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蒼穹の昴
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蒼穹の昴の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全241件 181~200 10/13ページ
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この本ほど、読みおわるのがもったいないと思った作品はありません。エンターテイメント性に富み、泣かせどころも随所に配置しながら、歴史の大局を崩すことのないストーリー展開は、もう圧巻です。この本に出会えたことに感謝しなければなりません。物語の終盤は、やはり歴史の流れを踏まえていかねばならず、ちょっと(ほんのちょっとです。)トーンダウンのような気がしましたが、それを差し引いても、十分楽しめる作品でした。浅田作品のなかでは、『壬生義士伝』と双璧をなす作品ではないでしょうか。 | ||||
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最初は文庫本で買って読んでいたのですが、途中で「これは我が家の永久保存文庫」と認定し、単行本を買いなおしてしまいました。近代、中国の清朝末期の話。二人の主人公の内、一方は科挙と呼ばれる超難関の国家試験をトップで合格しエリート役人に、一方は自分の未来を信じて、ある行為を行い皇后の付き人にそれぞれの人生は一点を目指して進んでいくが、絡み合う運命の中、何度もすれ違いそして終着点にたどり着く。誰が主人公か。それすらもわからないほど、各登場人物が深く広く描かれていて、物語を彩ります。この本を読み終えたころには、確実に登場人物誰かのファンになっていること間違いなし。健気に強く生きる春児に。強く生きることを強いられた西太后に。みなが強く、やさしくあろうとした人々で、誰もが愛せる人たちです。作者自身が、「この本を書くために作家になった」と言い切るのは納得です。 | ||||
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最初は文庫本で買って読んでいたのですが、途中で 「これは我が家の永久保存文庫」 と認定し、単行本を買いなおしてしまいました。 近代、中国の清朝末期の話。 二人の主人公の内、 一方は科挙と呼ばれる超難関の国家試験をトップで合格しエリート役人に、 一方は自分の未来を信じて、ある行為を行い皇后の付き人に それぞれの人生は一点を目指して進んでいくが、 絡み合う運命の中、何度もすれ違いそして終着点にたどり着く。 誰が主人公か。それすらもわからないほど、 各登場人物が深く広く描かれていて、物語を彩ります。 この本を読み終えたころには、確実に登場人物誰かのファンになっていること間違いなし。 健気に強く生きる春児に。強く生きることを強いられた西太后に。 みなが強く、やさしくあろうとした人々で、誰もが愛せる人たちです。 作者自身が、 「この本を書くために作家になった」と言い切るのは納得です。 | ||||
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最初は文庫本で買って読んでいたのですが、途中で 「これは我が家の永久保存文庫」 と認定し、単行本を買いなおしてしまいました。 近代、中国の清朝末期の話。 二人の主人公の内、 一方は科挙と呼ばれる超難関の国家試験をトップで合格しエリート役人に、 一方は自分の未来を信じて、ある行為を行い皇后の付き人に それぞれの人生は一点を目指して進んでいくが、 絡み合う運命の中、何度もすれ違いそして終着点にたどり着く。 誰が主人公か。それすらもわからないほど、 各登場人物が深く広く描かれていて、物語を彩ります。 この本を読み終えたころには、確実に登場人物誰かのファンになっていること間違いなし。 健気に強く生きる春児に。強く生きることを強いられた西太后に。 みなが強く、やさしくあろうとした人々で、誰もが愛せる人たちです。 作者自身が、 「この本を書くために作家になった」と言い切るのは納得です。 | ||||
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少年期に強い絆で結ばれた二人が、清王朝末期の混乱において、時代に翻弄されながら、それぞれまったくちがった道のりで立身出世をはかります。弱いものは虐げられ、国を憂う理想は踏みにじられるという厳しい現実の中で、自分たちの運命を変えるために、主人公二人が権力を握るための決意をしていく過程は、強い悲壮感が漂います。また、彼らが出世のために支払う多大な犠牲については、感動的ですらあります。当時の中国の歴史が分かるのも良いですね。こういう複雑な心象風景を描ける作家はなかなかいないです。膨大な時代考証も含め作者の気合が伝わってくる名作です。 | ||||
