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私という名の変奏曲



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私という名の変奏曲の評価: 3.82/5点 レビュー 17件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.82pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全17件 1~17 1/1ページ
No.17:
(5pt)

作者の真の意図に唖然とする

【ネタばれ注意】最後の文章で真相について触れています。

連城先生の長編では本作品が最高傑作だと思っている。個人的には「黄昏のベルリン」も好きだし、最近だと「造花の蜜」も捨てがたい。いや、「流れ星と遊んだころ」も度肝を抜かれたぞ。しかしながら本作の魅力には到底かなわない。かっこいいタイトル、緊迫感がすごい前半、クセの強い美文、傍点の多い後半(本格ミステリ好きは傍点が多いと興奮するはずだ)などはまった理由はいくつもある。

中でももっともすごいのは、このバカミス一歩手前の設定である。7人も容疑者がいて、誰もが自分が殺したと思っているのだ。さすが連城三紀彦。途中までは、「ああ、この主人公と対峙して殺した謎の人物(男性か女性かもわからない)を推理するのだな」と思っていたが、そんな単純な物語にするわけないのだ。一体どういうことだと読み進めて、真相が明らかになると、当然度肝を抜かれる。真相もバカミス一歩手前だが、そこはこの筆力でこんな解決をきっちり成立させてしまうのだな。

しかし本当にすごいのはこの先である。

【以下、結末に触れます。この結末に触れずに本作品のすごさを語ることはできないと思うので、ご容赦下さい。】

【気になる方は読後にご覧ください】

レイ子は7人の容疑者の面前で一度ずつ自分が殺されるシーンを演じきり、7回目で毒薬を飲み自殺したわけだ。ということは7回目がどの容疑者だったかは重要でないことになる。以上より、冒頭のレイコが殺される(演技をする)シーンで誰かわからないような書き方をしている理由は、読者が最初に考えたように、作者がこの容疑者がわからないように隠して表記したためではなく、すべての容疑者がこの謎の人物にあてはまるように、あの書き方になっているのである。本当ならレイコと容疑者が対峙するこのシーンを容疑者一人ずつあてはめて、7回読み返すべきなのだ(まあそんなことする人はいないだろうが)。私はこの、連城先生の意図に気づいたとき、電車の中なのに本を落としてしまった。こんな設定と真相を思いつくだけでも天才的なのに実際に小説にして、さらに作中では成立させてしまう構成力と筆力。そして読者にしかけたミスディレクション。われわれの想像のはるか上を行く超絶技巧である。

出版社さん、恋愛作品でもいいのでもっと復刊して下さい。電子書籍ならもっと簡単ではないでしょうか。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.16:
(5pt)

奇妙な設定と関係者の独白

一つの死体に七人の殺人者。
こんな奇妙な設定を、今まで考えた人がいたでしょうか?
これらの関係者の独白の様な形で物語は進行します。
そうした被害者と犯人たちの語りの間を、警察の捜査の担当者の考えが繋ぎます。
この犯罪(?)の奇妙さと、語られる文章の進行の上手さで、どんどん物語に引き込まれてしまいます。
本格ミステリーの旗手らしい素晴らしい発想の作品です。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.15:
(4pt)

変奏曲はレイコによって奏でられた

7人の加害者は、それぞれ自分がレイコを殺したと思っている。
それを仕掛けたのはレイコ。
流麗な文章によって次々に謎が解き明かされていくが、一番のミステリーは彼女自身だ。
富も美しさもすべてを手にれているかのように思えたが、誰かのせいによって、心が壊されていった。
そんな彼女が切なく悲しい。

すべてが明かされたラストには驚かされた。余韻は悪くない。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.14:
(5pt)

優しさと愛に飢えた主人公

第一章 レイコの指は七人の男女を加害者に仕立てる変奏曲を奏でる。 私のそばに誰かがいる。 そんな言葉で始まる愛のミステリー。 誰かとは誰なのか? 一人目、二人目・・と流麗な文章で解き明かされていく。 そして七人目は?驚きの展開と結末。 レイコの心の闇とは何なのか、 一番のミステリーは彼女自身なのかもしれない。 現代技術をもってすれば、トリックなど解明されそうだが そんな事は大したことがないと思えるように、 読み出したら、止まらなくなった。 ※10月にスペシャルドラマがあるとの事。 原作とドラマは別物と思っていますが、放映されるのが楽しみです。
私という名の変奏曲 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (文春文庫)より
4167900750
No.13:
(1pt)

パクリです

沢尻エリカさん主演の映画「ヘルタースケルター」のパクリです。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.12:
(4pt)

そこにあるのは、冷めない愛

ドラマ化されると聞いての初連城作品です。

20年前の作品ですが、色褪せない感覚を受けました。
そう感じるのは、小説を通して描かれている「愛」だからでしょうか。
「愛」と「憎しみ」… 得てすれば相反する感情。
そのあたりが、ミステリー小説ですが、そう感じさせないのかもしれません。

プロットが上手く、どうやって「7回殺される」のか、
読者を焦らすかのように進みます。
それと、予想しなかった終わり方。
魅力ある小説です。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.11:
(4pt)

ストーリーが奇抜?

