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探偵ザンティピーの休暇
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探偵ザンティピーの休暇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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小路幸也さんの作品の中では、『ブロードアレイ・ミュージアム』系統のちょっと粋なアメリカン・テイストを、日本の土地と結びつけた親しみやすいもので、日常のぬくもりを描く『ダウンタウン』や『早坂家の三姉妹』などのもう一つの系統につながってゆく味があります。 主人公は語学に強く、日本語も「寅さん」の映画を観て耳からのみマスターした、マンハッタンの探偵三十八歳。ハードボイルドとしてはどまんなかの設定ですが、旅館の若旦那と結婚して、北海道の「オ・ヴィラ」住まいの妹サンディの依頼で来日します。やさぐれた、というより妹思いの心こまやかな男性です。 そこで展開するのは、「御口さま」という妖怪のたたりがあるので、立ち入ってはいけない御浜とオンジョ岩で見つかった古い人骨の謎。 古い土俗信仰にまつわる物語を、アメリカンな感性で推理してゆく主人公の親日ぶりが何ともほほえましく、日本食や日本の風物に対する暖かい、そして寅さん的目線が旅情とあいまって、独特のユーモラスな世界を作り出しています。 だれの骨かというミステリは、家族史レベルのしみじみとしたものですが、もっと大きなミステリの驚きが最後に待っています。これはいきなり地球レベルのパースペクティブを開くような仕掛けで、作者も狙い澄ましたところかなと思います。それも含めて、風通しのよいさわやかな物語です。 小路幸也ファンなら、ぜったいに裏切られません。 | ||||
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