(短編集)

しらみつぶしの時計

【この小説が収録されている参考書籍】

評判

しらみつぶしの時計の評価:

4.20/5点 レビュー 15件。 D ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.20pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全43件 21〜40 2/3ページ
No.23
(5pt)

なるほどぉ~

単純に面白かったです。
場面への感情移入はありませんでしたが、正解を言い当てるまでのスピード感や理論が面白かったです。
しらみつぶしの時計 Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計より
4396632991
No.22
(3pt)

統一感のない短編集

ノンシリーズの短編集。表題作の解決に至る経緯は、途中までは確かにロジックなのだが、最後の選択はそう言えるのか。「四色問題」はダイイングメッセージものだが、ありがちな感想として、死者の最後のアイディアにしてはちょっと凝りすぎかと思う。「幽霊をやとった女」を読む限り、この著者はハードボイルドの方に適性があるように感じる。「猫の巡礼」は謎もオチもないホラ話なので、ミステリを期待している人は読み飛ばした方が良い。全体的にはバラエティ豊かな小品で楽しめたが、やはりシリーズの新作が読みたいところ。
しらみつぶしの時計 Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計より
4396632991
No.21
(3pt)

統一感のない短編集

ノンシリーズの短編集。表題作の解決に至る経緯は、途中までは確かにロジックなのだが、最後の選択はそう言えるのか。「四色問題」はダイイングメッセージものだが、ありがちな感想として、死者の最後のアイディアにしてはちょっと凝りすぎかと思う。「幽霊をやとった女」を読む限り、この著者はハードボイルドの方に適性があるように感じる。「猫の巡礼」は謎もオチもないホラ話なので、ミステリを期待している人は読み飛ばした方が良い。全体的にはバラエティ豊かな小品で楽しめたが、やはりシリーズの新作が読みたいところ。
しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫)より
4396338112
No.20
(3pt)

統一感のない短編集

ノンシリーズの短編集。表題作の解決に至る経緯は、途中までは確かにロジックなのだが、最後の選択はそう言えるのか。「四色問題」はダイイングメッセージものだが、ありがちな感想として、死者の最後のアイディアにしてはちょっと凝りすぎかと思う。「幽霊をやとった女」を読む限り、この著者はハードボイルドの方に適性があるように感じる。「猫の巡礼」は謎もオチもないホラ話なので、ミステリを期待している人は読み飛ばした方が良い。全体的にはバラエティ豊かな小品で楽しめたが、やはりシリーズの新作が読みたいところ。
しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル)より
4396208863
No.19
(5pt)

『猫の巡礼』は傑作。これだけでも買う価値あり

他の方のレビューにもあるが、本書の収録作には、既にアンソロジー等に収録されてきた作品が複数含まれている。
私も、「既に読んた作品が多いし、ハードカバーで買うのはやめて文庫化を待とう」と考えた。
ようやく読んだが、もっと早く手にとっても良かったな、と少し後悔。
個人的には『猫の巡礼』には非常に感心した。
ありそうで無かった発想(と言うより奇想)に基づく小説だが、その奇想を、実際に愛猫家である作者の経験をふまえたディティールが支えている。
「奇想をディティールで支える」という意味からは、ミステリ小説と同じ手法で書かれており、戦前の探偵小説誌に掲載されていた奇妙な小説と同じようなテイストである。
都筑道夫作品へのオマージュあるいはパスティーシュも、いずれも良くできている。
霧舎巧の『新本格もどき』のような出来の悪い“小説もどき”とは、作家の格の違い、あるいは広義のミステリ全般への愛情の深さの違いが感じられた。
ただ、『四色問題』における退職刑事の設定、「昔硬骨、今恍惚」は原作どおりと言えばそうなのだが、若い読者は、このさらに元ネタである有吉佐和子の『恍惚の人』がベストセラーとなり映画化された時代など知らないはずだ。
「恍惚の退職刑事」というフレーズは、今でも通用するのだろうか?
しらみつぶしの時計 Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計より
4396632991
No.18
(5pt)

