八月の博物館

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評判

八月の博物館の評価:

3.42/5点 レビュー 26件。 C ランク

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平均点3.42pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全78件 1〜20 1/4ページ
No.78
(1pt)

作者の「言い訳エッセイ」が読みづらい

本当につまらない!作者の産みの苦しみのエッセイがしょっ中出てきて物語が中断される。言い訳を読んでいるようで見苦しい。楽屋オチは単に物語を退屈にするだけ。亨の話とエジプトの話、2つにすべきだったと思う。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4101214336
No.77
(1pt)

作者の「言い訳エッセイ」が読みづらい

本当につまらない!作者の産みの苦しみのエッセイがしょっ中出てきて物語が中断される。言い訳を読んでいるようで見苦しい。楽屋オチは単に物語を退屈にするだけ。亨の話とエジプトの話、2つにすべきだったと思う。
八月の博物館 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 八月の博物館 (角川文庫)より
4043405065
No.76
(1pt)

作者の「言い訳エッセイ」が読みづらい

本当につまらない!作者の産みの苦しみのエッセイがしょっ中出てきて物語が中断される。言い訳を読んでいるようで見苦しい。楽屋オチは単に物語を退屈にするだけ。亨の話とエジプトの話、2つにすべきだったと思う。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4048732595
No.75
(3pt)

小説好は読んで,一度立ち止まって考えてほしい本.小説ってなんだろうかと

SF・ファンタジー・歴史・純文学,すべてを融合させたかなり挑戦的な小説だと感じた.
 ひと夏の少年の成長と青春・冒険が繰り広げられると思ったら,
エジプトが舞台の歴史ロマンが展開されたかと思えば,一人の小説家のリアルな葛藤が描かれる.
全ての物語を巧く融合させ,新たなエンターテイメントを形成している.

 そしてただのエンターテイメントではなく,小説とは何なのか,
作者本人が葛藤しているようにも思えるが,
これは読者に対する問いかけ,いや,挑戦ではないかとさえ思える.

 しかも軸となるテーマには博物館とは何か,どんな役割があるのかを,
「博物館の博物館」を見せることで示している.

 これだけのテーマをここまで簡潔に,無理なくまとめているのはすごい.
この小説家と同じように,それ以上に葛藤し考えたのが伝わってくる.
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4101214336
No.74
(3pt)

小説好は読んで,一度立ち止まって考えてほしい本.小説ってなんだろうかと

SF・ファンタジー・歴史・純文学,すべてを融合させたかなり挑戦的な小説だと感じた.
 ひと夏の少年の成長と青春・冒険が繰り広げられると思ったら,
エジプトが舞台の歴史ロマンが展開されたかと思えば,一人の小説家のリアルな葛藤が描かれる.
全ての物語を巧く融合させ,新たなエンターテイメントを形成している.

 そしてただのエンターテイメントではなく,小説とは何なのか,
作者本人が葛藤しているようにも思えるが,
これは読者に対する問いかけ,いや,挑戦ではないかとさえ思える.

 しかも軸となるテーマには博物館とは何か,どんな役割があるのかを,
「博物館の博物館」を見せることで示している.

 これだけのテーマをここまで簡潔に,無理なくまとめているのはすごい.
この小説家と同じように,それ以上に葛藤し考えたのが伝わってくる.
八月の博物館 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 八月の博物館 (角川文庫)より
4043405065
No.73
(3pt)

小説好は読んで,一度立ち止まって考えてほしい本.小説ってなんだろうかと

SF・ファンタジー・歴史・純文学,すべてを融合させたかなり挑戦的な小説だと感じた.
 ひと夏の少年の成長と青春・冒険が繰り広げられると思ったら,
エジプトが舞台の歴史ロマンが展開されたかと思えば,一人の小説家のリアルな葛藤が描かれる.
全ての物語を巧く融合させ,新たなエンターテイメントを形成している.

