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昼下がりの恋人達
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【この小説が収録されている参考書籍】
昼下がりの恋人達の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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赤川次郎さんの短編集です。7話収録されています。 「愛妻物語」 「シルバーシートへの招待」 「真夜中の悲鳴」 「五分間の殺意」 「一杯のコーヒーから」 「ノスタルジア」 「昼下がりの恋人達」 | ||||
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愛妻物語はライト感覚でありながらもニガい、そんな話だ。肉体的に女性を愛することができない(EDということだろうが)久保という男。誠実でありながら、不器用で容姿も、会社でもパッとしないその男は、訪ねてくる同僚を騙すために明石を誘拐、監禁し、結婚していることにする。明石の妻、衣子に夫である明石を誘拐しているからと妻になりすましてもらい、一日限りの偽りの夫婦を演じる。誘拐された明石はヌルい監禁をあっさりとといて、愛人の元へ行く。資産家の妻の財産を入手せんものと、愛人に唆されたこともあり、妻の殺害を思いつく。結局、久保は衣子を殺そうとした明石を、衣子を救う為に殺害してしまう。結果的に、久保が明石を誘拐したことで、久保本人もだが、明石、衣子の運命が狂う。明石は長年付き合っていた愛人がいたが、今回のことがなければ、衣子の殺害など思いつかなかっただろう。また衣子も仲むつまじいはずの夫から、危うく絞め殺されそうになることもなかった。久保は殺人者となってしまった。久保のような男が同僚の手前、とにかく誰かの夫になりすまさなければならない、ウソをつかなければならない、それは必須であったろうと想像できるが、しかし、そんな思いつきが各々の人生の歯車を狂わせてしまったことが恐ろしい。 | ||||
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1日だけの妻、しがないサラリーマンの数分間の楽しみ、団地内に響いた悲鳴、夫婦間の男女関係等全てに恋愛要素が絡みどこか日常とは異なる風景を描写している。題名でもある昼下がりの恋人達の話は恋人は出てこないので注意。 | ||||
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基本的に著者の作品は女々しさ、が残る作品ばかりです。 なので男の人らしさ、を感じたい人には 不適でなんだこりゃ、となってしまうかもしれません。 作品としては ぞっとする恐怖感を与える作品ばかりです。 特に「シルバーシートへの招待」に関しては ある死へつながるジンクスと結び付けて 最後の数行を「あっ」と言わしめるものになっています。 それはきちんと読めば… ただし、女々しいのが欠点の著者の作品でも 表題作に関しては 女々しさもあまりなく 最後には思わず心が温まるものとなっています。 唯一人間の汚さで最後、終わらない作品です。 女々しさが付きまとう作品なので 読む際には注意。 | ||||
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7つの作品の短編集。 愛妻物語 シルバーシートへの招待 真夜中の悲鳴 五分間の殺意 一杯のコーヒーから ノスタルジア 昼下がりの恋人達 シルバーシートへの招待は、なぜシルバーシートに座ると氏に至るのかがわからず、恐怖小説または怪奇小説という感じでした。 他の作品も探偵小説、推理小説というよりは、ホラーに近いような気がしました。 赤川次郎作品なので、恐さの中にも人間愛か、軽やかさか、前向きなところが見え隠れします。 | ||||
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現代サラリーマンの退屈で変わりばえしない日常のすぐとなりで起きた、切なくもおかしい事件の数々をめぐるユーモア・ミステリーの連作短編集です。ご自身もサラリーマンを経験したためか、通勤電車や会社の描写は非常に現実感があります。 解説によると、魅力的なキャラクターと、そのキャラクターをあやつる作者の手際のよさが魅力だそうです。<どこにでもいそうで、ちょっと現実離れしたところがある>登場人物が出くわす事件の数々は何度読んでも面白いことでしょう。 「愛妻物語」 気弱なくせに見栄っ張りな男が若い男を誘拐監禁し、新婚間もない彼の家庭に乗り込みます。 これ見よがしな謎やトリックは全くない、ストーリー全体をトリックにした、トリック物の一種だと言えるようです。 『狡ooの頭の中は理屈では割り切れない』と誘拐された男は言いますが、思考が歪んだ人間も普通の人と同じ感情を持っていることが静かに伝わります。 意表をつく結末まで辿り着いた時、驚きと共に少しだけ優しい気持ちを感じました。 「シルバーシートへの招待」 その席に座った者は近い将来必ず死ぬという、郊外電車のシルバーシートをめぐる因縁話です。不気味な迷信よりも、人間のほうが何倍も得体の知れない怖さを持っていることを感じます。 しかし、おどろおどろしさは全くない、皮肉をたっぷり含んで入るがからっとしたユーモアミステリーです。 「真夜中の悲鳴」 解説では、この作者は団地物が得意と書かれています。確かに団地の構造や住民の動きなどについてこの作品に限らずリアルに描かれています。 夜、郊外の大団地で夜の静寂を貫いて悲鳴が響き渡り、3人の住人が様子を見に出ます。怪しい場所を調べて回る3人組は、いろいろな事に遭遇します。最後に人を食ったオチがついた笑える作品です。 「君子危うきに近寄らず」とは大変良い教訓だと思えます。 「五分間の殺意」 窓際族の遠距離通勤のサラリーマンが、ひどい天気でも時間通りに出勤するのには理由がありました。メルヘンと悪夢が一緒になった、ある意味では大変こわいミステリーだそうです。 確かだと思っていたものが揺らいだ時に起こる悲劇が描かれています。 「一杯のコーヒーから」 解説によると、コーヒーに入れた砂糖の数と、手製のキーホルダーを絡ませた、編中随一の本格ミステリーであり、見事なストーリー展開とキャラクターづくりの上手さがわかる作品だそうです。 職業の異なる4人の男の性格の描き分けに注意して読んでください。 おだやかな時間の背後に危機をはらんだ考えが流れる、スリルのある作品です。 分かってみれば、全ては何とも単純なことなのですが。 「ノスタルジア」 探偵社に勤める男が主人公の、ハードボイルド・タッチのサスペンスです。 同級生だった男女が十数年の歳月を経て出会います。それは偶然のようですが計画的なものでした。 男女の逢瀬と探偵の任務が淡々と描かれた、タイトルがしみじみと感じられる作品です。 「昼下がりの恋人達」 老人を助け莫大な遺産をもらった恋人達。お金はそうそう転がり込んでくるものではないのですが、奇妙な偶然から二匹目のドジョウをねらう話です。同じ¡は二度起こるのか。タイトルも含めて話全体に皮肉さが漂っています。 | ||||
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