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宣戦布告
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宣戦布告の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 21~40 2/3ページ
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特殊な訓練を受けた北朝鮮の精鋭11名が日本に上陸した!しかも彼らは、 対戦車ロケット砲や機関銃、そして手榴弾を持っている。厳重な警戒態勢が 敷かれるが、その内容はお世辞にも万全とは言い難かった。命令系統の煩雑さが、 末端への指揮に混乱を生じさせる。最新鋭の装備で臨んでいるはずなのに、 政府も警察も自衛隊も、たった11名の人間に右往左往させられている。 「向こうが撃つまで撃つな。」 「撃ってもいいが威嚇射撃にしろ。」 本物の戦争に突入するかどうかの瀬戸際なのに、上の人間のやることはマニュアル どおり。臨機応変な対応がまるでできない。たった一つの命令を下すのに何時間も かかるというお粗末さ。この信じられない状況が、犠牲者の数を増やしていく。 それでもなお、政治家は目先の利益しか考えていない・・・。 もしこのようなことが実際に起こったら、日本政府は国民をちゃんと守って くれるのだろうか?この作品に描かれている、危機管理体制の甘さから最悪の 状況へと追い込まれていく日本の姿・・・。それが、明日にも現実のものと なるかもしれないという不安が、どうしても拭えない。とても恐怖を感じる 作品だった。 | ||||
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原子力発電所が並ぶ敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着。情報が錯綜する中、ついに民間人が殺害され、 SATがRPGランチャーの餌食に!?戦争フィクション小説の金字塔です。 責任転嫁に右往左往する政府と、法律遵守の名の下に殺害される自衛官達。そしてダダ漏れの情報。 ハードカバーは1998年出版で、ストーリーの設定も当時のものすが、現在の状況と基本的に変わらないよう に思える。むしろ悪化してる?軍事モノに抵抗がある人でも読んで欲しいです。 ただ私の読み飛ばしかもしれませんが、最後の最後まで敵の目的が不明なのがちょっと・・・・? ここが減点でした。 | ||||
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本書は2001年当時の日本において、有事が発生した場合に起こるであろう 状況をリアルに示した。。そこには想定外の事態に全く対応できない政治 ・警察・自衛隊の姿が克明に描かれていた。その事実を知らなかった自分に 驚愕し、恐怖した。その後、現在に至るまで関連法制は整備され、状況は 変わっているらしい。だが、当時と今では何が変わって何が問題として残さ れているのか、いまも知らない自分に更に慄然とした。 この問題は、単に当時法整備がなされていなかったということではなく、 何事も曖昧なままその時々のコンセンサス=解釈で物事に当たる国民性と、 武力問題を議論することへのアレルギー反応が根本的な問題であることを 示唆している。また、後半で描かれる、不信と恐怖がもたらす過剰な軍事力 投入の連鎖を見るとき、極限での判断を可能な限り排除する厳格な対応マニュ アルの必要性とシビリアンコントロールの重要性は言を待たない。 戦争放棄の精神と、国民の生命と財産を守るということ。警備・防衛とは何 なのか。こうした点について、我々は単にタブー視して眼を背けるのではなく、 十分に議論する必要があるのではないか。そんな視点に立たせてくれる一書 であった。 | ||||
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本書は2001年当時の日本において、有事が発生した場合に起こるであろう 状況をリアルに示した。。そこには想定外の事態に全く対応できない政治 ・警察・自衛隊の姿が克明に描かれていた。その事実を知らなかった自分に 驚愕し、恐怖した。その後、現在に至るまで関連法制は整備され、状況は 変わっているらしい。だが、当時と今では何が変わって何が問題として残さ れているのか、いまも知らない自分に更に慄然とした。 この問題は、単に当時法整備がなされていなかったということではなく、 何事も曖昧なままその時々のコンセンサス=解釈で物事に当たる国民性と、 武力問題を議論することへのアレルギー反応が根本的な問題であることを 示唆している。また、後半で描かれる、不信と恐怖がもたらす過剰な軍事力 投入の連鎖を見るとき、極限での判断を可能な限り排除する厳格な対応マニュ アルの必要性とシビリアンコントロールの重要性は言を待たない。 戦争放棄の精神と、国民の生命と財産を守るということ。警備・防衛とは何 なのか。こうした点について、我々は単にタブー視して眼を背けるのではなく、 十分に議論する必要があるのではないか。そんな視点に立たせてくれる一書 であった。 | ||||