『猫の巡礼』は傑作。これだけでも買う価値あり

他の方のレビューにもあるが、本書の収録作には、既にアンソロジー等に収録されてきた作品が複数含まれている。
私も、「既に読んた作品が多いし、ハードカバーで買うのはやめて文庫化を待とう」と考えた。
ようやく読んだが、もっと早く手にとっても良かったな、と少し後悔。
個人的には『猫の巡礼』には非常に感心した。
ありそうで無かった発想(と言うより奇想)に基づく小説だが、その奇想を、実際に愛猫家である作者の経験をふまえたディティールが支えている。
「奇想をディティールで支える」という意味からは、ミステリ小説と同じ手法で書かれており、戦前の探偵小説誌に掲載されていた奇妙な小説と同じようなテイストである。
都筑道夫作品へのオマージュあるいはパスティーシュも、いずれも良くできている。
霧舎巧の『新本格もどき』のような出来の悪い“小説もどき”とは、作家の格の違い、あるいは広義のミステリ全般への愛情の深さの違いが感じられた。
ただ、『四色問題』における退職刑事の設定、「昔硬骨、今恍惚」は原作どおりと言えばそうなのだが、若い読者は、このさらに元ネタである有吉佐和子の『恍惚の人』がベストセラーとなり映画化された時代など知らないはずだ。
「恍惚の退職刑事」というフレーズは、今でも通用するのだろうか?
しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫)より
4396338112
No.17
(5pt)

『猫の巡礼』は傑作。これだけでも買う価値あり

他の方のレビューにもあるが、本書の収録作には、既にアンソロジー等に収録されてきた作品が複数含まれている。
私も、「既に読んた作品が多いし、ハードカバーで買うのはやめて文庫化を待とう」と考えた。
ようやく読んだが、もっと早く手にとっても良かったな、と少し後悔。
個人的には『猫の巡礼』には非常に感心した。
ありそうで無かった発想(と言うより奇想)に基づく小説だが、その奇想を、実際に愛猫家である作者の経験をふまえたディティールが支えている。
「奇想をディティールで支える」という意味からは、ミステリ小説と同じ手法で書かれており、戦前の探偵小説誌に掲載されていた奇妙な小説と同じようなテイストである。
都筑道夫作品へのオマージュあるいはパスティーシュも、いずれも良くできている。
霧舎巧の『新本格もどき』のような出来の悪い“小説もどき”とは、作家の格の違い、あるいは広義のミステリ全般への愛情の深さの違いが感じられた。
ただ、『四色問題』における退職刑事の設定、「昔硬骨、今恍惚」は原作どおりと言えばそうなのだが、若い読者は、このさらに元ネタである有吉佐和子の『恍惚の人』がベストセラーとなり映画化された時代など知らないはずだ。
「恍惚の退職刑事」というフレーズは、今でも通用するのだろうか?
しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル)より
4396208863
No.16
(4pt)

非法月探偵ものを一堂に

法月探偵の出てこない短編作品を纏めた作品。収録作はここ10年くらいで各媒体に掲載されたもので、中には3ページほどの超ショートストーリーや全くミステリーでも何でもない猫の話などバラエティに富んでいる。そのため、純粋な法月氏の本格推理短編を求めるとやや肩すかしだが、本格推理というよりはブラックなオチのサスペンスミステリーとして楽しめる。表題作のしらみつぶしの時計は頭の体操的な完全頭脳ゲーム小説。最後のトゥーオブアスは長編の二の悲劇のオリジナル版なので、まだ二の悲劇を読んでいない人にはかなりプロットのネタばれになるのでその点を留意されたい。
しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫)より
4396338112
No.15
(4pt)

非法月探偵ものを一堂に

法月探偵の出てこない短編作品を纏めた作品。収録作はここ10年くらいで各媒体に掲載されたもので、中には3ページほどの超ショートストーリーや全くミステリーでも何でもない猫の話などバラエティに富んでいる。そのため、純粋な法月氏の本格推理短編を求めるとやや肩すかしだが、本格推理というよりはブラックなオチのサスペンスミステリーとして楽しめる。表題作のしらみつぶしの時計は頭の体操的な完全頭脳ゲーム小説。最後のトゥーオブアスは長編の二の悲劇のオリジナル版なので、まだ二の悲劇を読んでいない人にはかなりプロットのネタばれになるのでその点を留意されたい。
しらみつぶしの時計 Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計より
4396632991
No.14
(4pt)

