シルバービュー荘にて

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種別
長編
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1,331回
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1
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3
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あらすじ

2024年06月19日 シルバービュー荘にて (ハヤカワ文庫NV)

ロンドンで敏腕トレーダーだったジュリアンは海辺の町で書店主となった。まもなく亡父の友人だというエドワードが現われ、書店の地下室に強い興味を示す。その頃イギリスの情報機関「部(サービス)」で国内保安の責任者を務めるプロクターが、子連れの若い女性に渡された手紙から自国の危機を知り、調査を開始。やがて、その調査はジュリアンの周囲に迫っていく。スパイ小説の巨匠の遺作。あとがき/ニック・コーンウェル(「BOOK」データベースより)

評判

シルバービュー荘にての評価:

8.00/10点 レビュー 1件。 A ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点8.00pt

シルバービュー荘にての総合評価:

9.23/10点 レビュー 13件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.12
(5pt)

ジョン・ル・カレの遺作

一度読了したものの今ひとつピンと来なくて続けざまに再読、そうしてやっと全体を理解でき、またあちこちに配置されたディテールの洒脱さにも気付かされるという、ルカレ作品特有の充実した読書体験を本書でもまた味わうことができました。

本書はルカレ本人が亡くなった後、作家である息子さんによって発見され、若干の手直しを経て発表された遺作ということですが、息子さんによるあとがきを読むと、そうした一連の流れも全て計算に入れた上での本作なのかな、と思いました。

本人は生前、英国諜報部に対し作品も含めて決して表立った批判はしなかったといいます。そこは筋を通したという事かと思いますが、諜報部に対して思うところがなかった訳では無く、また完璧な存在と思っているわけではない(とはいえ愛着は勿論ある)といった本音の部分がここでは割とストレートに表現されているように感じます。

だからこそ、本人は筋を通して生前に発表せず(出来ず)、ルカレの意図を理解しているであろう息子さんに「絶筆の発見」という形で委ねたのでしょう。その巧妙さには感心させられますし、同時に遺作を託すことで息子さんに対し作家として信頼しているというメッセージをこめた最後の贈り物になっているところ、そのメッセージをしっかりと受け取った事が伝わる息子さんのあとがきも含めての素晴らしい作品だと思いました。
シルバービュー荘にて (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: シルバービュー荘にて (ハヤカワ文庫NV)より
4150415269
No.11
(5pt)

ジョン・ル・カレの遺作

一度読了したものの今ひとつピンと来なくて続けざまに再読、そうしてやっと全体を理解でき、またあちこちに配置されたディテールの洒脱さにも気付かされるという、ルカレ作品特有の充実した読書体験を本書でもまた味わうことができました。

本書はルカレ本人が亡くなった後、作家である息子さんによって発見され、若干の手直しを経て発表された遺作ということですが、息子さんによるあとがきを読むと、そうした一連の流れも全て計算に入れた上での本作なのかな、と思いました。

本人は生前、英国諜報部に対し作品も含めて決して表立った批判はしなかったといいます。そこは筋を通したという事かと思いますが、諜報部に対して思うところがなかった訳では無く、また完璧な存在と思っているわけではない(とはいえ愛着は勿論ある)といった本音の部分がここでは割とストレートに表現されているように感じます。

だからこそ、本人は筋を通して生前に発表せず(出来ず)、ルカレの意図を理解しているであろう息子さんに「絶筆の発見」という形で委ねたのでしょう。その巧妙さには感心させられますし、同時に遺作を託すことで息子さんに対し作家として信頼しているというメッセージをこめた最後の贈り物になっているところ、そのメッセージをしっかりと受け取った事が伝わる息子さんのあとがきも含めての素晴らしい作品だと思いました。
シルバービュー荘にて Amazon書評・レビュー: シルバービュー荘にてより
4152100699
No.10
(5pt)

