断罪のネバーモア
- 本格ミステリ (563)
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冒頭まではありきたりな警察ミステリーだと思っていた。登場人物も癖がありそうだが、これまでの筆者の作品よりは薄味かなと感じており、一章、ニ章とトリックや事件自体は興味深いものだったが、僕自身の脳細胞を刺激する様子ではなかったんだ。気になっていたのは、モノローグや章の合間の挿話が特殊で、どの様に本筋と絡んでくるのかという事だった。 しかし、市川憂人は単純な警察ミステリーではおわらなかった。 ミステリー好きだと、少なからず物語の行く先を邪推してしまい、結末を知ったときがっかりしてしまう事も多いが、今作では僕が邪推した流れをいとも簡単に、嘲笑うかの様に超えていき、全く予想だにしていない結末へと物語を展開していった。 主人公の藪内唯歩のキャラクター設定はここ最近読んだ小説の中でもずば抜けて魅力があり、ある意味でネガティブな(エピローグで語られる先輩達とのやり取りは思わず微笑んでしまった。)それでいて芯のところで強さを感じさせる人物像は、主人公然とする設定にピッタリだった。 その他、他の組織メンバーは、序盤、人物像が捉え難く余り心に残らなかったが、終盤一気に魅力が溢れて、僕を惹きつけていった。 密室シリーズから少しづつ離れながら、途方もないストーリーを生み出して進化を続けている筆者から今後も目が離せないだろう。 | ||||
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警察小説と本格ミステリの組み合わせ方がうまい。 特に第三章以降の勢いがすごく、そこから面白さのギアがもう一段あがった感じ。一部、犯人の行動に納得いかないところも残ったが、全体的にロジックが端正で話の意外性も楽しめたので本格ミステリ好きの人にはおすすめ。シリーズ化するのだろうか。 | ||||
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タイトルが「断罪」にポーの「大鴉」と関わる「ネバーモア」とは面白そうな匂いしかしないと衝動買いでした。 トリックとかはそれほではないですが、警察ものとして面白かったです。 舞台は、過去への不祥事から民営化された警察がいるパラレルな世界で、東京オリンピックもコロナで開催されなかったという世界です。 主人公は新米刑事の薮内唯歩(いまさらですが、名前が「藪のうちを唯だ歩む」と読めますから、泥臭く突き進む主人公らしい名前です)。 最初は過去の連続殺人の捜査と解決の場面からはじまり、これがこのミステリーの内容になるのかと思ったところで、時間が飛び、主人公が登場します。 簡単な殺人事件が解決され、次々とおきる事件を唯歩が追いかけるのですが、それが過去の事件とも実は関係があって…と展開していきます。 小さい事件の解決も見ごたえありますし、そこから終盤の展開も面白かったです。 主人公のキャラ性もよく、シリーズ化したら、ドラマやアニメとかにもなれそうです。 もっともストーリーに関してはネタバレになるので、これ以上は言えないです。 話の中心かどうかは言えないのですが、この作品で書きたかったことのひとつは「警察の民営化」でしょう。 民営化そのものは良し悪しあるので言えないのですが、物語序盤で「民営化ですべてよくなる」みたいに描かれていました。 私はこの冒頭を読んだときに、現実でのさまざまなことから反論したい意見をもちました。 ところが、物語が進むなかで、私がそうして反論したいと思ったことが描かれていました。 「民営化ですべてよくなる」という話のうまい人間が主張していた大都市が、災害がおきたり数年後に悪化した現実もあれば、 民間優秀と高い役職についたものが実際の公務員の激務に耐えられなかったとかがありました。 また上が行政、下が民間という組織がバラバラなありかたは、中抜きや天下りが介入できる余地がある問題点もあります。 民間といいながら国民の義務を主張してお金を要求する組織もあります。 また効率や数値重視をした組織の場合、面倒な仕事や失敗しそうなことを人に押しつけたり、必要でも評価されない業務を敬遠したりということも発生したりします。 ようは「警察の民営化」というのは必ずしもよくなるとは限らないという一種のシミュレーションもやっているのでしょう。 もっとも悪い面ばかりでもなく、警察は就職が難しく、人がどうしても不足してしまうので、民営化することで、 門戸をひろくして採用しやすくなることで、価値観を増やすことや人材の確保にもつながるのではないかという面も描かれています。 現に主人公の唯歩が現行の制度ではおそらく採用されないような人材でしょうから。 舞台そのものは2022年という現代ですが、パラレルな世界で、近未来な警察ミステリーものという感じです。 がっつり歯ごたえのあるミステリー読みたくかったので満足できました。 | ||||
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