文章自体は読みやすいが、はじめは導入部分はとっつきが悪い感じあり。次第に全体像がわかると面白みがましてきた中盤、最後は少し尻すぼみのかんじであった。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.10:
(5pt)

哀しく美しい変奏曲

ミステリとしての核のアイディアが、かなり突飛なものであるため、一つ間違えればリアリティ皆無の駄作になりかねない内容を、巧みな修辞と繊細な心理描写に彩られた文章に溶かしこむことで、ミステリアスで美しい物語の変奏曲とした傑作。
文章の作曲家・演奏家としての連城三紀彦氏の優れた筆力あってこその、青春の輝きを瞬時にして奪われた少女の哀しみと怨嗟を、流麗な旋律にして奏であげた名曲だろう。
描かれた事件を、必ずしも実行に移された犯行ととらえる必要はない。全ては絶望の淵に投げだされた少女の脳裏に、一瞬燃え広がった運命への暗い復讐の幻影―。そんな風にも筆者には感じられた。
私という名の変奏曲 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (文春文庫)より
4167900750
No.9:
(2pt)

ミステリーの断末魔

推理小説のネタが出尽くすとこういうトンデモナイものが出てくるという見本の一つ。何しろ一人の女が七回同じ方法で殺されたというのであるから。結城信孝が「叙述ミステリ日本編ベストテン」に入れていたので読んだが、ここまで来ると叙述だかバカミスだか分からない。まあ普通こんなアホなことは思いついても書かないだろうに、推理作家は因果な商売である。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.8:
(5pt)

綱渡りのような超絶技巧の代表作。待望の復刊

数多ある連城三紀彦の傑作群の中でも長編において屈指の傑作(初刊1984年)。
ミステリとしての超絶的技巧と小説としてのエレガントな情緒性が綱渡り的なバランスで両立した希有な作品。
著者が一般的に、特に晩年は恋愛小説の書き手としてのイメージばかりが強調されるのが、ファンとしては歯痒いばかりだった。本書のような掛け値なしの代表作が復刊され、正当に評価されるのは本当に喜ばしい。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.7:
(3pt)

力技に頼った感があり、竜頭蛇尾の感が否めない作品

冒頭での一人の女性モデルの死に対して、7人の人間が次々と殺人の独白をする。M.ルブラン「殺人四重奏」を想起させる構想だが、ヒロインの女性モデルを含めた関係者達の人間模様の描写が秀逸。ヒロインの心理や関係者達の人生の一断片を見事に映し出している。また、物理的には不可能な状況を、心理の綾で可能とする連城氏の持ち味を出そうとした作品であろう。それにしても7人は多過ぎるのではと当初思った。独白者の人数を7人に増やした理由が困惑性・不可解性だけでは不充分で、何か組み合わせによる仕掛けがある筈だと期待した。しかし、7人が同じパターンを繰り返しているのを確認して、トリックとして弱い部分を感じた。「殺人四重奏」では、多角的視点で同一殺人を扱う事に依って読者に錯誤感を与えているのであって、同一パターンの繰り返しでは考えられるトリックは一つしかない。傑作中編集「夜よ鼠たちのために」を長編化したような作品かと思ったが、やや力技に頼った感がある。人間心理の翳は良く描かれているだけに、トリックにもう一段の工夫が欲しかった。竜頭蛇尾の感が否めない作品。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.6:
(3pt)

力技に頼った感があり、竜頭蛇尾の感が否めない作品

冒頭での一人の女性モデルの死に対して、7人の人間が次々と殺人の独白をする。M.ルブラン「殺人四重奏」を想起させる構想だが、ヒロインの女性モデルを含めた関係者達の人間模様の描写が秀逸。ヒロインの心理や関係者達の人生の一断片を見事に映し出している。また、物理的には不可能な状況を、心理の綾で可能とする連城氏の持ち味を出そうとした作品であろう。

