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錨を上げよ
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【この小説が収録されている参考書籍】
錨を上げよの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全262件 121~140 7/14ページ
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同志社生なのでこの巻は親近感のある内容だった。烏丸とか鞍馬口とか一乗寺とか今出川 | ||||
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この作品の又三が話す場面では百田さんの顔がちらついてしまう。殴るシーンも鼻を手術した後のあの動画の場面が重なってしまって。こんな時だからかな。又三の「芸術とは人生に生きる勇気を与えるもんや」の言葉が心に残っている。有本さんの解説もすごく良かった。 | ||||
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奇天烈な生き方で現代ではなかなか、主人公のような人物が生きていくのは難しいと感じた。読むペースは早くそれだけ夢中になれたかと言えばそうでもなく、ただただ惰性で最後まで読んだ。後に残らぬ現代らしい味付けの本といえる。 | ||||
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小学生の頃は夏目漱石、谷崎潤一郎、山本有三などの作品を読んでおり 大人になってからは宮部みゆき、東野圭吾など現代の作家の作品を読むようになった しかし、小説に関しては全て斜め読みで、歴史書や学術書のように熟読はしたことが無かった その理由は、登場人物の台詞さえ追っていけば、情景描写など気にせずとも物語が理解できたからだ 更に、作家によって作品の傾向 (ジャンル) が決まっているので 特定の作家の作品を全作揃えたことは無い そんな僕の目の前に現れた例外的作家が百田尚樹氏だ これは有名なことなので書く必要はないかもしれないが 百田作品は全て異なるジャンルであるため 生まれて初めて全作品を読破した しかも、一文字も読み漏らすまいと、全作品を熟読している これも初めての経験だ さて、『錨を上げよ』は単行本で読んでいたので 内容は知っていたが、今回文庫化されるということで 全4巻が出版されるのを待って、まとめて購入し 読了したら、ここに感想を書いてやろうと意気込んで読み始めた ところが 第1巻 見城徹氏 第2巻 岡聡氏 第3巻 中瀬ゆかり氏 第4巻 有本香氏の解説を読んで、素人の拙い感想を書くことは止めにした 僕の感想を披露することが恥ずかしくなったことと 上から目線的で非常に恐縮だが 上述の4氏の解説の中に僕の感想が全て書かれていることが理由だ 解説および著者あとがきを読むだけでも購入する価値ありだと思う 僕の感想を披歴する代わりに、最後に一言 一旦、読み始めたらページを繰る手が止まらなくなる 次の展開が気になって、他のことを後回しにして読書を続けてしまう ページ数の多い超大作だが、読むことに苦痛を全く感じさせない 本作は、間違いなく大傑作だ | ||||
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第1巻ないし第3巻では語ることのなかった他人の色恋が描かれている。 大学時代の旧知の仲である「柿本」が第3巻を跨(また)いで登場する。「柿本」は非常なまでに「遠山 利江子」という女性を美化していた。 それだけに、「権力の笠に巣くう」地位利用のプロデューサー堅田に毒されたことを知る「作田又三」の 内心には動揺が透ける。 それを知ってか知るまいか、袖をなで下ろした「柿本」は、酒の梯子(はしご)に付き合う「作田又三」 に、オレ(「柿本」)と一緒に「涙」してくれという偏屈なまでの「共感」を叫ぶ。 翻って「作田又三」自身も他人事ではない。 「もしあのことがなかったら!?」きっと、育児に励み、真面目人間になっていたかも知れない。 だが、それが打ち砕かれ未練のまま時が過ぎ、「宇野保子」に再会したときに何を想う!?景山に「お前 は愛のエゴイストだ!!」と言われ、それを否定できるのか!? およそ、二人の人生は些細なことで大きく揺れていた。 しかし、渦中にあっては気がついてはしない。何年か時がすぎたとき、「あのときがターニングポイント であった」とそれとなく気がつくものだ。 しかし、気がついてどうする!!どうしようない。 「我」は「何者」なのか!どこに「属す」べきか!どう「生きる」べきか! これには、ベストの答えというのは永遠に得られないのだ!! それでも「涙」をふきはらって、それこそ「人生の終末」まで力強く「進水」して生きていかなければな らないのだ。