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戦争物ではなく、危機管理を題材にした政治ドラマです。 敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着し、特殊部隊が上陸。 警察が出動するが手に負えず、自衛隊の出動となる。 ここでは日本の危機管理体制のお粗末さが、嫌と言うほど描かれます。 いつ敵の弾が飛んで来るか判らない現場から、官邸にいる首相まで、 一々伝言ゲームで発砲や武器選択の許可を得る様は、まるで漫画の ようです。本当にこれが現実だとしたら怖いと思いました。 小説としては、北朝鮮特殊部隊側の視点が全く無いのが物足りません。 作者は日本の危機管理体制を描きたかったのだろうけど、北朝鮮 特殊部隊の潜水艦が漂着したのは予定の行動なのか、事故なのか、 何故すぐに原子力発電所を制圧せず、ぐすぐす潜伏していたのか、等が 全く描かれていないのは不満です。 これでは、突然現れた災厄として扱われているだけで、極端な話、 ゴジラでも宇宙人でも良かったのではないでしょうか。 もっとも、それではリアリティーが無くなってしまいますが。 | ||||
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2001年当時、有事法制と国民保護法制はまだ存在しませんでした。 そういう状況で警察力が対応できないテロ集団が紛れ込むと何が起こるのか。この作品は、膨大な資料を通じてそれを明らかにしました。 ここに登場する防衛庁、警察庁、総務庁、郵政省。どの役所もこの問題に的確な答えを出せないまま犠牲者が拡大していきます。外務省に至っては、呼ばれもしないのに官邸に参じ、積極策に悉く反対した挙句、反対勢力への根回しを開始します。 思えば先の大戦も似たようなものでした。世界最強の歩兵と画期的な航空戦力を持ちながら、上層部が分裂・対立を繰り返して有効な戦略を繰り出せず、何万人もの有能な兵士を無駄死にさせてしまったのです。 この国は、末端が最高。トップが最低。その事実をまざまざと見せ付けた作品であるといえます。 | ||||
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たった11人の北朝鮮兵士。これが侵入した兵士に倍する損害を日本側に与えます。しかも、その原因は末端の練度ではありません。トップの決断の欠如と我が国の憲法を頂点とする法律による制限です。 惨たらしく死んだ部下の姿に直面し、現場がクビを掛けて決断して初めて、事態は一変します。少なくとも2001年時点では、そうした決断をした人間は確実にクビになる上、刑事罰が待っていました。 その状況に至っても、相変わらず首相官邸では鳩首会談が続きます。 今、有事法制も国民保護法制も成立しましたが、事態は改善したのでしょうか。防衛庁、総務省、警察庁、そして何と言ってもこのシリーズで一貫して暗躍し、トップの決断を遅らせ続けた外務省の姿勢に変化はあるのでしょうか。 | ||||
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有事法制はこの本によってできたのではないかと思わせられるほど「防衛」について考えさせられる。 あまりのディティールのリアルさに、「敵」と「防衛すらできない日本」に震えが止まらなくなる。 軍事的な知識が無くても十分に読みこなせる。 これが「日本ではありえない」といえる日が来て欲しい、と思うほど訴求性がある。 ただし、政治的なアピールではないので、クライマックスを「なんだ結局そうなんだ」と覚めた目で見てしまうのは自分だけだろうか。 | ||||
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本書は、フィクションである。しかし、本書を読むと、自国の安全に疑問を感じるようになる。きっと、同じような事態が発生したら、同じような結果に至るのではないか。 そのようなリアリティを有した小説だった。「歴史にifは禁物」というが、未来に1つの仮定をおいて考えた場合、北朝鮮がテロリストを日本に送り込んだら、日本はどうするのだろうという現実を考えさせる内容だった。 | ||||
