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イリーガル・エイリアン
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イリーガル・エイリアンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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宇宙人が地球人を殺害したらどうなるか。SF的に描写している作品。基本的なストーリーは、地球人が殺害され、容疑者として宇宙人が逮捕される。そして裁判にかけられる。登場人物が宇宙人でなければ、普通の法廷劇である。被告が宇宙人になるだけで物語がこんなにも面白くなるのかと驚かされる。宇宙人が被告人席に立つシーンはとてつもなくシュールだ。それがさらにエンターテイメント小説として読者を魅了する。ソウヤーは上手いなと感じるところである。また、ミステリー要素も多く、最後の展開も驚きとともに受け入れた。SFとミステリーの要素をこれほど高次に融合させた作品は珍しいのではないだろうか。ミステリーファンとSFファンの両方に奨められる作品だ。 | ||||
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異星人が地球の陪審員制度によって裁かれる、というあり得そうにない設定を上手に昇華し、綿密に組み立てられている。 ロバート・J. ソウヤーの著作はほぼ全てSFミステリでハズレがない。 その中でもこれは屈指の出来である。 | ||||
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レビューでの評価が高く、かつて同じ作者のGolden Fleeceを楽しく読んだこともあって期待したが、そこまでの作品とは思えなかった。 宇宙人が犯罪の容疑者として逮捕され、地球の制度で裁かれるというアイデアは奇抜で、ユーモラスな場面もあり、SF的要素に謎解きをからめて緊張を高めた末のハッピーエンドまで、確かにおもしろく読むことができる。 しかし、設定こそスケールが大きいものの、起きている出来事はなぜかこじんまりした感じを受ける。クライマックスも、それまでの流れから乖離した唐突感があって無理やりまとめたという印象が拭えず、「どんでん返し」としてもあまりフェアなものとは思えなかった。 アメリカ以外の国や人物が出てくるシーンが非常に少なく、登場人物も皆クセがある(まあ、アメリカはこうした個性がないとやっていけない社会なのだろう)。こじんまりした印象を受けたのは、「法廷もの」に加えてこの「国際的広がりのなさ」のせいもあるだろう。なのに(多少ネタバレになるが)「地球人は技術的には遅れているが、他の宇宙人にない長所がある」というありがちなトーンでまとめられ、何とも違和感を抱いてしまう。 アーサー・C・クラークのファーストコンタクトものの名作「幼年期の終わり」や「太陽系最後の日」、さらに法廷ミステリなどの要素をソウヤ−風に料理したということなのだろうが、あまりうまく行ったようには思えなかった。理屈をつけて読むべき小説ではないといえばそれまでだが。 陪審制度やアメリカの文化を知らないとよく理解できないところもあるが(実在の人物やエンタメ作品などの名前も次々に出てくる)、筋書きがわからなくなってしまうほどではなかった。ただこうした背景を理解してストーリーを読み込めれば、カナダ人であるソウヤーのアメリカ社会や制度に対する(批判的と思われる)見方やメッセージが伝わり、感想も変わってくるのかもしれない。 ただ、陪審裁判が描かれているとはいえ、当時話題だったO.J.シンプソン事件にここまでよりかかる必要があったのかという気はする。時代と地域にここまで枠がはめられるのは、北米あるいは英語圏以外の読者にとってはありがたくないことだ。日本人読者である自分にはそうした点が気になり、「地球人は遅れているが見どころがある」というクライマックスのメッセージが、よけいに白々しく響いたのかもしれない。 | ||||
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物語設定は宇宙人が飛来している事、それが十分周知の事実である事を前提としている。かつ、これは短期的局所的な彼らによる地球人への一回の殺人事件である。 しかし、仮に、古代宗教が神/悪魔と呼んできた存在が、人間の意識に直接作用するこの宇宙の別の惑星に棲む宇宙人、或いは異次元宇宙人だったとしたら、またその事が周知の事実となるような事があったとしたら、という想定は本作によりより容易になっただろう。クラークやレムでさえコンピューター・アルゴリズムのようなものを前提してしまっているが、本来異世界人、異界人の技術以上に単なる能力が人間の意識に作用する事を含んでいるかもしれないのである。寧ろその影響関係史が歴史そのものであったという事になる可能性はあるであろうし、そうした場合にその宇宙人が仮にも本作のように地球の人間世界の法廷に立つような事があればどうなるだろうか、はぜひSF作家に大作として描いておいてほしいものだ。 本書が提起しているのは、そうした場合の問題点であり、過去の名作と掛け合わせた場合にはSFには収まり切らない、哲学や倫理、歴史と関わってくる問題の本質を射抜いている、先駆していると言えよう。 | ||||
