を阻止する側の 行き詰まる駆け引き。あとは本を読んでのお楽しみ。 | ||||
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一回目に読んだときには、ストーリーを追うのと専門用語の多さに圧倒されてしまいましたが、 再読してみると、かなり考えさせられました。 原発に爆薬を積みこんだヘリを落とす。 このテロによって、今まで目をそらし続けていた原発に、国民全員が目を向けることになる。 自分にとって原発とはなんなのか? 多くの登場人物を用いて、多くの視点から描写していく。 原発を動かしている人たちから、その恩恵をまったく意識せずに使っている人たちまで。 こんなにも多くの人が原発に関わっているのか。 というよりも、自分も原発に関係あるのだということに気付かされる。 この、訴えるようなメッセージ性がとんでもなく強い。 自分だったらどうかと、物語に引き込まれる。 他にも、地方への誘致の件や、テロリストの罪に関する話など、原発に関するとても印象的なエピソードが多数盛り込まれている。 最後に明かされた事実にも、興奮しました。 圧倒的緊張感の中、そこに込められた社会性がとても印象的でした。 原発への無関心は許されない。 ぜひ、2回読んでみることをオススメします。 | ||||
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読んでいて早く逮捕してと刑事を応援している自分と、テロリストを応援している自分がいました。結末についての感想はネタバレになりますので書きませんが。気になったので読み終わった後に、原発と白血病の関係を調べてみました。心を動かした意味でフィクションが現実に影響を与えたと言えるでしょうね。同時テロのときに、原発に航空機が突っ込んだらというのを評論家が語っていたのを思い出しました。人間は蜂に刺されてからではないと(事故が起きてからでないと)、わからないんですね。 | ||||
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非常に引き出しの多い作者ですが、これは実に良いサスペンス。 限られた時間で犯人を追い詰める必要性、もし見つからなかった場合のリスクなど、わずか1日の話なのに実に重厚なタッチで書かれています。 テーマに原発是非という社会的なものもありますが、それが無くても十分に読み応えがあります。じっくり腰をすえて楽しんでください。 | ||||
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東野圭吾の書籍は文庫化されたものは全て読了しているが、 その中で、最もおすすめできる書籍。 本書は東野のミステリー物に顕著な、主人公及びその周辺の人物のみを 深く厚く描くという手法ではなく、 様々な登場人物がそれぞれの立場で生きる中、いろいろな悩みや思いを 持っていることを巧みに描いている。 そのため、物語が一面的ではなく多層構造となっており、 いろいろな立場で物を考えることができる、非常に完成度の高い小説である。 また、テーマが原発という日本でも関心の深いエネルギー問題なだけに、 その問題の持つ意味合いも、我々が生きていく中で有効なサジェスチョンとなるものである。 諸手を挙げておすすめしたい。 | ||||
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執筆されたから12年たって読んでも、違和感のない作品でした。それだけ国の姿勢などが変わっていないということですね。 賛成派、反対派がそれぞれどのように意見を出しているのか、その矛盾点、原発の仕事をしている人たちの現状など単純な問題ではないということを記述してあるので、興味がない人、知らなかった人も意見を偏らされることなく読めると思います。 登場人物が多すぎる点、原発やヘリに関する説明やラストで犯人が投げかけた言葉の意味が、万人に理解できるか疑問が残る点で☆1つマイナス。 それは小説の限界なので仕方ないのでここは映像化といきたいところですが、政治的問題と絡んでくるので実際難しいでしょうね。 | ||||
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盗まれた巨大ヘリが原子力発電所の上でとまった。 犯人の要求は全ての原発をとめること。 要求が飲まれない場合はヘリが原発を直撃することに。 原発の安全性は?国は要求を呑むのか? 最初から最後までの緊迫した空気が非常に面白かった。 最後までどうなるかわからない展開。 犯人は分かるけど動機が最後までわからなく、 続きが気になって一気に読んでしまいました。 今まで原発なんて身近になかったので 生活の一部として考えていなかったけれど 実はとても重要な役割を果たしていることを知った。 放射能が漏れたらどうなるかなどの危険性はもちろん、 それ以上に原発の存在がどう人々の心理を左右するか。 原発の近くに住む人の心理。 犯人を追う刑事の原発に対する心理。 原発で働く人の心理。 一部始終をカメラを通して知る多くの国民の心理。 どれも丁寧に書かれていて、 正しい答えは一つではないのだなと実感した。 読んでいて考えさせられる一冊でした。 | ||||
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高速増殖炉や軽水炉なんて言葉は聞いたことがあっても、具体的には何も知らなかった。 話の展開よりも原発についての解説が印象に残った。 読みながら武田鉄矢とか長江英和を思い浮かべてしまった。 | ||||
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私はこれまでは原発のことは全く知らなかったです。名前を知っているくらいで、何のために存在するのかもわからなかったです。たまにニュースなどで反原発のデモなどを見ると、「少し危険なものなのかも」という位にしか思わなかったですが、今回本書を読むことで認識がかなり変わりました。特に終盤の言葉には重みがありました。 「沈黙する群集に、原子炉のことを忘れさせてはならない」「『新陽』に落ちたほうがよかった。いずれみんな気がつく」 このふたつの言葉には重みがありました。 たぶん原発のことに興味がある人は近くにすんでいる人でもない限りほとんどいないでしょう。しかし、そんな人にこそ本書を読んで欲しいです。 | ||||
