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帝都探偵 謎解け乙女



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【この小説が収録されている参考書籍】
帝都探偵 謎解け乙女 (宝島社文庫)

帝都探偵 謎解け乙女の評価: 3.75/5点 レビュー 8件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

「いびつ」な、ライトではないミステリ

「大正時代を舞台に令嬢と彼女に仕える青年車夫がホームズとワトソンのごとく活躍するライトミステリ連作短編集」──可愛らしい表紙と説明文を見た人はそう理解し、日常にひそむ謎を二人が解決していく楽しさ、ほのかな恋愛模様などを期待して読む読者は当然多い。しかし物語は、そうした読者の思いとは外れた展開をする。
個々の事件はまさしくライトミステリ。血生臭い凄惨な事件現場や死体もない。だが、一連の事件の終わりに待ち構える、物語全体に隠された真相のとある部分は「残酷」である。果たして読者の多くが望むだろうか疑問視せざるをえない、いびつな残酷さ。読了したのち、表紙に騙されたと感じる向きは少なくないだろう。
また、主人公たちが「お人好しの善人が、狡猾な悪人を罰も与えず許す」という、聖人ではなく、ただ目先のことしか見ていない非常識な綺麗事主義者として薄っぺらく描かれているから、喜怒哀楽・損得勘定のはっきりした犯人たちのほうがよほど人間らしいのが皮肉だ。何度騙されようとも怒りも悲しみも見せない青年車夫などは、まるで機械仕掛けの印象さえ受けた。
さらに本書には、推理小説として以前に、物語として楽しめるかどうかぎりぎりの「禁じ手」が仕掛けられてもいる。それを「どんでん返し」と称して楽しめるのは「作者に騙されるなら何でもよい」という読者。「ある程度のルールは必要」と考える読者には許されざる「騙し」でしかなく、登場人物たちの印象もがらりと変わってしまうため読後感も悪い。

大正を舞台とした時代物小説として、当時の様子や社会背景はきちんと描かれていたので☆は2つ。
帝都探偵 謎解け乙女 (宝島社文庫)Amazon書評・レビュー:帝都探偵 謎解け乙女 (宝島社文庫)より
4800220807

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