沈黙の町で

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

沈黙の町での評価:

4.05/5点 レビュー 92件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.05pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全182件 181〜182 10/10ページ
No.2
(5pt)

特別な風景じゃなくて、日常的だけど忘れていた風景

序盤は事件から一歩引いた大人たち中心に、それこそネットニュースで断片的な情報を読んでいく感覚なのに、
だんだんとカメラが近寄っていって、空撮から学校内部の映像に切り替わるみたいに生徒たちの視点になって、
いじめにかかわった少年たちの素顔が分かってくる。

知れば知るほど、味方する価値もないと思っていたいじめグループ4人に感情移入していく。
逆に、かわいそうだと思った被害者側の違う一面も見えてしまう。
善悪が入れ替わっていく感覚が怖くも面白い。

重い内容と新聞連載という相性は良くて、子供がいじめに関与したかどうかで思い悩む母親のエピソードも、息が詰まりそうなのにあとちょっと、あとちょっとと読んでしまう。

子供たちの、危ういながらもなんとか生きていこうとする姿には胸が熱くなった。
青春小説としても読める。
読んでいて何かむずむずするのは、きっと自分の周りにも近いことがあったからだ。
犠牲者が出ないから忘れているだけで、日本中の学校や職場で、このくらいのいざこざはあったはず。

米の減り方で子供の成長を感じる母親とか、細かい部分で妙にリアリティがあるのはさすが奥田英朗。

追記
被害者サイドにいる「おじさん」の言動だけは少し嘘っぽさを感じました。
学校の態度に怒りを感じるまでは自然ですが、だんだんマンガに出てくるいやな上司みたいになってきます。
このキャラ一人のせいで「いじめられる側にも問題がある」感じが強調されているような気がしました。
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058
No.1
(4pt)

長男が登場人物と同じ世代なだけに、締め付けられるような思いで。。。

中学生大人になる前だからこその複雑な心理、そして行動。単純なイジメ問題としてだけではなく、反抗期に入りつつある登場人物たちの状況を巧みに描いていると思います。長男が登場人物と同じ世代なだけに、締め付けられるような思いで、それでもストーリーに引き込まれ『むさぼり読み』してしまいました。それにしても、奥田英郎さんの小説、登場人物それぞれの多視点でどんどん話が展開、そこにキーとなる過去のエピソードがじわじわと深く絡んで、本当に引き込まれてしまいます。登場人物たちのキャラクターの変遷ぶりが圧巻。。。単なるどんでん返しではなく、「ふくらみ」をもって描かれていると思います。なんとも、やるせない状況でストーリーは進んでいきますが、親子で普通にすごす日常がいかに幸せなことかと痛感させられつつ、扱いが難しくなっていく年代の子どもたちにしっかりと目配りできているんだろうか、そんな不安にも苛まれてしまいます。
沈黙の町で (朝日文庫) Amazon書評・レビュー: 沈黙の町で (朝日文庫)より
4022648058