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桃のデザートには隠し味
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桃のデザートには隠し味の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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舞台はアメリカ合衆国テキサス州。南部でメキシコと国境を接している州であり、黒人奴隷、インディアン迫害の歴史、そして現代の移民差別という問題があるわけです。さらに宗教についても多数派は3割程がカトリックらしいですが、新教は様々なものがあり、知人であっても宗派が違えば(メソジストとバプテスト)葬儀に参列しないという、日本とは異なる宗教観であることも分かります。 主人公と、経営する下宿屋の住民全員が元教師という設定は、教師に対して尊敬と信頼があった時代のため、地域社会における捜査が容易になっています。 主人公が作る桃のコブラ―というデザートは名前がちょっと敬遠したいですが、テキサス州が桃の名産地という意外性なども踏まえて、物語は着々と展開していきます。 幾つかの事件が実はすべて関連するものであった、と分かるまでの状況は読むに足る物でしたが、しかしラストで分かった犯人、その動機、その最期はあまりに辛いものでした。 遠い過去の出来事が現在の犯罪につながったり、犯人の行く末を法ではなく神の手に委ねるのはアガサ・クリスティーの作品にもよくありますが、この作品の読後にあるような虚無感や悲しみに達することはありません。「ポケットにライ麦を」「無実はさいなむ」など、犯人への怒りと事件解決の爽快さが大きく勝っています。そこがクリスティーを世界的ベストセラー作家とした実力のなせる業でありましょう。 残念ながらこの本は、そうはなりませんでした。 | ||||
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