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ロバート・ソウヤーには、どの作品においても一本筋の通った確固たる信念があるようです。 それは、「人間はいかに寛容になれるのか」ということではないでしょうか。 価値観の違う相手方といかにコミュニケーションが成立するか。 それは、いかに相手方を受け入れることができるかということに帰結するように思います。 それが他の作品だと、危機にある夫婦の問題や妻を奪われた友人との関係として描かれていました。 本作品同様地球外生命体が登場する「スタープレックス」では、虫の好かない宇宙人と地球人との軋轢がありました。 ただ「スタープレックス」と違って、本作品では宇宙人と人間とのコミュニイケートは意外とうまく進みます。 しかしながら、一人の宇宙人が殺人事件の容疑者として裁判にかけられることをきっかけに、人間の寛容さが試されることになります。 被告人となった宇宙人には、人権問題がらみで活躍するベテランのアフリカ系アメリカ人弁護士が着任し、厳しい女性検察官と対決することになります。現場に残された証拠からは、明らかに宇宙人側が不利です。 まるでジョン・グリシャムの小説を彷彿させるような、裁判ものとしても面白く読めます。 後半になると意外な事実が判明するなど、ラストまで一気に読めるエンターテイメントです。 | ||||
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高評価ですね。うなずけます。着眼点といい話しの展開といい見事な一級品で一気に読ませる力があります。 しかし通奏低音のように決して消えない違和感。あまりにエイリアン臭がなくあまりにアメリカ臭が。 きっとアメリカにとって正義は相対的ではなく絶対値なんだろうな。そうでなきゃ世界の警察を臆面も無く自負することもできないし、きっとこの小説のような事態になったら、本気で宇宙の警察をかってでるんだろうな。 プロットに納得できなくてもストーリーで読ませてしまう、そんな本だと感じました。 ファーストコンタクトの話ですがエイリアン風のアメリカ人しか出てきません。あ、ちなみに作者はカナダ人です、念のため。 | ||||
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「もしも、エイリアンが裁判にかけられたら…」、 そんなIFを描いた小説。 ある日、ブラジル沖の公海上に、宇宙船が不時着します。 現場に急行したのは、アメリカの空母、ロシアの潜水艦、 そしてブラジルのクルーズ客船。 アメリカ大統領の科学顧問、フランシス・ノビリオは、 天文学者クリータス・カリフーンや ロシアの艦長たちとともに、 空母上で、エイリアン−−トソク族との ファーストコンタクトに成功します。 やがて、トソク族の滞在先、 南カリフォルニア大学のヴァルカー会館の一室で、 地球人の惨殺死体が発見されます。 警察はトソク族の一人を逮捕、 前代未聞の<エイリアン裁判>が始まったのです…。 こうした有り得ない設定で小説を成立させるため、 作者は裁判制度について、 随分と綿密な取材を行ったことでしょう。 実際、物語もいきなり公判場面から始まるのではなく、 公判前の準備手続きについても描写しており、 「陪審員」の選任手続き (エイリアンが被告ということに配慮したもの)が 描かれているところなど、 興味をそそる場面があります。 また、トソク族がなぜ表紙イラストのような姿に なったかの進化過程についてや、 彼らの故郷、アルファケンタウリ恒星系の 天文学的特質などにも言及されており、 物語を成立させるための設定の緻密さが窺えます。 「法廷ミステリ」としての物語は、 エイリアンが被告であることから、 思いがけない証言や事実が明らかとなっていき、 読者の興味を惹き付けて止みません。 もちろん、最後には、 提示された事実から合理的に導き出される 「意外な真相」が待ち受けており、 ミステリファンを満足させることでしょう。 また、最後には、 SFならではの大胆な展開もあり、 SFファンも魅了することは間違いないと思います。 本作品は、「SF小説」であると同時に 「推理小説」でもあり、しかも、 「最高に面白い小説」だといえるのではないでしょうか。 | ||||
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SFとして面白いのはもちろんですが、真相を推理しながら読んでも面白いと思います。 | ||||
