著者綺堂が、長く病に臥せっていたとき『江戸名所図絵』を通読、これが『半七捕物帳』を書くきっかけになったという。

歌舞伎を好んだ著者綺堂は、江戸の風土と季節感を巧みに描きながら、随所に江戸っ子のしゃれた会話をもりこんでいる。

欧米の探偵小説に造詣の深かった著者綺堂は、作品の舞台を江戸時代に置き、四十五歳から六十五歳まで、二十年間を費やして本作品を書き上げた。

岡っ引上がりの半七老人が、若い新聞記者を相手に昔話を語る。

『半七捕物帳』は、著者綺堂が江戸末期の切絵図をはじめ、古今東西にわたる広汎な史料を渉猟する中から生まれた。

彼は江戸時代における隠れたシャアロック・ホームズであった―。雪達磨の中から発見された死体。

折口信夫、乱歩も絶賛した「かむなぎうた」、ほの暗く、ほの明るい幻想怪奇「東天紅」、民俗的ミステリ風味「吉備津の釜」、得意の台湾物「消えた家」、呪いの家「ひこばえ」、泉鏡花賞「泥汽車」、ハイカラ右京番外篇「明治吸血鬼」…澁澤龍彦も種村季弘も賛美した異端のダン

人の業がなせる、恐ろしくも切ない怪談話の語り部・宮部みゆき。

今度お逢いした時は、きっと誠さんを刺します…吉原の惣名主となった松永誠一郎の前に、凛とつややかな女が現れる。

痒み止めの新薬「王疹膏」を売り出していた瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。

江戸で噂の、「持つ者は子宝に恵まれる」という宝船の絵。

さらば猿渡。少年の飼い猫は、見る者に運命を知らせる眼を持つ。

ごめんくださいまし──。宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。

親から継いだ牧場で黙々と牛の世

おちかに代わり三島屋次男坊・富次郎が新たな聞き手に。心揺さぶる極上の江戸怪談、新章突入─。

神田明神下に住む、凄腕の岡っ引・銭形平次。

弁護士デクスターが休暇中に出会ったのは、瑠璃色の瞳で霊を見るエイルマー・ヴァンス。

江戸は神田の袋物屋・三島屋は風変わりな百物語で知られている。語り手一人に聞き手も一人。

宮部みゆきさんの書き下ろし短編「人・で・なし」を読んだ辻村深月さんが「ママ・はは」を書き下ろし、その辻村さんの短編を読んだ薬丸岳さんが「わたし・わたし」を書き下ろし…バトンは東山彰良さん、宮内悠介さんへ。

江戸を舞台に、人形のような色男である佐七が繰り広げる推理劇。最初で最後の大全集。

江戸を舞台に、人形のような色男である佐七が繰り広げる推理劇。最初で最後の大全集。