圧倒的な読後感。ル・カレの遺作に相応しい傑作。

圧倒的な読後感に言葉を失う。2020年12月に亡くなったこの巨匠の遺作。巻末に彼の息子が
父に依頼されてこの作品を完成させてくれと生前言われたと述べている。だが、本質的な部分で
手を入れるところは全くなく、きっと父はこの作品を世に出すべきか否かを最後まで逡巡していたに
違いないと。つまりル・カレが所属していた組織に対してここまでの真実の吐露は裏切りになるので
ないかと。自分が属していた組織や、組織員に関しての秘密は一切触れないことを生涯の指針に
していたル・カレが最後に伝えたかった「物語」。彼にしては珍しい些か短めの作品だが、彼のすべてが
凝縮されて詰まっている宝石のような作品。稀代の有能な諜報員エドワード。彼がボスニア紛争時に
経験した事件。ある意味、極めてル・カレらしい人物描写と彼の行動動機。ひとりの人間が、純愛
とも言える愛情の為に自分の人生を賭けた戦いとは。ル・カレ自身が生涯を捧げた組織が、本当はその
値打ちさえないと言えば。きわめて地味な作品だが、是非映画化して欲しい。原作にとことん
忠実な形で。
シルバービュー荘にて (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: シルバービュー荘にて (ハヤカワ文庫NV)より
4150415269
No.9
(5pt)

圧倒的な読後感。ル・カレの遺作に相応しい傑作。

圧倒的な読後感に言葉を失う。2020年12月に亡くなったこの巨匠の遺作。巻末に彼の息子が
父に依頼されてこの作品を完成させてくれと生前言われたと述べている。だが、本質的な部分で
手を入れるところは全くなく、きっと父はこの作品を世に出すべきか否かを最後まで逡巡していたに
違いないと。つまりル・カレが所属していた組織に対してここまでの真実の吐露は裏切りになるので
ないかと。自分が属していた組織や、組織員に関しての秘密は一切触れないことを生涯の指針に
していたル・カレが最後に伝えたかった「物語」。彼にしては珍しい些か短めの作品だが、彼のすべてが
凝縮されて詰まっている宝石のような作品。稀代の有能な諜報員エドワード。彼がボスニア紛争時に
経験した事件。ある意味、極めてル・カレらしい人物描写と彼の行動動機。ひとりの人間が、純愛
とも言える愛情の為に自分の人生を賭けた戦いとは。ル・カレ自身が生涯を捧げた組織が、本当はその
値打ちさえないと言えば。きわめて地味な作品だが、是非映画化して欲しい。原作にとことん
忠実な形で。
シルバービュー荘にて Amazon書評・レビュー: シルバービュー荘にてより
4152100699
No.8
(5pt)

本当の遺作も筆の冴えは衰えていませんでした。

ル・カレは、遺作である本書『シルバービュー荘にて』のなかでボスニア・ヘルツェゴビナ紛争のなかで本当に起きた事件を背景にしています。
それは「スレブレニツァの虐殺」というセルビア人勢力がボシュニャク人を虐殺した事件です。
イギリス諜報員のフロリアン(エドワード・エイボン)は、そのボシュニャク人の村でヨルダン人の医師夫婦と十三歳の息子と親しくなっていました。
諜報活動で村から離れていた時にこの虐殺があり、村に帰った時には医師と息子は殺され、奥さん(サルマ)だけ生きていました。
フロリアンが医師と息子の埋葬を手伝ったのち奥さんをジープで連れ去ったことになっています。
優秀だったフロリアンが部(サービス)の助けを受けて帰国してからがこの物語が始まります。
思想信条が大きく方向を変えたエドワードと部(サービス)に忠誠を尽くす優秀な諜報員の妻(デボラ・エイボン)との確執から、ル・カレは、イギリスの諜報活動の瑕疵を描こうとしてこの『シルバービュー荘にて』を書いたと思います。
『スパイはいまも謀略の地に』が遺作として3年前に読んだのですが、『シルバービュー荘にて』という本当の遺作を興味深く読むことになりました。
シルバービュー荘にて (ハヤカワ文庫NV) Amazon書評・レビュー: シルバービュー荘にて (ハヤカワ文庫NV)より
4150415269

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