弥勒世

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

弥勒世の評価:

4.09/5点 レビュー 34件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.09pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全66件 21〜40 2/4ページ
No.46
(2pt)

歌舞伎町が沖縄へ移っただけ

沖縄の近代史を背景にするには、史実に対する相当の裏付けが必要だったことは、巻末の参考文献一覧を見てもわかります。その説明に神経を使いすぎた感は否めません。主人公の人物描写は明らかにお粗末です。健一が歌舞伎町から沖縄へ移ってきただけです。尚且つ、警官を短時間で四人も殺せるだけの狂気を持ち合わせているとは、到底思えません。ぞろぞろこのパターンにも食傷気味です。沖縄の歴史が舞台の意味は何なのか最後まで分かりませんでした。
弥勒世 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 弥勒世 下 (角川文庫)より
4043442106
No.45
(2pt)

歌舞伎町から沖縄へ移ってきただけです

沖縄の近代史を背景にするには、史実に対する相当の裏付けが必要だったことは、巻末の参考文献一覧を見てもわかります。その説明に神経を使いすぎた感は否めません。主人公の人物描写は明らかにお粗末です。健一が歌舞伎町から沖縄へ移ってきただけで、尚且つ、警官を短時間で四人も殺せるだけの狂気を抱かせる理由はなんなんだ?簡単に殺人を犯すパターンにはぞろぞろ食傷気味です。著者が沖縄を舞台にした意味は何なのか最後まで分かりません。
弥勒世(みるくゆー) 下 Amazon書評・レビュー: 弥勒世(みるくゆー) 下より
4093797838
No.44
(4pt)

小琉球(台湾)や北端(根室)に対なす、

落とし前となる作品。時代故の携帯封印が図らずもエルロイ的世界に道を穿つ。従来にないヒロインが出色。
弥勒世 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 弥勒世 下 (角川文庫)より
4043442106
No.43
(4pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

小琉球(台湾)や北端(根室)に対なす、

落とし前となる作品。時代故の携帯封印が図らずもエルロイ的世界に道を穿つ。従来にないヒロインが出色。
弥勒世 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 弥勒世 上 (角川文庫)より
4043442092
No.42
(4pt)

小琉球(台湾)や北端(根室)に対なす、

落とし前となる作品。時代故の携帯封印が図らずもエルロイ的世界に道を穿つ。従来にないヒロインが出色。
弥勒世(みるくゆー) 下 Amazon書評・レビュー: 弥勒世(みるくゆー) 下より
4093797838
No.41
(4pt)

小琉球(台湾)や北端(根室)に対なす、

落とし前となる作品。時代故の携帯封印が図らずもエルロイ的世界に道を穿つ。従来にないヒロインが出色。
弥勒世(みるくゆー) 上 Amazon書評・レビュー: 弥勒世(みるくゆー) 上より
409379782X
No.40
(4pt)

底なしの憎悪はいかに醸成されたのか?

今まで読ませて頂いた馳星周さんの作品軍とは全く趣きの異なる作品で、お決まりの“暴力とSEXと裏切り”ではない分、正直なところ上巻は読み進めるのに少々時間がかかりました。 

しかし、この上巻をなんとか読み切り、下巻に突入して良かったです。 下巻から馳星周さんの持ち味である<疾走感>が一気に高まります。 時間さえあれば、2日か3日で読んでしまう、読まずにはいられない中毒性は健在です。

人間はそこにある幸せに満足できない生き物なのでしょうか。 幸せを遥かに凌駕する、世界の破滅を願う“尚友”の底なしの憎悪、それがどのように育まれたものなのか、結局最後まで明かされませんでした。 “尚友”の“政信”を憎む気持ちも「最初からなんとなく気に喰わなかった」ではなんとも腑に落ちない。 作者が敢えてそうしたのだとすると、狙い過ぎではないでしょうか。 エゲツなくなったとしても、きちんと炙り出して描いて欲しかった。

