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蒼穹の昴
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蒼穹の昴の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21~22 2/2ページ
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前半はエンタメとして抜群におもしろい。宦官、科挙、異民族に征服されて誕生した清王朝の歩み、宿命を告げる占い婆など、中国の歴史モノに期待されるスケールの大きな道具立て満載で、徒手空拳の少年/青年二人の、運命に導かれた悲壮な出世譚を描く。いただけないのが、登場人物が増えて絵巻風になる後半。愛を知らぬ中興の祖の皇帝、国を憂う老将、列強国の記者達、国を捨てた宣教師、「確信犯の暴君」という新解釈で描く西太后、など、浅田らしい人間味あふれるキャラクターがこれでもかとばかりに大挙して登場してくるのだが、物語の根幹となる歴史のダイナミックな流れと、各登場人物の造形やプチエピソードがうまく融合せずに違和感が募っていく。急にひょうきんな幽霊にキャラチェンジする乾隆帝、愚鈍なはずが最後で突如粋な気遣いを見せる若君に変身する載沢殿下、あたりはまだしも、前半の主人公二人が完全に埋没して顔が見えなくなってしまうこと、王朝を終わらせるという重責を背負った確信犯のはずの西太后が単なる本当に愚かな老女としてしか描けていないこと、この2点が何よりも痛い。「作家の想像力を駆使した歴史の新解釈」のはずが、不出来なでっちあげに堕した挙句、歴史との辻褄合わせに終始、最後はいつもの人情節でお茶を濁した印象。新境地、野心作たりえた作品が、結果的にいつもの浅田の、「狭い範囲での、憎めない悪役や善人ばかりが登場する都合の良い人情劇」に矮小化された感がある。魅力も欠点も、実に浅田らしい作品といえるのではないだろうか。 | ||||
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主人公は寒村の貧苦の中でも明るい少年、春児。その彼に、村の占い師が「世界の宝をその手にするだろう」と予言をする。それを信じた春児は、都に出て宦官の世界にはいっていく。貧しい庶民の暮らしから、王宮での特殊な暮らしまでを精密に描きあげていく作品だ。そこに漂う匂いまでもが感じられた。徐々に予言が成就していくストーリーだけど、他にも科挙の進士の話がからまって、揺れる清朝の世界が見事に描き出されている。まあしいて言うなら、仏のような西太后がどうしてもイメージと違いすぎた。 | ||||
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