地上最後の刑事

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地上最後の刑事の評価:

4.00/5点 レビュー 17件。 E ランク

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Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全34件 21〜34 2/2ページ
No.14
(5pt)

懐古的な終末

小惑星マイアの衝突で、半年後には壊滅的被害を受けるとされているアメリカ、ニューハンプシャー州コンコード。刑事に昇進したばかりのヘンリー・パレスはマクドナルドで首を吊っている死体を担当することに。関係者の誰もが、終末に絶望した自殺者であると決めつけるが、パレスは被害者のベルトが他の衣服とはそぐわない高級品であったことに違和感を抱く。避けようのない悲劇を前に、日常生活を放棄し、やりたくてできなかった夢の実現や犯罪行為に手を染める人々のなか、パレスは異様なまでの真面目さで職務を遂行、事件にのめりこんでいく・・・

終末モノのSFに、チャンドラー節のミステリを加えたような小説。SFっぽさ、理屈っぽさはあまり前面に出ておらず、ヒューマンドラマとして秀逸なので、どんな読書傾向の人にも読みやすいのではないかと思います。
読みどころは、懐かしい感じがする未来社会の描写。田舎町コンコードに絶望と頽廃ムードが満ち、便利だったはずの社会が綻び、破綻寸前の様相が、一昔前の刑事小説風文体とマッチして、昭和の時代の推理小説みたいな読後感。携帯電話は通じたり通じなかったり。社会のルールは人員不足で穴だらけなので規則にがんじがらめにならなくても良い。実は、古き良きタイプの刑事が活躍するにはもってこいの舞台なのかも。
個人的な感想としては、謎が謎を呼んだり、とんでもないドンデン返しがあったり、といった驚愕は得られませんでしたが、パレス刑事の人物像が魅力的。20代後半とは思えないほど覇気がなく、仕事に対してのみ、やたら頑固。価値観は理系の男性そのもの、純粋なのか嫌なやつなのか、すれすれなキャラクターが終末のアメリカに似つかわしい、ような気が。「なぜパレスは刑事という職務にこうも拘るのか?」と彼の心理状態を想像してみるのも面白いかも。小惑星マイアに関する見解や天文学的、物理学的数字が正しいのかどうかはサッパリな文系読者ですが、一気に読みました。オススメです。

作者の邦訳はこれが初めて、とのこと。本作は三部作の1作目。続編『カウントダウン・シティ』は11月に発売されたばかり。
リアルな災害についての小説は、読むと気分が暗くなりがち、なのですが、どういうわけだか人類絶滅、地球滅亡モノとなると、非常に爽快に感じられるのが人間心理の不思議さよ。訳文も読みやすいのでさくさく読めますよ。年末年始のストレス解消などに、地球にマイアをぶつけてみるのも一興(?)かも。
地上最後の刑事 Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事より
4151819517
No.13
(5pt)

懐古的な終末

小惑星マイアの衝突で、半年後には壊滅的被害を受けるとされているアメリカ、ニューハンプシャー州コンコード。刑事に昇進したばかりのヘンリー・パレスはマクドナルドで首を吊っている死体を担当することに。関係者の誰もが、終末に絶望した自殺者であると決めつけるが、パレスは被害者のベルトが他の衣服とはそぐわない高級品であったことに違和感を抱く。避けようのない悲劇を前に、日常生活を放棄し、やりたくてできなかった夢の実現や犯罪行為に手を染める人々のなか、パレスは異様なまでの真面目さで職務を遂行、事件にのめりこんでいく・・・