非法月探偵ものを一堂に

法月探偵の出てこない短編作品を纏めた作品。収録作はここ10年くらいで各媒体に掲載されたもので、中には3ページほどの超ショートストーリーや全くミステリーでも何でもない猫の話などバラエティに富んでいる。そのため、純粋な法月氏の本格推理短編を求めるとやや肩すかしだが、本格推理というよりはブラックなオチのサスペンスミステリーとして楽しめる。表題作のしらみつぶしの時計は頭の体操的な完全頭脳ゲーム小説。最後のトゥーオブアスは長編の二の悲劇のオリジナル版なので、まだ二の悲劇を読んでいない人にはかなりプロットのネタばれになるのでその点を留意されたい。
しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル)より
4396208863
No.13
(4pt)

猫の巡礼

2008年に出た単行本の文庫化。
 1998年からの十年間に発表されたノン・シリーズの短編10本が収められている。個別の作品は雑誌発表後、『大密室』『不透明な殺人』『不条理な殺人』などのアンソロジーにも入っているので、ひとによってはほとんど読んだことがあるなんて可能性も。私も半分くらいは既読だった。
 おさめられているのは、「使用中」「ダブル・プレイ」「素人芸」「盗まれた手紙」「イン・メモリアル」「猫の巡礼」「四色問題」「幽霊をやとった女」「しらみつぶしの時計」「トゥ・オブ・アス」。
 きらりとアイデアの光る秀作が多い。
 「猫の巡礼」が変わっている。愛猫家は読まない方がいいかも。
 表題作「しらみつぶしの時計」は、恐ろしいほど論理的ではあるが、面白いかどうかと言われるとなあ。
しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫)より
4396338112
No.12
(4pt)

猫の巡礼

2008年に出た単行本の文庫化。
 1998年からの十年間に発表されたノン・シリーズの短編10本が収められている。個別の作品は雑誌発表後、『大密室』『不透明な殺人』『不条理な殺人』などのアンソロジーにも入っているので、ひとによってはほとんど読んだことがあるなんて可能性も。私も半分くらいは既読だった。
 おさめられているのは、「使用中」「ダブル・プレイ」「素人芸」「盗まれた手紙」「イン・メモリアル」「猫の巡礼」「四色問題」「幽霊をやとった女」「しらみつぶしの時計」「トゥ・オブ・アス」。
 きらりとアイデアの光る秀作が多い。
 「猫の巡礼」が変わっている。愛猫家は読まない方がいいかも。
 表題作「しらみつぶしの時計」は、恐ろしいほど論理的ではあるが、面白いかどうかと言われるとなあ。
しらみつぶしの時計 Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計より
4396632991
No.11
(4pt)

猫の巡礼

2008年に出た単行本の文庫化。
 1998年からの十年間に発表されたノン・シリーズの短編10本が収められている。個別の作品は雑誌発表後、『大密室』『不透明な殺人』『不条理な殺人』などのアンソロジーにも入っているので、ひとによってはほとんど読んだことがあるなんて可能性も。私も半分くらいは既読だった。
 おさめられているのは、「使用中」「ダブル・プレイ」「素人芸」「盗まれた手紙」「イン・メモリアル」「猫の巡礼」「四色問題」「幽霊をやとった女」「しらみつぶしの時計」「トゥ・オブ・アス」。
 きらりとアイデアの光る秀作が多い。
 「猫の巡礼」が変わっている。愛猫家は読まない方がいいかも。
 表題作「しらみつぶしの時計」は、恐ろしいほど論理的ではあるが、面白いかどうかと言われるとなあ。
しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル)より
4396208863
No.10
(5pt)

1440個の時計の中から、たったひとつの“正しい時計”を見つけ出せ!!

■「しらみつぶしの時計」

  1分ずつ異なり、全部で24時間を表す、
  1440個の時計が配置された回廊。

  「きみ」は6時間で、正しい時を示す
  時計を見つけ出さなくてはならない……。

  臨場感溢れる、二人称の語りによるタイムリミット・サスペンス。

  唯一の正答が論理的に導き出せる、と保証されていることから、
  難癖をつけるクレーマー的詭弁を封じ込めるようにゲームが構成
  されているはずだ、というメタ視点に基づいた推理がなされます。

  アナログ時計とデジタル時計が混在する
  時計群から、選び出すべき組み合わせとは?

