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水曜日ラビはずぶ濡れだった



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水曜日ラビはずぶ濡れだったの評価: 3.67/5点 レビュー 3件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)

犯人当てだけじゃない面白さ。

ボストン郊外の町バーナード·クロシングを、非常に強い勢力のハリケーン"ベッツィ"が襲った夜、金貸しのオヤジが、感染症で腹を下し、医者に処方された薬を飲んだあと、死ぬ。
本人はペニシリンアレルギーだったので、医師はペニシリンでない薬を処方したのに、薬局から送られてきた瓶に入っていたのは、ペニシリンだった。
その薬を届けたのは、医師でも、死んだオヤジの家族でもない、たまたま店に居合わせた客。
薬局は、大型ショッピングモールの建設のため立ち退きを迫られていた。
薬を届けた人間は、薬局に立ち退きを迫っていた不動産会社の男だった。
また、薬局の主人、息子、妻は、金貸しオヤジにそれぞれ恨みを持っていた……。
……犯人は誰でしょう?
……例によって、バーナード·クロシングのラビ=ディビッド·スモールが、じわじわと事件の真相にせまって、全部で264ページのうち、最後の13ページで謎を解き明かす。
……因みに、バーナード·クロシングというのは、架空の街なので、地図で探しても見つかりません。
……でも、ハリケーン"ベッツィ"は、実際に1965年にアメリカ各地を席巻しました(Wikipedia調べ)。
……長年"街の薬局"として、誠実に仕事をしてきた主人と、それを認めながらも反発する息子。
……昔ながらの商店街の土地を売って、新しく教会の施設を作ろうとする街の教会の役員。
……それに反発して、またしても窮地に追い込まれるラビ。
……各人各様の、人間模様が描かれて、しかも、誰もがよく目にするような、人間同士の葛藤や衝突が、浮き彫りにされていて、その、"人間ドラマ"の方が、メインみたいな話です。
……実際、この"ラビ·シリーズ"の魅力は、その"人間模様"の方だと思います。
……それと、各人が、それぞれ自分の利益や都合で考え、行動しているときに、ラビだけは、それぞれの立場と言い分を、摺り合せて、最も適切な解決法を探ろうとする。
……そして、最終的には、ラビがしたことのために、八方丸く収まる……ということになります。
……まあ、実際の現実の物事は、そんなにうまくはいかないと思うけど……。
……ラビみたいな、自分の利益は後回しにして、いろんな人のいろんな立場や考えをを考慮して、適切な判断を下せる人が、どの町にも一人くらいずついたら、今世の中にある、様々な対立や問題は、かなり……少なくとも多少は、解消されるかもしれない。
……そういう"理想像"を描いていると思います。
……また、見るからに強欲で、自分の利益しか頭にないような、我利我利亡者のことも、頭から否定することなく、その立場や考えを理解しようとするラビ=つまり作者の考え方にも、共感が持てる。
……いろんな意味で、読む価値のある本だと思います。
……私が買ったときは、2500円(送料300円)=中古でした。
……もう絶版になっているので、プレミア価格です。
……いい本なので、是非出版社の方で、再版してほしいです。
……それと、ハリィ·ケメルマン著の"ラビ·シリーズ"で、まだ日本語訳が出ていないのが4冊(私の知る限りで)あるので、その本の日本語訳も、出版してほしいです。
水曜日ラビはずぶ濡れだった (世界ミステリシリーズ)Amazon書評・レビュー:水曜日ラビはずぶ濡れだった (世界ミステリシリーズ)より
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