終末モノのSFに、チャンドラー節のミステリを加えたような小説。SFっぽさ、理屈っぽさはあまり前面に出ておらず、ヒューマンドラマとして秀逸なので、どんな読書傾向の人にも読みやすいのではないかと思います。
読みどころは、懐かしい感じがする未来社会の描写。田舎町コンコードに絶望と頽廃ムードが満ち、便利だったはずの社会が綻び、破綻寸前の様相が、一昔前の刑事小説風文体とマッチして、昭和の時代の推理小説みたいな読後感。携帯電話は通じたり通じなかったり。社会のルールは人員不足で穴だらけなので規則にがんじがらめにならなくても良い。実は、古き良きタイプの刑事が活躍するにはもってこいの舞台なのかも。
個人的な感想としては、謎が謎を呼んだり、とんでもないドンデン返しがあったり、といった驚愕は得られませんでしたが、パレス刑事の人物像が魅力的。20代後半とは思えないほど覇気がなく、仕事に対してのみ、やたら頑固。価値観は理系の男性そのもの、純粋なのか嫌なやつなのか、すれすれなキャラクターが終末のアメリカに似つかわしい、ような気が。「なぜパレスは刑事という職務にこうも拘るのか?」と彼の心理状態を想像してみるのも面白いかも。小惑星マイアに関する見解や天文学的、物理学的数字が正しいのかどうかはサッパリな文系読者ですが、一気に読みました。オススメです。

作者の邦訳はこれが初めて、とのこと。本作は三部作の1作目。続編『カウントダウン・シティ』は11月に発売されたばかり。
リアルな災害についての小説は、読むと気分が暗くなりがち、なのですが、どういうわけだか人類絶滅、地球滅亡モノとなると、非常に爽快に感じられるのが人間心理の不思議さよ。訳文も読みやすいのでさくさく読めますよ。年末年始のストレス解消などに、地球にマイアをぶつけてみるのも一興(?)かも。
地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018782
No.12
(4pt)

破滅する世界で孤軍奮闘する刑事を描いたSF風推理小説

半年後に地球に小惑星が衝突し滅亡すると予測された時期にアメリカのファストフード店で首つり自殺の死体が発見され・・・というお話。
人物造形は申し分ないし、会話や筋の流れもいいし、謎解きも小味ながら堅牢で良いと思いますが、もうちょっとSF的設定と謎解きが密接に絡んだ推理小説になっていれば凄い傑作になっていたのでは、と少し思ってしまいました。まぁこれはこれでよくできていると思いますが。それと、滅亡前の地球の狂乱状態や痴態をもっと詳しく書き込んでもらいたかったです。もっとも三部作の第一作だそうなので、これ一作だけで即断しない方がいいと思いますが・・・。
近未来SF風推理小説の佳作。機会があったらどうぞ。
地上最後の刑事 Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事より
4151819517
No.11
(4pt)

破滅する世界で孤軍奮闘する刑事を描いたSF風推理小説

半年後に地球に小惑星が衝突し滅亡すると予測された時期にアメリカのファストフード店で首つり自殺の死体が発見され・・・というお話。
人物造形は申し分ないし、会話や筋の流れもいいし、謎解きも小味ながら堅牢で良いと思いますが、もうちょっとSF的設定と謎解きが密接に絡んだ推理小説になっていれば凄い傑作になっていたのでは、と少し思ってしまいました。まぁこれはこれでよくできていると思いますが。それと、滅亡前の地球の狂乱状態や痴態をもっと詳しく書き込んでもらいたかったです。もっとも三部作の第一作だそうなので、これ一作だけで即断しない方がいいと思いますが・・・。
近未来SF風推理小説の佳作。機会があったらどうぞ。
地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018782
No.10
(5pt)

極限状態を描きだす、設定の妙!

小惑星が衝突する未来が確定している地球。
人類滅亡を半年後にひかえ、ひとびとは「死ぬまでにやりたかったことリスト」を実行に移すため、職場を放棄して半年のモラトリアムを生きている。
自殺者が続出する街で、「もうこの星は滅ぶのに」と周囲の刑事たちに冷笑されながら、自殺と見なされた他殺(らしい)事件を追い続ける若手の刑事が主人公。
このみごとな状況設定が、主人公や被害者らをとりまく極限状態を、「これしかない」形で浮かびあがらせていく。
本当に、本当に面白かった。
続編の刊行も決まっているとのこと。なんとも楽しみなシリーズが開幕したものだ。
地上最後の刑事 Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事より
4151819517
No.9
(5pt)

極限状態を描きだす、設定の妙!