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実におもしろい! そしてすごく考えさせられる、奥深い作品。 ぜひみなさんに読んでほしいおすすめ本です。 話は原発へのテロ。 「原発」と「テロ」という組み合わせが、 いかにもたいしな中身でなくても、 おもしろい内容になりそうな、 そういういやらしい題材の選びなのかなと思ったが、 まったくそうではない。 単に原発の批判しているだけじゃない。 単に日本でのテロの危険未来シミュレーションでもない。 それ以上にもっと奥深い問題。 原発の存在によって、 一人一人の人間の日常生活が、 具体的にどのように変わっていってしまうのか、 単なる原発被害ではなく、 人間の愚かしさと原発特性の勝手な恐怖感による、 社会の歯車が狂っていく様を見事に描いていて、 それでいてだから単純に原発が悪いだけではないという、 そういうバランス感覚にも優れた素晴らしい作品だ。 特に最後の方で明らかになる事実がほんと驚愕。 なんとそんなことが・・・。 おもしろすぎる。そしてほんと興味深い作品。 ぜひ読んでほしい。 特に原発の仕事をしている人や、 原発の地域に住んでいる人に読んで欲しい。 | ||||
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原子力発電所の真上に、巨大ヘリが爆発物を乗せて待機。 テロリストの要求は、日本中の原子力発電所を止めろ、ということ。 原子力発電が当たり前のように生活の一部となっていることに、 何の違和感も感じない人があまりに多い中、 物語中ではその危険性も丁寧に説明している。 しかし、ただ単純に危険だ、危ないものなんだ、と 説いているような幼稚なものではなく、 原子力発電がなければ、今の生活が成り立たないこと、 危険と隣り合わせに、どれだけの恩恵を受けているか? そして、都会に住んでいる人のどれだけの人が それについて真剣に考え、知識を持っているのか? 知らなかった、では済まされないような、大切な問題・・。 そんなことを考えさせられる。 文系の私には難しい理科系の理論もふんだんに描かれていたけど この手の理科系の作品は、東野さん以外で ここまで掘り下げて描ける人がいるだろうか!? とても勉強になるし、日常の生活の中、問題提起となる 要素がすごく多かったので、読んでよかったと思ってる。 | ||||
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そんな作品である。 原子力発電所があるおかげで受ける恩恵、その代わりに払う犠牲が あることを今まで考えもしなかった。 メリット、デメリットを知った上で必要か不必要かを考えることをしないのは 一部の人にとり悪なのだと思い知った。本当に無知は罪である。 原発以外にもヘリに閉じ込められた子供を救出するなどアクションシーンも 楽しく読める。 本の厚さは気にならず引き込まれる1冊である。 | ||||
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私が本書を読んで何よりも驚いたことは、原発や飛行機などに関する詳細な記述です。私はどちらにも詳しいわけでは決してないので、その正否を確認することはかないませんが、そんな素人にそらが本当の情報であると信じさせるには十分すぎるほどの説得力と文章力をもって、わかりやすく、かつリアリティーをもって表現されていました。 とても面白かったのは当然ですが、同時に「原子力発電」というものについて考えさせられる良い機会でした。私自身、その存在は知っているものの、深く考えたことがなく、登場人物の言葉の端々が深く心に響きました。 | ||||
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とても面白かった。読者すべてに、我々が本当に何を必要とし、また何を犠牲にしているのかを見せ、そして考えさせてくれる傑作。現代の生活を維持させるのに原発は欠かせない、だが、原発事故の被害は恐ろしいし、現在原発を受け入れている地元の人々は事故以前に放射の被害を心配しているだろう。そこには、国にだまされているのではないかという猜疑心もある。 我々はどこに向かっているのだろうか、そして、何かを得るために、ほかの何かを犠牲にする覚悟が我々にあるのだろうか。 | ||||
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原子力発電に警鐘を鳴らすサスペンス大作 「天空の蜂」を名乗る何者かにコントロールを奪われた最新鋭ヘリが原発の上空でホバリングを始めたことから始まる数時間の出来事が、圧倒的な筆力でスリリングに描かれている 正直言って読む前に期待した「ホワイトアウト」的な作品とは多少趣がことなりましたが、大変面白かったです♪ | ||||
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大作。おもしろかったです。 ヘリコプターについても原発についても、よくぞここまで調べたなあ、と感心させられました。 小説を読んでこんなに勉強になったと思ったのは初めて。 原発の問題や、でも必要だということ、それぞれの言い分を知らなければならない、というメッセージが切ないくらい伝わってきました。 またそれ以外にも、子供救出のアクロバットであったり、わずかなヒントで犯人を見つけていく刑事の仕事であったりもスリリングで楽しめました。 一人のキャラクターに入れ込みすぎない東野さん独特の作風で、冷静に、けれどものすごくおもしろく読ませてくれました。 長いけれどあっという間。 | ||||
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