 そしてただのエンターテイメントではなく,小説とは何なのか,
作者本人が葛藤しているようにも思えるが,
これは読者に対する問いかけ,いや,挑戦ではないかとさえ思える.

 しかも軸となるテーマには博物館とは何か,どんな役割があるのかを,
「博物館の博物館」を見せることで示している.

 これだけのテーマをここまで簡潔に,無理なくまとめているのはすごい.
この小説家と同じように,それ以上に葛藤し考えたのが伝わってくる.
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4048732595
No.72
(1pt)

タイムリープ・冒険物としてはつまらない。(メタファンタジー的な評価は別)

"小学生が夏休みに古代エジプトを冒険するタイムリープファンタジー"というような触れ込みを見て読みました。
なので非常にがっかりな作品です。
評価が高かったので面白いだろうと思って読みましたが、読了後に評価を詳しく読んだらそれはほとんど"メタファンタジー"的な表現に対しての評価の高さでした。

以下ネタバレです。

確かに、"物語の中に物語"、"作者とは、物語の登場人物とは?"と言ったようなメタ視点の部分は面白いなと感じましたし評価の高さも納得できます。
ただアマゾンや他サイトの本の紹介欄などが"タイムリープ冒険ファンタジー"といった紹介なのに、終盤でメタファンタジーとしての部分の方が大きくなっていて、つまらないです。冒険ものだと思わせて期待させておいて、この終盤はあまりにひどい。

冒険ものとしての核であるアピスの設定やタイムリープできる装置("同調"のシステム)の設定がずさんだしつまらない。
ラスボスであるアビスと戦うシーンも、躍動感がない上にあっさりと勝って終わってしまう。ラストは"その冒険小説を書いている作者"のメタ視点の話をメインにしたかったのか、トオルたちの冒険を読みたいのにいちいち間に挟まれる"作中作者の苦悩"の描写が邪魔。

メタファンタジーにしたいなら、紹介で冒険小説!とか煽るのをやめればいい。冒険小説と思ったら実は!?みたいなのが受けると思っていたのかもしれないが、純粋に冒険小説を読みたかった読者には時間の無駄。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4101214336
No.71
(1pt)

タイムリープ・冒険物としてはつまらない。(メタファンタジー的な評価は別)

"小学生が夏休みに古代エジプトを冒険するタイムリープファンタジー"というような触れ込みを見て読みました。
なので非常にがっかりな作品です。
評価が高かったので面白いだろうと思って読みましたが、読了後に評価を詳しく読んだらそれはほとんど"メタファンタジー"的な表現に対しての評価の高さでした。

以下ネタバレです。

確かに、"物語の中に物語"、"作者とは、物語の登場人物とは?"と言ったようなメタ視点の部分は面白いなと感じましたし評価の高さも納得できます。
ただアマゾンや他サイトの本の紹介欄などが"タイムリープ冒険ファンタジー"といった紹介なのに、終盤でメタファンタジーとしての部分の方が大きくなっていて、つまらないです。冒険ものだと思わせて期待させておいて、この終盤はあまりにひどい。

冒険ものとしての核であるアピスの設定やタイムリープできる装置("同調"のシステム)の設定がずさんだしつまらない。
ラスボスであるアビスと戦うシーンも、躍動感がない上にあっさりと勝って終わってしまう。ラストは"その冒険小説を書いている作者"のメタ視点の話をメインにしたかったのか、トオルたちの冒険を読みたいのにいちいち間に挟まれる"作中作者の苦悩"の描写が邪魔。

メタファンタジーにしたいなら、紹介で冒険小説!とか煽るのをやめればいい。冒険小説と思ったら実は!?みたいなのが受けると思っていたのかもしれないが、純粋に冒険小説を読みたかった読者には時間の無駄。
八月の博物館 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 八月の博物館 (角川文庫)より
4043405065
No.70
(1pt)

タイムリープ・冒険物としてはつまらない。(メタファンタジー的な評価は別)

