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マタンゴ



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【この小説が収録されている参考書籍】
マタンゴ―最後の逆襲 (角川ホラー文庫)

マタンゴの評価: 3.67/5点 レビュー 18件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(5pt)

東宝特撮「変身人間シリーズ」中最高の名作

昭和33年、「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」「空の大怪獣ラドン」「地球防衛軍」と緻密な特殊技術と本編のベストマッチが功を奏して大ヒットを連発していた東宝が、新たな特撮映画分野の開拓を思索して生まれた、和製空想科学ホラー「美女と液体人間」を契機に始まった「電送人間」「ガス人間第1号」と続いた「変身人間」シリーズ。 そして再び空想科学SF路線と怪獣路線に立ち返る時期を経て、満を持して製作に取りかかったのが「変身人間」の最高傑作「マタンゴ」。
 海洋冒険奇譚を得意としていた作家ウィリアム・ホープ・ホジスンの超短編小説「闇の声」に着想を得て、当時の日本SF黎明期を支えていた作家でSFマガジン編集長の福島昌実氏とショートショートSFという新たな分野を開拓した星新一氏が共同でストーリーを書き起こしたのが「マタンゴ」。
 公開当時はPTAが「子供たちにあんな気持ちの悪い映画は観せるな!」と大騒ぎをした、という逸話があるほど強烈な印象を日本人の中に残した。
 だが、「マタンゴ」はただのホラーでもないし、ましてや「子供に観せられない気持ちの悪い映画」でもなかった。
 隠れたテーマに、当時(今も)大流行していた麻薬汚染への警鐘がある。 美しく見えて人を虜にする毒キノコを麻薬の象徴とし、食べた人間を怪物に変えてしまうことで、麻薬中毒の恐怖を観る人々に訴えていたのだ。 つまり、「マタンゴ」はホラーではなく、麻薬中毒者の大幅増という社会の闇を鋭くえぐった社会派映画だったのだ。
 それから時は流れて、唐突に発表されたのが、正統的な続編である本小説である。
 出版当時は、てっきり映画用のノベライズで、近々映画化されるのだろうと思い込んで、期待に胸を膨らませていたが、期待は見事に裏切られた。
 しかし、小説として立派に成立していて、読むたびに恐怖に襲われる。 現代、そして未来になっても人間は麻薬から逃れることはできない、という作者の予言めいた警鐘が、文体からひしひしと感じられるからである。
 これは至高の小説である。
 だが、いつの日か映画化され、社会を騒がせてほしいと願う。

 (要注意)この小説を読む前に、レンタルでもいいから映画「マタンゴ」を必ず一見することをお薦めします。 そうしなければ、この小説の本当の怖さを理解することはできませんから。 映画を観ずに読むと「こんな気持ちの悪い小説を読んではいけない」となってしまうので。
マタンゴ―最後の逆襲 (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:マタンゴ―最後の逆襲 (角川ホラー文庫)より
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No.10:
(4pt)

映画のその後物語

同名映画の後日談かな。
映画を見ているほうが楽しめるかもしれないけど、あらすじを知っているだけでも十分面白い。
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No.9:
(4pt)

なぜ逆襲?

弟がタイトル見て言ってました・・・逆襲もなにも、マタンゴって映画じゃ人間にもう勝ってるでしょ。
言われてみれば確かにそりゃそうですが・・・これはこれで面白い小説になってます。
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No.8:
(4pt)

映画は見ていませんが

これはこれでとても面白い本です。

大法螺をふいて楽しませるサービス精神にあふれています。
米軍・自衛隊・研究所・秘密を持った国会議員など
ありえないだろうけど、ひょっとして実話??か、モデルになった話があるんじゃないの?と
思わせるぐらいスケールが大きいです。

気持ち悪くて怖い、というよりも
バイオテロでこんな話、ほんとうにあるかもな、という意味での
リアルな怖さを感じました。
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No.7:
(4pt)

映画「マタンゴ」が好きなら楽しめる

私は読む前にDVDを再見しましたが、これが正解。
映画の続編であり、映画の設定からの引用も少なくないので、
映画を見てないと置いてきぼりになるかもしれません。

原典が孤島のワンシチュエーションものであるのに対して、
本作のスケールは世界規模。
なのに原典の世界観は存分に引き継がれています。
東宝の許諾を得て執筆されたというこの小説。
ついでに映画化を検討してもいいのでは。と思います。

敢えて言えば、著者の手癖でしょうが、
随所に出てくるウンチク描写が、
ちょっと説明過多では…と思いました。
登場人物が能楽を観に行く場面で、
「そもそも能の観劇とは…」みたいな説明は、別になーという感じです。
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No.6:
(5pt)