これが本著作の「芯」であると感じた。 さて、本著作を読み終えて、何を言わんや!ここまでしぶとく読みふけってきたのも、喧伝さながら、 有本氏と百田氏の解説を読むのが「とっておき」であったからだ。 二人あわせて43頁ほどの厚みである。「共通のテーマ」として、そして「隠し球」の正体として掲げてい るのは「ピカレスクロマン」を描くことにあったということだ。 「ピカレスクロマン」は「犯罪」や「バイオレンス」を「英雄」として描くことではない。実にこの傾向 に乗った著作が昨今、横行しているだけに本来の意味からかけ離れたとこに向かっている。 しかし、本著作は、本来の「ピカレスクロマン」に忠実なのだ。 およそ「ピカロ」=「悪漢」は、庶民や下級階層の出身で、品行豊かな者と言えない。 しかも、生きるためにしばしば社会のルールを破るという「反英雄」的なものだ。 「カネ」というものに執拗なまでにこだわり、そのため社会の底辺を這いずり回って、「第一人称」の 目線から世の中や人々の「サマ」を描くのである。 そこで明らかになってくることは、社会の真実、不敗、不正、偽善、矛盾といったものに対する皮肉と 諧謔的(かいぎゃくてき)な視点である。 本著作内でもタイムテーブルに載せた世の「偽善」となる動向がしばしば描かれている。 (気がついたであろうか!!この辺りに特化して、それとなく「偽善者たちへ」(2019年11月15日 新書)が初出する伏線として喧伝されていることも!!百田氏はちゃっかり者である。) そして、何より深淵としての「ピカレスクロマン」を創作する原石はどこにあるのか!?という最大の 疑問も浮かぶ。それは、意外にも「クラシック音楽」と相関している。 百田氏の「種明かし」によると、「錨を上げよ」を一つの変奏曲として仕上げたいという思いがあった ようだ。 殊に、偏愛する「コールトベルク変奏曲」の第三十変奏での遊びであるがごとく、哲学的要素とその冒 険心を刺激する模索が弛まなく息付いている。 そこには、表面的な行動や思考が変奏しても、決して揺るぎはしない、「作田又三」を形づくる「性格」 や「愚かさ」を体現しているのだ、と。 実際に「コールトベルク」の変奏曲を聴いてみた。何というか、創作するにはバックミュージックとして は思考の妨げにはならず、リラックスした状態で、ある突然の衝動となって創作のひらめきをひきだすに はもってこい、という感じに受け取られた。 やはり、ただならぬ「トリックスター」百田尚樹であったということだ。 | ||||
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読み始めると又三にどんどんのめり込んでしまい一気に読了してしまいました! 百田直樹先生の小説大好きです! | ||||
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スピード感のある文章が心地いいです。 | ||||
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ついに最終巻。 構成としては、又三、大阪に帰る→ゲームやギャンブルに没頭し、所持金の大半を失う→遊び場のビリヤード場で知り合った女性と結婚→かつての大学の旧友と再会し、彼の伝手でテレビ局の放送作家になる→妻の浮気により、2年足らずで離婚→やる気を失い、放送作家を退職→ピンサロのホステス(東南アジア女性)を日本に送る仕事をする為にバンコクへ→麻薬の密輸に巻き込まれそうになり、逃亡→現地の日本人滞在者と知り合う→そのうちの1人の境遇に同情し、日本人ヤクザの屋敷を襲撃→日本に帰国し、スーパーに再就職→かつて知り合った人達と再会、離婚した妻とも再会→又三、突然人生に希望を見出す、完 最後まで読んできた自分を褒めてあげたい。それぐらい本作は色々な意味で長かった。上記のように、4巻では又三がテレビ局の放送作家になるが、否応なく著者の経歴を連想させられる。この放送作家篇は恐らく実体験に基づいているだけに、多少は興味深いものがあったが、割とすぐに終わった。 後はもう、無茶苦茶である。タイ人のマネージャーを脅迫するシーン、武装してヤクザの屋敷を襲撃する(どっちがヤクザだ)シーンなどはもう完全に犯罪者である。今まで又三は数々の事件を起こしてきたが、逮捕されたのはウニ密猟の時に2回だけ。しかも前科は付いたものの微罪のみ。あとはお咎めなし。物語の展開上仕方ないとはいえ、随分都合が良いなぁと思ってしまう。 本作の終わり方はさらに酷い。「終わり良ければ総て良し」という諺もあるように、綺麗な終わり方で終われれば、不満も随分少なくなっただろう。ところが、過去の登場人物を唐突、しかも雑に再登場させた挙句、離婚した妻との復縁もならず、傷心状態で帰路に就く又三が、突然過去の歴史の人間の人生の映像を走馬燈のように見て、生きる希望を取り戻すといったしょうもない終わり方だったのだ。物語の畳み方、下手過ぎやしないか?まるで、「俺たちの戦いはこれからだ!」式の、漫画の打ち切りENDのようだった。 著者のあとがきにある文芸春秋の編集長の判断のように、本作は出版すべきではなかったのかもしれない。最後まで読んできたからこそ、つくづくそう思う。 | ||||
