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変身
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変身の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全140件 81~100 5/7ページ
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このSF的物語は、微妙な人間的機微を語る。 もし、脳移植なんて事が行われると、誰もが疑問に感じる事が、そのまま物語になっている。 つまり、他人の脳を移植されたら、移植された方の人間は、いったい誰なのか? こんな疑問が、緻密な物語に仕立てられていて、大変興味深い。 著者が、ここで構築した物語は、医学や科学が万能ではない事を前提にしている。 そして、博士が語る、この研究の目的に関しては、少しだけ共感は出来るが、やはり、狂っていると感じた。 絵ではなく、音楽に興味を示す主人公の姿に、強く惹かれる。 そして、最後の一行は、強烈な魅力を放つ。 脳移植に関して、当たり前とも思える内容も、いくつも盛り込まれる。 しかし、主人公の内面に、深く共感出来る。 | ||||
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「私」とは何か。この手は「私」の手であり、この心臓は「私」の心臓である。手も心臓も、「私」が所有しているモノのひとつである。では「私」とはいったい何なのか? 「私」があって、「私」の肉体がある。肉体が滅びようとも、私自身はなくならないと考えるのが「霊」の考え方なのかもしれない。実際、「私」と「私の肉体」は切っても切り離せない関係にあるのかもしれないし、別々でも働くのかもしれない。答えはわからないが、この本を読んだ私は、前者なのではないかと思った。 自分自身とは何なのか、自分自身が死ぬということはどういうことかを考えさせられた一冊。 | ||||
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脳移植をして人格が変わっていくところをリアルに表現してある辺りはさすがだなと思いました。 最初の方で、誰の脳を移植したのか察しがついてしまいましたが、それでも読むだけの価値はありました。 恋人がだんだん自分から気持ちが離れていくのを感じている辺りが悲しかった。 | ||||
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すごくリアルに自分が自分でなくなっていく過程が描かれている。「生きているということは自分が足跡を残していくことだ」という一文には深く納得。アルツハイマー患者は自分が残した足跡が消えていく。でも主人公、純一は自分が残してきたはずの足跡がどんどん他人のもののように思えてくる。どちらも生きていくのが空しくなるだろう。でも愛する人を愛したい気持ちがなくなっていくのを止められない、しかもそれを自覚しているという点においては後者のほうがつらいだろうと思う。最後に純一があの絵を描き残してくれてよかった。 | ||||
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脳移植を受けた主人公が、ドナーの性格に少しずつ乗っ取られていくという、ある意味でとても怖い話だ。 主人公の純一は優しく気弱な青年だが、彼と脳の中の「別人」との壮絶な闘いは感動的でさえある。彼が最愛の恋人を守りぬくラストシーンには目頭が熱くなった。 この小説はミステリーというより、あえて言えば犯罪小説の一種だから(それ以前に恋愛小説だけどね)、猟奇的な部分もあるが、書こうと思えば、もっと「ホラー」にもできたはずで、作者はあえて一定のレベルで止めているのだろう。主人公の一人称だけでなく、周囲の人々の「日記」や「メモ」を挿入して、客観的に描こうという視点も成功していると思う。 移植された脳のドナーが誰か、という謎は、すぐにわかってしまうけど、作者はそれを承知で書いているだろうから、まあ問題ではない。 しかし、ドナーは攻撃的な性格かもしれないが、腹が立った相手に、瞬時に殺意を抱き、ためらいなく実行するほど、悪魔のような人間ではなかったはずで、そう考えると、主人公の人格を塗りつぶそうとする「別人の脳」の異常さは、ちょっと納得しにくい。そこが気になったので減点1かな。 | ||||
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世間で「白夜行」が話題となっており読むのを躊躇っていたとき、同じ作者の「分身」を読んでかなり面白かったので、「変身」を読んでみました。 多分、世界でも実施例がない(と思う)脳移植をテーマにした医療サスペンスです。 脳が何を司どっているのかも含めて、脳移植は非常に重たいテーマだと思いますが、サスペンスとしては展開が読みやすい。 これは別な方が指摘していたことですが、主人公・純一が性格が変わってゆく課程で、一人称が「僕」から「俺」に変化しており、作者の細かい技巧には驚かされます。 | ||||
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東野圭吾さんの本を読むのは 初めてでしたが、本当に面白かったです!!! 本書を読んで、 人の身体の不思議さに改めて感じさせられました。 やはり脳という部分は 人間が生きていく上での大切な感情などを 扱っている所なのであり、 いつかもし脳移植が試されるようになったとしても この本のような出来事が実際に起こるのだろうかと思うと 怖くてならない。 研究あってこその医療だけれど、 人ひとりの人生までも犠牲にしていいものだろうか。 まだ読んだ事のない人は恵と純一との関係にも注目して読んでもらいたい。 表紙からして難しそうな本だが、 高校1年の私でも文字どうり読むのが止まらなかったので 若い人たちにも是非読んでいただきたい。 | ||||
