沈黙の町で

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評判

沈黙の町での評価:

4.05/5点 レビュー 92件。 B ランク

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平均点4.05pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全182件 121〜140 7/10ページ
No.62
(5pt)

ハラハラドキドキ

人間模様が細かく描かれて最後の最後まで息をつかせず一気に読み上げました。いじめ問題をテーマにしてあくまでもリアルに問題が進められていく様は現実もこうなんだろうと、読み終わった後感じました。この複雑な問題を社会に提起してある作品であると思います。だから自分はどうするんだろうという結論は出せませんが、読み終わった後リアルすぎて後味の悪い作品でした。これは奥田ワールドへの称賛です。媚びることなく現実にメスをいれ考えさせる、「オリンピックの身代金」以来の名作です。」
沈黙の町で Amazon書評・レビュー: 沈黙の町でより
4022510552
No.61
(5pt)

読み応えあり!

「噂の女」に続き図書館借りで読んだ。
グイグイと引き込まれる内容に満足の一冊だと思う。
内容はさておき「邪魔」「最悪」に並ぶ作品と思った。
是非、お読み頂きたい一冊です。
沈黙の町で Amazon書評・レビュー: 沈黙の町でより
4022510552
No.60
(5pt)

ちゃまおの気持ちが不可解

連載中からとても興味深く読んでいた。登場人物、生徒ひとりひとりの人物描写がとても細かかった。最後まで真実が明かされないミステリー小説的手法にひきこまれた。ただ被害者ちゃまお君は客観描写だけなので本人の気持ちが不可解だった。この子は特殊な例だろうか?いじめ問題の多発する昨今に問題を投げかける作品だ。
沈黙の町で Amazon書評・レビュー: 沈黙の町でより
4022510552
No.59
(5pt)

深く考えさせられる物語です

読み応えありの一冊です。 イジメがテーマなだけに読んでいる間中、不快な気分になりますが 内容はノンフィクションかと思えるくらいリアリティに溢れています。 とにかく登場人物の描写が丁寧で素晴らしいです。 グループ内の子供達はもちろん、それを囲む親達、先生、検事、弁護士 それぞれの顔が浮かんで来るくらいの人物描写です。 イジメの被害者、加害者とは簡単に言えないくらいの背景で色々な事を考えさせられる小説です。 読後感も後味も悪いけれど、久しぶりに一気に読めた作品でした。
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058
No.58
(5pt)

ハラハラドキドキ

人間模様が細かく描かれて最後の最後まで息をつかせず一気に読み上げました。 いじめ問題をテーマにしてあくまでもリアルに問題が進められていく様は現実もこうなんだろうと、読み終わった後感じました。 この複雑な問題を社会に提起してある作品であると思います。 だから自分はどうするんだろうという結論は出せませんが、読み終わった後リアルすぎて後味の悪い作品でした。 これは奥田ワールドへの称賛です。 媚びることなく現実にメスをいれ考えさせる、「オリンピックの身代金」以来の名作です。 」
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058
No.57
(5pt)

読み応えあり!

「噂の女」に続き図書館借りで読んだ。 グイグイと引き込まれる内容に満足の一冊だと思う。 内容はさておき「邪魔」「最悪」に並ぶ作品と思った。 是非、お読み頂きたい一冊です。
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058
No.56
(4pt)

尻切れトンボの印象

いじめられっ子が転落死した事件の前の経緯と事件後のストーリーが、時系列に沿った形ではあるが交互に語られる。
事件前の経緯は、最後にいじめられっ子が死亡する場面の真相を明らかにしたところで終わり、物語全体もそこで終わりになるため、事件後のストーリーは、そこまでで語られた事件の1ヶ月後くらいで終わってしまう。

事件前と事件後の叙述を並行して行うことによって、転落死に至るまでの経緯がよりスリリングに語られ、この著者が得意とする、読者を引き込むようなストーリー展開を楽しむことができる。しかしその一方で、読者の多くは、事件後の顛末をもっと長期にわたって(決着がつかなくても良いのだが)詳しく知りたいと感じると思うのだが、その願いはかなえられない。

