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夜ごとの闇の奥底で



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夜ごとの闇の奥底での評価: 3.43/5点 レビュー 7件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.43pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(5pt)

現代社会の心理の裏側を描写している。

解説 吉野仁 によれば、
心理サスペンスであり、モダンホラーだとのこと。

たしかに、心理不安,現代恐怖ということばはよく似合う。
妹が事故で人を殺した時,不安さえなければ、すぐに救急車を呼び,
必要があれば警察が来るだろう。

不安だからこそ、冷静な時になら取れる行動が取れない。

山奥のペンションの親娘も同様だろう。
不安だからこそ、男を監禁しようとする。

現代社会の心理の裏側を描写している。

最後は裁判の陳述を台本風に描写しているのは一工夫なのだろう。
夜ごとの闇の奥底で (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:夜ごとの闇の奥底で (新潮文庫)より
4101440115
No.3:
(4pt)

<起><      承      >< 転 ><結>

ラストの1/3は2日で読みきったんですが始まりの2/3を読むのに1ヶ月くらい掛かりました

終盤の展開は非常にハラハラして面白かったんですが
中盤のペンションでのやり取りの中弛みが非常に退屈なのが残念です
雑誌連載TVドラマなら多くの人が脱落したかもしれません
中盤のペンションでのやりとりは悪役たるヒロインの父親の理不尽の行動に振り回されるヒロインと主人公を
延々と描写してるだけで、ストーリー的にも話は動きません
もちろん悪役のキャラ立ては必要ですがそれが長すぎては
読者は退屈と不快感ばかり感じてしまうと思います
起承転結の承の部分はどうしても退屈になってしまいますが
この小説はその承の部分がちょっと長すぎました
承の部分を削ってP数減らすか
結局描かれなかったペンション脱出後の話にPを廻すかすれば文句無かったんですがもったいないです

最後に、主人公のことをヒロインが好きだと気付く所の心理描写は非常で感動しました
が、それに比べると主人公がヒロインを好きになる過程はちょっと大雑把だった気がします
夜ごとの闇の奥底で (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:夜ごとの闇の奥底で (新潮文庫)より
4101440115
No.2:
(5pt)

今、お気に入りの作家NO.1

小池真理子さんの作品を読むと、ドラマのように次から次へと映像が浮かんできます。

登場人物の顔つきまで目に浮かぶようです。

地下室に閉じ込められた場面では、寒さまでが伝わってくるようでした。
夜ごとの闇の奥底で (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:夜ごとの闇の奥底で (新潮文庫)より
4101440115
No.1:
(4pt)

短編の名手の傑作長編

小池真理子は短編の名手といってよいが、長編でも十分な力量があることを本書で示した。
主人公の世良は、妹が謝って恋人を射殺してしまった凶器の拳銃を始末するため山奥に分け入り、事故を起こしたところを助けられて人里離れたペンションに招かれた。そこは、世良を助けた美しい若い娘・亜美とアル中の元教師である父親が経営している、些か寂れたペンションで、冬場には一人の客とて無い。折りしも大雪となり、また高熱も発したため世良は妹の身を案じながらも一夜の客となるが、父親の様子がどうもおかしい。堅物であった父親は、教師と過ちを犯した娘を連れ人目を避けるようにこの地に移り住んだが、世間やマスコミの指弾に対する反発する一方、どうしようもなく男を惹きつけてしまう娘の美貌に苦悩し、精神を徐々に冒されていたのだ。そして世良は、そのペンションに幽閉されてしまう…。
少ない登場人物の、それぞれのつらい過去を描き込んで奥行きがある。亜美親子には、亜美と関係した教師が自殺してしまったという事件があり、世良が妹を守ろうと必死なのには、子供の頃世良のせいで妹が小指を失ったという背景があるという具合だ。父親の狂気の描写、幽閉のサスペンスも流石の筆力で読み応えがあるが、なんと言っても亜美のキャラクターが忘れ難い。父から世良を救おうとする健気さと、父が非難するニンフォマニアの正体を垣間見せる妖しさ。心狂わせる、という形容がまさにぴったりである。
夜ごとの闇の奥底で (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:夜ごとの闇の奥底で (新潮文庫)より
4101440115

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