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失恋探偵ももせ



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【この小説が収録されている参考書籍】
失恋探偵ももせ (電撃文庫)

失恋探偵ももせの評価: 3.90/5点 レビュー 10件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.90pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(4pt)

綺麗にまとまった作品

飛びぬけて何が凄いってこともありませんでしが、まとまりのある読みやすい作品でした。
失恋後の話ということでどうしても話のネタがすぐに枯渇してしまいそう・・・という印象ですが、三巻まで出版されているようなので、
本屋で続きを見かけたらまた買おうと思います。
失恋探偵ももせ (電撃文庫)Amazon書評・レビュー:失恋探偵ももせ (電撃文庫)より
4048915533
No.9:
(5pt)

仮に傷つくことになったとしても、悲しい思いをするんだとしても、大切な気持ちときちんと向かい合っておきたいんだ……。

「人は唯一事実によってのみ救われるのではないかと私は思うのです。」と語る高校1年生の千代田百瀬。
 高校のクラブ活動でミステリ研究会に入部し、そこで「失恋探偵」を開業。
 ミステリ研究会の先輩部員 二年生の野々村九十九(ののむらつくも)を助手として、失恋探偵は失恋した人たちの依頼を受け「事実」を探る。

 お話は、探偵助手にされてしまった野々村九十九の語りですすめられます。
 依頼にやってくる生徒は、色々。
 絵の天才的才能をもつ幼馴染に恋をしていた女生徒。
 仲の良かったギャル系のクラスメイトに急に冷たくされ悲しむ『いわゆるオタク』の男子生徒。
 恋人に『親の決めた許婚』ができた事で別れざるを得なかった女生徒。
 小柄なボブヘアの一年生千代田百瀬はあまり表情がない少女。
 淡々と依頼を聞いて、依頼者の知りたいという事実を突き止めて報告します。
 野々村は、彼女が何を考えて行動しているか理解できずに困ったり、彼女の危うい言動に心配して気をもみます。
 調査の経過や、百瀬が告げる事実、依頼人の反応。
 失恋にまつわる悲喜こもごもが、明らかになる「事実」といっしょに語られとても面白く読みました。
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No.8:
(3pt)

微妙

つまらないと言い切るほどには、つまらないわけでもなく、
かといって面白いと言い切るほどには、面白くもなく。

読みやすいは、読みやすい。

ラストは良かったです。
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No.7:
(5pt)

『失恋』+『日常の謎』=本作

北海道立宇田路中央高校で、依頼人が失恋した原因を探る『失恋探偵』として活動する千代田百瀬。
物語は彼女の先輩で助手の(即ち、ワトスン役である)野々村九十九の視点で描かれている、
所謂『日常の謎』と呼ばれるジャンルのものです。

本作は連作短編となっているため、各話ごとにレビューを記していきます。

『欠かせないもの(in abstraction)』
本来の時系列とは異なり、二人の出会いを描くのではなく、すでに「そこそこの活躍」を
しているであろう、8人目のクライアントの話を敢えて最初に持ってくることにより、
一連の流れを通して、百瀬と九十九の関係および5W1Hといった本作の基本的なフォーマットを
読者に提示することによって、地の文によるまわりくどい説明を必要最小限にとどめています。

『君に近づく正しい方法(Over the wall)』
そこそこのイケメンだがオタクな少年が、仲良くなったギャル系の女の子に作品を
いくつか勧めたところ、一般受けする作品だったにもかかわらず、
作品が気に入らなかったのか、女の子は態度を一転させて彼に冷たくあしらったり
毒づくようになってしまい……が大まかなあらすじ。
なるほど。昨今のコンテンツを取り巻く環境故に成立する話ですね。

『追及の果て(unrelieved misfortune)』
調査の結果、クライアントである九十九のクラスメイトにとって残酷な結果を正直に伝えるべきか
どうかで揉める九十九と百瀬。大人の視点で見れば、圧倒的に、残酷な結果であってもちゃんと
結果を報告しようとする百瀬が正しく、それがクライアントに対する誠意だったりするのですが、
高校生くらいだと、九十九のように若さ故に、表面上の優しさと中途半端な正義感に
とらわれてしまうのでしょう。

『失恋の全て(all about my love)』
意見の対立により九十九と百瀬の関係に亀裂が入り、コンビ解消を決め込むものの、
失恋した百瀬の親友のために、二人はぎくしゃくしながらも最後の依頼に取り掛かるが……
が大まかなあらすじ。この話を通じ、二人は探偵=上、助手=下といった関係ではなく、
あくまで互いを補完し合うイーヴンな関係であることが示唆されています。

百瀬は、しょっちゅう髪の毛を掻きまわす癖を持っていますが、これはおそらく
金田一耕助のオマージュなのでしょうか。
また、本作は北海道の宇田路という架空の街を舞台にしていますが、ウイングベイや築港(ちっこう)、
稲穂といった地名とアナグラムから、運河で有名なあの港町がモデルなのかと。