残念なのはラスト。 覚せい剤を打ってから後のストーリーはあまりに雑で、やたらと簡単に人が死んでいく。 現実感がありません。 「罅」を入れて欲しかった。 間に合わないという設定は意味がわかりません。

70年代、本土復帰直前の沖縄の混沌、騒然たる雰囲気。 本小説の描写をそのまま100%史実のように受け取るべきではないのかもしれませんが、そこいらにある傍観者のアカデミックな著作よりも、当時そこに渦巻いていたもの、あるいは今なお沖縄の人々の心の奥底に沈殿している何かを垣間見ることができるように感じます。

***

CUBAの経済が立ち行かないのは、米国との軋轢、政府の失政云々ではなく、その<気候>も大いに影響していると前々から感じています。 下記の台詞を読んでさらにその思いを強くしました。

P.305
『「ハワイの住人も合衆国市民だが、おそらく、琉球の人間と気質は似ていると思う」
「つまり、君はこういいたいのか? このパラダイスを思わせる気候が人の活力を奪うのだと?」』

***

政府(=権力)は確実に国民を馬鹿にしています。 「すぐに忘れるだろう。」と。 残念なことに、必ずしもそれは的外れな予測ではありません。 日本人=大和民族も大切なことも忘れる傾向が強いのではないでしょうか。 歴史を鑑みると暗澹たる気持ちになります。

本書のなかで70年代の沖縄のうちなーんちゅについて書かれた言葉、今の日本の混乱にも当て嵌まると思います。

P.47
『日米共同声明の内容に怒りくるった民衆が武器を手に暴動を起こす光景を。 その光景はどこまでも嘘くさかった。 そこが沖縄であろうと他の別の場所であろうと、巨大な権力には抗う術がない。 怒りはやがて風化していき、人々は怠惰な日常に舞い戻る。 それが権力の目指すところだとはわかっていても、人はただ流されることしかできないのだ。 おれたちの目の前で繰り広げられているのは、いつだって喜劇だときまっている。』
弥勒世(みるくゆー) 下 Amazon書評・レビュー: 弥勒世(みるくゆー) 下より
4093797838
No.39
(4pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

底なしの憎悪はいかに醸成されたのか?

今まで読ませて頂いた馳星周さんの作品軍とは全く趣きの異なる作品で、お決まりの“暴力とSEXと裏切り”ではない分、正直なところ上巻は読み進めるのに少々時間がかかりました。 

しかし、この上巻をなんとか読み切り、下巻に突入して良かったです。 下巻から馳星周さんの持ち味である<疾走感>が一気に高まります。 時間さえあれば、2日か3日で読んでしまう、読まずにはいられない中毒性は健在です。

人間はそこにある幸せに満足できない生き物なのでしょうか。 幸せを遥かに凌駕する、世界の破滅を願う“尚友”の底なしの憎悪、それがどのように育まれたものなのか、結局最後まで明かされませんでした。 “尚友”の“政信”を憎む気持ちも「最初からなんとなく気に喰わなかった」ではなんとも腑に落ちない。 作者が敢えてそうしたのだとすると、狙い過ぎではないでしょうか。 エゲツなくなったとしても、きちんと炙り出して描いて欲しかった。

残念なのはラスト。 覚せい剤を打ってから後のストーリーはあまりに雑で、やたらと簡単に人が死んでいく。 現実感がありません。 「罅」を入れて欲しかった。 間に合わないという設定は意味がわかりません。

70年代、本土復帰直前の沖縄の混沌、騒然たる雰囲気。 本小説の描写をそのまま100%史実のように受け取るべきではないのかもしれませんが、そこいらにある傍観者のアカデミックな著作よりも、当時そこに渦巻いていたもの、あるいは今なお沖縄の人々の心の奥底に沈殿している何かを垣間見ることができるように感じます。