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中国語のピンイン表記は五月蝿い。毛沢東と西太后が同時代の空気を吸ったという事実を知らしめるのは意味あるものの、無理やり。という風に浅田氏のアザトサを上げれば切りがないものの、とはいえそれでも氏の筆力はさすが。一気に読ませる。まぁ清朝末期の小説決定版手付かずの時代に司馬の「韃靼疾風録」を参考にし、認めたのであろう。小説としては司馬の自己完結型・自己物語創作型の史観がないだけ、説教臭くなく良い。・・・結論:浅田氏は面白い、けどあざといという稀有な作家。 | ||||
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まず、予断だが、前半の「科挙」の物語は、日本にこける「科挙」と言われる司法試験を受けてきたものには、日本の司法試験など科挙に比べれば、なんと簡単であったかと思わせるものがあった。 この話は、天衣無縫な地方豪族の次男が科挙に挑戦し、混乱を極める清国最後の時代の歴史の舵取りに向かうと同時に、同じ村の出身者が、宦官となって、もう一つの政権の中枢に向かっていくと言う話を、歴史の流れに沿って、壮大に描いている。西太后の評価は、歴史書とは違った「ああ、こういう見方もあるのか」と思わせるものもあるし、イタリアの画家と「四季」のビバルディーの関係など「本当かな?」でも本当らしいと思わせる迫力がある。ハードカバー2分冊の作品であるが、一気に読めるテンポのある作品である。 続きは、下巻の方で・・・ | ||||
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西太后から政権を奪取しようとする企てに敗れた皇帝と、主人公の末路が後半で描かれている。 この話の中の「白眉」に当たるので、ネタバレになってしまうかもしれないが、清国というか中華の政権の象徴は、実は、このときには存在しなかったと言うさりげない話が、織り交ぜられており、結末を予感させる。 この間、歴史の本では弱腰外交の象徴のように言われた李氏の思慮遠謀は、香港返還としてこの本が出るときに実現している。また、主人公と科挙の順位を争った人物が、(ネタバレで申し訳ないが)毛沢東の家庭教師になるという結末も、その後の中国の行く末を示している。 では、若き皇帝と主人公はその後どうなったのか?そして、謎の女性チャンはどうなったのか? 前者については、ミステリータッチで「珍妃の井戸」として後に出版されたが、他の部分は謎のまま残った。 このことが、この本の最大の欠点で、気になって仕方ない。 しかし、そうした続編を望ませる力量と言うものこそ、この後の名作のスタートになっていると思う。 | ||||
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春児は極貧の糞拾いの少年です.占い師の婆さんが,春児に希望を見いだすことができなかったため,やむをえず「途方もない希望」の嘘の予言を与えてしまいます.春児はその予言を信じてはいなかったのだけれども,あまりの絶望から信じ込むしかないと決めて生き始めます.希望の実現に必要と判断して,10歳でありながら自分の手で自分の体を宦官にしてしまう迫力.最後は西太后の側近となり,予言を叶えてしまうのです.一方,春児の兄貴分だった文秀は,科挙試験にトップで合格し,最後は光緒帝の側近になります.この二人を中心にロマンチストを泣かせるドキドキのストーリーが展開します.運命に立ち向かうには,ここまでやるのか,と驚きの連続.読む時には,時間を作ってまとめて最初から最後まで読破することをお勧めします.その方が,繰り返す波のように感動するはずです.私は間をあけてしまったので,途中で脇役の名前が読めなくなったり,話の中にちりばめられた小さな時限爆弾の存在を忘れてしまいそうでした.清朝末期という難しい時代の歴史解説本としても上出来です.それにしても浅田次郎は,分野の異なる小説の背景をよく勉強してるなあ! | ||||
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これほど読み応えのある歴史小説はなかなか巡り会えないと思います。4巻すべての章が記憶に残っています。中国の清の末期と明治の日本の関わりがわかりやすく描かれていて,登場人物がまるで映画を観ているような感じでした。ちょっと登場した人物が,後で大きな関わりを持ってくるところは,推理小説のようなドキドキ感がありました。それにしても,泣かせてくれます。 | ||||
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浅田次郎の作品の中で一番好きな小説。文庫も出ているが、購入の際は一度買いがおすすめ。続きが気になって眠れなくなること間違いなし。 | ||||
