散り行く花
- 遊女 (56)
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ときは大正。罪を犯した女たちの視点で語られる、四編からなる連作短編集。 陋習の軛から逃れんと、あるいは禁忌に触れた生き方を貫かんとして、大きな罪に身を染める女たち。その罪の内容は、読者にも明かされる。当時の捜査能力では、警察は、犯人である女たちに辿り着くことができない。 ところがここに、美人画を生業とする画家が全編に登場し、情況証拠と聞き込み、供述の矛盾だけで女たちを追い詰め、自白に導いてしまう。ただ、罪から解放された女たちの美しさを描くためだけに。 この画家の推理が、見事。ネタがばれるため詳しくは書けないが、読者を騙すトリックが随所に埋め込まれており、最後まで何度も何度も騙された。 ミステリー的な面でも読み応えがあるが、自分の望むままには生きられなかった女たちの哀しさが、何より胸に沁みた。 巧みに本編と絡み合っているプロローグとエピローグもまた、秀逸。最後まで読みきると、装丁が、この作品の世界観を的確に表していることもわかった。 哀しみに満ちた物語だったが、読み終えると、その中に仄かな光を見つけたような不思議な余韻に浸っている。よい作品に出会った。 | ||||
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