平成猿蟹合戦図

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評判

平成猿蟹合戦図の評価:

7.00/10点 レビュー 1件。 B ランク

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平均点7.00pt

感想一覧

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全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(7pt)

ミステリーではないが、面白い

「悪人」より「横道世之介」に近いテイストの作品で、ミステリーではないが、作者の腕の確かさを感じる上質なエンターテイメント作である。
「猿蟹合戦」といえば、親を殺された子供の復讐を周りが助けるお話だが、それを平成の世にもってくるとどうなるか? まず、登場人物が歌舞伎町のバーテン、ホスト、ホステス、ママ、パトロン、ヤクザ・・・と怪しげなキャラクターになる。合戦の舞台はひき逃げ事故に絡む脅迫から衆議院議員選挙へと、微妙に変化していく。もちろん、蟹の親は殺されなければいけないので、殺人や犯罪、犯罪すれすれの悪事、悪事を平気で働く悪人も登場する。だからといって、人間の悪意が渦巻く重苦しい展開になるかといえば、そうでもない。キャラクターが非常に軽く、さわやかに設定されているので、ストーリーも軽やかに展開していく。元のお話が勧善懲悪であることからも分かるように、最後は読者をほっとさせる予定調和のエンディングに収められている。したがって、読後感が悪くないのが、この作品のよさだろう。
「悪人」の吉田修一を期待する人にはオススメしないが、「世之介」が面白く読めた人にはオススメしたい。

iisan
927253Y1