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緋色の十字章



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【この小説が収録されている参考書籍】
緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)

緋色の十字章の評価: 3.33/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(4pt)

英国製フレンチサスペンス

事件そのものは陰惨なシチュエーションですが、残酷な描写は適度なレベル。
主人公もやたらに何でもできるヒーローではなく、等身大の青年です。
安心して読めるけれど、展開はなかなかサスペンスフルでした。

フランスの農村生活が丁寧に描かれていて、羨ましくてたまりません。
豊かな日常描写はコージーミステリ好きにも受け入れられそうです。
傷ついた男性と自立した女性の恋、という展開は少しばかりロマンス小説風かも。

創元推理文庫は電子書籍版には解説がないので残念です。
そして…ちょっとばかりお値段が高い気がするので、この二点で星一つマイナス。
本文は文句なく面白かったのでシリーズ読破しようと思います。
緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)より
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No.5:
(4pt)

本筋以外も楽しかった。

主人公が杓子定規ではないところが気に入りました。サンドニは彼にとって何にもまして守り抜くべき対象なのでしょう。偏狭な考えの人々についてもフランスの田舎の住人ならば納得できます。事件そのものは陰惨ですけどフランスはもっと残酷な過去をくぐりぬけて来たんだなあと認識を新たにしました。日本のような島国でさえ色々あるのだから多くの国々に囲まれたヨーロッパは基本はしっかりとあとは融通無碍でないと対立ばかりということになりかねませんよね。続編も楽しみ。次々出してください。
緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)より
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No.4:
(2pt)

話の本筋以外のところが気になる…

物語の本筋はフランス近現代史の暗部まで踏み込んだ、なかなかに深い内容で読み応えがあるのですが、物語中に描写されている主人公も含めた住民の有様に嫌な心証を受けました。
他の方も似たご意見をレビューに載せていらっしゃいますが、住民の言動の端々に現れている偏狭さや独善さ、過去への恨みがましさ、「伝統」をお題目に公の法より自分たちの身勝手な決まりを優先させそれを警官までが是認し加担するといういやらしい馴れ合い、悪を悪とせず「村の平和のため」と事実を曖昧にごまかしてしまう偽善、そういったものが私としては鼻について仕方なく、せっかくの美しい風景やグルメの描写もかすんでしまいました。

では、次作はもう金輪際見ない!…かと言うと、実は迷っています。
やはり物語の本筋の構成自体はさほど悪くないのと(良い!と言えないのが微妙ですが)、描写されている自然環境や食材の数々の好さは読んでいて惹かれるものがあります。
新品を買おうとまでは思いませんが。
緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)より
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No.3:
(3pt)

風光明媚なサンドニ

ミステリというにはテンポはゆっくりです。割合悲惨な感じの事件
なのですが、始終のんびりとした雰囲気が漂っています。

この作品は、風光明媚なサンドニと所々入るグルメの数々、
主人公ブノワののんびりした田舎暮らしの描写を楽しむのが
一番の読み方かもしれません。フランスの歴史についても勉強になる作品でした。

ただ料理の描写ですが、言われているほど美味しそうかと言われると
ちょっと・・という感じもしました。食べ物の描写は、食べ物自体か
味わい方により美味しさを感じるもので、細かな料理手順やうんちくは
却って味わいを損ないがちのように思えます。

また、重要かと思われる登場人物の描き方も中途半端です。主人公も
孤児という過去があってもなくてもどっちでも良い感じです。
過去の女性についても、「こんなもん?」という感じでした。
それなら普通に平和主義で有能な独身男性でも良かったのではと。

主人公はこの小さな村に満足し、皆で平和に暮らしていけることを一番に考えています。
小さな村にはわずらわしいだけのEUの法律は無視し、移民問題や人種差別など難しい問題も
ありますが、皆でかばい合い助け合って暮らしていこうとしています。それはそれで
素晴らしいことなのですが、悪いことを悪いこととして扱わない姿勢にはいずれ何らかの
破綻が出るのではないでしょうか。悪い意味での田舎の田舎だけのための法律、のような
都合の良さを感じ、その意味で後味はあまりよくない作品でした。
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No.2:
(3pt)

内容にについて

ブルーノの私生活が描かれる部分はなかなか興味深く、また彼の料理にも大いに食欲をそそられますが、事件そのものの解決へのダラダラ感が退屈。
壁画で有名なフランスのサンドニ村が舞台になっているのはよんで始めて分かり、地理的にはとても興味深かった。
またフランスのアラブ人への人種差別などがテーマであることも重く、世界中の人種差別を改めて考えさせられた。
緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)より
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No.1:
(4pt)

フランスの田舎で起こった殺人事件と第二次世界大戦の傷あと

風光明媚なフランスの田舎サンドニで、のどかな村を揺るがす大事件が発生する。
 五月八日は、第二次世界大戦で、連合軍がドイツを降伏させた、ヨーロッパにおける勝利を記念する日「ヨーロッパ戦勝記念日」である。その五月に、フランスの「戦功十字章」を授与された老人が、腹部を裂かれ、胸にナチス・ドイツの鉤十字を刻まれて殺害された。冒頭から第二次世界大戦の記憶が蘇ってくる。
 さらに、その殺害された老人は、アラブ人であった。現在フランスでは、人口の一割がアラブ人だという。大半は北アフリカからの移民だそうだ。
 しかも、この老人はベトナムでフランスの「戦功十字章」をもらったのち、アルジェリア戦争でも戦った、いわばフランスの英雄だった。そんな英雄的存在だったアラブの老人が、なぜ胸にナチス・ドイツの鉤十字を刻まれて殺害されなければならなかったのか。事件の背後には、単なる戦争の傷あとだけでなく、さまざまな対立や複雑な事情が秘められているのだ。
 本書は、フランスの田舎の小さな村で起こった殺人事件というだけにとどまらず、第二次世界大戦、とりわけナチス・ドイツとの忌まわしい過去や関係にまで言及する物語である。
 しかし、こうした重厚なテーマを扱っているにもかかわらず、決して重苦しくはなっていない。主人公のブルーノ署長や、風光明媚なサンドニ村の豊かな自然と、そこで暮らす村人たちの暮らしぶりが丹念に描かれていて、のどかな雰囲気も存分に満喫できる。
緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:緋色の十字章 (警察署長ブルーノ) (創元推理文庫)より
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