【大西巨人】
迷宮
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一九四二年一月、対馬要塞の重砲兵聯隊に補充兵役入隊兵百余名が到着した。陸軍二等兵・東堂太郎もその中の一人。
新人作家・大螺狂人が終戦直後の文芸雑誌の依頼により小説執筆を決意するまでを戯画的に描く第一部笑熱地獄。
2.26事件、戦争、召集、労働運動、差別、左翼文学、東欧民主化、フェミニズム、エイズ……。
妥協を許さぬ小説や批評の書き手で知られる大西巨人は幼少期より古今東西の詩文を愛好してきた。
その年、そしてその7年後、二つの殺人事件が起きた―。第一の事件の犠牲者は尾瀬路迂。
15年戦争中から敗戦後現在までの日本人の魂の変遷(発展)を抽出。無神論的・唯物論的にして宗教的な物の樹立を―。
10年前の「あの事件」を背景に、哄笑と衝撃をはらみつつ、描き切られた「この国の闇」。
凛とした人間の生き方。明晰な生命観、世界観が横溢する傑作短篇小説集。
母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び、映画をみて笑いころげ、友人の女出入りに関係して人を殺害し、動機について「太陽のせい」と答える。
アルジェリアのオラン市で、ある朝、医師のリウーは鼠の死体をいくつか発見する。
迷子捜し専門のアメリカ人探偵ディスコ・ウェンズデイの目の前で六歳の梢に十七歳の梢が侵入。真相の探究は全てを破滅へと誘う。
穏やかな引退生活を送る男のもとに、見知らぬ弁護士から手紙が届く。日記と500ポンドをあなたに遺した女性がいると。
「〈自閉〉から往還へ」の軌跡を追い、大江健三郎が「経験の弁証法」により作家であり続けた意味を問う。
友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。
記憶や人格などの情報をコンピュータに“ダウンロード”することが可能となった21世紀なかば、ソフトウェア化された意識、“コピー”になった富豪たちは、コンピュータが止まらないかぎり死なない存在として、世界を支配していた。