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今までいろいろ浅田次郎の作品を読んできて、「同じ作家の作品?」と思うくらいいわゆる硬派の作品に仕上がっていると思います。学校の時に習った清王朝や西太后、李鴻章など歴史上の人物がまさに目の前で顔が浮かぶくらいの表現で描かれており、改めて浅田さんの洞察力に感服しております。科挙の試験の状況や宦官になるための苦労などいろいろなところで勉強させてもらいました。そして浅田節もちりばめられており、いい作品でした。 | ||||
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寝る間、電車の中も惜しいくらいでした。そして強い心・優しい心に勇気付けられました。是非お読み下さい。 | ||||
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舞台は中国の清朝末期であり、有名な西大后が権力を牛耳る腐敗した政治に列強の侵略がじわじわと始まる内憂外患の時代。二人の主人公のうち一人は、極貧の名もなき少年、春児(チュンル)、そしてもう一人は、春児と同じ村に生まれた名家の型破りにして明晰な頭脳の持ち主の青年、文秀(ウェンシウ)。この二人がそれぞれ力一杯生きて出世してそして歴史に翻弄されていく姿を綴った傑作である。トータル1500頁近くになる大作であるが実に面白いのは、史実とそして中国文化の克明な描写である。 宦官ができあがる様は、その背景から手術の様子まで描かれておりおもわず読みながら顔をしかめてしまう。また、科挙の仕組みとそして実際の試験を受ける部屋の様子や受験者の追い込まれた精神状態の描写は見事としかいいようがない。主人公二人をとりまく人物達は、太平天国の乱、日露戦争、そして香港租借にかかわった大将軍、李鴻章や、欧米化のための公羊学を説いた康有為とその弟子で任侠に生きた譚嗣同は実在の人物であり、それだけに描写に厚みがある。自らイタリアから中国へ宣教師として出向くという運命を受け入れた異色の登場人物である画家、ジュゼッペ・カスチリョーネも実在の人物であることもあとでわかった。台湾の故宮博物院にその作品があるらしい。 実在の人物といえば乾隆帝は皇帝のなかでも別格であり神格化されており西大后の心のよりどころとして、伝説のような存在でありながら、血の通った人物として描かれている。皇帝の家系に伝わる葉赫那拉氏の呪いの伝説も興味深い。フィクションの人物達は実在の人物達に対し、作者の意のままに自由闊達に動くのでこの作品に小説としての醍醐味を与えている。特に、王朝を、欧米と日本の目から観察する新聞記者の岡圭之助とトーマス・バートンは、混沌として内部としての中国と、列強と近代化という外部を結びつける重要な役を与えられている。 | ||||
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あまり本を読まないので4巻全部読むのは大変でした。でも読んだ後、視野が開けたような幸せな気分になりました。がんばって最後まで読んで良かった。 | ||||
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文庫本で4冊ある『蒼穹の昴』の第1巻には、主要な登場人物になる(たぶん)少年と青年が登場します。少年の名は春児(チュンル)。馬の糞を拾って生活の糧にしている貧しい境遇のなか、占い師から「汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう」と予言されました。 幼なじみの兄貴分・文秀(ウェンシウ)も都で栄達することを予言され、その第一歩として科挙の試験を首席で及第しました。文秀が出世するのを待てない春児は、財力も学問もない人間の最後の手段である宦官の道を選び、文秀と決別します。 第1巻では、物語の進行に伴って、中国王朝独特のシステムである宦官と科挙の実態が描写されています。 特に文秀が経験した科挙の場面では何十年も浪人している受験生が登場し、人生を翻弄される秀才たちの悲劇、試験システムの厳格さに目を見張ります。 時は清朝末期。西太后や張作霖が活写される小説の始まりはじまりです。 第1巻から、ひとつトリビアをご紹介。 科挙の答案には、四書五経を前提にした高度な内容が求められますが、内容だけでなく、升目の埋め方も定められた形式に準じていなければなりません。 まず答案用紙の上2格を空欄にして書き始め、皇帝が関係する言葉は、上に突出させて記述します。こうした書式を「擡頭」といいますが、単に特別な言葉を突出させるだけでなく、前行の末尾に空白を作らぬよう工夫しなければなりません。常に字数を計算し、「也」や「矣」などの助辞を駆使して行を埋め、擡頭の敬語がちょうど次の行頭に現れるようにする。 この前行をぎっしりと最後まで埋めることを「徹底」と呼ぶそうです。 「徹底」がこういうところから来ているとは知りませんでした。もちろん、広辞苑にも載っていません。 ふ~ん……。(← 「へーへー」と言わんかい!) | ||||