小惑星が衝突する未来が確定している地球。
人類滅亡を半年後にひかえ、ひとびとは「死ぬまでにやりたかったことリスト」を実行に移すため、職場を放棄して半年のモラトリアムを生きている。
自殺者が続出する街で、「もうこの星は滅ぶのに」と周囲の刑事たちに冷笑されながら、自殺と見なされた他殺(らしい)事件を追い続ける若手の刑事が主人公。
このみごとな状況設定が、主人公や被害者らをとりまく極限状態を、「これしかない」形で浮かびあがらせていく。
本当に、本当に面白かった。
続編の刊行も決まっているとのこと。なんとも楽しみなシリーズが開幕したものだ。
地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018782
No.8
(3pt)

あらら

殺人事件が地味なのか、事件自体に興味が持てなかった…。
個人的には今一つ。
地上最後の刑事 Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事より
4151819517
No.7
(3pt)

あらら

殺人事件が地味なのか、事件自体に興味が持てなかった…。
個人的には今一つ。
地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018782
No.6
(5pt)

設定の無駄遣いのない秀作

あらすじは他の方も書いておられるし、それ以上はネタバレっぽくなるので触れません。

文体は現在完了形を多用するハードボイルド調で、硬派な警察小説の王道を行きます。簡潔でとても読みやすい。
それより何が凄いって、半年後に小惑星が衝突して地球が滅びるかもしれないというSF的状況を、SFっぽさを捨象したうえで使い切っていることです。
設定が単なる小道具でなく、作品の隅々にまで緻密に及んでいる。この状況でなければこの作品は生まれない、というすべてが必然。

警察小説ですから、ストーリーの進行は捜査の進行と並行します。
しかし、終盤、これまでの捜査がひっくりかえってしまう位に話が急転直下。
そして真相を迎えることになりますが、そこでこれまでのすべてが無駄のない伏線に彩られていることに気づきます。
フーダニットとしても素晴らしいし、構成は見事の一言。

久しぶりのポケミスですが、大当たりでした。三部作の第一部とのことですが、心配しなくても続編は翻訳されるでしょう。されなければハヤカワの知見を疑うくらい。
地上最後の刑事 Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事より
4151819517
No.5
(5pt)

設定の無駄遣いのない秀作

あらすじは他の方も書いておられるし、それ以上はネタバレっぽくなるので触れません。

文体は現在完了形を多用するハードボイルド調で、硬派な警察小説の王道を行きます。簡潔でとても読みやすい。
それより何が凄いって、半年後に小惑星が衝突して地球が滅びるかもしれないというSF的状況を、SFっぽさを捨象したうえで使い切っていることです。
設定が単なる小道具でなく、作品の隅々にまで緻密に及んでいる。この状況でなければこの作品は生まれない、というすべてが必然。

警察小説ですから、ストーリーの進行は捜査の進行と並行します。
しかし、終盤、これまでの捜査がひっくりかえってしまう位に話が急転直下。
そして真相を迎えることになりますが、そこでこれまでのすべてが無駄のない伏線に彩られていることに気づきます。
フーダニットとしても素晴らしいし、構成は見事の一言。

久しぶりのポケミスですが、大当たりでした。三部作の第一部とのことですが、心配しなくても続編は翻訳されるでしょう。されなければハヤカワの知見を疑うくらい。
地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018782
No.4
(4pt)