作者の思い入れに共感脱帽

小学生の頃に映画「マタンゴ」を見て、怖いというよりも何か別の感想を抱いていました。
大人になってそれが哀愁とかやるせなさというものであったかと思うようになりました。
何せ、小学校時代に二度も「マタンゴ」の紙芝居を50枚で作ったりしたものです。その後
マタンゴとフランケンシュタイン、ドラキュラを戦わせるマンガも書いたりしました。
原作「闇の声」が読みたくなり、W・H・ホジスンの作品を今も収集しています。
そんな「マタンゴ」の続編は映画化が無理なら、いつか誰かに書いて欲しいと願ってきま
した。
本書については「水の溜まった石畳〜」とあのやるせないムードの挿入歌「思い出のせて」
が出てくる冒頭で、これは行けると断じました。あのヨットがあんな場所に現われるだけ
でも先を読みたくなる。しかも、内部に残された道具類のデテールは映画の通りです。
「バヤリース」と「バャリース」の違いの薀蓄も実に見事。あの映画を含めて当時の東宝
特撮映画(「モスラ」「キングコング対ゴジラ」など)にはバャリースがスポンサーになっ
ていました。テレビのバャリースのCMにも「マタンゴ」篇があったようですが、それこそ
お宝映像になるでしょう。映画はビデオ、DVDで何度も見ていたのですが、見落としてい
ることもあったかと、作者の思い入れにも共感、脱帽。
本書が「マタンゴ」再評価、ついには再映画化の機運になって欲しいと思うと同時に、
ひょっとして本書がリアルタイムで見た世代とそうでない若い世代の対話のきっかけにも
なってくれたらと思うのは余計なことでしょうか。
キノコと化したかつての東京タワーを夢見ながら・・・
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No.5:
(5pt)

読み応え充分

「マタンゴ」にトラウマを植え付けられた映画ファンの一人である作者が
その世界観を見事に継承する形で描いた傑作と言えます。

「マタンゴ」が凡百のホラー作品と一線を画するのは
醜悪な怪物に襲われる人間の恐怖などという単純な内容ではなく
人間の内に潜むエゴイズムと、その怪物のどちらが真に醜悪なのか?
というテーマを現実として我々に突きつけてくるからに他ならない。
そして映画では絶海の孤島というミクロレベルで描かいたエゴを
本書では国家規模のエゴで描く事で単なる二番煎じに留まらない内容になっています。
(これはマタンゴ=某国の核実験の産物といった設定に着目した作者の着眼点の勝利。
 反面マタンゴの怪奇性は若干、弱まってしまったようですが…。)

強大なエゴの流れに様々な形で関わる事になる7人の男女。
明かされてくる真実。そして最後の後味の悪さ…。
これこそが「マタンゴ」の真骨頂。
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No.4:
(5pt)

マタンゴに戦慄した往年の子供達よ

願わくば続編を手にとり悪夢を追体験するがよい
それはリアルタイムで映画を観た者の特権である
本書はそうした者達に特に捧げられた物語だから

その者達が青年期にロックの洗礼をうけたならば
怪奇譚とは異質なカタルシスに遭遇するであろう

上記二条件を満足する限られた者が至上の読者だ
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No.3:
(5pt)

傑作。映画化希望。

読み応えたっぷり、マタンゴファンは必読。映画で小泉博氏と久保明氏が扮した役の人物が重要な登場人物として出てくるのがうれしいです。
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No.2:
(5pt)

なかなかよく出来てる

通勤帰りの電車の中吊り広告で本書のタイトルを見た途端、まんまとロックオンされて買ってしまった。刊行されて間もないのによく売れているようで、同好の士が多いのだなぁとうれしくなる。
云わずと知れた東宝怪奇映画の傑作『マタンゴ』に材を取った後日譚的小説である。当然ながらマタンゴの正体が最初から割れているので、「謎」で物語を引っ張ることが出来ず、怪奇ムードがないのは致し方ないところだが、尺の都合か映画で語られなかったマタンゴ誕生の秘密に迫っているのが◎。映画で小泉博が演じたヨットのスキッパー役・作田を登場させて原典の世界との継続性をしっかり確保しているのも芸が細かい。総じて「なかなかよく出来てる」と申し上げたい。
昨年末に映画版の原作(というか素材)になったW.H.ホジスンの『夜の声』(創元推理文庫)も目出度く復刊されたことだし、ここは一つ長らく品切れ状態となっている『怪獣文学大全』(河出文庫)も是非復刊させて欲しい。こちらには正真正銘の映画原作と云ってよい福島正実版『マタンゴ』が収録されており、マニア必読の書!
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No.1:
(4pt)

これはこれであり

言わずと知れた東宝特撮映画の逸品「マタンゴ」。その後日譚です。
「あの名作の後日譚なんて蛇足もいいとこだろ」と、斜に構えて読み始めましたがなかなかどうして。
怪獣ものの王道や70年代のパニック・陰謀ものなど、東宝アクションエンターテインメント系の要素満載の
楽しい作品となっています。
舞台は2013年。あの“アルバトロス号”が遭難をしてからちょうど50年たった日本。
50年前と同じように7人の男女が、“マタンゴ”の恐怖に怯えることになります。
元素材の設定を活かしつつも、島という閉じられた空間から飛び出し、かなり大規模な展開をしていきます。
オリジナルをリスペクトしたシーンも随所にありますので、読む直前に映画を見直すのも良いかもしれません。
マタンゴ―最後の逆襲 (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:マタンゴ―最後の逆襲 (角川ホラー文庫)より
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