小説作法の奥義
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読物として面白いし、作家の制作の機微もわかって嬉しいが、小説書くために読もうとすれば、教養を身に付けてから来いと言われて、門前払いになるだろう。 | ||||
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文学は何のためにあるのか? 第一章では、伊藤整(せい)の定義が紹介されて面白い。「芸術(文学)は、他のいっさいの文化・科学が社会全体の幸福を願うものであるのに対して、これはそれを必ずしもよしとできない個人が己の立場を、切ない願いを、べつな真実を訴えるものだ」(P23) さて、本書にはしばしば著者の親友なるものが登場する。貴重な意見を述べる。けだし、これは架空の人物ではあるまいか。「この友に言わせれば、小説には“よくぞ騙してくれました”というジャンルがあるのだそうだ」(P199)という記述があるが、これは作者自身が過去のエッセイで綴っていることだ。 最後の第十章では『花の命』という自作を取り上げ、登場人物の口を借りて、AIが人間と決定的に違うのは死ねないことだという持論が語られる。これも面白い。「人間だけが死を考えて思案を深くしてきたのよ。(中略)人間は死ぬから深いの。そこにはAIは入り込めやしないわ」(P257) 読んでいるうちに気づいてきたのだが、本書は阿刀田高本人による『阿刀田高を知っていますか』である。これまで多くの『知っていますか』シリーズを書いてきた著者が――「米寿を前にしてみずからの死を考える」(P264)という著者が――ほかならぬ阿刀田高のダイジェストに取り組んだのではないか。 | ||||
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『小説作法の奥義』(阿刀田高著、新潮社)は、小説を物しようという人だけでなく、文章を書く人にも役立つヒントが満載です。著者の体験に基づいているので、説得力があります。 ●書き出しと語り口は短編の命 「短編小説は読者のもとに長くお邪魔しない。奥ゆかしく、礼儀正しい文学である。現実の出来事を写したり、あるいは写したように見せる物語を基本に作られる長編小説に比べて、イマジネーションを多彩に、自由に膨らませることもできる。しかし、逆に言えば、最初の数行で読者をイマジネーションの世界に引き込まなくてはならない。そうなると魅力的な書き出し、そして語り口が重要となる」。この後に具体案が続きます。 ●松本清張のメモの活用 「うれしいことに松本清張もメモの活用をエッセイに綴っている。相当に入念だ。そのエッセイ『黒い手帖』からメモの一例を拾えば、<×月×日 時間表マニア、殺人事件の発覚。*『点と線』の原型的ヒント>。この一行から名作『点と線』が生まれたとすれば、これに続く想像力が凄い」。 <ヒントは、私の場合、ぼんやりと何もほかのことを考えないで、頭脳が解放された、のんびりした状態の時にポカッと浮かんでくるので、こればかりは、一生懸命に机にしがみついて、頭をかかえこんだからといって浮かんでくるものではありません。だから、浮かんできたら、その場で、ただちに、持ちあわせた手帳なり何なりにメモしておきます。突然湧いたものだけに、すぐ記憶からうすれるということが非常に多く、あとで考えても、一体あれは何だったかなと、思いだそうとしても出てこないことがあるほどです。だから、なるべく、いつもノートを用意しておいて、思いついたら、すぐに一語でも二語でも簡単にメモしておくことが大切であります>。 メモ魔の私には、嬉しい情報です。 ●オリジナリティあるダイジェストを目指して 「『難解な古典をダイジェストするコツはなんですか』と、よく問われる。いろいろ方法はあると思うが、心がけていることをいくつか挙げれば、まず、自分が『おもしろい』と思うトピックスから入ること。『ギリシア神話を知っていますか』の場合は、私の好みとして、波乱万丈、血沸き肉躍るトロイ戦争の発端を描くところから始めた。同じくらい有効な手法として、作者の紹介から入るのも良いだろう。たとえばホメロスやシェイクスピア、ダンテ。それぞれに人間くさいエピソードが伝えられているし、その生死にまつわる史跡もある。現代の読者にも身近な話題を提示して、徐々に作品に誘導する。しかし、何よりも大切なことは『なぜ今、他の誰でもない自分が、この古典をダイジェストし、新しい解釈を語るのか』を明確に意識すること。ダイジェストには、オリジナリティが不可欠で、これがなくては、目的が曖昧になってしまう」。このコツは、書評を書く場合にも役立ちそうです。 | ||||
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著者の小説作法、その奥義をきちんと教示する本ではナイ。テーマとは、モチーフとは、プロットとは、など章展開することはない。雑文書きが作家として認められていく辺りからのことを軽いノリで書いた回顧禄である。 著者には『私が作家になった理由』という本がある。日経新聞の「私の履歴書」に書いたものを単行本化したものだ。それと似た印象である。 しかし、ずっと読んでいくと、散りばめられてアルことが分かる。奥義がである。アイデアの出し方やら、メモの取り方やら、出てくる。一見してすぐに分からない。オモテに出ていない。なるほど、奥義である。 著者は米寿になられるという。長い作家生活で身に着けた技術であり作法が開示されていく。軽い気持ちで読める。そのようにされたのは読者への親切というものであろう。身構えずに学べるとは贅沢な話である。 | ||||
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阿刀田高の作品はほとんど何も読んだことがありません。 そういう私は楽しく読めました。功成り名を遂げたおじいさんに縁側でお話を聞く感じです。今日一日いい時間がもてました。 中島敦をもう一度読みたいと思いました。今度図書館で阿刀田高の作品を探してみます。 「小説作法」という点では、そうなるかどうかわかりません。 | ||||
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