その点で、本作は読み手の欲求不満を残した終わり方をしているように感じた。こういういきさつのいじめに関連する死亡事件があった、という事実の叙述だけで、あとは読者に余韻を感じさせるという方向もありだとは思うが、もう少し著者の主張を書き込んでも良いのではないかと感じる。本作の後編として、著者の考える後日譚を追加してくれると、もっと読者の方も考えさせられる作品となったのではないか。

もっとも、これがこの著者のスタイルなのだろうから、読者としてはそれを好きになるか、それとも好まないので作品を読まないか、いずれかを選べばよいのかも知れないが…。
沈黙の町で Amazon書評・レビュー: 沈黙の町でより
4022510552
No.55
(4pt)

尻切れトンボの印象

いじめられっ子が転落死した事件の前の経緯と事件後のストーリーが、時系列に沿った形ではあるが交互に語られる。
事件前の経緯は、最後にいじめられっ子が死亡する場面の真相を明らかにしたところで終わり、物語全体もそこで終わりになるため、事件後のストーリーは、そこまでで語られた事件の1ヶ月後くらいで終わってしまう。

事件前と事件後の叙述を並行して行うことによって、転落死に至るまでの経緯がよりスリリングに語られ、この著者が得意とする、読者を引き込むようなストーリー展開を楽しむことができる。しかしその一方で、読者の多くは、事件後の顛末をもっと長期にわたって(決着がつかなくても良いのだが)詳しく知りたいと感じると思うのだが、その願いはかなえられない。

その点で、本作は読み手の欲求不満を残した終わり方をしているように感じた。こういういきさつのいじめに関連する死亡事件があった、という事実の叙述だけで、あとは読者に余韻を感じさせるという方向もありだとは思うが、もう少し著者の主張を書き込んでも良いのではないかと感じる。本作の後編として、著者の考える後日譚を追加してくれると、もっと読者の方も考えさせられる作品となったのではないか。

もっとも、これがこの著者のスタイルなのだろうから、読者としてはそれを好きになるか、それとも好まないので作品を読まないか、いずれかを選べばよいのかも知れないが。
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058
No.54
(5pt)

圧倒的なリアリティ。

新聞広告で見てからずっと読みたくてKindle化を待っていました。
Kindle化されてからすぐに購入しました。
前評判通り、読み応えがあります。

新聞記者、検事、警察、被害者の親、加害者の親、加害者本人たち、教師、傍観者たち。。。。
と視点がコロコロかわるのですが、不思議と読みづらくありません。
それぞれの立場に感情移入出来るので、
こういった事案がどれほど複雑で、出口がないものなのかよくわかります。
こういった話は永遠に終わりがない、と思わせてくれるラストでした。
誰を悪者にしたって、亡くなった方は帰ってこないということを
何度も思わせてくれます。

自分にも中学生だった頃があるので、
そうだよな、中学生ってこんな感じだよなと思いながら読んでいました。
思春期の焦燥感みたいなものは、ディテールまで書き込まれていたと思います。
沈黙の町で Amazon書評・レビュー: 沈黙の町でより
4022510552
No.53
(5pt)

圧倒的なリアリティ。

新聞広告で見てからずっと読みたくてKindle化を待っていました。
Kindle化されてからすぐに購入しました。
前評判通り、読み応えがあります。

新聞記者、検事、警察、被害者の親、加害者の親、加害者本人たち、教師、傍観者たち。。。。
と視点がコロコロかわるのですが、不思議と読みづらくありません。
それぞれの立場に感情移入出来るので、
こういった事案がどれほど複雑で、出口がないものなのかよくわかります。
こういった話は永遠に終わりがない、と思わせてくれるラストでした。
誰を悪者にしたって、亡くなった方は帰ってこないということを
何度も思わせてくれます。

自分にも中学生だった頃があるので、
そうだよな、中学生ってこんな感じだよなと思いながら読んでいました。
思春期の焦燥感みたいなものは、ディテールまで書き込まれていたと思います。
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058
No.52
(4pt)