***

CUBAの経済が立ち行かないのは、米国との軋轢、政府の失政云々ではなく、その<気候>も大いに影響していると前々から感じています。 下記の台詞を読んでさらにその思いを強くしました。

P.305
『「ハワイの住人も合衆国市民だが、おそらく、琉球の人間と気質は似ていると思う」
「つまり、君はこういいたいのか? このパラダイスを思わせる気候が人の活力を奪うのだと?」』

***

政府(=権力)は確実に国民を馬鹿にしています。 「すぐに忘れるだろう。」と。 残念なことに、必ずしもそれは的外れな予測ではありません。 日本人=大和民族も大切なことも忘れる傾向が強いのではないでしょうか。 歴史を鑑みると暗澹たる気持ちになります。

本書のなかで70年代の沖縄のうちなーんちゅについて書かれた言葉、今の日本の混乱にも当て嵌まると思います。

P.47
『日米共同声明の内容に怒りくるった民衆が武器を手に暴動を起こす光景を。 その光景はどこまでも嘘くさかった。 そこが沖縄であろうと他の別の場所であろうと、巨大な権力には抗う術がない。 怒りはやがて風化していき、人々は怠惰な日常に舞い戻る。 それが権力の目指すところだとはわかっていても、人はただ流されることしかできないのだ。 おれたちの目の前で繰り広げられているのは、いつだって喜劇だときまっている。』
弥勒世 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 弥勒世 下 (角川文庫)より
4043442106
No.38
(4pt)

返還直前の沖縄が舞台の小説。 沖縄(琉球)の抱えてきた複雑な状況・心情を知る一助となりました。

今まで読んできた馳氏の小説はほぼ全作品、内容が濃い・薄いに関わらず、中毒的に読み進めずにはいられないという感覚に陥りました。 3日以内に一冊読み終える感じでした。 しかしながら、
本作(上巻)は感覚がかなり異なりました。 他の作家の方々と同じというか、読みたいときに少しずつ進めれば良い、と。

馳氏の作品の多くは裏社会・闇社会が背景となっており、チンピラやらデバガメやらが主人公である、もしくは彼らが主人公を取り囲んでいます。 ある意味“軽い”。 本作の場合、舞台は<返還前の
米軍占領下の沖縄>。 とてつもなく重く、密度の濃い世界です。 このあたりのことが、作風を違ったものにしているのでしょう。

また、上巻まででは暴力的な性描写はほぼなく、SEXに<愛>が感じられる点も異質でした。P.585から主人公は急に鬼畜な道へと突き進みそうになります。 過去を明かさずに来ていたので、どうしても唐突な感は否めない。 鬼畜な物語を描きたい、またしても鬼畜先にありきなのか? その予測も今回は外れました。

下巻の鍵は案外<濱野>かな? 如何でしょう・・・

***

(以下の文章、CUBAに想いを馳せ、なんだかどきっとさせられる言葉でした。)

P.110
「祭が始まるのだ。 理性などうっちゃって本能に全てを委ねればいい。 体力が尽きるまで三線を弾き、歌をうたい、カチャーシーを踊る。 うちなーんちゅはそうやって生きてきた。 そうやって
現実をなおざりにし、夢の中に生きてきた。 その結果がこれだ。 薩摩とやまとに翻弄され、戦争で生き地獄を味わわされ(原文ママ)、アメリカーに尻尾を振る生活を余儀なくされる。」

P.127
「アメリカーからもやまとからも独立し行けるほどうちなーは豊かじゃない。 薩摩に蹂躙される前から、中国とやまとの顔色をうかがってきたんだ。 その間にうちなーんちゅはとことんまで骨抜きに
された。 独立したって、あっという間に滅びるだけだ」

