弔い月の下にて
- 劇団 (96)
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
弔い月の下にての総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「変格探偵小説」とはなんぞや? ということで勉強のつもりで読んでみた一冊。 で、読後の感想はといえば……結局「変格探偵小説」って何なの? キリシタンゆかりの孤島兼洋館で起こる連続殺人の顛末。 冒頭の四十ページ近くは壱岐に遊びにきた主人公三人によるコントと駄弁で、その後、登場人物の紹介だけで百ページかかり、(この小説は大丈夫なのか?と)先行きが不安になったところで第一の殺人が発生してからは推理合戦の連続! 連続! であります。 ただ、主人公たちによる推理合戦、根拠の乏しい想像というのが正直な印象でして、「顔のない死体」というだけで自信満々に「被害者と加害者の入れ替わり」だと決め込んでしまったりします。なんでそんな推理に語り手も聞き手も納得するんですか…… そして、結末ではいちおうの解決があった後、オカルトな解釈もできるよね? という衝撃のオチ。 もっとも、いちおうの解決の方も、説明はついても証明はできないだろ! というたぐいの推理なものでして、オカルトな解釈の方が現実的に思えてしまうんだから困ったもの。なんだか奇妙な味わいの読後感でした。 ……つまり、これが「変格探偵小説」ということでいいの? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品は倉野憲比古作品のファンにとっては待望の一作となった。 本作はあらすじの通り、本格のガジェットが大いに揃った作品だ。 しかし著者は「本作は変格探偵小説なのか? はたまた異形の本格なのか? 読者諸賢の御判断に委ねたいと思う。」と語る。 そういった視点で読んでいくのが楽しい作品だ。 10年ぶりの再デビュー作ともいえるこの作品は、登場人物こそ前作にお馴染みの三人だが、シリーズの要素を知らずとも単体で読むことができる。 一方で、複雑なバックグラウンドはおそらく意図的に削がれており、むしろこの三人が何者なのかがわからない可能性はある。 もしこの作品から倉野作品に入った読者は、シリーズ前二作を読んで『スノウブラインド』の衝撃と『墓地裏の家』での三人の物語を追いかけてみてほしい。 物語としては冒頭から惹き込まれる内容で、作者の趣味も盛り込まれていて面白い。 登場人物たちの抱える愛憎や、病理、そして思惑がうまく描かれていて、謎が次第に歪な形の「解釈」へと了解されていく様は倉野ミステリの醍醐味だ。 作者の小説や、変格ミステリの入門としては相応しい作品だろう。 シリーズにお馴染みの「了解操作」による事件の解釈、そしてその奥に存在するもの………… 変格探偵小説か異形の本格か。 まさにそんなテーマを常に突きつけられながら楽しんだ作品だった。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 2件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|