小さな町で翻弄される人々を入念に描く

ある小さな町で起きたいじめによる中学生の死亡事件。
事故なのか、事件なのか。
被害者家族、被疑者家族、学校関係者、警察など、
翻弄される周囲の人々を緻密に描く。
文章も読みやすく、筆力もあるため、読み始めると一気読みしてしまいます。
ただ、僕個人の考えとしては、
作者が最後に言いたかったであろうメッセージには疑問でした。
沈黙の町で Amazon書評・レビュー: 沈黙の町でより
4022510552
No.51
(2pt)

10年前のイジメ

起こりうるだろうストリーだけれども、現実の中学生(の一部)はもっと残忍だ。
全員が全員とは言わないが、大人もここまであからさまではない。確かに学校は有事には弱いけれども、イジメが社会問題化している現代で、こうもアタフタする学校はないだろうし、親も親で自分の子を守るためといっても、ここまで短絡的に自己防衛に走ることもないだろう。

一言でいうと10年前のイジメだ。10年間のギャップをもって作者は何を言いたかったのだろうか?最後のミステリー調も何が目的かよくわからん。

高村薫の後に読んだことも影響して、心理描写も表面的でステレオタイプに感じた。
沈黙の町で Amazon書評・レビュー: 沈黙の町でより
4022510552
No.50
(4pt)

小さな町で翻弄される人々を入念に描く

ある小さな町で起きたいじめによる中学生の死亡事件。 事故なのか、事件なのか。 被害者家族、被疑者家族、学校関係者、警察など、 翻弄される周囲の人々を緻密に描く。 文章も読みやすく、筆力もあるため、読み始めると一気読みしてしまいます。 ただ、僕個人の考えとしては、 作者が最後に言いたかったであろうメッセージには疑問でした。
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058
No.49
(2pt)

10年前のイジメ

起こりうるだろうストリーだけれども、現実の中学生(の一部)はもっと残忍だ。 全員が全員とは言わないが、大人もここまであからさまではない。 確かに学校は有事には弱いけれども、イジメが社会問題化している現代で、こうもアタフタする学校はないだろうし、親も親で自分の子を守るためといっても、ここまで短絡的に自己防衛に走ることもないだろう。 一言でいうと10年前のイジメだ。 最後のミステリー調も何が目的かよくわからん。 高村薫の後に読んだことも影響して、心理描写も表面的でステレオタイプに感じた。
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058
No.48
(5pt)

いろんな問いかけをしてくる本

中学生の転落事故から、実は彼がイジメに合ってたという事実が発覚し・・・という、大津の事件とパラレルになるストーリィで、新聞連載中だったが、唐突に締めくくられた、という話をどこかで読んだ。その後単行本化するに当たって加筆訂正されたかどうかは知らない。当事者意識から遠い世界にいるので個人的にはイジメ問題への興味は薄い。でも、この本を読むと、イジメたと言われた側が、実は人望も人気もありクラスのリーダー格。しかも、実際には首謀者ではなく、庇ったりもしていた。虐められた子は、小心、パシリ、でもウザがられても後を着いて来るし、裏切って先生にちくるし、女子や弱者には威張るし、庇ってあげても感謝しないし、もし、近くにいたら、ほんとにウザくてイライラするような子として描かれている。イジメはいけない、と綺麗事で言っても、実際にこういう状況だったら、あんたはちゃんと判断できるのか、と挑戦してくるようなストーリィだ。双方側の親の利己的な言動もこれでもか、と描いている。作者は、それでも、おまえは、被害者側に100%立てるのか、同じ状況になったら、おまえも虐める側にならないと言えるのか、と追い詰めてくる。
沈黙の町で Amazon書評・レビュー: 沈黙の町でより
4022510552
No.47
(4pt)

