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八月の博物館
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八月の博物館の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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本当につまらない!作者の産みの苦しみのエッセイがしょっ中出てきて物語が中断される。言い訳を読んでいるようで見苦しい。楽屋オチは単に物語を退屈にするだけ。亨の話とエジプトの話、2つにすべきだったと思う。 | ||||
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SF・ファンタジー・歴史・純文学,すべてを融合させたかなり挑戦的な小説だと感じた. ひと夏の少年の成長と青春・冒険が繰り広げられると思ったら, エジプトが舞台の歴史ロマンが展開されたかと思えば,一人の小説家のリアルな葛藤が描かれる. 全ての物語を巧く融合させ,新たなエンターテイメントを形成している. そしてただのエンターテイメントではなく,小説とは何なのか, 作者本人が葛藤しているようにも思えるが, これは読者に対する問いかけ,いや,挑戦ではないかとさえ思える. しかも軸となるテーマには博物館とは何か,どんな役割があるのかを, 「博物館の博物館」を見せることで示している. これだけのテーマをここまで簡潔に,無理なくまとめているのはすごい. この小説家と同じように,それ以上に葛藤し考えたのが伝わってくる. | ||||
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"小学生が夏休みに古代エジプトを冒険するタイムリープファンタジー"というような触れ込みを見て読みました。 なので非常にがっかりな作品です。 評価が高かったので面白いだろうと思って読みましたが、読了後に評価を詳しく読んだらそれはほとんど"メタファンタジー"的な表現に対しての評価の高さでした。 以下ネタバレです。 確かに、"物語の中に物語"、"作者とは、物語の登場人物とは?"と言ったようなメタ視点の部分は面白いなと感じましたし評価の高さも納得できます。 ただアマゾンや他サイトの本の紹介欄などが"タイムリープ冒険ファンタジー"といった紹介なのに、終盤でメタファンタジーとしての部分の方が大きくなっていて、つまらないです。冒険ものだと思わせて期待させておいて、この終盤はあまりにひどい。 冒険ものとしての核であるアピスの設定やタイムリープできる装置("同調"のシステム)の設定がずさんだしつまらない。 ラスボスであるアビスと戦うシーンも、躍動感がない上にあっさりと勝って終わってしまう。ラストは"その冒険小説を書いている作者"のメタ視点の話をメインにしたかったのか、トオルたちの冒険を読みたいのにいちいち間に挟まれる"作中作者の苦悩"の描写が邪魔。 メタファンタジーにしたいなら、紹介で冒険小説!とか煽るのをやめればいい。冒険小説と思ったら実は!?みたいなのが受けると思っていたのかもしれないが、純粋に冒険小説を読みたかった読者には時間の無駄。 | ||||
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文章は上手いと思うし、登場人物を小説世界に押しこめる着想も面白いと思いました。 ただ、コアとなる設定が陳腐なのと、ところどころにおかしな描写が散見されるのが 気になり、冗長さと相まって、全く没頭できない小説でした。 以下、各論です。ネタバレ含みます。 ・トオルはじめ、子供がしっかりしすぎてて違和感がある。 見た目は子供、頭脳は大人、名探偵コナンみたい。 ・核となる設定「似せすぎると同調してしまう」という設定が、陳腐すぎる。 似ているものが幾つもあったら何に同調するのか?など、深く考えると疑問ばかりが 続々と沸いてしまい、物語に入り込めない。 ・とにかく冗長。必要ない豆知識みたいなものが作品の半分を占めている。 ・理系とは思えないミスが多い(新月に近い月が夜の10時過ぎに見えるなど)。 ・「少女と猫」というのがベタすぎ。 ・登場人物がプログラムだとか、AIとか、というせっかくの設定が 結局は、「小説のなかの世界だから」となってしまうと、著しくツマラナイ。 小説のなかなら、不思議なこと、あり得ないことが起こっても、何も不思議でない。 こういう設定にするなら、サイエンスフィクションにするべきではなかったと思う。 | ||||
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SFと歴史と私小説が混ざっているような小説。 それでいて支離滅裂にならず、きちんとスジが通っている。作者の力はかなりのものだと思う。 虚構と実体験が、時空を超えてつながっているとも言える。どこから作り事なのか、どこまでエッセイなのかが分からなくなるような混ぜ方が巧みだ。 いろいろな知識も豊富だ。 小説の面白さの条件に、いろいろな世界が混ぜられてそれらを自在に行き来する、というものがある。これはそういうフィクション構成において傑作ではないのか。 | ||||
