いま、殺りにゆきます
評判
いま、殺りにゆきますの評価:
3.69/5点 レビュー 26件。 E ランク
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1〜15 1/1ページ
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いま、殺りにゆきますの評価:
3.69/5点 レビュー 26件。 E ランク
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2007年9月に情報センター出版局から「2」の刊行と共に文庫復刊されたものを読んだ。
(情報センター出版局版は、なぜかamazonに商品ページがないみたいだが・・・)
復刊にあたっての短いあとがきがついている。
今は言わずもがなのことだが、10年後のために記しておくと
タイトルは2003年から2004年にかけて大流行した純愛作品「いま、会いにゆきます」のパロディである。
短いときには1ページ、最も長い「みっくちゅじゅうちゅ」でも15ページという超短編が38作もこれでもかと連打される。
これほど短いと飽きる前に読み切ってしまうような勢いであるが、おおむねどれも同じような話である。
ほとんどすべての話がインタビュー風の回想であり、いきなり理由もなく襲われ、たいていの場合「犯人は、まだ捕まっていない。」で終わる。
文体的には簡潔明瞭であるが、淡々としたおぞましさがよく表現されている。
しかしながらどうしても本書を推すことにためらいが生まれるのは、どの話を見ても「精神障害者怖い」という感情がありありだからである。
即物的な死の恐怖、そしてそれを理由もなくもたらす人間がすぐ隣にいるというメッセージ。
本書を読む前と後では、たとえば電車で意味不明な言葉を呟く人(時々いる)と乗り合わせた時に抱く感情は
異なるものになりうる可能性が高いと思う。
もちろん、本書の作者が差別主義者であると言いたいのではない。
作者は純粋に現代社会の恐怖を描写したのだと思う。実際にそれは成功している。
しかし一方で、本書の発するメッセージは社会的排除に加担する、ということもまたかなり明らかであると思う。
ホラーというジャンルそのものに根本的な倫理的問題がある、ということが言いうるかどうか私にはよくわからない。
本書の一編を300倍くらい長くしたら第4回角川ホラー大賞を受賞した貴志祐介「黒い家」(1997)になるであろうし、
映画や漫画にも多くの前例がある。
ラブクラフトの恐怖の背景に人種差別があったことも有名だ。
しかし、ここまで直截な形で精神障害者への恐怖を表現した小説には、私ははじめてお目にかかった。
短いぶん、余計際立って見えるということもあるのだろう。
本ページの感想にも、「自分の身は自分で守らなければと思った」というような
コメントが散見される。そのこと自体には、原則的には全く異論は挟まない。しかし・・・
私は今漫画「デビルマン」の終盤、人間社会を破滅させたTV放送を思い起こしている。
悪魔は人間に化けるのがうまいのです・・・
あなたやあなたの家族を守るために・・・
あなた自身の手で殺すのだ・・・