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私が今までに読んだ中では、 福井晴敏や山田正紀、明石散人のような“有事”ものを中嶋博行のような専門知識に富んだ人が書いた、 というように感じました。 プロフィールによれば 作者はもともとその方面のジャーナリストとして本を何冊も書いている人のようなので、 政治的、軍事的、法律的な記述はかなり細かく、 あたかも官僚が作成したシミュレーション(見たことも聞いたこともないですが)のような、 あるいは実際にあった事件を元にしたノンフィクションノベルのようにも思えるほど。 ただ、やたらと用語などが細かいせいで、ドライブ感には欠けるし、 とっつきは悪いですが…。 でも中盤以降は右往左往する(特に政治家・高級官僚)などが迫真のディテールで描かれ、グイグイ読ませます。 | ||||
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上巻を読んだ人ならこの下巻に入るくらいになれば一気に読めます。 敦賀半島に潜伏する北朝鮮工作員の脅威を排除するオペレーションと、 裏側で浮上してくる北朝鮮本国の動向や中国の思惑などが、 次第に恐るべき事態へと発展しようとして行きます。 後半にさしかかってくると、 どんどん盛り上がって来るのに大丈夫か? 下巻じゃなくて中巻の間違いじゃないか? と心配しますが、終りは意外とあっさりとしていました。 どうやって状況が終了するのか、というところで、 最初から別エピソードのように進行していたスパイ事件が絡んでくるあたりは、 伏線としては露骨だし長すぎる気もしますが、構成としては効いています。 日本の政治家・官僚の防衛意識のなさ(低さではない)、 それによる自衛隊のがんじがらめともいえる制約や束縛などは 他の本や『パトレイバー2』などで知っていましたが、 ここまで徹底した取材による具体的な構造問題を描いてくれると逆に爽快ですらありました。 日本の防衛問題を描いたシミュレーションとしてはトップクラスの出来で、 問題といえばディテールはともかく小説としてはさらに向上の余地があること、 あとはタイトルが作品中で浮かび上がる時にももうひとつインパクトがないこと、 くらいでしょうか。 でもそれらは迫真で精緻な内容にくらべれば大した問題ではありません。 | ||||
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敦賀半島には敦賀原子力発電所、美浜原子力発電所、高速増殖炉もんじゅ発電所がある。ここに北朝鮮の潜水艦が上陸して11名の兵士が潜伏する事態になったときに、日本の警察・自衛隊・政界がどう動くかをシミュレートしたのがこの小説である。不十分な法整備と、指導者の優柔不断により、警察・民間人・自衛隊に次々と犠牲者が出る。最終的には収束に向かうが、射殺も許されない警察官、十分な交戦規定もないまま前線に送り込まれる兵士は気の毒と言うしかない。日本の危機管理に対する警世の書である。 小説の構成の点では、敦賀半島で進行する警察・自衛隊の軍事作戦と、東京で進行する外事警察の防諜作戦(スパイ狩り)が同時並行的に描かれていて、立体感と緊張感を与えることに成功している。 やや話がうますぎる点もあるが、法律についても、外事警察についても、自衛隊についても良く調べて丁寧に書き込まれている。 | ||||
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北朝鮮の潜水艦が敦賀半島に座礁して、乗組員が武器を持って半島内に潜伏するという設定。そして、これに現在の日本が対応しようとすると、どういう混乱が生じて、どういう時間的、作業的、人的なロスが出てしまうかを思考実験しているような小説。盛り込まれている情報量は豊富で圧倒されそうになるほど。小説ではなく、読みやすい「資料」を読んでいる気さえしてきました。有事法制の現状、警察庁と自衛隊、内閣、在日米軍の関係(or 確執)、危機に直面した時の官僚の心理と責任転嫁、防衛庁官僚と現場指揮官の指揮系統などなど新しく得た情報が多かった。 官僚機構や組織間の関係は詳しく書かれてるのに、登場人物に対する人物描写がほとんどないのもこの小説の特徴。読み始めのころは欲求不満が溜まりましたが、誰がその立場に置かれても、結局のところ混乱の過程は同じことになるだろう、という著者のメッセージがあったように思えます。物語の筋は徐々に、そして淡々と盛り上がっていくのですが、最後にディスインフォメーション(欺瞞情報)ひとつだけで、事件が解決してしまうオチはちょっと単純すぎると感じたので星4つ。 | ||||