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理系出身の作家と紹介されていることが多いため、小難しい小説なのかと思って読んでみた。驚いたことに、叙述が繊細で文章が極めてうまい。 問題は、話しの進め方である。3つの物語が同時進行で進んでいき、徐々に一つの話として収斂していく。この3つの物語の1つに筆者の分身と思われる劇中の作家が創作することの葛藤と闘っている。作者の意図に反して私は全体の物語にはあまり共感できなかった。メイキングが 挿入された映画を観ていたようで興ざめしてしまったのだ。作者がやりたいことは尊重したいのだが、それは物語の外でやってほしいのだ。その意味では、おそらく劇中に登場した編集者と私はあまり変わらない立場である。 では、何を評価したかというと、こうした他に類を見ない重層的な物語を編もうとする作者の意気込みと「物語」というものに対するについての作者の見解である。物事には、本質があり、それが重要だ。しかし、それだけではなく、博物館や小説では見せ方もきわめて重要なのだ、と。この言葉そのものが物事の本質を捉えている。このことに自分で気づくのに、私はかなりの時間を要してしまった。本書は、9年も前に刊行されており、もっと早く読みたかった。しかし、現在の私は、さらに進んで、この世の中では、博物館、小説に限らず、すべからく本質よりも見せ方のほうが、むしろ大事なのではないかと疑っている。例えば、歌舞伎では全体として破綻している物語がいくらもある。主に役者の見せ場を優先するために脚本が犠牲になる結果である。しかし、役者の演技力によって、演じられているそのときは、観客は矛盾を感じない。見せ方が、物語の力が、すべての矛盾を是としてしまうのである。 本編では、この点からも作者の意図したことが、成功しているとは思えなかった。見せ方がストレートのようでいて、くどいのだ。劇中の作者自身が告白しているようにアニメ映画「アラジンの」方が一枚上手かもしれない。物語の力にもっと身を委ねてほしい。些細な矛盾は、物語の力の前に昇華される。願わくば、この美しい文章で、わくわくするような冒険譚にのめり込みたいのです。これだけの文章が書ける人はそういません。 | ||||
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メタフィクションというべき物語。ヒット作『パラサイトイブ』や『Brain Valley』より、好みの作品。古川日出男の『アラビアの夜の種族』の方が作品としては、完成度が高いが、作者と世代が近いせいか親近感がわく。 物語ること、小説は物語るものであったはず。最近は、読ませる小説が少ない。別にためになったり、感動したり、泣かせたりすることが必要じゃないんだ。ただ読ませること、それだけが必要。 この小説には、バーチャルリアリティやA.Iも出てくるが、それよりも博物館が主人公だ。博物館って大好きだったなぁ。博物館に限らず、美術館、水族館、動物園など何でも好きだった。今でも好きなんだけど、忙しくてなかなかいけない。この小説を読んだら行きたくなった。 | ||||
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どうしても胸がきゅうと痛む 何かを作り出すことの辛さや喜びが端々から見え隠れしてる 全てがつながるその瞬間にハッとしてほしい。 そんな一冊です。 | ||||
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瀬名氏の作品の中で一番好きです。確かに長く、三人の視点で書かれているため、途中までは三つの物語を同時並行で読んでいるように感じます。 ですが、三つの話が一つに繋がった時点の「ああ、そうだったんだ!」という驚きは爽快です。 この作品には、作者自身の苦悩を代弁したと思われるキャラクターが登場します。それを読んで私は、これを書いたのが「小説家」というどこか遠い世界の住人ではなく、悩み苦しむ一人の人間なのだと実感しました。 ぞくぞくするようなスリルはありません。でも、時間があるときにじっくりと何度でも読み返したい作品。 私は十代でこの作品に出会いましたが、あまり時間の経っていない小学生時代を懐かしく感じました。もう少し人生を知ってから読めば、また違った読後感が得られるのではないかと思います。 私の人生にちいさな道標をくれた一冊です。 | ||||
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こんな長い作品を読んで、何の読後感に浸れなかったのは珍しい。 これは私の知識や創造力が、作者に追いついていないせいでもあるが、 誰もが楽しめる作品ではない、ということだけは言い切れると思う。 | ||||
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小学生の少年、作家、エジプトの考古学者。三人の視点で進む「物語」の物語。 物語に没頭すると言うのは小説好きの私には常の事なのですが、この作品は読者を 物語に没頭させながら、同時に「物語に没頭するとはどういう事か」と言う客観的な 視点で考えさせます。衝撃でした。今までこんな小説は読んだ事がありません。 作品中の作家「私」が問い掛ける「物語とは何か」と言う疑問は、恐らく瀬名氏の中に 常にあるもので、「私」の視点によって彼が作家として物語を創ると言う事にどれだけ の想いを傾けているのかが垣間見える、作品の向こうにいる「瀬名秀明」に初めて出会 う事が出来る小説だと思います。 「パラサイト・イヴ」「BRAIN VALLEY」と読者の前を歩いていた彼が、初めてこちらに 振り向いてくれた…一ファンの私がより瀬名秀明を好きになれた思い出深い一冊です。 夏休み、博物館と言う語感がもたらす懐かしさと切なさが全編に仄かに漂っています。 三人の視点で書かれる物語は情報量も多いですが、それらが終盤になるにつれて収束し てゆく疾走感溢れる展開はまさに「物語」の醍醐味でしょう。 「物語を読む」事の楽しさに改めて気付かせてくれます。 | ||||