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人間が剥き出しになった作品。人間のあらゆる業が描かれている傑作だと思った。とにかくその迫力に圧倒される。主人公の破天荒な言動に時に目を覆いたくなるが気づいたら感情移入しており、どんどん引き込まれていってしまう。それほど魅力と魔力を秘めている。この第1巻で完結していても作品として十分完成していると思ったが、これがなんと第4巻まで続くという。今から続きを読むのが愉しみでならない。 | ||||
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「作田又三」の性的悪弊に「うんざりだ」としてどうにも受け付けない人も多かろう。 羅針盤もない航海で、終に読むのも「座礁」してしまったのでは!? 本著作の1巻ないし4巻を通して実に17名の女性が登場する。これだけ登場すると思考回路 も回らない。 以下に挙げてみると 「池田明子」「野原めぐみ」「西村芙美」「池原法子」「伊藤アケミ」「川津栄子」「武藤 伊都子」「中田百合子」「加納沢子」「井本早苗」「小野田純果」「法学部の百恵ちゃん」 「山本一枝」「依田聡子」「北原深雪」「白武久子」「宇野保子」といった具合に3巻の 巻末に人物設定の簡単な特徴を添えて記載されている。 最初の1巻から読むという人は、まず、人物設定の簡単な特徴をある程度、頭にいれつつも 随時参照しながら読むのがお勧めです。 解説を書かれた中瀬ゆかり氏が「辛抱強く」書き抜きしてくれているので「ある意味」「努 力の賜だ」と感心してしまった。 さて、「うんざりだ」としても、着地点をどこになるのか!?気になるところである。 半ば、「ヤケ」になって読み進めることにした。 そうすると、新たなるステージに移行した。「あっ!!」というところで突然に夢中に読み 始めることとなった。本著作のタイトル「錨(いかり)をあげよ」が172頁に登場するのだ。 本著作の表紙の「イメージ」とようやく「合点」し府に落ちた。 まさにドキュメント=「記録映画」であるかのような実況中継だ。 ウニの密漁が頻繁になされている北方領土の「チョークポイント」をめぐる「チェイス」は 目を見張る。攻略のレベルも徐々にエスカレートする。 貝殻島から、さらには、ソ連軍監視所まで設置された水晶島へと展開する。 また、法月をボスとする時期もあれば、作田をボスとする時期もある。FRP船というプラス チック船を用立てることの苦心、船員の募集をする苦心も絡めながら、荒稼ぎをして有頂天 になり、やがて失意のどん底に落ちるまでの波瀾万丈が約束されます。 あと、「白武久子」こと「スナックのママさん」と「作田又三」との会話劇も楽しめるかと。 本著作の一番の読みどころは、第3巻なので見逃す術はありません。 | ||||
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第3巻。 本書の構成としては、東京で職を転々とする→右翼団体に入る→レコード店に勤め、かなりの実績を上げる→レコード店退職後、漁をするべく北海道の根室・納沙布へ行く→ウニの密漁で荒稼ぎする→密猟の取り締まりが厳しくなり、やむなくヤクザと手を結ぶ→ヤクザと決裂、ヤケを起こして漁に出るが、船が流氷に激突し重傷を負う。(後に凍傷で左足の指を2本切断)→船も女も全てを失う、以上。 3巻にして、ようやくタイトル回収、まさしく「錨を上げて」日本領海外でのウニの密漁へと乗り出した作田又三。ソ連の警備艇や日本の海上保安庁に監視され、追いまくられながらの密漁による荒稼ぎ、又三の本領を発揮しているようだ。確かにスリルはあるな。もっと早くこういう展開にすべきだった。 しかし、荒稼ぎする一方で、又三の内面はほとんど成長していないらしい。トレードマークの喧嘩っ早さは健在だが、些細な理由で女性に暴力をふるうのはいただけない。さらに、好きになった女が過去に風俗嬢(作中では「トルコ嬢」と呼ばれている)をやっていたというだけで、汚れた女呼ばわりはいささか酷くはないか。又三も今まで散々風俗を利用してきたというのに。こういう所が読んでいて不愉快だった。 次はいよいよ最終巻だが、果たしてこの物語をどう締めるのか、著者のお手並み拝見といこう。 | ||||