もっとも、『失恋の原因』について、振る方には何らかの理由が存在したにせよ、
振られた方にしてみれば、訳も分かず原因も見当がつかないままいきなり連絡が取れなくなったり、
無視されるようになったり、人づてにディスられたりするのは結構辛いもので、
最悪振るのは構わないが、何も言わずにフェードアウトするのだけはやめてくれと思ったものです。
それに、小生が知る限りにおいて、相手が自分のことを振ったり、
嫌いになった合理的な理由があれば、たとえそれが残酷なものであったとしても、
人は案外納得がいき、吹っ切ることができるものです。
今思えば、斯様な不義理をする人物とダラダラ付き合っても碌なことがないでしょうから、
ある意味良かったと言えば良かったのかも知れません。あれっ? これって「すっぱいぶどう」でしょうか?

本作は第19回電撃小説大賞電撃文庫MAGAZINE賞受賞作ですが、
本編は挿絵込みで350ページで構成されている一方、電撃小説大賞の応募規定が42文字×34行×130枚、
すなわち電撃文庫260ページ分であることから、同賞受賞後、かなり大胆なブラッシュアップが
行なわれたことを窺い知ることができます。
失恋探偵ももせ (電撃文庫)Amazon書評・レビュー:失恋探偵ももせ (電撃文庫)より
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No.6:
(1pt)

くだらないと感じた

ミステリ研に所属する主人公とヒロイン(後輩)が、失恋探偵として失恋に纏わる依頼を生徒たちから受けるという物語。

いくつかの話が収録されているのですが、正直最初の話でお腹いっぱいでした。
依頼内容とその結末にまったく面白みがないし、そもそも依頼人が基本的にサブキャラあるいは使い捨てキャラなのでまったく親しみを持てません。

ミステリーと恋愛、自分にとってはどちらも大好きなジャンルですが、その両方が中途半端、至極薄っぺらいと感じた。

厳しい意見かもしれませんが、自分には合わなかったのですぐに手放すことにします。
失恋探偵ももせ (電撃文庫)Amazon書評・レビュー:失恋探偵ももせ (電撃文庫)より
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No.5:
(2pt)

個人的には・・・

恋愛系ライトノベルとしては、文章は読みやすいですが、それぞれの話のポイント(オチ?)が途中で読めてしまう・・・。まぁ、ラノベーなのでしょうが
ない気もするが、もっとそれぞれの話の登場人物を深堀してほしかった。
※そこそこページ数も多いのに。。。
最後の主人公たちの行動もなんか、読んでいる途中に「あぁ、この2人はきっとこうなるな〜」というまんまで、なんともかんとも・・・

三点リーダが多くなってしまったが、変な設定の中二病系ラノベと比べれば、格段に読みやすいし、面白さもあるので、表示の女の子が気になって、軽い恋愛物を
読みたい人ならば楽しめると思います。
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4048915533
No.4:
(5pt)

綺麗に完結した良質なラノベ

とりあえずタイトルとイラストに惹かれて買いました。特にイラストがあの東雲侑子シリーズを担当した人と同じだったことが大きいです。

タイトルに探偵が付くから小難しい謎解きがあるのかと思いきや、そうでも無い。依頼人の問題を解決する中で「恋」とは何かを考えさせるものだったかなと思います。読みどころと言えば、主人公九十九とヒロイン百瀬の恋の価値観の衝突、葛藤でしょうか。近年のラノベのような派手な言い回しやぶっとんだ展開が無い分、地味にゆったりと浸れる文章でしたね。大量生産されている薄っぺらな剣と魔法が主体のファンタジーと違い、訴えたいテーマが感じられ、読み応えがある作品でした。

綺麗に完結された作品なので続編は期待薄ですが、それでも続編を期待したい作品でした。まあ、続編が出て駄作になる場合もあるから出て欲しくない気持ちもあって複雑ですが…。
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No.3:
(5pt)

タイトルに惹かれた人は買い

文章がきちんとまとまっており、読みやすかったです。

主人公とヒロインが数件の失恋に関する依頼をこなしていく流れです。
各依頼はほぼ独立しており、短編のような構成になっていますが、
各章で主人公とヒロインがお互いをどのように思っているかの描写があり、
4章は2人がメインの話になります。

レビュータイトルにも書いたとおり、本のタイトルに惹かれた人は
買って損はないと思います。
失恋探偵ももせ (電撃文庫)Amazon書評・レビュー:失恋探偵ももせ (電撃文庫)より
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No.2:
(4pt)

「探偵未満」なヒロインによる「ミステリ未満」な物語

電撃文庫MAGAZINE賞受賞作品。「失恋」と「探偵」という今一つ結びつけにくい言葉が並んだ不思議なタイトルと
ファミ通文庫で評判になった「東雲悠子」シリーズでお馴染みのNarduckさんの挿絵に引かれて購読

