大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰ
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架空の大正時代を舞台に、記者で、どう読んでも現代の人間としか想えない時代錯誤感丸出しの主人公が、奇怪な事件を引き起こす「活き人形」達と、「活き人形」を残虐に破壊して行く謎の「墜落乙女」の戦いに関わって行くダークファンタジー。 なお「墜落」とは正にその通りで、ヒロインは空から墜落して登場するのだが、これは重力制御に依る。重力制御で空に向かって落下し、空から地上に落下して来る。 一応ミステリー仕立てだが、敵の正体の判明の仕方が少々・・・墜落乙女のキャラクターは良いのだが。 しかし・・・この時代、警察が容疑者に暴行を加える事を異常の様に言い募ったり、まだ混浴が珍しくない時代にヒロインと混浴して慌てたり・・・この主人公、一体何時の時代の人間だ?それとも本作の大正時代は現代と同様の感覚なのか・・・ あと、ついでにタイトルでgenocideの表記に「ヱ」と「ヰ」を使用しているが、この文字はそれぞれ「E」と「I」では無く「WE」「WI」の音に成るので、このタイトルに用いるとおかしな事に成ってしまうのだが、もしかして「エ」と「イ」の旧字だと想って使用した訳でも無いだろうな。 | ||||
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正直、自分が期待していたものとは違いました。 タイトルやヒロインの異名(墜落乙女)から、もっとエキセントリックでぶっ飛んだ内容を予想していたのだけれど、フタを開けてみればキャラも設定もストーリーも、ごくごくありふれた異能バトル物でした。 大正時代が舞台ということでそちらの描写にも期待したのですが、作品全体を通して良くも悪くも描写に無駄がなく、そのせいであまり大正っぽさを感じられなかったのも個人的にはマイナスポイントです。 ただ、別につまらなかったわけではありませんし、この時代を舞台にしたお話というのは大好物なので、続きが出たら買うつもりではいます。 | ||||
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タイトルからして雰囲気を醸し出そうとしております。 舞台は大正時代に置き、そこで現れた人形を操り世を乱す組織。 それに対抗すべく空から”墜落”して来て謎の組織と戦う深紅のドレスの乙女。 そしてそれを追いかける新聞記者。 少し前にありそうな構図も、最近は学園に過密的に集中してしまっており 逆に新鮮味を覚えました。 魔法の力により重力を操って戦う少女は真っ当な正義感面しては戦わず 悪ぶりながらも結果的には悪の組織に対抗しています。 一応主人公である生真面目な新聞記者は、 過去に親が冤罪となり、深い心の傷を抱えており、 そうした心理が自身の行動に、墜落乙女への興味となって物語を進めていきます。 これより前の作品「失恋探偵ももせ」でも謎を解き明かす過程と共に 主要人物の心情の変化に描写を重ねていた著者は この作品においても丁寧に描いているのではないかと感じました。 物語の進め方もラノベでありがちなご都合的展開も引いてしまう様な稚気じみた構図や描写もなく とてもストレートに物語に集中できたかと思います。 文章もきちんとしておりますし、良作であると感じます。 シリーズのはじめと言う事もあり、新聞記者(社会人)と戦う少女との関係はまだこれから。 ですがこれからどの様に移ろって行くのかが気がかりでもあります。 | ||||
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大正十一年・東京。突如として帝都に現れ、殺戮を繰り広げて人々を不安に陥れる活キ人形とそれを率いる人形座座長、 それを残虐かつ完膚なきまでに叩きのめす墜落乙女。そして事件の核心に迫るべく彼女とともに行動する 事件記者・賜ヒ野乱歩の姿を描いた冒険活劇。 作者の新シリーズにして初の長編小説であり、前作のような一人称による日常の謎の連作短編ではなく、 三人称による夢幻的な要素を含んだ物語に徹している。 電撃文庫に限らず、一般文芸おいても同じことが言えるかもしれないが、明治・大正期をテーマを描くにあたり、 分かりやすさを重視し現代的仮名づかいを多用するか、当時の雰囲気を出すため旧字体を多用し夏目漱石や 芥川龍之介といった同時代に活躍した作家のパスティーシュに徹するか、そのバランスに苦心した様子を 窺い知ることができる。(本作では固有名詞と作中の記事・手紙・印刷物にのみ旧字体が使われているし、 それがおそらく使い方として正解だろう) 映画のアヴァンタイトルを髣髴とさせる序章で読者へのインパクトを図ると同時に、無駄な登場人物を排除し、 各キャラクターの関係性を分かりやすく描くことにより読者にそれを自然に刷り込ませ、 物語へ入り込みやすくする工夫を施す技術力を感じ取ることができた。 また、乱歩と桔梗の生い立ちを通じて描かれたイエロー・ジャーナリズムに対するアイロニーや権力に抗い切れない 己の無力さそして物語中盤でそれとなく埋め込まれた伏線の描き方も秀逸。 これはあくまで小生の推測だが、ストーリーは全く異なるものの、映画「マイノリティ・リポート」が着想を得るきっかけ だったのではないかと睨んでいる。また、作者がTwitterで一時期、大正時代の女学生について調べていることに 言及していたが、なるほど、これのためだったのか。 唯一残念なのは、おそらく校閲担当の方が見逃してしまったと思うが、調べれば簡単にわかる部分において 時代考証に誤りがあったこと。しかしながら物語にはあまり影響がないため普通に読む分には問題はない。 | ||||
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