  そして、ゲームを象徴する図形だという
  ランドルト環(視力検査の「C」)の意味とは?

  トンチの効いたラストが秀逸です。

■「盗まれた手紙」

  二つの南京錠によって保護された頑丈な鉄の
  状箱から、いかにして手紙を抜き取ったのか?

  ポオの小説に同名のものがありますが、本作は
  ホルヘ・ルイス・ボルヘス「死とコンパス」の前日
  譚を意図して書かれたもの。

  「死とコンパス」は、《後期クイーン的問題》を凝縮したような作品です
  が、本作は、それとは真逆なパズル的興味が前面に出されています。

  探偵レンロットは、事件を連立方程式に見立て、二つ
  の南京錠と鉄の状箱からなる多項式を導き出します。

■「イン・メモリアム」

  デイヴィッド・イーリイ「ヨットクラブ」に倣い、
  「謎の結社」を題材とした、ショート・ショート。

■「猫の巡礼」

  年をとった猫は、前半生のけがれを祓うため、足腰が
  しっかりしているうちに、猫の聖地へ巡礼に赴くらしい……。

  心温まる、非ミステリな幻想譚です。

■「幽霊をやとった女」

  都筑道夫作品のパスティーシュ。

  お定まりのシュチュエーションのもと、外套という小道具を巧みに
  使うことで、往年のハードボイルドのテイストが再現されてます。
  

■「使用中」

  駅ビル内の喫茶店で、「密室」テーマの短篇について
  打ち合わせをしていた中堅推理小説家と新人編集者。

  急に便意を催した二人は、駆け込んだトイレで、
  それぞれ思いもかけない災難に遭うことになる。

  一人はトイレの個室で殺され、もう一人は、同じ個室の中で、死体と
  いっしょに閉じ込められ、出るに出られない状況に追いこまれたのだ……。

  スタンリイ・エリン「決断の時」を下敷きにした作品。

  下ネタ入りのドタバタ劇ですが、「密室の中に被害者以外の第三者が
  閉じ込められる」という状況設定を巧みにリドル・ストーリーに処理した
  快作です。

■「ダブル・プレイ」

  妻に対し、憎しみを募らせていた省平は、
  バッティング・センターで知り合った男に、
  交換殺人を持ちかけられる……。

  『法月綸太郎の新冒険』所収の
  「リターン・ザ・ギフト」の姉妹編。

  交換殺人が、より狡猾な犯罪計画の
  一部にすぎなかったことが、結末で
  明らかになります。

  真相を暗示する、タイトルもお洒落。

■「素人芸」

  妻が、無断で高価な腹話術の人形を買ったことに
  腹を立てた保雄は、衝動的に妻を殺害してしまう。

  その騒ぎを聞いた隣人が警察に通報し、
  二人の警官がやって来るのだが……。

  ロバート・ブロック「最後の演技」のテイストを目指したという作品。

  腹話術の人形といった小道具で、ホラー的雰囲気を
  醸成したかったのでしょうが、生々しく殺伐とした
  夫婦関係とのギャップが激しく、成功しているとは
  言いがたいです。

  ただ、そのちぐはぐな感じが逆におもしろく、
  脱力する結末も含め、味わい深い一品です。
 

■「四色問題」

  戦隊物のヒロインだった女性が、腹を刺されて殺された。

  死の直前、なぜか被害者は左手にはめていた腕時計をはずし、
  そこにナイフで、アルファベットのXのような傷を刻んだという……。

  都筑道夫《退職刑事》シリーズのパスティーシュ。

  判じ物的なダイイング・メッセージに、退職刑事の
  昔の事件の回想がからむという趣向は、シリーズ
  後期のパターンに倣ったものだそうです。

  タイトルの「四色問題」は、あらゆる地図で隣りあった国どうしがおなじ色に
  ならないよう、四色で塗り分けることができるかどうかを数学的に証明する
  問題のことで、それ自体は、本作の事件となんの関係もありません。

  「色」に関しては、被害者が演じていた戦隊物と、彼女が以前
  就いていた、ある職業の専門知識に着目する必要があります。
  

■「トゥ・オブ・アス」

  『二の悲劇』の原型となったデモ・バージョン。

  短篇であるため、トリックの仕組みは長篇版よりもクリアでわかりやすいですが、
  二人称叙述の挿入という作品の主題と連関した趣向がなく、人物の掘り下げも
  浅いため、物語としては、どうしても奥行きや深みに乏しいものとなっています。

  ちなみに、タイトルの「トゥ・オブ・アス」は、『ふたたび赤い悪夢』、
  『二の悲劇』の作中に出てくる映画の題名であり、作者にとっては、
  二人の従兄弟の合作者エラリー・クイーンを含意する言葉だそうです。
しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫)より
4396338112
No.9
(5pt)

1440個の時計の中から、たったひとつの“正しい時計”を見つけ出せ!!


