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京都西陣 能舞台の殺人
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京都西陣 能舞台の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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柏木圭一郎氏の『名探偵・星井裕の事件簿』シリーズの第13作目は西陣の京町家だった廃屋を殺人の舞台として使っていました。西陣織という伝統産業と町家の組み合わせですので、現在の京都に関心のある方には興味津々で読まれることでしょう。 そこに歴史ある伝統芸能の能を登場させ、小説に深みと色合いをもたらしていました。カメラマンの星井裕が能の文化を継承する人を取りあげて、モデルとして下鴨神社などを背景に写真を撮るシーンはまさしくドラマのワンシーンのような情景でした。 夏の京都ですので、暑さも加わり観光地の紹介はほとんどありません。この夏の集中豪雨の被害を小説の中に取りこんでいたのは時事的な要素も盛り込む作者の特徴でもありました。 いつものように京都が舞台ですから、星井裕の言葉を借りてご本人のエッセイストとしての柏井壽さんのコメントが伺えます。例えば、錦市場については「立ち食い客が狭い通りを行き交うだけの猥雑な街になりつつある」として「錦も来るたびにひどくなるな」と語らせていました。 柏井壽さんの著書にも紹介してあるホテルを、少し名を変えて登場させていました。「ダイヤロイネットホテル京都八条口」は、東寺の五重塔が部屋からみえるようで、ロケーションの良さは魅力です。また「首途八幡宮」のように知られざる社寺の紹介は嬉しいですね。 名を変えていますが「一歩堂」の煎り番茶、「鳥磐楼」「都観世」「雲竜」や、西村千五郎と鴨川の床で食事をするヴォーリズの「東花菜館」や日本一古いエレベーターなど本筋と関係ない話題も柏木氏のミステリーを読む場合の楽しみの一つです。 ラスト2行の美雪の言葉は能の登場人物とリンクさせていて巧さを感じました。 テレビ・ドラマとしても巧く成立するストーリーでしょう。 | ||||
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