"小学生が夏休みに古代エジプトを冒険するタイムリープファンタジー"というような触れ込みを見て読みました。
なので非常にがっかりな作品です。
評価が高かったので面白いだろうと思って読みましたが、読了後に評価を詳しく読んだらそれはほとんど"メタファンタジー"的な表現に対しての評価の高さでした。

以下ネタバレです。

確かに、"物語の中に物語"、"作者とは、物語の登場人物とは?"と言ったようなメタ視点の部分は面白いなと感じましたし評価の高さも納得できます。
ただアマゾンや他サイトの本の紹介欄などが"タイムリープ冒険ファンタジー"といった紹介なのに、終盤でメタファンタジーとしての部分の方が大きくなっていて、つまらないです。冒険ものだと思わせて期待させておいて、この終盤はあまりにひどい。

冒険ものとしての核であるアピスの設定やタイムリープできる装置("同調"のシステム)の設定がずさんだしつまらない。
ラスボスであるアビスと戦うシーンも、躍動感がない上にあっさりと勝って終わってしまう。ラストは"その冒険小説を書いている作者"のメタ視点の話をメインにしたかったのか、トオルたちの冒険を読みたいのにいちいち間に挟まれる"作中作者の苦悩"の描写が邪魔。

メタファンタジーにしたいなら、紹介で冒険小説!とか煽るのをやめればいい。冒険小説と思ったら実は!?みたいなのが受けると思っていたのかもしれないが、純粋に冒険小説を読みたかった読者には時間の無駄。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4048732595
No.69
(1pt)

設定がつまらない

文章は上手いと思うし、登場人物を小説世界に押しこめる着想も面白いと思いました。
ただ、コアとなる設定が陳腐なのと、ところどころにおかしな描写が散見されるのが
気になり、冗長さと相まって、全く没頭できない小説でした。

以下、各論です。ネタバレ含みます。

・トオルはじめ、子供がしっかりしすぎてて違和感がある。
 見た目は子供、頭脳は大人、名探偵コナンみたい。
・核となる設定「似せすぎると同調してしまう」という設定が、陳腐すぎる。
 似ているものが幾つもあったら何に同調するのか?など、深く考えると疑問ばかりが
 続々と沸いてしまい、物語に入り込めない。
・とにかく冗長。必要ない豆知識みたいなものが作品の半分を占めている。
・理系とは思えないミスが多い(新月に近い月が夜の10時過ぎに見えるなど)。
・「少女と猫」というのがベタすぎ。
・登場人物がプログラムだとか、AIとか、というせっかくの設定が
 結局は、「小説のなかの世界だから」となってしまうと、著しくツマラナイ。
 小説のなかなら、不思議なこと、あり得ないことが起こっても、何も不思議でない。
 こういう設定にするなら、サイエンスフィクションにするべきではなかったと思う。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4101214336
No.68
(1pt)

設定がつまらない

文章は上手いと思うし、登場人物を小説世界に押しこめる着想も面白いと思いました。
ただ、コアとなる設定が陳腐なのと、ところどころにおかしな描写が散見されるのが
気になり、冗長さと相まって、全く没頭できない小説でした。

以下、各論です。ネタバレ含みます。

・トオルはじめ、子供がしっかりしすぎてて違和感がある。
 見た目は子供、頭脳は大人、名探偵コナンみたい。
・核となる設定「似せすぎると同調してしまう」という設定が、陳腐すぎる。
 似ているものが幾つもあったら何に同調するのか?など、深く考えると疑問ばかりが
 続々と沸いてしまい、物語に入り込めない。
・とにかく冗長。必要ない豆知識みたいなものが作品の半分を占めている。
・理系とは思えないミスが多い(新月に近い月が夜の10時過ぎに見えるなど)。
・「少女と猫」というのがベタすぎ。
・登場人物がプログラムだとか、AIとか、というせっかくの設定が
 結局は、「小説のなかの世界だから」となってしまうと、著しくツマラナイ。
 小説のなかなら、不思議なこと、あり得ないことが起こっても、何も不思議でない。
 こういう設定にするなら、サイエンスフィクションにするべきではなかったと思う。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4048732595
No.67
(1pt)