■「しらみつぶしの時計」

  1分ずつ異なり、全部で24時間を表す、
  1440個の時計が配置された回廊。

  「きみ」は6時間で、正しい時を示す
  時計を見つけ出さなくてはならない……。


  臨場感溢れる、二人称の語りによるタイムリミット・サスペンス。

  唯一の正答が論理的に導き出せる、と保証されていることから、
  難癖をつけるクレーマー的詭弁を封じ込めるようにゲームが構成
  されているはずだ、というメタ視点に基づいた推理がなされます。


  アナログ時計とデジタル時計が混在する
  時計群から、選び出すべき組み合わせとは?

  そして、ゲームを象徴する図形だという
  ランドルト環(視力検査の「C」)の意味とは?


  トンチの効いたラストが秀逸です。



■「盗まれた手紙」

  二つの南京錠によって保護された頑丈な鉄の
  状箱から、いかにして手紙を抜き取ったのか?


  ポオの小説に同名のものがありますが、本作は
  ホルヘ・ルイス・ボルヘス「死とコンパス」の前日
  譚を意図して書かれたもの。

  「死とコンパス」は、《後期クイーン的問題》を凝縮したような作品です
  が、本作は、それとは真逆なパズル的興味が前面に出されています。

  探偵レンロットは、事件を連立方程式に見立て、二つ
  の南京錠と鉄の状箱からなる多項式を導き出します。



■「イン・メモリアム」

  デイヴィッド・イーリイ「ヨットクラブ」に倣い、
  「謎の結社」を題材とした、ショート・ショート。



■「猫の巡礼」

  年をとった猫は、前半生のけがれを祓うため、足腰が
  しっかりしているうちに、猫の聖地へ巡礼に赴くらしい……。


  心温まる、非ミステリな幻想譚です。



■「幽霊をやとった女」

  都筑道夫作品のパスティーシュ。

  お定まりのシュチュエーションのもと、外套という小道具を巧みに
  使うことで、往年のハードボイルドのテイストが再現されてます。
  


■「使用中」

  駅ビル内の喫茶店で、「密室」テーマの短篇について
  打ち合わせをしていた中堅推理小説家と新人編集者。

  急に便意を催した二人は、駆け込んだトイレで、
  それぞれ思いもかけない災難に遭うことになる。

  一人はトイレの個室で殺され、もう一人は、同じ個室の中で、死体と
  いっしょに閉じ込められ、出るに出られない状況に追いこまれたのだ……。



  スタンリイ・エリン「決断の時」を下敷きにした作品。

  下ネタ入りのドタバタ劇ですが、「密室の中に被害者以外の第三者が
  閉じ込められる」という状況設定を巧みにリドル・ストーリーに処理した
  快作です。



■「ダブル・プレイ」

  妻に対し、憎しみを募らせていた省平は、
  バッティング・センターで知り合った男に、
  交換殺人を持ちかけられる……。



  『法月綸太郎の新冒険』所収の
  「リターン・ザ・ギフト」の姉妹編。

  交換殺人が、より狡猾な犯罪計画の
  一部にすぎなかったことが、結末で
  明らかになります。

  真相を暗示する、タイトルもお洒落。



■「素人芸」

  妻が、無断で高価な腹話術の人形を買ったことに
  腹を立てた保雄は、衝動的に妻を殺害してしまう。

  その騒ぎを聞いた隣人が警察に通報し、
  二人の警官がやって来るのだが……。



  ロバート・ブロック「最後の演技」のテイストを目指したという作品。

  腹話術の人形といった小道具で、ホラー的雰囲気を
  醸成したかったのでしょうが、生々しく殺伐とした
  夫婦関係とのギャップが激しく、成功しているとは
  言いがたいです。