この題材を扱った作品では最もリアルなのでは

正直に言えば子供の頃の僕はどちらかといえばいじめる側だった。教師に怒られても「しまった」くらいにしか
思わなかったが,自分のした事で人の心がどれ程傷つくか自分で気づき,改めるようになったが
罪悪感は大人になっても残る。
でも改めようとしてもどうしてもここに出てくる「ちゃま夫君」のような子がいて,幼い私の改心を妨げた。
誠意をもって親しくなろうとすると鼻で笑うような態度をとられ,呆気にとられた後で沸々と怒りがこみ上げる。
元は自分が悪いのだからと何回かは我慢はするが,良いと思う行動をとる程小馬鹿にされたような気になり
ならば関わらなければ良いと思うものの幼い我が心は見返りを求め,ジレンマに耐えられなくなり
結局イジメをするクラスメイトに混ざるばかりか率先して加担してしまい,また自己嫌悪にさい悩まされる日々の繰り返し。
自分を含め幼いが故,未熟であるが故に感情表現が上手に出来ないのだと知るには自分自身未熟過ぎた。
でもあの時私にとっての「ちゃま夫君」が死んでいたら。私は今普通にこの社会で生きてゆけたろうか。

奥田英朗はデビュー作から多分全部読んでるがこの人はやっぱりシリアス路線が凄い。
いじめ問題に関しては最近特に多くて,中には分厚い上中下巻でとりあげる問題作もあったが
どれもちょっといじめられる側いじめに走る側の人物描写にリアルさがないばかりか
「不良はバカで横暴,勉強出来ないお人よし,勉強スポーツ出来る家庭円満な奴が利発で正しい行い」
みたいな構図なんとかならんのか古いよなぁと読むほどに冷めた。
この作品はその点も含め(自分の体験を思い起こさせる程)リアルであり,生徒それぞれが
「いたな〜こういう奴」という感じ(ちょっと出来過ぎたキャラもいるが)
イジメに至る経緯,場面にも臨場感あり。
さらにその親達の描写が一層凄味あり,その世代になった私にとっては二重で胸に突き刺さるものがあった。

重松清氏の「十字架」も似た題材で読み応えあり比べてみるのもよし。
ちょっとラストが薄味で疾走感による前のめりがつんのめる部分があるが,
間違いなく奥田氏の現時点での最高傑作であろう。いや奥田氏の作品には毎回そう思ってるような。
買って読んで損した気分にはまずならない。
沈黙の町で Amazon書評・レビュー: 沈黙の町でより
4022510552
No.46
(5pt)

現代の等身大の中学生の姿がリアルに描かれていた

中学生の学校内での転落死をめぐるミステリ。

死亡した生徒をいじめていた生徒、学校の教師、生徒の母親、刑事、警察、マスコミなど、多くの視点で物語が描かれており、手に汗握る展開で最後まで一気に読めた。

本書の中で、

「子どもには残虐性があって、年齢を重ねていくと徐々に消えていく。中学生にはその性質が残っており、ひどいいじめは中学生が一番。高校生になると手加減や同情心がはたらく」

という表現があるが、これはもっともだと思った。その中学生の残虐性、先輩との上下関係、自分を強く・格好良くみせたい気持ち、周りの友達に嫌われたくない気持ちなど、現代の等身大の中学生の姿がリアルに描かれていた。

また、いじめを受けていた生徒・いじめをしていた生徒、それぞれの母親の心理描写が素晴らしく、事件に対する不安感、焦燥感、なんとしても自分の子どもが正しいと信じたい気持ちが痛いほど伝わってきた。
沈黙の町で Amazon書評・レビュー: 沈黙の町でより
4022510552
No.45
(5pt)

いろんな問いかけをしてくる本

中学生の転落事故から、実は彼がイジメに合ってたという事実が発覚し・・・という、大津の事件とパラレルになるストーリィで、新聞連載中だったが、唐突に締めくくられた、という話をどこかで読んだ。その後単行本化するに当たって加筆訂正されたかどうかは知らない。当事者意識から遠い世界にいるので個人的にはイジメ問題への興味は薄い。でも、この本を読むと、イジメたと言われた側が、実は人望も人気もありクラスのリーダー格。しかも、実際には首謀者ではなく、庇ったりもしていた。虐められた子は、小心、パシリ、でもウザがられても後を着いて来るし、裏切って先生にちくるし、女子や弱者には威張るし、庇ってあげても感謝しないし、もし、近くにいたら、ほんとにウザくてイライラするような子として描かれている。イジメはいけない、と綺麗事で言っても、実際にこういう状況だったら、あんたはちゃんと判断できるのか、と挑戦してくるようなストーリィだ。双方側の親の利己的な言動もこれでもか、と描いている。作者は、それでも、おまえは、被害者側に100%立てるのか、同じ状況になったら、おまえも虐める側にならないと言えるのか、と追い詰めてくる。
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058
No.44
(4pt)

