自らナポレオンの生まれ変りと信じ切っている男、はたまたナポレオンの遺品を完璧にそろえたいコレクター。

毎年冬のひと夜外泊をする妻に疑念を抱く夫「女系家族」など、人間の裏の顔を描く11編。

事業に失敗して精神病院に逃げこんだ男が退院してみると、妻はいきいきと働いていた。巨額の借金も返済したという。

もともとの反社会的な要素に加えて、狂気の笑いでもあるのがブラック・ユーモア。

良家の若妻・真樹子は、そろそろ1歳の娘と朝の時間を優雅に過ごしていた。

文筆生活６０年。生み出した小説は900篇超。

1話5分でわくわくできる、本にまつわる18のストーリー。

「イソップ物語」って、本当はこんな話だったの?「アリとキリギリス」「狼と狐」をはじめ超有名な寓話から無名の寓話まで、安土桃山時代と江戸時代に日本語に翻訳されたイソップ物語をもとに、130余のストーリーを紹介。

成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。

親友のS君が、とびきりの美女を射止めた。余りのねたましさに私は、これはよくないことの前兆ではないか、とすら考えた。

楽して簡単にお金を手に入れる方法はないものか。子どもを誘拐して身代金。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

日常の娯楽、おやつの時間。銀座の名店から量販店のお菓子まで、甘いのもしょっぱいのも分け隔てなく食べ尽くします。

絶世の美女ヘレネと王子パリスが駆け落ちした。ヘレネを略奪した者は、求婚した者全員から報復を受ける。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

売れないタレント・おかえりこと丘えりかは、依頼人に代わり旅をする「旅の代理人」。

許せない。生かしてはおけない―惚れたホステスはとんでもない悪女だった。

白い犬の神秘、金色の月にひそむ秘密、赤い酒がもつ魔力、青いハイヒールが暗示する運命、緑色の目が映し出す青春の苦しみ…。

植物の「声」を聞く機械を発明した男が耳にしたものは? 小説自動作製機は何を成し遂げるのか? 教養ある男が企んだ甘美な復讐のお味は? 短篇の名手が、人生という道路に、時にぽっかりと口を開ける非日常という落とし穴を描いて見せる非情でブラックな短篇の数々。

碁打ち鳥飼馬鹿の中とは、妙法寺の住職には当たらない言葉であろう。

人気作家たちが描き出す、宝物のような11編 さあ、物語を探しに行こう! 「小説すばる」創刊35周年記念特別アンソロジー いきなり文庫! 眠れない夜。

轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。被害者は森元隆一。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

「おばちゃまの目はどうして、そんなに怖く光っているの?」「それはお前を殺すためだよ」…不意に暗転するメルヘンの世界。

恐怖は人間の最も古くからの感情だと言われている。真っ暗闇の中で野獣に襲われる恐ろしさを想像してみれば、容易に納得がいく。

誰もが口を揃えて「人格者」だと言う、仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が、身体を拘束された餓死死体で発見された。

郁子が頼まれたアルバイトの内容は、別人になりすまして横浜元町へ行きワンピースを一着買い求め、さらに店で小物入れを忘れて帰ることだった…(「奇妙なアルバイト」より)。

現代ホラー小説30年の至宝を一挙収録。

コンビニの店員が男にナイフを突きつけられるなか、電話の音が響いた。

鬱屈した日々を送る大学生、筧井雅也(かけいまさや)に届いた一通の手紙。

加賀友禅についての資料を集めに金沢を訪れた男が、かつてこの地を一緒に旅し、翻弄された女性に思いを馳せる(「鳥瞰図」)。

スケッチ旅行といつわって親友の夫と逢う瀬を重ねる女流画家・安津子。

国道沿いにあるコーヒー店。店の名前は絵里花。

人は人生において、3回真剣に待つことがあるという。いつ来るか。

「お探し物は、本ですか？仕事ですか？人生ですか？」。仕事や人生に行き詰まりを感じている５人が訪れた、町の小さな図書室。

あなたは気付いたことは、ありませんか?気味の悪い偶然の重なり、形をとらない悪意の棘、得体のしれない不安感…。

列車の隣席に坐った女は、奈緒子がマダムをする店のマッチを手にしていた。

わけもなく他人に怖れられる恐怖。

男女のすれ違いと愛憎、人生に待ち受ける思わぬ陥穽、驚愕の結末―夏樹静子氏がその作品でミステリー界に残した足跡はあまりに大きい。