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【アーロン・エルキンズ】 【シャーロット・エルキンズ】
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怪しいスライス プロゴルファー リーの事件スコア 1の評価:
5.00/10点 レビュー 1件。 D ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点5.00pt
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
名刺代わりの1作目
アーロン・エルキンズは私の好きな作家の一人で、彼の代表作は云わずと知れたスケルトン探偵ことギデオン・オリヴァーシリーズである。その彼が新たに書いたシリーズ作品がこの女子プロゴルファー、リー・オフステッドシリーズだ。ただしこれは彼単独の作品ではなく、奥さんのシャーロットとの共作になっている。今回は第1作ということでまずは自己紹介といった色合いが強く、事件もごくごく普通のミステリに仕上がっている。ツアーに参加するはずのスター選手ケイト・オブライエンが現れずにツアーが開催される。誰もがケイトを探していたが彼女と連絡が取れない。初日のラウンドの調子が悪かったリーは試合後ショットの練習をしていると、池の中にケイトの死体を発見する。おまけに彼女のクラブの1つがすり替えられ、そのクラブには血糊がついていた・・・というまさに巻き込まれ型の典型というべき作品だ。さらに主人公リーはプロ1年目でゴルフもアメリカ陸軍時代の配属先のドイツの空軍基地で覚えたという変り種。そして彼女が遭遇するのは地元の警察署に勤めるグレアム・シェリダン警部補という好漢。事件を通じてリーとグレアムは互いに惹かれ合っていくというこれまたロマンス小説の王道。訳者あとがきによればシャーロット夫人はロマンス小説作家とのことで、エルキンズ作品よりもこの色合いが濃い。このリーとグレアムの関係はスケルトン探偵シリーズのギデオンとジュリーの馴れ初めを想起させるが、キャラクター造形はまだ本家の方が上か。さらにエルキンズ夫妻はグレアムをゴルフのゴの字も知らない素人と設定することで読者にプロゴルフ界の世界やエピソードを教えることに違和感なく作品に溶け込ましている。特にそれらのエピソードの中でも女子ゴルファーの生活の厳しさがつぶさに書かれており、まだプロ1年目のリーの、決して裕福でない、いや寧ろ貧困生活の只中で頑張る女性像に胸を打たれるものがあり、感情移入してしまう。ただハングリーだけでなく、リーの良きゴルフ仲間ペグなどは経営コンサルタントを経営するセミプロであり、ゴルフはあくまで生活の糧でなく趣味の延長に過ぎない。ゴルフとは金持ちの道楽、そしてプロゴルファーは押しなべて金持ちの子供がやるもんだと先入観を持っていた私にとってこの辺の話は面白かった。またエルキンズの小説は世界各地をギデオンが色んな形で行く機会を得てその土地のエピソードをふんだんに盛り込んだ観光小説の側面もあるが、このシリーズもまた女子プロゴルファーという各地をツアーで回る職業だから今後のシリーズも同じような特色を持つのだろう。リーは今はまだ下位の貧乏ツアープロだが、シリーズを重ねるにつれて国外ツアーにも招待され、日本を舞台にした事件に巻き込まれる、なんてこともあるかもしれない。前にも書いたが起承転結ときっちりと踏まえた普通のミステリだ。リーが窮地に陥るところもスケルトン探偵シリーズの定型を髣髴させる。しかし当然と云っては失礼だが、まだまだ物語やキャラクター造形に深みが感じさせないので総合的に判断すると普通よりもやや劣る出来栄えに感じてしまう。『世界ミステリ作家事典』によればこのシリーズは夫人のシャーロットが原稿を書いて夫のアーロンが手を入れるというスタイルを取っているとの事。スケルトン探偵の新作が心待ちになるほど、いつも彼の世界観とキャラクター造形の巧みさに魅了されるが、次作、次々作と徐々に親近感を増すことを期待したい。
アーロン・エルキンズは私の好きな作家の一人で、彼の代表作は云わずと知れたスケルトン探偵ことギデオン・オリヴァーシリーズである。
その彼が新たに書いたシリーズ作品がこの女子プロゴルファー、リー・オフステッドシリーズだ。ただしこれは彼単独の作品ではなく、奥さんのシャーロットとの共作になっている。
今回は第1作ということでまずは自己紹介といった色合いが強く、事件もごくごく普通のミステリに仕上がっている。
ツアーに参加するはずのスター選手ケイト・オブライエンが現れずにツアーが開催される。誰もがケイトを探していたが彼女と連絡が取れない。初日のラウンドの調子が悪かったリーは試合後ショットの練習をしていると、池の中にケイトの死体を発見する。おまけに彼女のクラブの1つがすり替えられ、そのクラブには血糊がついていた・・・というまさに巻き込まれ型の典型というべき作品だ。
さらに主人公リーはプロ1年目でゴルフもアメリカ陸軍時代の配属先のドイツの空軍基地で覚えたという変り種。そして彼女が遭遇するのは地元の警察署に勤めるグレアム・シェリダン警部補という好漢。事件を通じてリーとグレアムは互いに惹かれ合っていくというこれまたロマンス小説の王道。
訳者あとがきによればシャーロット夫人はロマンス小説作家とのことで、エルキンズ作品よりもこの色合いが濃い。このリーとグレアムの関係はスケルトン探偵シリーズのギデオンとジュリーの馴れ初めを想起させるが、キャラクター造形はまだ本家の方が上か。
さらにエルキンズ夫妻はグレアムをゴルフのゴの字も知らない素人と設定することで読者にプロゴルフ界の世界やエピソードを教えることに違和感なく作品に溶け込ましている。
特にそれらのエピソードの中でも女子ゴルファーの生活の厳しさがつぶさに書かれており、まだプロ1年目のリーの、決して裕福でない、いや寧ろ貧困生活の只中で頑張る女性像に胸を打たれるものがあり、感情移入してしまう。
ただハングリーだけでなく、リーの良きゴルフ仲間ペグなどは経営コンサルタントを経営するセミプロであり、ゴルフはあくまで生活の糧でなく趣味の延長に過ぎない。
ゴルフとは金持ちの道楽、そしてプロゴルファーは押しなべて金持ちの子供がやるもんだと先入観を持っていた私にとってこの辺の話は面白かった。
またエルキンズの小説は世界各地をギデオンが色んな形で行く機会を得てその土地のエピソードをふんだんに盛り込んだ観光小説の側面もあるが、このシリーズもまた女子プロゴルファーという各地をツアーで回る職業だから今後のシリーズも同じような特色を持つのだろう。
リーは今はまだ下位の貧乏ツアープロだが、シリーズを重ねるにつれて国外ツアーにも招待され、日本を舞台にした事件に巻き込まれる、なんてこともあるかもしれない。
前にも書いたが起承転結ときっちりと踏まえた普通のミステリだ。リーが窮地に陥るところもスケルトン探偵シリーズの定型を髣髴させる。
しかし当然と云っては失礼だが、まだまだ物語やキャラクター造形に深みが感じさせないので総合的に判断すると普通よりもやや劣る出来栄えに感じてしまう。
『世界ミステリ作家事典』によればこのシリーズは夫人のシャーロットが原稿を書いて夫のアーロンが手を入れるというスタイルを取っているとの事。
スケルトン探偵の新作が心待ちになるほど、いつも彼の世界観とキャラクター造形の巧みさに魅了されるが、次作、次々作と徐々に親近感を増すことを期待したい。