ミステリ研の部室で恋が終わってしまった、恋に破れてしまった事に直面しながらその事実を受け入れられずにいる生徒たちの
「自分の失恋の裏にはどんな事実が隠されていたのか知りたい」という依頼を受けて調査に乗り出す自称・失恋探偵の千代田百瀬と
彼女をミス研に迎え入れたものの失恋探偵の助手をやらされている一年先輩の野々村九十九、二人は辛い失恋の真実を明かすべく
今日も調査活動に動き回るが…

ぶっちゃけ、これはミステリでもないし、ヒロインも探偵ではないと思われる。調査活動は「あれ?」と思うぐらいにサクサクと
あまりに都合よく進む上に真実は読者へのヒントもないまま依頼者への報告の中で百瀬の口から語られる以上「ミステリ」とは認められない
また百瀬の探偵という仕事への覚悟も電撃文庫の人気シリーズ「神様のメモ帳 (電撃文庫)」のヒロイン・アリスが語る
「その本質は死者の代弁者だ。失われたことばを墓の底から掘り返して、死者の名誉を守るためだけに生者を傷つけ、生者になぐさめを与えるためだけに
死者を傷つける」という探偵という仕事の本質を理解しないままに探偵活動を続けた結果痛い目に遭わされるわけだから「探偵未満」ぐらいの
評価が適当かと思われる

まあ、色々と言いたい事はあるけれど、それでも本作は十分に面白い。失恋を専門に調査するという着眼点も面白いが
その調査の中でヒロインの百瀬が九十九の反対に遭いながら「辛い真実」をクライアントに突き付けてしまい、傷付いたクライアントの姿に挫折し
そこから立ち上がる過程で「失恋探偵」という恋愛の専門家のような顔をしながら気付けずにいた自分の九十九への想いに直面する展開は
探偵風味のラブコメものとして読む限りは十分に鑑賞に堪えるものだと言える。文章自体も新人とは思えないほどにこなれており
読んでいてストレスを感じる部分は少なかったように思われる

綺麗に完結しているので次巻を期待することは難しいかもしれないが、文章の達者さや着眼点の面白さから次作を期待できる新人さんでした
失恋探偵ももせ (電撃文庫)Amazon書評・レビュー:失恋探偵ももせ (電撃文庫)より
4048915533
No.1:
(5pt)

ミステリみたいに失恋を弄んだら

青春日常の謎で、探偵論で、さらにはある種の二次元コンテンツ受容批判。謎解きに素直に満足すればミステリであるし、こりゃアンフェアだと不満を抱くウルサ型にはメタミステリとしての価値が立ち上がってくる、どちらの立場でも楽しめる旨味ある作りだった。何気ない記述を謎解きに使ってくる意外性に、挿絵さえもヒントを含む。こんな物理トリックがあり得て、こんな真相に繋がるとは。ラノベミステリの神がダンスを踊り出した。

推論型のヒロイン百瀬(探偵)が洞察による飛躍で一歩先に真相に辿り着き、厳密な証拠の積み上げを要求する推理型の主人公九十九(助手)が出遅れて忸怩たる物を感じる関係性がまず面白い。「結論に飛躍できる推論」対「完璧を求めて足踏みする推理」の対比が出現し、しかも推論の優越までもが匂わされるのだ。ここにアンチ本格ミステリの宣言を読み取るのは、深読みではないだろう。続く各短編も、理屈と配慮の優先度、助手に求めるもの、当事者になった時、と状況設定され、探偵論としても興味深い内容。探偵道不覚悟の素人探偵であるがゆえにさくさくと探偵のジレンマを踏み抜き、ミステリにおいて探偵が直面する葛藤を次々と浮かび上がらせる。
百瀬が結論に思い至った鍵を読者に開示せず、解答時に持ち出してくるのには困った。が、そもそも推論である以上、これもインパクトの瞬間を後に持ってくる工夫で、欠点にはならない(これをアンフェアだと考える推理ガチ勢は推論の時点で既に減点済のはずだ)。
そして、ここでくどくど述べたような本格ミステリプロレスの意味がわからなくても、それはそれでシンプルに青春ミステリとして楽しめそうな出来なのが実にいい。意味がわからないと意味不明なだけの、全面的に論と皮肉で出来てるメタミスもあるからね…。

謎解きに絡むため詳細は明かせないものの、短編のひとつは二次元コンテンツのある種の受容に関する問題を描いている。これは完全にラノベでしか通じない話で、絶対に一般では読めない。素晴らしい。予断で真相を直感してしまわなければ、衝撃の展開でもある。

失恋でもいい話にして〆るほっこり系で行くのかと思えばそうでもなかったりと、なかなか展開に翻弄される。無表情少女とのイチャイチャ…まで行かない、そこはかとなく滲み出る静かなイチャも、得も言われぬ甘さでいい。

文章力も高く、いろいろな意味で高水準で楽しめた。ラノベとして出すこと自体が仕掛けになっていて意味を持つラノベミステリーというものが時々あるが、そのひとつと言っていい。おすすめ。
失恋探偵ももせ (電撃文庫)Amazon書評・レビュー:失恋探偵ももせ (電撃文庫)より
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