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事件に巻き込まれ、脳移植という手段によって 一命を取り留めた主人公の、心の変化を描いている。 他人の脳片の一部を、自分の脳の損傷部に移植する。 果たして、他人の脳を持つ「自分」は「自分」なのか? 好きだったもの、考え方、感じ方、愛していた人、 かつての自分とは明らかに変わってしまった自分を、 どうにもできずに変身がエスカレートしていく話。 人格の崩壊という、苦しすぎる展開には 読んでいるこちらにも苦しさが伴う。 心から愛した人を愛せなくなる。 本物の自分というものが消滅していく。 読んでいてあまり気持ちの良いものではないけど、 文章がとても読みやすいものだから、読むのに時間は さほどかからないと思う。 | ||||
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脳移植を受けた本人がどのように変わっていくのかという描写が非常に興味深いし面白かった。経過説明に当たる医学的な記述では作家がよく調べているなと言う好感も持てた。 全体に散りばめられた回想シーンが、物語を多重化している。さらに登場人物ためのメモや日記という第三者的な記述が功を奏していて秀逸なアイデアだと思われた。視点が移ろうことを嫌って完全に第三者の報告という記述方法で話を進め、どこかに本人からの告白をまとめるという手段もあったかと思うが、今の構成で違和感なく読めた。 | ||||
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本書で扱っているテーマは科学技術の発展によって生まれる倫理的なテーマを扱っている、フィクションながらも、現実に起こりうることであると思います。クローンや、人工頭脳をもったロボットの事を考えると、軽視できない人類的な課題ではないでしょうか。 東野氏の作品は、『天空の蜂』でもそうでしたが、専門的な分野の描写(本書では脳医学、『天空の蜂』では原子力)が、とても優れていると言えます。専門的に学んでいる人ならば、フィクションとしての「粗」を探し出せるかもしれませんが、一般教養レベルの知識では、それを探し出し、非現実性を感じる事は不可能だと思います。 普通に考えれば、脳を移植して別人格になるということはありえないかもしれませんが、本書はそんな一般常識に抗するだけの、文章力・説得力を持っています。 展開がやや単純だったこと、特に入り組んだ伏線がなかったことから、僭越ながら☆4つをつけさせていただきますが、全体的にはやはり東野氏の作品らしく、面白かったです。 | ||||
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徐々に「自分」が「他人」になっていく純一の苦悩・悲しみ・苛立ち等に胸が 締め付けられる思いでした。そして、徐々に変わっていく彼を見守るしかでき ない恵にも涙してしまいます。 この作品の素晴らしい所は脳移植により直ぐに他人に変わってしまうのではな く、徐々に他人に支配されていくというところにあると思います。その過程が 残酷なまでに生々しく描写されていました。 この作品はなるべく時間を掛けて読みたかったのですが、読まないようにして も3日で読みきってしまいました。それ程、読み始めると止まらない作品です。 ラスト付近で純一が恵に自分の想いを伝える一言で、私の涙腺は崩壊しました。 非常に面白い(語弊が生まれるかな?)作品でした。是非。 | ||||
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とても面白かったです。映画も見ましたが、やはり原作のほうが面白いです。 終始成瀬純一の視点から物語が進められていくので、純一の脳手術による人格の変化や苦悩が良く分かった。そして、それを補助するように書かれている他の登場人物の日記やメモなどがいい働きをしてより面白い作品になっている。 純一は最初のほうは自分のことを「僕」と読んでいるのだけど、途中から知らない間に「俺」に変わっている。途中、気がついていつ変わったのか調べてみると結構読み進めた後だった。これから呼んでみようと言う人はそこら辺も注意しながら読んでみても面白いかもしれない。 最近東野圭吾の作品を知った人、特に「手紙」などの映画を見て知った人には読んで欲しい作品です。 本作品は映画にもなっていますが、「小説も読んでないし、映画も持ていない」と言う人にはまず映画を見てから原作を読むことをお勧めします。映画を先に見ると、情景もイメージしやすいし、原作を先に読んでから映画を見るとがっかりすることも少なくないからです。 | ||||
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自分とは?自己とは何なのか?性格は?脳に人格はあるのか? その脳を移植したらその脳は誰なのか?? そんなことを考えさせられる作品。 この作品では、温和で優しい青年が事故により脳移植の結果 ドナーの凶暴な人間性に自分自身が浸食されていくという内容 で、変わっていく自分と変わりたくない自分とが必死に戦いながら やがて悲しい最期に至るというもので、読む手を休めずページをめくって いったけど、本当にこんなことがあるのだろうか?という疑問と こんなこともあるのかもしれないという思いの両方が存在した。 この作品でいえば、逆に凶暴な人間におとなしい性格の脳を移植したら おとなしい性格が凶暴な性格を浸食していくのか? その場合、作品としてはおもしろみがなくなることになるけど。。 そんなことまで思いを巡らせながら読んだ。 | ||||
