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案外まともな犯罪
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案外まともな犯罪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ドーヴァー警部シリーズで有名な作者が、ドーヴァー警部の代りに創造した「ホン・コンおばさん」シリーズの第一作。同性に対する女性の眼は非常に厳しい様なので、ドーヴァー警部以上の"ずうずうしく"醜悪な造形を期待したのだが、この点に関しては期待外れ。"ずうずうしい"事は確かに"ずうずうしい"のだが、「ホン・コンおばさん」の正式名には頭に「honorable」が付くという、れっきとした貴族階級の老嬢という設定。ドーヴァー警部にはない人情味にも溢れている。「ドン・キホーテ」よろしく、所謂「noblesse oblige」を果たすために「ホン・コンおばさん」が奮戦する姿を描いた作品と捉えた方が良いと思う。マクレガー刑事(あるいはパンチョ)よろしく、ミス・ジョ-ンズという召使の老嬢を用意して、2人の会話の面白さで物語を彩るという点はドーヴァー警部シリーズと同様。 ドーヴァー警部とは異なり、「ホン・コンおばさん」は好奇心を持って事件に取り組むのだが、論理的一貫性のないドタバタ喜劇風の展開の中で"何時の間にか"犯人に辿り着くという点もドーヴァー警部シリーズと同様。見落とされがちだが、ドーヴァー警部シリーズはミステリ的技巧においても優れている。本作でも、「Why Done It」、「Who done It」に対して作者の伏線が敷かれている。しかし、ミステリ的技巧においてはドーヴァー警部シリーズより劣っている様に映った。「noblesse oblige」として善意溢れる「ホン・コンおばさん」の奮闘が周囲に迷惑を及ぼしてしまうという新しいユーモア・ミステリを狙った作品だが、やや空回りに終わった感がある。 | ||||
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