P.177
「離島の人間はさらなる離島の人間を差別してきた。 途切れることのない連鎖。 生きとし生けるすべての人間は、他者を差別するという一点で共犯者だ。」

P.472
「愛国心がなければ戦争もおこならないだろうとは思っているがね。」

***

1969年の沖縄の米軍基地におけるVXガス保管倉庫での事故、そしてその隠蔽は史実のようです。

***

【2013年12月9日記】

下巻の方がずっと内容が濃く、読み物としても面白いので、とにかく上巻を(我慢して)読破することをお薦め致します。
弥勒世 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 弥勒世 上 (角川文庫)より
4043442092
No.37
(4pt)

返還直前の沖縄が舞台の小説。 沖縄(琉球)の抱えてきた複雑な状況・心情を知る一助となりました。

今まで読んできた馳氏の小説はほぼ全作品、内容が濃い・薄いに関わらず、中毒的に読み進めずにはいられないという感覚に陥りました。 3日以内に一冊読み終える感じでした。 しかしながら、
本作(上巻)は感覚がかなり異なりました。 他の作家の方々と同じというか、読みたいときに少しずつ進めれば良い、と。

馳氏の作品の多くは裏社会・闇社会が背景となっており、チンピラやらデバガメやらが主人公である、もしくは彼らが主人公を取り囲んでいます。 ある意味“軽い”。 本作の場合、舞台は<返還前の
米軍占領下の沖縄>。 とてつもなく重く、密度の濃い世界です。 このあたりのことが、作風を違ったものにしているのでしょう。

また、上巻まででは暴力的な性描写はほぼなく、SEXに<愛>が感じられる点も異質でした。P.585から主人公は急に鬼畜な道へと突き進みそうになります。 過去を明かさずに来ていたので、どうしても唐突な感は否めない。 鬼畜な物語を描きたい、またしても鬼畜先にありきなのか? その予測も今回は外れました。

下巻の鍵は案外<濱野>かな? 如何でしょう・・・

***

(以下の文章、CUBAに想いを馳せ、なんだかどきっとさせられる言葉でした。)

P.110
「祭が始まるのだ。 理性などうっちゃって本能に全てを委ねればいい。 体力が尽きるまで三線を弾き、歌をうたい、カチャーシーを踊る。 うちなーんちゅはそうやって生きてきた。 そうやって
現実をなおざりにし、夢の中に生きてきた。 その結果がこれだ。 薩摩とやまとに翻弄され、戦争で生き地獄を味わわされ(原文ママ)、アメリカーに尻尾を振る生活を余儀なくされる。」

P.127
「アメリカーからもやまとからも独立し行けるほどうちなーは豊かじゃない。 薩摩に蹂躙される前から、中国とやまとの顔色をうかがってきたんだ。 その間にうちなーんちゅはとことんまで骨抜きに
された。 独立したって、あっという間に滅びるだけだ」

P.177
「離島の人間はさらなる離島の人間を差別してきた。 途切れることのない連鎖。 生きとし生けるすべての人間は、他者を差別するという一点で共犯者だ。」

P.472
「愛国心がなければ戦争もおこならないだろうとは思っているがね。」

***

1969年の沖縄の米軍基地におけるVXガス保管倉庫での事故、そしてその隠蔽は史実のようです。

***

【2013年12月9日記】

下巻の方がずっと内容が濃く、読み物としても面白いので、とにかく上巻を(我慢して)読破することをお薦め致します。
弥勒世(みるくゆー) 上 Amazon書評・レビュー: 弥勒世(みるくゆー) 上より
409379782X
No.36
(4pt)

返還直前の沖縄が舞台の小説。 沖縄(琉球)の抱えてきた複雑な状況・心情を知る一助となり

今まで読んできた馳氏の小説はほぼ全作品、内容が濃い・薄いに関わらず、中毒的に読み進めずにはいられないという感覚に陥りました。 3日以内に一冊読み終える感じでした。 しかしながら、
本作(上巻)は感覚がかなり異なりました。 他の作家の方々と同じというか、読みたいときに少しずつ進めれば良い、と。