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人は時として人の人生を垣間見ることが好きだ。噂話だったり、人生相談だったり、ドラマだったり等様々であるが、それは誰しも自分の1通りの人生しか歩めないからだと思う。 ナチス・ドイツの焚書に対してハインリッヒ・ハイネは「本を焼く者は、いずれ人を焼くことになる。」と避難している。本には著者の人格が宿る筆者自身とも言える。 本書はまさに「人」そのもののようだ。すべての小説は筆者のアイディアや経験が元になっているわけだが、本書における又三の生き方はドキュメンタリーを観ているかのようなリアルさがある。 すべて実話だと言われれば信じてしまうだろう。 リアルさゆえに主人公の人生を客観的に傍観するのではなく、主人公と共に体感的に生き様を味わう感じ、背後霊となって共に人生の時を駆け抜けていく心情になる。 主人公のエネルギー溢れる生き方に読者は振り回される。ワクワクしたり、嫌な気分になったり、又三に対して「それはないだろう!!」と思ったり、又三を嫌いになったりする。まさに背後霊気分だ。 漁のパートまで読んでいて何か遙か昔、子供の頃に読んだ本と空気が似ているような気がした。フランスの作家エクトール・アンリ・マロ「家なき子」だ。児童文学であるが、主人公の少年レミは人買いに売られたり、旅芸人になったり、炭鉱夫になったり、親友に出会ったり、幾度となく命がけの旅をして人生を歩んでいく。 読者もレミと一緒に旅に出る。又三はレミに比べるとかなりやさぐれているが、彼の一度だけの人生の旅へ読者も同伴することを許してくれるのだ。昨今、映画で体感型4Dなる上映方式があるが本書は体感型小説のようだ。 | ||||
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第1巻のレビューで書いたが、己の知能の至らなさ故に本書の優れた文学性を全く理解出来ずに、そのまま読了してしまうのではとの不安があったが、読み終えて自身がそれほど「阿呆」でなったことに大いに胸をなで下ろしている。 第一巻を読み始めた頃に感じたように、本作は読者に娯楽を提供することを目的とした大衆迎合小説ではない。文学小説のまさに傑作である。 筆者29歳にして書き上げた原稿を文庫化して多くの人に読ませるなど罪である。これでは「私は天才です」と宣言しているようなものだ。 作家を目指す多くのドリーマーにとっては己の才能のなさの夢を打ち砕く所行で、「これで小説家は引退です」との宣言は読者の失望を誘うものだ。 百田氏はまごうことなき天才である。 本書の原稿は出版されることなく放って置かれたという話を聞いて、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」、シューベルトの「未完成交響曲」または生前は1枚も売れなかったゴッホの絵を連想させた。 共に制作者の死後に評価されたものであり、もし百田氏が若くして他界していれば同じようなものだったろう。 しかし、まだ著者は生きている。 処女作であり文学的な未熟さがあるとの意見する人もいるが、私はそれはまったくそれを感じなかった。本書は命のエネルギーに溢れている。書は人であり、命のエネルギーの具現化だからだ。 命つきるまで、読者の評価など気にせずに小説を書き続けて欲しいと願う。 是非、天才の生き様を世界へみせて欲しい。ピカソの絵をただの落書きにしかとらえなかったような、ゴッホの絵がゴミとしか扱われなかったような世論の論評など無視して、是非、小説を書き続けて欲しい。百田尚樹氏はノーベル文学賞を授賞できるだけの才能がある。 百田氏の後書きを読んで合点がいったところがある。本書を読んでいて何か音楽を聴いているような気分になるということが気のせいではなかったのだと。 今後の百田先生のご健康とご活躍に期待しています。 PS.適当な私の性質故に「後書き」なるものはほぼ読まない。本書も1巻から4巻まで百田氏の後書きだけ読んで他の方のは読んでいなかった。本レビューを書いた後、第四巻の末尾、有本香氏の23ページにもわたる後書きの解説を読んでその素晴らしさに感動した。 長編の本作に対して悪書評を述べる人もいるなかで、読もうかどうかを迷っている方は、まず第四巻末尾の有本香氏の本書に対する解説を立ち読みしてから判断されたらよいだろう。ほんとうに素晴らしい名文である。 これだけ心動かされる解説を読んだのは初めてだ。素晴らしいの一言だ。 もし、日本国内で評価されないのでしたら、翻訳して海外で発売されては如何でしょうか? | ||||
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面白すぎてどんどん引き込まれていく。夜眠れないよ〜 | ||||
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百田さんの幻の処女作とあり、かなりの長編小説なのに、読みごたえあり。 主人公 又三は幼少期から、祖母譲りの気性の激しさを持ち、なにせ口が悪い。 惚れやすく、気持ちのコントロールが苦手なのか、何事にもストレートすぎてハラハラするのもある。 思春期特有の反抗心、正義感、怠け癖が素直に書かれている。 人間が繰り返す、同じ過ちを繰り返してしまう弱さや絶望の表現が素晴らしく、全て糧になるから…と読みながら応援したくなった。 長男として冷静な目で家族を見ている部分にも男気を感じる。きっと密かに祖母の影響が大きいのかも?と親戚にもでもなった気分で読み進められた。 続きが楽しみで仕方ない。 | ||||
