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迷宮
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迷宮の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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もっと若い頃に読めば、つまらない、判らない、で済ましたことが、今読むと、先行思想を踏まえつつ。持ち前の嫌みで、判る人に判る構成で緻密に考察しているのが判ります。中学生の頃大西巨人先生の本がいっぱい並んでいて、評判は聞いていたのでブンガクだと、いっぱい借りて、目を通したのは間違いないのに何の記憶もなく、目で舐めただけで返したことがあります。タイトル的に、その頃あったような大西巨人作は図書館に既になく(図書館てけっこう除籍処分で、あげることどこもしてますね)そういう、今は亡きな、ものも懐かしく買い集めてます。 現在も借りれるものも当然ありますけど、さあ読んだ返した、でなくじっくり噛んで含めないと、(本書もそう)よく分からない作品になっております。大西作品は、 でも、ある日判ると、自分の読書成長も判るし、興奮します。名作は映画になるような活劇的分かり易さだけのもので構成されているものでなく、 こうして、長い人生を渡り初めて理解して、その深さに驚く、というものもあります。この作品は、キャラクタの人生模様でなく、あちこちに散らされているメッセージを徐々に感応するようなものを目指しているのだと感じました。 | ||||
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本作品は、推理小説という枠組みをとりながら、人間の老いと創造力というもの、安楽死あるいは尊厳死に対する是非というものを、考えさせられます(森鴎外『高瀬舟』の影響もあるのでしょう)。最後は、第四章『幽霊をめぐって』からの連関が素晴らしく、文字通り「うまくやられた!」的ではあるのですが、単なる推理小説を超えた、哲学的な問いを読者に残すところが、筆者の手腕であり、純文学作家たる所以です。 また、明らかに筆者が投影された人物である皆木旅人が、イプセンを始め、様々な作家や歌人や思想家について言及するところは、文学的に勉強になります。特に、第四章において、皆木が、「言論・表現公表者」の在るべき姿勢について言説する箇所は、多少なりとも文学に関心を持つ人は、必ずや読んでみるべきだと思います。 つまりは本書は、人間的な、文学的な、未完の問いを読者に残す好書です。 | ||||
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