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錨を上げよ
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【この小説が収録されている参考書籍】
錨を上げよの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全264件 261~264 14/14ページ
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| 読み始めてしばらくは戸惑った。いったいこの小説は何を書こうとしているのかわからなかった。 しかし読み進めるうちに、そんなことはどうでもよくなった。 主人公「作田又三」の強烈なキャラクター、彼の言動のおかしさ、さまざまなところで引き起こす事件の面白さ! まさに破天荒の物語だ。600ページを一瞬に読んでしまった。 | ||||
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| 百田尚樹さんの長編小説の下巻です。 上巻以上に分厚く616ページ、所要は8時間程度でしょうか。 上巻に続き、主人公作田又三が自ら語る形で物語が展開されます。 4章構成で、各章の概要は 第4章「漂流」:大学を辞め上京してからの放浪生活、就職と失恋 第5章「嵐」:思い立って根室へ流れ、密漁船の船長に 第6章「停泊」:放送作家として過ごす幸福な結婚生活 第7章「抜錨」:タイに渡って一騒動、そして大阪に舞い戻る というものです。 又三は相変わらず風来坊でいい加減な生活を送ります。 それでも知識はあり、考え方は時に痛快なほど核心を突いています。 その矛盾が際立つゆえ、この男は一体何者かと思わされ、 物語に引き込まれます。作者の手法かもしれません。 そして彼の激烈な人生。これが男の生き様だ、と作者から問われているようです。 ただ、長編で第5章などは中だるみ感があります。結末も未完です。 それでも全体としては、男の生き様、愛、人生などを問う、いい青春小説だと思います。 | ||||
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| 最初から最後まで「次はどうなるのか」の興味がつきず、一気に読み終えた。 人生の荒波で、泥臭く必死にもがく主人公作田又三の姿は、ときに頼もしくときに痛々しく、 知らず知らずのうちに、力いっぱい応援しながら読んでいた。 普通の人が無意識にやり過ごすような偽善を敏感に感じ取り、 敢然と立ち向かい、戦い、傷つく又三。 恋にはからきし弱く、たちまちへなちょこになる。 うーん、こんな主人公は初めてだ。 彼をとりまく脇役たちの発言も味わい深く、 いったいどの人物が作者本人を投影しているのだろうという興味もわく。 密漁のシーンは大迫力!そこだけで一つの小説ができそうなくらい。 あの時代あの場所でそんなことが起こっているなんて全く知らなかった。 ストーリーを楽しみながら知識を会得させてくれる百田尚樹の面目躍如といったところか。 随所に折り込まれている昭和の風物詩も懐かしく、 「ああ、あんなこともあった、こんなこともあった」と 激動の時代を追体験しているようだった。 長い物語を読み終えて、又三と30年間を共に生きた気がして心地よい疲労感に包まれている。 この先彼がどうなるのか非常に気になるところだが、 ラストに静かな希望の光を見た。 深い余韻とともに、しばらくは彼の物語が頭から離れそうもない。 | ||||
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| 「永遠の0」で有名な百田尚樹さんの長編小説の上巻です。 分厚いハードカバーで591ページ、所要は8時間程度でしょうか。 昭和30年、大阪の下町に生まれた作田又三の青春物語です。 物語は、又三が自ら語る形で進みます。3章構成で、各章の概要は 第1章「進水」:悪ガキ時代から孤高の不良となった高校1年まで 第2章「出航」:多少まともになった高校2・3年での生活、恋と就職 第3章「座礁」:退職と大学受験、大学3年初めまでの生活 というものです。 著者が大阪生まれで、又三と同じ時代を生きたこともあるのでしょう。 全編に当時の時代背景や政治思想などが織り込まれています。 同志社大時代など、著者の実体験も含まれているのかもしれません。 物語の中核をなすのは、又三のキャラクターです。基本的に勉強はできず、短気です。 それでも時に思わぬ能力を発揮し、議論で表れる考え方は、鋭く真実を突いています。 また、人生とは何か自問する面がある一方、1人の青年として恋や性にも旺盛です。 この形式の小説は、語り部でもある主人公に感情移入できるかどうかだと思います。 幸い私は共感できたので面白く読めましたが、「永遠の0」ほどは感動しませんでした。 女性が共感できるかも微妙ですが、個人的にはいい小説だと思います。 | ||||
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