設定がつまらない

文章は上手いと思うし、登場人物を小説世界に押しこめる着想も面白いと思いました。
ただ、コアとなる設定が陳腐なのと、ところどころにおかしな描写が散見されるのが
気になり、冗長さと相まって、全く没頭できない小説でした。

以下、各論です。ネタバレ含みます。

・トオルはじめ、子供がしっかりしすぎてて違和感がある。
 見た目は子供、頭脳は大人、名探偵コナンみたい。
・核となる設定「似せすぎると同調してしまう」という設定が、陳腐すぎる。
 似ているものが幾つもあったら何に同調するのか?など、深く考えると疑問ばかりが
 続々と沸いてしまい、物語に入り込めない。
・とにかく冗長。必要ない豆知識みたいなものが作品の半分を占めている。
・理系とは思えないミスが多い(新月に近い月が夜の10時過ぎに見えるなど)。
・「少女と猫」というのがベタすぎ。
・登場人物がプログラムだとか、AIとか、というせっかくの設定が
 結局は、「小説のなかの世界だから」となってしまうと、著しくツマラナイ。
 小説のなかなら、不思議なこと、あり得ないことが起こっても、何も不思議でない。
 こういう設定にするなら、サイエンスフィクションにするべきではなかったと思う。
八月の博物館 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 八月の博物館 (角川文庫)より
4043405065
No.66
(5pt)

変化に富んだ構成、様々な知識、おもしろかった

SFと歴史と私小説が混ざっているような小説。
 それでいて支離滅裂にならず、きちんとスジが通っている。作者の力はかなりのものだと思う。
 虚構と実体験が、時空を超えてつながっているとも言える。どこから作り事なのか、どこまでエッセイなのかが分からなくなるような混ぜ方が巧みだ。
 いろいろな知識も豊富だ。
 小説の面白さの条件に、いろいろな世界が混ぜられてそれらを自在に行き来する、というものがある。これはそういうフィクション構成において傑作ではないのか。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4101214336
No.65
(5pt)

変化に富んだ構成、様々な知識、おもしろかった

SFと歴史と私小説が混ざっているような小説。
 それでいて支離滅裂にならず、きちんとスジが通っている。作者の力はかなりのものだと思う。
 虚構と実体験が、時空を超えてつながっているとも言える。どこから作り事なのか、どこまでエッセイなのかが分からなくなるような混ぜ方が巧みだ。
 いろいろな知識も豊富だ。
 小説の面白さの条件に、いろいろな世界が混ぜられてそれらを自在に行き来する、というものがある。これはそういうフィクション構成において傑作ではないのか。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4048732595
No.64
(5pt)

変化に富んだ構成、様々な知識、おもしろかった

SFと歴史と私小説が混ざっているような小説。
 それでいて支離滅裂にならず、きちんとスジが通っている。作者の力はかなりのものだと思う。
 虚構と実体験が、時空を超えてつながっているとも言える。どこから作り事なのか、どこまでエッセイなのかが分からなくなるような混ぜ方が巧みだ。
 いろいろな知識も豊富だ。
 小説の面白さの条件に、いろいろな世界が混ぜられてそれらを自在に行き来する、というものがある。これはそういうフィクション構成において傑作ではないのか。
八月の博物館 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 八月の博物館 (角川文庫)より
4043405065
No.63
(4pt)

実験的な作品として面白い(ネタばれ注意)