馳氏の作品の多くは裏社会・闇社会が背景となっており、チンピラやらデバガメやらが主人公である、もしくは彼らが主人公を取り囲んでいます。 ある意味“軽い”。 本作の場合、舞台は<返還前の
米軍占領下の沖縄>。 とてつもなく重く、密度の濃い世界です。 このあたりのことが、作風を違ったものにしているのでしょう。

また、上巻まででは暴力的な性描写はほぼなく、SEXに<愛>が感じられる点も異質でした。P.585から主人公は急に鬼畜な道へと突き進みそうになります。 過去を明かさずに来ていたので、どうしても唐突な感は否めない。 鬼畜な物語を描きたい、またしても鬼畜先にありきなのか? その予測も今回は外れました。

下巻の鍵は案外<濱野>かな? 如何でしょう・・・

***

(以下の文章、CUBAに想いを馳せ、なんだかどきっとさせられる言葉でした。)

P.110
「祭が始まるのだ。 理性などうっちゃって本能に全てを委ねればいい。 体力が尽きるまで三線を弾き、歌をうたい、カチャーシーを踊る。 うちなーんちゅはそうやって生きてきた。 そうやって
現実をなおざりにし、夢の中に生きてきた。 その結果がこれだ。 薩摩とやまとに翻弄され、戦争で生き地獄を味わわされ(原文ママ)、アメリカーに尻尾を振る生活を余儀なくされる。」

P.127
「アメリカーからもやまとからも独立し行けるほどうちなーは豊かじゃない。 薩摩に蹂躙される前から、中国とやまとの顔色をうかがってきたんだ。 その間にうちなーんちゅはとことんまで骨抜きに
された。 独立したって、あっという間に滅びるだけだ」

P.177
「離島の人間はさらなる離島の人間を差別してきた。 途切れることのない連鎖。 生きとし生けるすべての人間は、他者を差別するという一点で共犯者だ。」

P.472
「愛国心がなければ戦争もおこならないだろうとは思っているがね。」

***

1969年の沖縄の米軍基地におけるVXガス保管倉庫での事故、そしてその隠蔽は史実のようです。

***

【2013年12月9日記】

下巻の方がずっと内容が濃く、読み物としても面白いので、とにかく上巻を(我慢して)読破することをお薦め致します。
弥勒世(みるくゆー) 上 Amazon書評・レビュー: 弥勒世(みるくゆー) 上より
409379782X
No.35
(4pt)

返還直前の沖縄が舞台の小説。 沖縄(琉球)の抱えてきた複雑な状況・心情を知る一助となり

今まで読んできた馳氏の小説はほぼ全作品、内容が濃い・薄いに関わらず、中毒的に読み進めずにはいられないという感覚に陥りました。 3日以内に一冊読み終える感じでした。 しかしながら、
本作(上巻)は感覚がかなり異なりました。 他の作家の方々と同じというか、読みたいときに少しずつ進めれば良い、と。

馳氏の作品の多くは裏社会・闇社会が背景となっており、チンピラやらデバガメやらが主人公である、もしくは彼らが主人公を取り囲んでいます。 ある意味“軽い”。 本作の場合、舞台は<返還前の
米軍占領下の沖縄>。 とてつもなく重く、密度の濃い世界です。 このあたりのことが、作風を違ったものにしているのでしょう。

また、上巻まででは暴力的な性描写はほぼなく、SEXに<愛>が感じられる点も異質でした。P.585から主人公は急に鬼畜な道へと突き進みそうになります。 過去を明かさずに来ていたので、どうしても唐突な感は否めない。 鬼畜な物語を描きたい、またしても鬼畜先にありきなのか? その予測も今回は外れました。

下巻の鍵は案外<濱野>かな? 如何でしょう・・・

***

(以下の文章、CUBAに想いを馳せ、なんだかどきっとさせられる言葉でした。)