それにしても7人は多過ぎるのではと当初思った。独白者の人数を7人に増やした理由が困惑性・不可解性だけでは不充分で、何か組み合わせによる仕掛けがある筈だと期待した。しかし、7人が同じパターンを繰り返しているのを確認して、トリックとして弱い部分を感じた。「殺人四重奏」では、多角的視点で同一殺人を扱う事に依って読者に錯誤感を与えているのであって、同一パターンの繰り返しでは考えられるトリックは一つしかない。

傑作中編集「夜よ鼠たちのために」を長編化したような作品かと思ったが、やや力技に頼った感がある。人間心理の翳は良く描かれているだけに、トリックにもう一段の工夫が欲しかった。竜頭蛇尾の感が否めない作品。
私という名の変奏曲 (1984年)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (1984年)より
B000J6XEUS
No.5:
(4pt)

1人の被害者に7人の加害者

週刊文春1984年 国内8位
世界的トップモデル 美織レイ子が毒殺された。彼女に恨みをもつもの男女7人。それぞれが、自分が犯人と自覚していたのだが ・・・。
1人の被害者に、7人の加害者。加害者は共犯ではないので、1人が7回殺害されたことになる。トリックの実現性はともかく、その発想と読者のミスリードの仕方が面白かった。
途中、予想外の事態を発生させて、真相をわかりにくくさせるなど、作者の巧みさを印象づけられる。ただ、この綿密な犯罪計画を立てるに至った動機が、いまいちピンとこないのが残念なところ。
読みやすいのだけれど、『戻り川心中』のような格調の高さ(?)を期待していたので、そこははずれてしまった。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.4:
(5pt)

七回殺された女

車にはねられ、顔に傷を負った少女は、整形手術を受け、絶世の美貌を手に入れた。
のちに、世界的なファッションモデル・美織レイ子となった少女は、整形
してからの人生で関わった七人の男女と、互いに殺意を抱くようになる。
そしてついに、七人のうちの「誰か」が、毒入りグラスとレイ子の
グラスをすり替えた。それがレイ子の計略通りだったとも知らずに……。
 一人の被害者を、七人の男女が、それぞれ同じ手口、同じ
 場所で殺害したという、不可能現象が扱われている本作。
 SF的設定が導入されていない本作では、超自然的要素が何ら
 介在することなく、作中できちんと、合理的な解明がなされます。
 本作で用いられているトリックには突っ込みどころもありますが、“犯人”の
 心理に強烈に作用するものなので、不自然とまでは言えないと思います。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.3:
(4pt)

七回殺された女

車にはねられ、顔に傷を負った少女は、整形手術を受け、絶世の美貌を手に入れた。

のちに、世界的なファッションモデル・美織レイ子となった少女は、整形
してからの人生で関わった七人の男女と、互いに殺意を抱くようになる。

そしてついに、七人のうちの「誰か」が、毒入りグラスとレイ子の
グラスをすり替えた。それがレイ子の計略通りだったとも知らずに……。

 一人の被害者を、七人の男女が、それぞれ同じ手口、同じ
 場所で殺害したという、不可能現象が扱われている本作。

 SF的設定が導入されていない本作では、超自然的要素が何ら
 介在することなく、作中できちんと、合理的な解明がなされます。

 本作で用いられているトリックには突っ込みどころもありますが、“犯人”の
 心理に強烈に作用するものなので、不自然とまでは言えないと思います。
私という名の変奏曲 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (文春文庫)より
4167900750
No.2:
(3pt)

まあまあ

連城三紀彦の作品はとかく評価が高いが、何をもってかいまだによくわからない。初期の「戻り川心中」などは見事だと思うけれど、「人間動物園」なんて相当退屈だった。そんな中で、本書は、テンポ良く読めて、面白かった作品。トリック的には相当無理があると思うけれど、むしろそのようなことは気にせず、この上質なサスペンス感を味わうことが、この作品の読み方。
私という名の変奏曲 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (新潮文庫)より
4101405077
No.1:
(3pt)

まあまあ

連城三紀彦の作品はとかく評価が高いが、何をもってかいまだによくわからない。初期の「戻り川心中」などは見事だと思うけれど、「人間動物園」なんて相当退屈だった。そんな中で、本書は、テンポ良く読めて、面白かった作品。トリック的には相当無理があると思うけれど、むしろそのようなことは気にせず、この上質なサスペンス感を味わうことが、この作品の読み方。
私という名の変奏曲 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:私という名の変奏曲 (文春文庫)より
4167900750

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