これが、私がずっとやりたいと思ってたこと。

小惑星が地球と衝突して人類とその文明が崩壊しようとしている中ある店のトイレで自殺した男性の死体が発見される。
世界が凄いスピードで崩壊するなか主人公は、男性の死の真相に迫るべく捜査を始める。
正直言って主人公は地味だし、捜査も特別派手に進むわけでもない、でも世界がもうすぐなくなるという理不尽な状態での主人公の
職責を全うするといった信念には好感が持てるし(これには主人公の過去が大きく関係している)世界が崩壊する中、自分の生活を守ろうとする人々の描き方も中々いい、まあすったもんだのなか、犯人は逮捕されるのだが。状況が状況なので、
全然ハッピーエンドにならない。でも世界の終わりとその中をかけまわる刑事の物語としては、凄くおもしろかった。
お願いだから続編は必ず出してちょうだい。
地上最後の刑事 Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事より
4151819517
No.3
(4pt)

これが、私がずっとやりたいと思ってたこと。

小惑星が地球と衝突して人類とその文明が崩壊しようとしている中ある店のトイレで自殺した男性の死体が発見される。
世界が凄いスピードで崩壊するなか主人公は、男性の死の真相に迫るべく捜査を始める。
正直言って主人公は地味だし、捜査も特別派手に進むわけでもない、でも世界がもうすぐなくなるという理不尽な状態での主人公の
職責を全うするといった信念には好感が持てるし(これには主人公の過去が大きく関係している)世界が崩壊する中、自分の生活を守ろうとする人々の描き方も中々いい、まあすったもんだのなか、犯人は逮捕されるのだが。状況が状況なので、
全然ハッピーエンドにならない。でも世界の終わりとその中をかけまわる刑事の物語としては、凄くおもしろかった。
お願いだから続編は必ず出してちょうだい。
地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018782
No.2
(4pt)

小惑星と刑事。

これは好きな物語。続編が楽しみだ。

半年後に小惑星が地球に激突し、大半の人類は死滅するという状況の近未来。
人生や歴史がつづいてゆくという「前提」がなくなった時、社会は崩壊しはじめ、人間たちも崩壊してゆく。
自殺者が急増し、警察官はつぎつぎに辞めてゆく。
そこで繰り上げで刑事になった新人が、ある首吊り死体の捜査をはじめる。自殺としか見えないのに。

「ザ・ロード」に代表される「人類絶滅文学」は、小説や映画に多数のバリエーションを生んでいて、70年代にディストピアSFが流行したのにも似ているけど、今回の方がもっと切実だ。
「地上最後の刑事」がユニークなのは、瞑想型のファンタジーかと思わせて、実はとてもオーソドックスな探偵小説、それもフーダニットになっていること。
主人公のどこか頼りなげな若い刑事が、やがて「空からなにか落ちてくるからといって、私は容赦しない」という強い意志をみせるに至る成長小説にもなっていて、それが爽やかな読後感を与えてくれる。

3部作となり、小惑星の接近が進んでいくとのこと。
楽しみです。
地上最後の刑事 Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事より
4151819517
No.1
(4pt)

小惑星と刑事。

これは好きな物語。続編が楽しみだ。

半年後に小惑星が地球に激突し、大半の人類は死滅するという状況の近未来。
人生や歴史がつづいてゆくという「前提」がなくなった時、社会は崩壊しはじめ、人間たちも崩壊してゆく。
自殺者が急増し、警察官はつぎつぎに辞めてゆく。
そこで繰り上げで刑事になった新人が、ある首吊り死体の捜査をはじめる。自殺としか見えないのに。

「ザ・ロード」に代表される「人類絶滅文学」は、小説や映画に多数のバリエーションを生んでいて、70年代にディストピアSFが流行したのにも似ているけど、今回の方がもっと切実だ。
「地上最後の刑事」がユニークなのは、瞑想型のファンタジーかと思わせて、実はとてもオーソドックスな探偵小説、それもフーダニットになっていること。
主人公のどこか頼りなげな若い刑事が、やがて「空からなにか落ちてくるからといって、私は容赦しない」という強い意志をみせるに至る成長小説にもなっていて、それが爽やかな読後感を与えてくれる。

3部作となり、小惑星の接近が進んでいくとのこと。
楽しみです。
地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 地上最後の刑事 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018782