P.110
「祭が始まるのだ。 理性などうっちゃって本能に全てを委ねればいい。 体力が尽きるまで三線を弾き、歌をうたい、カチャーシーを踊る。 うちなーんちゅはそうやって生きてきた。 そうやって
現実をなおざりにし、夢の中に生きてきた。 その結果がこれだ。 薩摩とやまとに翻弄され、戦争で生き地獄を味わわされ(原文ママ)、アメリカーに尻尾を振る生活を余儀なくされる。」

P.127
「アメリカーからもやまとからも独立し行けるほどうちなーは豊かじゃない。 薩摩に蹂躙される前から、中国とやまとの顔色をうかがってきたんだ。 その間にうちなーんちゅはとことんまで骨抜きに
された。 独立したって、あっという間に滅びるだけだ」

P.177
「離島の人間はさらなる離島の人間を差別してきた。 途切れることのない連鎖。 生きとし生けるすべての人間は、他者を差別するという一点で共犯者だ。」

P.472
「愛国心がなければ戦争もおこならないだろうとは思っているがね。」

***

1969年の沖縄の米軍基地におけるVXガス保管倉庫での事故、そしてその隠蔽は史実のようです。

***

【2013年12月9日記】

下巻の方がずっと内容が濃く、読み物としても面白いので、とにかく上巻を(我慢して)読破することをお薦め致します。
弥勒世 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 弥勒世 上 (角川文庫)より
4043442092
No.34
(5pt)

読んで良かった。

沖縄の見方が変わったように思います。上下巻と長編でしたが、だんだんと面白くなっていき本当に良かったです。
読み終え少し哀しい気がしました。 
沖縄の哀しい歴史を知りました。
弥勒世(みるくゆー) 下 Amazon書評・レビュー: 弥勒世(みるくゆー) 下より
4093797838
No.33
(5pt)

読んで良かった。

沖縄の見方が変わったように思います。上下巻と長編でしたが、だんだんと面白くなっていき本当に良かったです。
読み終え少し哀しい気がしました。 
沖縄の哀しい歴史を知りました。
弥勒世 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 弥勒世 下 (角川文庫)より
4043442106
No.32
(5pt)

凄く良かった

沖縄の見方が変わった気がします。まだ行ったことがないのですがこの本を読み沖縄の観光目的が変わりました。海よりも基地に行って見たい気がした。
読んでいてだんだん辛く哀しい思いがしてきて最後に来て読み終えるのに時間がかかってしまった。死に向かっているというのがきつかったなー仁美が可哀想でならなかった。
沖縄返還の事や沖縄の真実を教えてもらった、本当にこの本に出会えてよかった
弥勒世(みるくゆー) 下 Amazon書評・レビュー: 弥勒世(みるくゆー) 下より
4093797838
No.31
(5pt)

良かった

読み始めテンポ良く良かったのですが、沖縄の事全く知らずで最初はちょっと付いていくのにしんどかった。
途中で地図を見て沖縄の位置をしっかり確認したり、コザ暴動を調べてみたり・・・
でも本当に読んで良かった。
弥勒世(みるくゆー) 上 Amazon書評・レビュー: 弥勒世(みるくゆー) 上より
409379782X
No.30
(5pt)

凄く良かった

沖縄の見方が変わった気がします。まだ行ったことがないのですがこの本を読み沖縄の観光目的が変わりました。海よりも基地に行って見たい気がした。
読んでいてだんだん辛く哀しい思いがしてきて最後に来て読み終えるのに時間がかかってしまった。死に向かっているというのがきつかったなー仁美が可哀想でならなかった。
沖縄返還の事や沖縄の真実を教えてもらった、本当にこの本に出会えてよかった
弥勒世 下 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 弥勒世 下 (角川文庫)より
4043442106
No.29
(5pt)

良かった

読み始めテンポ良く良かったのですが、沖縄の事全く知らずで最初はちょっと付いていくのにしんどかった。
途中で地図を見て沖縄の位置をしっかり確認したり、コザ暴動を調べてみたり・・・
でも本当に読んで良かった。
弥勒世 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 弥勒世 上 (角川文庫)より
4043442092
No.28
(4pt)