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初めて東野圭吾作品を読みましたが、内容は好きです。多くの方が言ってるようにアルジャーノン〜をイヤでも思い出しますが、展開は異なるのでさほど気にはなりませんでした。ただ、大きく予想外な展開、というのはありません。最初に「もしかして…」と考えたのが見事に的中しました。しかし拍子抜けという感じではなく、自分の中のふわふわしてた考えがカチッとはまり、むしろ気持ち良い感じです。この作品をこれから読む方のために忠告させていただくと、これは感動する話では無いです。いろいろ考えさせられるお話ですが、読んで損は無いでしょう。これから東野作品をたくさん読みたいと思わせてくれました。 | ||||
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読み終えて一番に思った。いやドナー提供者目線だと、やはり「変身」か。 絵描きが、体を失う話か。ピアノ弾きが、体を手に入れる話なのか。 なんにしても人格を司るのは何?「こころ」って何?と考えさせられた。 脳移植の話というとすごい難しい?と先入観があったが。 絵描きと音楽、才能の変化で、すごくわかりやすかった。 『秘密』も変身の話だった。 舞台は工場で、主人公は上昇志向、テーマは「変身 or 犯罪」。 この作家、ホント相変わらずのテーマなんだけど。 あきずに読ませるねー。作品を読むたびに驚かされる。 確かにトリックスターかもしれない。 ふと手塚治虫のブラックジャックを思い出した。眼の移植オペで ドナーの生前目撃シーンを、毎夜夢見る患者の話だったんだけど。 医学はずいぶん進歩したなあ。 PS●「こころ」って進歩って何?→『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 鬼才ディックが人間とアンドロイドの精神分別、定義づけに試みた。 | ||||
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読み終わった後に色々なことを考えさせられる本でした。 脳の神秘、移植の是非、人を愛する意味…挙げだしたらキリがないほど色々なテーマを物語の中にちりばめているのですが、物語に一貫性があり、読んでいて違和感がありません。 内容自体は本の帯に書いてある通りで、ある程度予想した通りの展開なんですが、とにかく面白いです。 重いテーマを扱いながらも、読み終わった後に残るのは暗い気持ちではなく、むしろその逆の感情である、という点においても「東野圭吾はやっぱりすごい!」ということを再確認させられる一冊なのではないでしょうか。 | ||||
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ドナーの協力により、脳移植手術を受けた主人公。手術は成功するが主人公を待っていたのは自己崩壊という恐怖。 よくありそうな設定なので、あらすじを聞いただけで別に読まなくても展開分かるしいいや…と思われる方がいらっしゃると思います。 が、自分を失っていく悲しさの描写が上手いので、どんどん話に引き込まれていきます! 生きているからそれでいい。それだけでは駄目なのだとこの物語は語ってくれます。値段も厚さもちょうどいい感じ。 秋の読書の一つにお勧めします!! | ||||
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主人公純一は不慮の事故により、世界初の脳移植手術を受ける。手術は成功したが、徐々に絵が好きでおとなしい性格だった純一が移植提供者(ドナー)の性格に変わっていく。たとえば途中から自分のことを「僕」から「俺」というようになる。性格が変わっていくさまが絶妙なので一度読んでみてください。きっと物語の中にひきずりこまれます。 | ||||
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タイトルの「変身」、そして脳移植手術という言葉だけで、その内容が想像できる。 しかし・・・・やっぱり「東野WORLD」にはまってしまうんです。 元人格と移植人格のそれぞれの変身過程の扱いが、本当にうまい! 元人格の最後の一言・・・・・泣いてしまいました。 読み進めていくうちに同化してしまうのか、自分でもそれだけは伝えたいだろうなと思える一言だから・・・・・見事です! | ||||
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本書は、少女を助けた結果、成瀬純一は重体になって、脳移植を受けることになった。脳移植の結果、手術は成功したが、大きな代償を受けることになる。それは、以前の穏やかな性格から、正反対の性格へと変貌していくのである。それは、脳移植の結果なのであろうと気づいた。そこで、成瀬純一は、自分の脳移植のドナーを探すことになる。それと共に、自分がだんだんコントロールできなくなっていくことにも気づくことになる。 自分というものがだんだんコントロールできなくて、狂気的になっていく。狂気的になっていくに従って、葉村恵を疎んじることになってしまう。恵は、それでも純一のことを信じている。以前の純一が好きなんだろうが、変貌した後でも健気に純粋無垢に純一のことを信じているのがわかる。 死の在り方ってどうなんだろうと思う。死ぬ可能性が高い病気にかかったときに、1数%の命を懸けて自分は生きたいと思うのだろうか。それとも、逝きたいと思うだろうか。生き続けることで、これから苦しみ(身体的障害)を背負っていくのであれば、無理して生きる必要性もないのかなと思う。自分に正直に生きることが一番必要なのだろう。 | ||||
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