  ただ、そのちぐはぐな感じが逆におもしろく、
  脱力する結末も含め、味わい深い一品です。
 


■「四色問題」

  戦隊物のヒロインだった女性が、腹を刺されて殺された。

  死の直前、なぜか被害者は左手にはめていた腕時計をはずし、
  そこにナイフで、アルファベットのXのような傷を刻んだという……。


  都筑道夫《退職刑事》シリーズのパスティーシュ。

  判じ物的なダイイング・メッセージに、退職刑事の
  昔の事件の回想がからむという趣向は、シリーズ
  後期のパターンに倣ったものだそうです。


  タイトルの「四色問題」は、あらゆる地図で隣りあった国どうしがおなじ色に
  ならないよう、四色で塗り分けることができるかどうかを数学的に証明する
  問題のことで、それ自体は、本作の事件となんの関係もありません。

  「色」に関しては、被害者が演じていた戦隊物と、彼女が以前
  就いていた、ある職業の専門知識に着目する必要があります。
  


■「トゥ・オブ・アス」

  『二の悲劇』の原型となったデモ・バージョン。

  短篇であるため、トリックの仕組みは長篇版よりもクリアでわかりやすいですが、
  二人称叙述の挿入という作品の主題と連関した趣向がなく、人物の掘り下げも
  浅いため、物語としては、どうしても奥行きや深みに乏しいものとなっています。


  ちなみに、タイトルの「トゥ・オブ・アス」は、『ふたたび赤い悪夢』、
  『二の悲劇』の作中に出てくる映画の題名であり、作者にとっては、
  二人の従兄弟の合作者エラリー・クイーンを含意する言葉だそうです。





しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル)より
4396208863
No.8
(5pt)

1440個の時計の中から、たったひとつの“正しい時計”を見つけ出せ!!

◆「しらみつぶしの時計」   1分ずつ異なり、全部で24時間を表す、   1440個の時計が配置された回廊。   「きみ」は6時間で、正しい時を示す   時計を見つけ出さなくてはならない……。   臨場感溢れる、二人称の語りによるタイムリミット・サスペンス。   唯一の正答が論理的に導き出せる、と保証されていることから、   難癖をつけるクレーマー的詭弁を封じ込めるようにゲームが構成   されているはずだ、というメタ視点に基づいた推理がなされます。   アナログ時計とデジタル時計が混在する   時計群から、選び出すべき組み合わせとは?   そして、ゲームを象徴する図形だという   ランドルト環(視力検査の「C」)の意味とは?   トンチの効いたラストが秀逸です。 ◆「イン・メモリアム」  デイヴィッド・イーリイ「ヨットクラブ」に倣い、  「謎の結社」を題材とした、ショート・ショート。◆「猫の巡礼」  年をとった猫は、前半生のけがれを祓うため、足腰が  しっかりしているうちに、猫の聖地へ巡礼に赴くらしい……。  心温まる、非ミステリな幻想譚です。◆「幽霊をやとった女」  都筑道夫作品のパスティーシュ。  お定まりのシュチュエーションのもと、外套という小道具を巧みに  使うことで、往年のハードボイルドのテイストが再現されてます。  ◆「使用中」◆「ダブル・プレイ」◆「素人芸」◆「盗まれた手紙」◆「四色問題」◆「トゥ・オブ・アス」
しらみつぶしの時計 Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計より
4396632991
No.7
(5pt)

1440個の時計の中から、たったひとつの“正しい時計”を見つけ出せ!!

◆「しらみつぶしの時計」
  1分ずつ異なり、全部で24時間を表す、
  1440個の時計が配置された回廊。
  「きみ」は6時間で、正しい時を示す
  時計を見つけ出さなくてはならない……。
  臨場感溢れる、二人称の語りによるタイムリミット・サスペンス。
  唯一の正答が論理的に導き出せる、と保証されていることから、
  難癖をつけるクレーマー的詭弁を封じ込めるようにゲームが構成
  されているはずだ、というメタ視点に基づいた推理がなされます。
  アナログ時計とデジタル時計が混在する
  時計群から、選び出すべき組み合わせとは?
  そして、ゲームを象徴する図形だという
  ランドルト環(視力検査の「C」)の意味とは?
  トンチの効いたラストが秀逸です。
◆「イン・メモリアム」
  デイヴィッド・イーリイ「ヨットクラブ」に倣い、
  「謎の結社」を題材とした、ショート・ショート。
◆「猫の巡礼」
  年をとった猫は、前半生のけがれを祓うため、足腰が
  しっかりしているうちに、猫の聖地へ巡礼に赴くらしい……。
  心温まる、非ミステリな幻想譚です。
◆「幽霊をやとった女」
  都筑道夫作品のパスティーシュ。
  お定まりのシュチュエーションのもと、外套という小道具を巧みに
  使うことで、往年のハードボイルドのテイストが再現されてます。
  
