(短編集)

ブルースRed

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No.1
(7pt)

女アウトローの孤独とプライド

「ブルース」の続編となる連作短編集。ブルースの主人公・影山博人の義理の娘・莉菜が義父の亡き後を継いで釧路の街を制御しながらも、最後には街を出てゆく、ダークヒロインの半生記を描いたハードボイルドである。
自分のミスで義父を殺害されたという贖罪意識を抱えたまま莉菜は、父に代わって釧路の裏側に君臨し、ひたすら父の子である松浦武博を一流の政治家に育てることを目指す。目的のためには冷酷非情に振る舞い、信念を貫き通した莉菜は、武博が一人前に育ったのを目撃すると自ら釧路の街から姿を消した。
「ブルース」で強烈な印象を残した6本指の男・影山博人の後継者にふさわしい莉菜のキャラクターが、前半部分の読みどころ。後半は、アウトローの道を歩んできた女が自分で自分に決着をつける孤独とプライドが泣かせるハードボイルドである。
前作「ブルース」を踏まえた物語なので、先に「ブルース」を読むことをオススメするが、本作だけでも問題なく楽しめる。

iisan
927253Y1