この題材を扱った作品では最もリアルなのでは

正直に言えば子供の頃の僕はどちらかといえばいじめる側だった。教師に怒られても「しまった」くらいにしか
思わなかったが,自分のした事で人の心がどれ程傷つくか自分で気づき,改めるようになったが
罪悪感は大人になっても残る。いや、どんどん強くなる。

子供の頃も罪悪感はあって改めようとしてもどうしてもここに出てくる「ちゃま夫君」のような子がいて,幼い私の改心を妨げた。
誠意をもって親しくなろうとすると鼻で笑うような態度をとられ,呆気にとられた後で沸々と怒りがこみ上げる。
元は自分が悪いのだからと何回かは我慢はするが,良いと思う行動をとる程小馬鹿にされたような気になり
ならば関わらなければ良いと思うものの幼い我が心はこちらに対する誠意や見返りを求めてしまい,ジレンマに耐えられなくなり
結局イジメをするクラスメイトに混ざるばかりか率先して加担してしまい,また自己嫌悪にさい悩まされる、その繰り返し。
自分を含め幼いが故,未熟であるが故に感情表現が上手に出来ないのだと知るには自分自身未熟過ぎた。
でもあの時私にとっての「ちゃま夫君」が死んでいたら。私は今普通にこの社会で生きてゆけたろうか。

奥田英朗はデビュー作から多分全部読んでるがこの人はやっぱりシリアス路線が凄い。
いじめ問題に関しては最近特に多くて,中には大御所が分厚い上中下巻でとりあげる問題作もあったが
どれもちょっといじめられる側いじめに走る側の人物描写にリアルさがないばかりか
「不良はバカで横暴,勉強出来ないお人よし,勉強スポーツ出来る家庭円満な奴が利発で正しい行い」
みたいな構図なんとかならんのか古いよなぁと読むほどに冷めた。

この作品はその点も含め(自分の体験を思い起こさせる程)リアルであり,生徒それぞれが
「いたな〜こういう奴」という感じ(ちょっと出来過ぎたキャラもいるが)
イジメに至る経緯,場面にも臨場感あり。
さらにその親達の描写が一層凄味あり,その世代になった私にとっては二重で胸に突き刺さるものがあった。

重松清氏の「十字架」も似た題材で読み応えあり比べてみるのもよし。
ちょっとラストが薄味で疾走感による前のめりがつんのめる部分があるが,
間違いなく奥田氏の現時点での最高傑作であろう。いや奥田氏の作品には毎回そう思ってるような。
買って読んで損した気分にはまずならない。自分自身に置き換えて読むとジワジワくる作品。
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058
No.43
(4pt)

中学生のいじめの現状・・・

男子中学生が学校内で高所から落ちて死亡した。
その生徒は複数の同級生からいじめを受けていたようであった。
果たして自殺か?事故か?という内容。

亡くなった生徒の家族、いじめを行っていた同級生とその家族。
中学教諭、警察、報道関係者といった多くの登場人物が出てくる。
それぞれの視点に立って物語は進行していく。

いじめの現状やきっかけなどは良く書けていると思った。
改めて、本人の気質や性格・周囲の環境にも大きく左右されてしまうものだと思った。
しかし、決していじめを肯定する内容となっているとも、いじめられる生徒を否定しているとも思わない。

登場人物が中学生に対し、「もう大人だ」「まだ子供である」「こんなにもずるい面がある」「とはいえまだ中学生なのだ」などといった感想を持つ。
確かに中学生は大人と子供の狭間に居る。
家庭と学校という2つの世界でしか生きることが出来ずに、ともすれば生存競争にさらされている。
そのような描写は真に迫っていると思った。

生徒たちの親たちの心理についても、非常に分かりやすく描けていた。
学校関係者の描写についても同様。

物語後半、現在と過去の内容の両者が出てくるが、どちらの内容なのかが分かりにくい面があった。
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058