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ソウヤーの作品は意外と好きで読んでます。その中でもこれはかなりの面白さ。 宇宙人による殺人事件。奇妙に切り裂かれた犠牲者の死体。その背後に隠された意味が段々解き明かされて、張りめぐらされた伏線が最後にパズルが組み合わさるようにピタっと答えになります。 推理小説が好きな方にも楽しめるのではないでしょうか。SFを普段あまり読まない方にもオススメです。 | ||||
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地球を訪れるエイリアン。 その目的は・・・と最後まで読んで気づいたが、核融合技術がありながらその理由はないじゃん!! と思ってしまいました。でもまあ、ただひたすら娯楽を求めるのなら良いかもしれません。 読みやすいですし。 | ||||
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トソク族のあのへんてこな姿が描かれた表紙に惹かれて買いましたが、内容は実は法廷ミステリーだった。。法廷ものは嫌いですが、扱われる題材によって印象は変わるものだなぁと思いました。この小説は本当に買ってよかった。ソウヤーの作品は全部買おうと思います。ハマります。陪審員制度で、陪審員を採決する下りは、電車で読む時には注意が必要です。思わず笑みがこぼれますよ。 | ||||
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ソウヤーの本は手に取った時から「面白さを期待できる」ところがいい。今回は「SF+法廷サスペンス」である。 よくもまぁこんな展開が・・・とびっくりしながらも嬉しくなってしまった。 私は法廷サスペンスは読まず嫌いだったのだが、この本がきっかけで興味が出てきた。 SFを読んで法廷サスペンスを好きにさせるなんてさすがソウヤーだ。 地球でエイリアンを弁護したデイル・ライスが、またしてもエイリアンの弁護人として宇宙に旅立つエピローグがほのぼのとして、よかったですね。 | ||||
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出だしのコンタクト場面は、ウィットに富みつつもグッとくる描写がおおくてて、SF読み的にはこれはこれでよかったんだけど、やはり法廷劇が最高に面白い。宇宙人を殺人容疑で裁判にかけるというトンデモ設定なのに、ノンフィクションを読んでいるかのように感じてしまうのはさすがソウヤーというべきか。日本ではなじみのない陪審制度をうまく生かした展開だが、上手に説明されているのでわかりやすい。『12人の怒れる男』みたいに陪審側からも描いて欲しかったかも。長さも手頃で、最近のやたらと長いSFに辟易している身としてはひさびさの良書。 | ||||
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ファーストコンタクトと法廷ものを上手く組み合わせた佳作である。ストーリーテリングの上手さもあいまって一気読みであった。ソウヤーの異星人はリーズナブルで違和感が少ない。面倒くさい小理屈はこねないで、物語の主題をそらさない上手さがある。トソク人の飛来の目的がまともすぎて?やや拍子抜けなのと、国連の理想的?あり方がしらけるが、それでも面白い。 | ||||
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近未来の地球が舞台.地球から4.3光年のアルファケンタウリから恒星間宇宙船で7人の非ヒューマノイド,トクソ族がやってくる.ファースト・コンタクトは無事に終り,トクソ族はアメリカ合衆国に滞在するが,同じ施設に滞在する地球人1人が惨殺死体で発見されるという事件が起き,トクソ族の1人が容疑者として逮捕されてしまう.本書はこのトクソ族を助けようとする合衆国大統領科学顧問と彼が雇った弁護士の活躍を描く法廷ミステリー風SFである.見所はかなりの部分を占める法廷シーン.事件の真相解明を通して,異星人の生態や地球来訪の目的が次第に明らかにされていく様子が小気味よい.科学的な細部にもこだわりが感じられ,ハードSFファンも満足できる一流のエンターテインメントとなっている. | ||||
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本書は基本的に前半がファーストコンタクトSF,後半が法廷ミステリとなっていますが、それだけで収まらないのがソウヤーです。エンターテイメントとしても高い水準を維持しながら、米国の陪審員制度の問題点(ソウヤー自身はカナダ在住ですが)や人種差別訴訟(重要な例としてかのシンプソン裁判が引用される)など、日本人にはなじみ薄い点を!らかにしてくれます。 『ゴールデンフリース』でコンピュータの殺人を倒叙形式のSFミステリに仕立てて、以後様々なミステリ的要素を含んだ名作SFを物したソウヤー、今回も期待にたがわぬ佳作になっています。傑作というにはもうひとつインパクトが弱いですが、待望の翻訳新刊なので星5つにします。 | ||||
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