沌と矛盾と怠惰と愚かさと悲しさを描く。

ウチナーンチュの混馳氏が沖縄返還を舞台にした作品を描き
高評価だという情報をみて早速読んでみました。

氏の作品は「不夜城」「鎮魂歌」しか読んでいないのですが
どちらも大変読み応えがあったこと、
そして私自身沖縄に生まれ育ったことから興味深く
さっそく読んでみたのですが

これが、もう、予想以上に、ものすごく面白い。

誰かの評にもあったのですが、
かなり取材しできごとを深く掘り下げて表現されているのでは
ないでしょうか。

物語では沖縄が日本へ返還されるまでの
ウチナーンチュの戦いの様子が描かれているのですが

それは私が生まれる数年前の話。

この本のように
憎しみや不満、悲しさが渦巻いている沖縄を
ウチナーンチュである私はほとんど知らない、想像できないでいました。

しかし。
氏の描く物語は
当時の沖縄の感じが、匂いや湿度、灼熱の光や
人々の目の暗さまで
その場でその体験をしているかのような感覚になってしまいます。

まさに現実以上にリアル。

日本は沖縄を、沖縄はやんばるを、やんばるは離島を差別する。

という一文にハッとしたりヘンに納得したり

小さい島が昔も今も抱える矛盾を、鮮やかにえぐりだしていて
もう、いっそ潔い。

出てくるキャラも一人ひとり、味わい深く、無駄がありません。

ところで主人公の抱える闇、裏切り、狡猾さ、哀しみ は
「不夜城」シリーズにも共通しています。

どこにも受け入れられず、馴染めず、ただ一人
生きる為にもがき続ける。

このキャラ、この視点は、馳星周独特ですね。
上巻は走り抜けるように読みました。
下巻も楽しみです。
弥勒世(みるくゆー) 上 Amazon書評・レビュー: 弥勒世(みるくゆー) 上より
409379782X
No.27
(4pt)

沌と矛盾と怠惰と愚かさと悲しさを描く。

ウチナーンチュの混馳氏が沖縄返還を舞台にした作品を描き
高評価だという情報をみて早速読んでみました。

氏の作品は「不夜城」「鎮魂歌」しか読んでいないのですが
どちらも大変読み応えがあったこと、
そして私自身沖縄に生まれ育ったことから興味深く
さっそく読んでみたのですが

これが、もう、予想以上に、ものすごく面白い。

誰かの評にもあったのですが、
かなり取材しできごとを深く掘り下げて表現されているのでは
ないでしょうか。

物語では沖縄が日本へ返還されるまでの
ウチナーンチュの戦いの様子が描かれているのですが

それは私が生まれる数年前の話。

この本のように
憎しみや不満、悲しさが渦巻いている沖縄を
ウチナーンチュである私はほとんど知らない、想像できないでいました。

しかし。
氏の描く物語は
当時の沖縄の感じが、匂いや湿度、灼熱の光や
人々の目の暗さまで
その場でその体験をしているかのような感覚になってしまいます。

まさに現実以上にリアル。

日本は沖縄を、沖縄はやんばるを、やんばるは離島を差別する。

という一文にハッとしたりヘンに納得したり

小さい島が昔も今も抱える矛盾を、鮮やかにえぐりだしていて
もう、いっそ潔い。

出てくるキャラも一人ひとり、味わい深く、無駄がありません。

ところで主人公の抱える闇、裏切り、狡猾さ、哀しみ は
「不夜城」シリーズにも共通しています。

どこにも受け入れられず、馴染めず、ただ一人
生きる為にもがき続ける。

このキャラ、この視点は、馳星周独特ですね。
上巻は走り抜けるように読みました。
下巻も楽しみです。
弥勒世 上 (角川文庫) Amazon書評・レビュー: 弥勒世 上 (角川文庫)より
4043442092