理系出身の作家と紹介されていることが多いため、小難しい小説なのかと思って読んでみた。驚いたことに、叙述が繊細で文章が極めてうまい。
 問題は、話しの進め方である。3つの物語が同時進行で進んでいき、徐々に一つの話として収斂していく。この3つの物語の1つに筆者の分身と思われる劇中の作家が創作することの葛藤と闘っている。作者の意図に反して私は全体の物語にはあまり共感できなかった。メイキングが 挿入された映画を観ていたようで興ざめしてしまったのだ。作者がやりたいことは尊重したいのだが、それは物語の外でやってほしいのだ。その意味では、おそらく劇中に登場した編集者と私はあまり変わらない立場である。
 では、何を評価したかというと、こうした他に類を見ない重層的な物語を編もうとする作者の意気込みと「物語」というものに対するについての作者の見解である。物事には、本質があり、それが重要だ。しかし、それだけではなく、博物館や小説では見せ方もきわめて重要なのだ、と。この言葉そのものが物事の本質を捉えている。このことに自分で気づくのに、私はかなりの時間を要してしまった。本書は、9年も前に刊行されており、もっと早く読みたかった。しかし、現在の私は、さらに進んで、この世の中では、博物館、小説に限らず、すべからく本質よりも見せ方のほうが、むしろ大事なのではないかと疑っている。例えば、歌舞伎では全体として破綻している物語がいくらもある。主に役者の見せ場を優先するために脚本が犠牲になる結果である。しかし、役者の演技力によって、演じられているそのときは、観客は矛盾を感じない。見せ方が、物語の力が、すべての矛盾を是としてしまうのである。
 本編では、この点からも作者の意図したことが、成功しているとは思えなかった。見せ方がストレートのようでいて、くどいのだ。劇中の作者自身が告白しているようにアニメ映画「アラジンの」方が一枚上手かもしれない。物語の力にもっと身を委ねてほしい。些細な矛盾は、物語の力の前に昇華される。願わくば、この美しい文章で、わくわくするような冒険譚にのめり込みたいのです。これだけの文章が書ける人はそういません。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4101214336
No.62
(4pt)

実験的な作品として面白い(ネタばれ注意)

理系出身の作家と紹介されていることが多いため、小難しい小説なのかと思って読んでみた。驚いたことに、叙述が繊細で文章が極めてうまい。
 問題は、話しの進め方である。3つの物語が同時進行で進んでいき、徐々に一つの話として収斂していく。この3つの物語の1つに筆者の分身と思われる劇中の作家が創作することの葛藤と闘っている。作者の意図に反して私は全体の物語にはあまり共感できなかった。メイキングが 挿入された映画を観ていたようで興ざめしてしまったのだ。作者がやりたいことは尊重したいのだが、それは物語の外でやってほしいのだ。その意味では、おそらく劇中に登場した編集者と私はあまり変わらない立場である。
 では、何を評価したかというと、こうした他に類を見ない重層的な物語を編もうとする作者の意気込みと「物語」というものに対するについての作者の見解である。物事には、本質があり、それが重要だ。しかし、それだけではなく、博物館や小説では見せ方もきわめて重要なのだ、と。この言葉そのものが物事の本質を捉えている。このことに自分で気づくのに、私はかなりの時間を要してしまった。本書は、9年も前に刊行されており、もっと早く読みたかった。しかし、現在の私は、さらに進んで、この世の中では、博物館、小説に限らず、すべからく本質よりも見せ方のほうが、むしろ大事なのではないかと疑っている。例えば、歌舞伎では全体として破綻している物語がいくらもある。主に役者の見せ場を優先するために脚本が犠牲になる結果である。しかし、役者の演技力によって、演じられているそのときは、観客は矛盾を感じない。見せ方が、物語の力が、すべての矛盾を是としてしまうのである。
 本編では、この点からも作者の意図したことが、成功しているとは思えなかった。見せ方がストレートのようでいて、くどいのだ。劇中の作者自身が告白しているようにアニメ映画「アラジンの」方が一枚上手かもしれない。物語の力にもっと身を委ねてほしい。些細な矛盾は、物語の力の前に昇華される。願わくば、この美しい文章で、わくわくするような冒険譚にのめり込みたいのです。これだけの文章が書ける人はそういません。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4048732595
No.61
(4pt)