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とにかく時間を忘れて読み耽ってしまう、グイグイ引き込まれる、時々声を出して笑ってしまう、呆れる場面は数知れず、でもやめられない…だって読んでて楽しいもの。 この小説は当たりです!! 3巻4巻が待ち遠しいです。 | ||||
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又三は本当は頭がいいのだと思う。あるきっかけでの集中力の凄さでも、持続力のなさが足を引っ張る。その経験値は半端ない。超閉鎖的な村での出来事は普通は心に重くのしかかりそうだが、立ち直りの速さは凄い。普通では経験できないこともガラクタ箱に放り投げてしまうのだから。恋愛に関してだけは一途で周りが見えなくなってしまうのだから純なのか。もう終わってる恋にも諦めが悪かったり。でも、憎めない魅力のある又三です。 | ||||
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一巻二巻まで読ませて頂いた感想です。 「海賊」や「影法師」等、私は著者の作品の大ファンですがこの作品だけはこれまで読めていませんでした。今回文庫本になるとのことで喜び勇んで購入して読ませて頂きました。 読後の感想として、ため息が出る程素晴らしかったです。読み始めるや一気に二巻読了してしまいました。ここまで夢中になって本の世界に没頭したのは初めての経験です。まだ残り二巻ありますが正直これまでの私の人生で読んだ本の最高傑作ではないかと思っています。 同じジャンルの作品を書かないことが著者のポリシーなのは有名で、これまで全く違う切り口で私に勇気と感動を与えてくれて来ましたが、今作は美しい文学作品 -「深夜特急」のような強烈な一人称視点の物語ー であることがその特徴です。 各種ページにはビッシリと文字が詰められているにもかかわらず、著者の文章力と膨大な知識 ー随所にクラシックや西洋古典等の例えの織り交ぜながらー により様々な出来事を鮮明に描写させ、溢れんばかりの文字の洪水が逆に心地よいとすら感じられるのは超一流の技術、最早巧みの技です。繰り返しですが本当に美しい文学作品に仕上がっています。 ですがそんな美しい文学作品であること以上の本作の最大の特徴が、「作品から生命エネルギーが溢れていること」です。 本作は1人の人間の泥臭い剥き出しの生き様を克明に色鮮やかに描写されており、最早この本自体が人生そのものであるかのようです。私はこれまでこんなに生命エネルギーに満ち溢れた本に出会ったことがありません。 端的に言って読みながらの主人公への感情移入が凄まじかったです。ページをめくりながらまるで私が主人公と同じ人生を辿っているかのような錯覚を覚えてしまいました。 主人公は粗野で横暴で無計画で無鉄砲、その他様々な形容詞がつきますが、とにかく人として不完全でとても小説の主人公としては似つかわしくありません。 だからこそ不完全極まりない自分自身を強烈に投影してしまい、否応無しに一人称で読み進めて -勿論著者の技巧のせいでもあるのですがー しまいました。 生命エネルギーに溢れながらも、怠惰や色欲等の各種原罪により様々な失敗を重ねながら人生を藻搔いている様が、過去の自身を ーそしてその思考回路や無茶な行動が驚くほどに過去の自身にそっくりだったのでより一層自己投影を強くさせつつー 否応なしに思い出させました。 私は40代前半で主人公の年代より少し後ですが、責任や日々の業務に忙殺されてしまっいる中で、生命エネルギーに溢れていたあの頃の輝きを果たして持って生きれているだろうか、と激しく自問してしまいました。 人生に正解なんてない。泥臭くてもエネルギーを持って足掻きながら前に進むべし ー錨を上げよー 著者のそんなメッセージを受け取ったような気がします。三巻四巻が楽しみで仕方ありませんが、生きる勇気を沢山頂きました。 素晴らしい作品をありがとうございました。 | ||||
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さすがとしか言えない | ||||
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青年となった又三の情熱、欲求、純粋、正義、友、強さと弱さに触れる。自分も今日一日生きることは一歩進む事で在りたいと改めて思う。しかし面白い小説。どれだけの本を読めば、どれだけの人生経験を積めばこの小説が書けるのか、ある意味愕然とした。 | ||||
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