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確かに前半は説明も多く冗長。 小説としては、導入部分がつまらないのは失敗かもしれない。 実際私も最初に読んだとき、途中で止めてしまった。 ただし、全ての評価は、全て読んでから。 後半から急激に全ての歯車が合い始めて、ぐるぐると時間が進み、 夏の雲のように大きくなって、嵐になって、晴天で閉まる物語は圧巻。 夏休みの図書館で手に取れば、運命を感じるかもしれない。 | ||||
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あらすじに惹かれて購入しました。 途中に挿入される作者の文学論がちょっとウザイですが、本編は面白かったです。 ただ、どうしても気になることが…。 主人公は小学生のはずなのに、心理描写が難しすぎる。 いくら主人公が賢いという設定でも、ちょっと小学生っぽくないです。 もっと平易な言葉に置き換えるとか…小学生ならではの主人公の視点が見たかったです。 あと百科事典が手放せませんでした(笑) エジプト考古学史についてある程度の知識がないと厳しいかも…。 | ||||
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純粋にジュブナイルな感傷に浸れた。子供の頃はこんな冒険に憧れていました。ストーリー自体にはそれほど感動しなかったけれど、夏特有のめまいを伴うけだるい雰囲気とビジュアルが思い浮かぶような描写、クライマックスでのスピード感などはGood! 途中で本を置けなくなること請け合いです。暑い夏の昼下がりに読んで下さい。 | ||||
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「あの頃の夏」という感じがよく出ていて、雰囲気のとてもいい小説です。 その反面ですが、絡み合う物語の一編がどうも鼻につく感じをうけたりもします。 読んでるうちに色んな感情をよび起こす力があるという事でしょう。 この小説はドラえもんへのリスペクトという意味合いが強い。 だからでしょうか、ドラえもんで言うところの「SF」という感じです。 ドラえもんを読んだ事がある人は楽しく読めるような気がします。 少し不思議な物語というのは、やはり夏の日というのがよく似合います。 | ||||
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タイトルに惹かれて買った本。だから著書が誰なんて頭に無く読んだ。 読み始めて気づいたが著者自身あらたに開いた扉で、「物語」は未熟すぎる。 本自体、エッセイなのか物語なのか回想録なのか入りみだっているのが大きく残念だ。 著者自身の登場は後にあとがきかエピローグでまとめたらもっと話が生きた気がする。 わたしとしては「ミュージアム」の生気に魅せてくれたことに10点。 そして作者が自ら変わろうと新たなドアを開け一歩踏み出したことに5点。 読み終わった時に出たのは「15点の作品」。でも最後まで読ませてくれる力のある不思議な本だった。 | ||||
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この本は、タイトル通り、夏に読むことをお勧めします。 夏の休日・昼下がりに、冷たい飲み物などを準備して。 あるいはお盆にふるさとに帰省する際に、乗り物の中や待合室で。 あなたの子どものころの、夏休みの気分でどうぞ。 これは個人的意見ですが、読書の際にBGMをかける方は、この本の場合、GARNET CROWの『夏の幻』をぜひ。 曲調、歌詞、いずれもぴったりだと思います。 そうやって、この「「物語」」を存分に楽しんでいただきたいものです。 | ||||
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想像力をテーマにしたファンタジー。ジャック・フィニィの「想像力によるタイムトラベル」が、凝った構成のなかで見事に生かされており、人の想像力や思春期の心の動きについても考えさせられる内容をもっている。さらに言えば、エンデの「はてしない物語」につながる要素もあり、エーコの「フーコーの振り子」へのオマージュという雰囲気も感じる。SFともファンタジーとも言いきれない作品だけに、なかにはついていけない人もいるかもしれないが、主人公の亨と同じころに「こんな博物館があったら」と思ったことのある人はけっこういるのではないだろうか。 | ||||
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ずいぶんと忘れていたような夏休みの記憶、終業式の日のあのわくわく感を感じることが出来る1冊。 自分の世界が家と学校周辺だった頃、見知らぬ道を歩くのはそれだけで冒険をしたような気分で、最初の1歩を踏み出すのに心の中で人知れず葛藤があり、そんな1歩を踏み出した男の子の話です。 終わった夏を忘れないで、少年の夏の出来事を見てあげてください。 | ||||
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小学校最後の夏休みに冒険を求めた少年、エジプトの古代遺跡発掘に一生を捧 げた男、デビュー数年で行き詰まりを感じた作家・・・。3つのストーリーが はじめはばらばらに、そしていつしか一つに収束していく。 エジプトの壮大な古代遺跡と歴史のロマンを描いたその内容は、今にもエジプ トへ駆けて行きたくなるほどリアルに表現されており、冒険心が掻き立てられ ました。 ただし、少し特殊な技法を使っているせいか小説に完全にのめりこめない部分 もあり、そこが評価の分かれ目かも。 | ||||
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