実験的な作品として面白い(ネタばれ注意)

理系出身の作家と紹介されていることが多いため、小難しい小説なのかと思って読んでみた。驚いたことに、叙述が繊細で文章が極めてうまい。
 問題は、話しの進め方である。3つの物語が同時進行で進んでいき、徐々に一つの話として収斂していく。この3つの物語の1つに筆者の分身と思われる劇中の作家が創作することの葛藤と闘っている。作者の意図に反して私は全体の物語にはあまり共感できなかった。メイキングが 挿入された映画を観ていたようで興ざめしてしまったのだ。作者がやりたいことは尊重したいのだが、それは物語の外でやってほしいのだ。その意味では、おそらく劇中に登場した編集者と私はあまり変わらない立場である。
 では、何を評価したかというと、こうした他に類を見ない重層的な物語を編もうとする作者の意気込みと「物語」というものに対するについての作者の見解である。物事には、本質があり、それが重要だ。しかし、それだけではなく、博物館や小説では見せ方もきわめて重要なのだ、と。この言葉そのものが物事の本質を捉えている。このことに自分で気づくのに、私はかなりの時間を要してしまった。本書は、9年も前に刊行されており、もっと早く読みたかった。しかし、現在の私は、さらに進んで、この世の中では、博物館、小説に限らず、すべからく本質よりも見せ方のほうが、むしろ大事なのではないかと疑っている。例えば、歌舞伎では全体として破綻している物語がいくらもある。主に役者の見せ場を優先するために脚本が犠牲になる結果である。しかし、役者の演技力によって、演じられているそのときは、観客は矛盾を感じない。見せ方が、物語の力が、すべての矛盾を是としてしまうのである。
 本編では、この点からも作者の意図したことが、成功しているとは思えなかった。見せ方がストレートのようでいて、くどいのだ。劇中の作者自身が告白しているようにアニメ映画「アラジンの」方が一枚上手かもしれない。物語の力にもっと身を委ねてほしい。些細な矛盾は、物語の力の前に昇華される。願わくば、この美しい文章で、わくわくするような冒険譚にのめり込みたいのです。これだけの文章が書ける人はそういません。
八月の博物館 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 八月の博物館 (角川文庫)より
4043405065
No.60
(5pt)

不思議なメタフィクション

メタフィクションというべき物語。ヒット作『パラサイトイブ』や『Brain Valley』より、好みの作品。古川日出男の『アラビアの夜の種族』の方が作品としては、完成度が高いが、作者と世代が近いせいか親近感がわく。

物語ること、小説は物語るものであったはず。最近は、読ませる小説が少ない。別にためになったり、感動したり、泣かせたりすることが必要じゃないんだ。ただ読ませること、それだけが必要。

この小説には、バーチャルリアリティやA.Iも出てくるが、それよりも博物館が主人公だ。博物館って大好きだったなぁ。博物館に限らず、美術館、水族館、動物園など何でも好きだった。今でも好きなんだけど、忙しくてなかなかいけない。この小説を読んだら行きたくなった。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4101214336
No.59
(5pt)

不思議なメタフィクション

メタフィクションというべき物語。ヒット作『パラサイトイブ』や『Brain Valley』より、好みの作品。古川日出男の『アラビアの夜の種族』の方が作品としては、完成度が高いが、作者と世代が近いせいか親近感がわく。

物語ること、小説は物語るものであったはず。最近は、読ませる小説が少ない。別にためになったり、感動したり、泣かせたりすることが必要じゃないんだ。ただ読ませること、それだけが必要。

この小説には、バーチャルリアリティやA.Iも出てくるが、それよりも博物館が主人公だ。博物館って大好きだったなぁ。博物館に限らず、美術館、水族館、動物園など何でも好きだった。今でも好きなんだけど、忙しくてなかなかいけない。この小説を読んだら行きたくなった。
八月の博物館 Amazon書評・レビュー: 八月の博物館より
4048732595