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北朝鮮の潜水艦が敦賀半島に座礁して、乗組員が武器を持って半島内に潜伏するという設定。そして、これに現在の日本が対応しようとすると、どういう混乱が生じて、どういう時間的、作業的、人的なロスが出てしまうかを思考実験しているような小説。盛り込まれている情報量は豊富で圧倒されそうになるほど。小説ではなく、読みやすい「資料」を読んでいる気さえしてきました。有事法制の現状、警察庁と自衛隊、内閣、在日米軍の関係(or 確執)、危機に直面した時の官僚の心理と責任転嫁、防衛庁官僚と現場指揮官の指揮系統などなど新しく得た情報が多かった。 官僚機構や組織間の関係は詳しく書かれてるのに、登場人物に対する人物描写がほとんどないのもこの小説の特徴。読み始めのころは欲求不満が溜まりましたが、誰がその立場に置かれても、結局のところ混乱の過程は同じことになるだろう、という著者のメッセージがあったように思えます。物語の筋は徐々に、そして淡々と盛り上がっていくのですが、最後にディスインフォメーション(欺瞞情報)ひとつだけで、事件が解決してしまうオチはちょっと単純すぎると感じたので星4つ。 | ||||
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小説であって良かった。法的に戦争を否定する国家である日本が、戦争状態に陥った時、現実問題としてどう対処できるのか。 自衛隊、警察ともに国民を守るために戦闘を辞さないだろうと期待する一方で、法治国家としての存続が危ぶまれる気がする。法が機能せず、法を遵守しない国家が、人々を法で治めることができるのか。拡大解釈、無理な御都合解釈の蔓延る日本に住む人々皆が、日本の政治、法制度、国防等々、国家に関するあらゆることに考えをめぐらす事のできる刺激的な小説だと思う。 | ||||
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不審船事件やノドン・テポドンの試射など日本は幾度となく有事の一歩手前まで起こっていた。 RPG所持のテロリストには自衛隊でないと対処できない。それも武器使用が正当防衛では特殊部隊とは戦えない。 見敵即射を国民世論が許すかどうか。無論私は支持するが・・・。 この作品を全ての国民が読んで考えるべき時代に来ているのではないか。 | ||||
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自衛隊と警察庁の対立構造を背景に、北朝鮮からの工作員と思われる潜入者に対して、国家組織としてスムーズな対処が困難な法整備の現実が露呈した状況を非常にリアルに描いている。また、筆者の得意とするところと思われる、公安関係の記述はノンフィクションライターの経歴ならではの、報道取材からでしか、決して得ることのできない緻密な描写となっていることに関心した。日本の警察は自治体警察であると同時に国家警察であることが、防諜任務を帯びた公安組織の行動を記述する中で小説に単なるテクノスリラー小説を超えた深みと怖さをかもし出しているようだ。 | ||||
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緊迫感あふれる展開が続いた上巻につづき,下巻ではいよいよ命題のひとつである「自衛隊」の行動原則が緻密に描かれる。関心したのは,作者が登場人物ひとりひとりを背景描写豊かに描いていく力量。私は下巻を読みながら,トム・クランシーの作品とだぶらせていた。 警察の特殊部隊(SAT)でも苦しめられた「現場対応」と「官僚主義」に同じように自衛隊員達も苦しめられる。読了した後の,やるせなさや虚脱感は,私だけが持つ感想ではないはず。その感覚を感じることこそが,間違いのない「傑作」である証明となるからだ。 | ||||
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国際平和を希求する『日本国憲法』と東西冷戦の結果生まれた「自衛隊」。現実のアジア情勢が変化すれば,憲法第9条解釈と自衛隊法の運用はどうなるか?そんな関心があってこの本を手に取った。 原作者の力量を遺憾なく発揮している傑作といえる。特に自衛隊が,具体的には各種政令がなければスムーズに運用できない点をさりげなく会話の中にちりばめているところが圧巻。なにせ,その政令が存在しないとすれば? 優秀なはずの官僚達の責任転嫁,防衛庁官僚や制服組の焦燥を見事に描ききっている。構成も内閣・防衛庁の縦糸と,警察庁・警視庁の横糸を精緻に組み合わせている。だから5つ星。 | ||||
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テレビから北朝鮮の拉致被害者問題のニュースが流れると、「今日は何人の自衛隊が亡くなったのか?」とドキッとしてしまう。これくらい仮想と現実の区別がつきにくいほど現実に考えられる事態を書いています。 構成もテレビ画面を見ているような錯覚に陥るほど場面や状況が刻々と変化します。本当に面白い本でした。 | ||||
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