◆「使用中」
◆「ダブル・プレイ」
◆「素人芸」
◆「盗まれた手紙」
◆「四色問題」
◆「トゥ・オブ・アス」
しらみつぶしの時計 Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計より
4396632991
No.6
(4pt)

高打率

収録作は、進行中の犯罪を描いたもの(倒叙もの?)の「使用中」「ダブルプレー」「素人芸」、パスティッシュの「盗まれた手紙」「四色問題」「幽霊をやとった女」、あえて分類するなら"奇妙な味"というしかない「イン・メモリアム」「猫の巡礼」、パズル小説(?)の「しらみつぶしの時計」、それにボーナストラックの「トゥ・オブ・アス」(『二の悲劇』の短編版)の全10篇。
法月綸太郎ものでは愚直なまでに本格ミステリの定型を意識している感じですが、非シリーズものを集めたこの短編集はバラエティに富んだ内容になっています。非シリーズものの短編集というと以前に『パズル崩壊』が出ていますが、『パズル崩壊』で顕著だった尖鋭的な面は本短編集では見られません。ああいう尖がった部分は、評論のほうで発散できているのかもしれませんね。
著者があとがきで「会心の作」といっている「使用中」が集中のベストだと思いますが、他のほとんどの作品も水準以上といっていいでしょう。
しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (ノン・ノベル)より
4396208863
No.5
(4pt)

高打率

収録作は、進行中の犯罪を描いたもの(倒叙もの?)の「使用中」「ダブルプレー」「素人芸」、パスティッシュの「盗まれた手紙」「四色問題」「幽霊をやとった女」、あえて分類するなら"奇妙な味"というしかない「イン・メモリアム」「猫の巡礼」、パズル小説(?)の「しらみつぶしの時計」、それにボーナストラックの「トゥ・オブ・アス」(『二の悲劇』の短編版)の全10篇。
法月綸太郎ものでは愚直なまでに本格ミステリの定型を意識している感じですが、非シリーズものを集めたこの短編集はバラエティに富んだ内容になっています。非シリーズものの短編集というと以前に『パズル崩壊』が出ていますが、『パズル崩壊』で顕著だった尖鋭的な面は本短編集では見られません。ああいう尖がった部分は、評論のほうで発散できているのかもしれませんね。
著者があとがきで「会心の作」といっている「使用中」が集中のベストだと思いますが、他のほとんどの作品も水準以上といっていいでしょう。
しらみつぶしの時計 Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計より
4396632991
No.4
(4pt)

高打率

収録作は、進行中の犯罪を描いたもの(倒叙もの?)の「使用中」「ダブルプレー」「素人芸」、パスティッシュの「盗まれた手紙」「四色問題」「幽霊をやとった女」、あえて分類するなら"奇妙な味"というしかない「イン・メモリアム」「猫の巡礼」、パズル小説(?)の「しらみつぶしの時計」、それにボーナストラックの「トゥ・オブ・アス」(『二の悲劇』の短編版)の全10篇。
法月綸太郎ものでは愚直なまでに本格ミステリの定型を意識している感じですが、非シリーズものを集めたこの短編集はバラエティに富んだ内容になっています。非シリーズものの短編集というと以前に『パズル崩壊』が出ていますが、『パズル崩壊』で顕著だった尖鋭的な面は本短編集では見られません。ああいう尖がった部分は、評論のほうで発散できているのかもしれませんね。
著者があとがきで「会心の作」といっている「使用中」が集中のベストだと思いますが、他のほとんどの作品も水準以上といっていいでしょう。
しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫) Amazon書評・レビュー: しらみつぶしの時計 (祥伝社文庫)より
4396338112