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文庫本で全4巻で描かれる清朝末期の中国。当時、日本は維新によって既に立憲君主体制を整えていたが、中国も西洋の圧迫から国家体制の変革を迫られていた。日本の明治維新は西洋列強に食い物にされる清を見て早まったともいわれる。中国の歴史は実に5000年。6世紀、隋の時代から続く科挙という学力試験により登用された官僚による政治体制も実に1300年の歴史を持つ。この体制を変革するということは途方もないことであった。まさに太陽の軌道が変わるくらいの変化である。今の中国は急激な工業発展をしているが近代に入っては長らく途上国の位置づけにある。しかし、中国というのはこの1世紀程はそういう状態にあるがそれ以前は人類史において最も長い期間進んだ文化を持つ国である。支配者は変わっても中国は変わらない。この物語はその中国の維新ともいえる時代を数奇な運命をもった主人公によって描いている。実に面白く中国の魅力に触れられる。第一巻では、科挙と宦官という中国王朝の謎めいた部分の描写が行われている。日本でも受験戦争など言われたが、さすがに中国。スケールが10桁ほど違っている。死人まで出てくる猛烈な受験戦争が科挙。そして男性を捨てることによって王宮の奴隷となる他国から見れば奇怪な風習である宦官。しかし宦官たちが中国文化の担い手であったことも確かで、中国という国の独特の色彩を創り上げたと思える。重厚な作品。中国清朝に関心のある方にはお勧め。 | ||||
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私はずっと漫画が大好きであった。子供のころからたくさん漫画雑誌を買い、コミックもいっぱい持っていた。なので、小説というものは滅多に読まず、読んだとしてもライトノベル程度だった。そんな私が書店で偶然見つけ、自分でも大して意識せずなぜか買ってしまったのが「蒼穹の昴」である。私があの時、自分の趣味とは全く違うこの本をなぜ購入したのか、いまだに分からない。しかしそれは運命的な出会いであった。一度読み始めると、今まで感じたことの無い夢中さで必死にページをめくり、寝る時間を惜しんで読書をし、頭の中が完全に支配され、仕事も手につかなくなった。読み終わった後のなんとも言えない感情・・。充実感もあるのだが、もう終わってしまったという喪失感もあり・・・。そして自分の本棚にあった漫画たちを見て、私はいままでこんなものがおもしろかったのか?と自分の中に大きな変化が生まれた。漫画では絶対にこの面白さは表現できない。今ではまったく漫画というジャンルに興味がなくなり、毎日本ばかり読みふけっている。「蒼穹の昴」は私の価値観を完全に変えてしまったのである。ただ、その後相当数の本を読んでいるがいまだに本書を越える作品には出会っていない。可能性があるのは続編の「中原の虹」ぐらいである。ただ、まとめて一つの物語とも取れるし・・・。すこしオーバーに聞こえるかも知れないが、私にとって本書はバイブルである。この作品に出会えたことは人生の財産だと思っているし、一生心に残る作品であるのは間違いない。浅田次郎に心からお礼を言いたい。 | ||||
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筆力ある職業作家として、ある程度なんでも書けてしまう浅田次郎の、渾身の1作。自分はこの第1巻がいちばん好き。張られた壮大な伏線、出だしからキャラクター/魅力を振り撒く登場人物、たった4巻で終わってしまうのが寂しくなるほど壮大な物語、清朝末期の雰囲気に飲み込まれる。 | ||||
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ハードカバーの発売当初から文庫化を待ち焦がれてました。(ハードカバーを買えってか)飽きることも疲れることもなく一気に読める作品です。魅力的なキャラクターに溢れ、読みながら常に映像を思い浮かべることのできる、酔える小説だと思います。・・・ただし、人間ドラマとしてはやはり「浅田次郎」かな。ところどころ直球すぎて、苦笑してしまいます。「鉄道員」で泣けない、と、思った方はやや注意が必要です。それを差し引いても読む価値は間違いなくあり、この時代に興味のない人にこそ、読んで頂きたいです。一気に読んでください。酔えます。 | ||||
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