私という名の変奏曲
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
私という名の変奏曲の評価:
8.00/10点 レビュー 3件。 B ランク
私という名の変奏曲の総合評価:
7.79/10点 レビュー 19件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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連城先生の長編では本作品が最高傑作だと思っている。個人的には「黄昏のベルリン」も好きだし、最近だと「造花の蜜」も捨てがたい。いや、「流れ星と遊んだころ」も度肝を抜かれたぞ。しかしながら本作の魅力には到底かなわない。かっこいいタイトル、緊迫感がすごい前半、クセの強い美文、傍点の多い後半(本格ミステリ好きは傍点が多いと興奮するはずだ)などはまった理由はいくつもある。
中でももっともすごいのは、このバカミス一歩手前の設定である。7人も容疑者がいて、誰もが自分が殺したと思っているのだ。さすが連城三紀彦。途中までは、「ああ、この主人公と対峙して殺した謎の人物(男性か女性かもわからない)を推理するのだな」と思っていたが、そんな単純な物語にするわけないのだ。一体どういうことだと読み進めて、真相が明らかになると、当然度肝を抜かれる。真相もバカミス一歩手前だが、そこはこの筆力でこんな解決をきっちり成立させてしまうのだな。
しかし本当にすごいのはこの先である。
【以下、結末に触れます。この結末に触れずに本作品のすごさを語ることはできないと思うので、ご容赦下さい。】
【気になる方は読後にご覧ください】
レイ子は7人の容疑者の面前で一度ずつ自分が殺されるシーンを演じきり、7回目で毒薬を飲み自殺したわけだ。ということは7回目がどの容疑者だったかは重要でないことになる。以上より、冒頭のレイコが殺される(演技をする)シーンで誰かわからないような書き方をしている理由は、読者が最初に考えたように、作者がこの容疑者がわからないように隠して表記したためではなく、すべての容疑者がこの謎の人物にあてはまるように、あの書き方になっているのである。本当ならレイコと容疑者が対峙するこのシーンを容疑者一人ずつあてはめて、7回読み返すべきなのだ(まあそんなことする人はいないだろうが)。私はこの、連城先生の意図に気づいたとき、電車の中なのに本を落としてしまった。こんな設定と真相を思いつくだけでも天才的なのに実際に小説にして、さらに作中では成立させてしまう構成力と筆力。そして読者にしかけたミスディレクション。われわれの想像のはるか上を行く超絶技巧である。
出版社さん、恋愛作品でもいいのでもっと復刊して下さい。電子書籍ならもっと簡単ではないでしょうか。